泣く子も黙る絶景ビーチ。下地島の17ENDの海です。この海は、もしかしたら日本一きれいかも。そんな気にさせる、うっとりするほど美しい海。
でも、17END(17エンド)って、ビーチの名前としては変わってますよね。
宮古島周辺でも、砂山ビーチとか吉野海岸とか渡口の浜など、地名という感じの呼び名が多いのですが、何故ここは17という数字なのでしょうか。
「17END」のうんちくは、当ブログで以前にも書きましたが、検索してみると、いいかげんなことをそれっぽく書いてあるサイトが多いので、大人気なくも今回は、それらに反証したいと思います。笑
知っていてもちょっとしか役に立たない、無駄知識を徹底解説します。
下の写真をご覧ください。Google先生の航空写真ですが、滑走路に17と書いてあるのがお分かりでしょうか。
この17という数字が17ENDの名前の由来だと考えられるのです。
滑走路の端には、パイロットに向けて、着陸する方位を示す二桁の数字がマーキングされています。
これは、北を起点とした方位角(東西南北の角度)を、下一桁を切り捨てた二桁で表示するルールとなっています。
つまり、真北が「36」で、時計回りに「01」「02」・・・「35」となるわけです。
滑走路は両方向から着陸出来るため、下地島空港の滑走路は「Runway17/35」となります。
反対側には「35」と書かれています。
次に「END(エンド)」ですが、文字通りEND、終わりのことで、滑走路の終端です。
あれっ、と思いませんか? そぉぉぉぉぉ~なんです。
北側からアプローチする場合の方位角17の滑走路のENDは、終着点である南側になければおかしいですよね。
そうすると本当の17ENDは、こちら。下地島空港の南端ということになります。
そうなると、17ENDの海はここということになってしまいます。
それでは、滑走路の先端は何というのか調べて見たら、Threshold(スレッショルド:しきい値・境界)だそうです。
ということは、17ENDだと思われていた場所は、実は17Thresholdが正しいということになります。
実は自分も、17ENDでもいいのではないかと思っていたのです。それは、航空業界で「Approach End」という言葉があるからです。
つまり滑走路のアプローチ(着陸)する側のエンドということで、ややこしいのですが、17(Approach)ENDもありだ、という記事があったからです。
ただ、さらに航空業界のサイトの世界に深入りすると、どうもRW17というように特定の滑走路を指す場合、「Approach End」は紛らわしいので、「Threshold」と「End」で統一されているのだとか。
もう付いていけないワールドに突入していますが、どうも、17ENDはなさそうな・・・(嗚呼頭痛が)
滑走路の名前はそれで分かったとして、そもそも、このビーチの元々の地名は何だったのかと思いますよね。
ここに地名はなかったのです。
下地島空港は、建設に当たり3000㍍級の滑走路を有する空港として計画されましたが、そのために島の北側を埋め立てました。
その埋立地の西側に、潮の流れで砂が溜まり、今のような絶景ビーチが姿をあらわしたのです。
ですから、元々はただの海で名前がなかったところ、滑走路の端っこの17と書いてある辺りのビーチということで、いつからか17ENDの海と言われるようになったとか。
というわけですが、17ENDの海はあくまで愛称、通称、俗称であって、ブロックビーチ(池間島)やネコの舌ビーチ(来間島)と同じです。
皆がそう呼んでいてそれで意味が通じればいいのです。当ブログでも、今更呼び名を変えようとは思いません。
ちなみに、本当の17END?である南側の海を、当ブログでは、35ENDと紹介したことがあります。
あっちが17ENDならこっちは35END、誰かが言っていたから、よし面白い、採用!みたいな軽いノリだったのですが、いつの間にかGoogle先生の地図にもそう書いてある。
マジかぁ~
この記事を書いてみようと思ったのは、ある大手サイトに『このビーチのことを17エンド「じゅうななえんど」という人が多いが、正式な読みは「ワンセブンエンド」である』とあったからです。
こいういう中途半端な知識が一番恥ずかしい。
方位角の読み方はその通りです。管制とパイロットのやり取りは英語ですし、「ゼロセブン」「ワンセブン」などのように数字を重ねます。
ですが、場所としての表示としては誤りです。
正式というならば、「Runway 35End Westside beach」、若しくは、「Runway17Threshold Westside beach」となるはずです。
日本語で言うならば、「滑走路方位角17先端西海岸」ですね。
だから何なの?と思われるかも知れませんが、まあいいじゃないですか。笑
これを読んでいただいて、うんちくを披露したら、間違って尊敬されるかも知れないですぞ。
それに、海はきれいだし。
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