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2025年8月29日金曜日

竹富島のなごみの塔は結局どうなった?




 竹富島のなごみの塔から見た島の伝統集落の眺めです。ただし、これは10年くらい前の写真です。この景色は今は見ることができません。

 修復はとっくの昔に終わっているのに、何故?



 なごみの塔は、地表からの高さが約10メートル、塔自体の高さは4.5メートルのミニ展望台ですが、平坦な竹富島を見下ろすことができる絶景スポットでした。

 階段の傾斜が60度もあり、展望スペースも大人2人がやっとという、今時あり得ない建造物なのですが、そのスリリングな面白さもあり、常に観光客が並ぶ人気の場所でした。




 なごみの塔は、昭和28年に建造されました。観光用に造られたわけではなく、元々は、島人に対しての伝達事項をここからメガホンを使って叫んだそうなのです。

 本来の役目は終えたものの、誰でも自由に昇り降りできたので、いつしか絶景スポットとして観光客に名の知られる存在になりました。

 国の登録有形文化財にも指定されています。

 

 なごみの塔は長年、特別な規制もなく誰でも自由に昇れ、利用者も節度を守り譲り合って利用し、特段の問題も生じませんでした。


 ところがあるときから、無理矢理大勢昇ったり、手すりに思いっきりもたれて自撮棒で写真を撮るなど、傍から見ていて危なっかしいことをしている奴らがいると問題になり始めます。

 なごみの塔自体も、コンクリートの剥離などの劣化が進み、もうこのまま放置できないと、2016年9月、老朽化を理由に封鎖されてしまいました。




 その後、2019年から補修工事に入り、高圧洗浄、躯体や鉄筋のさび・剥落補修、表面モルタル剥離の修理、亀裂補修などを行い、安全性強化のため階段や塔上部に手すりを付け、階段下には門扉を設置する工事が行われました。

 事業費として、設計監理に498万円(国の補助金)、工事に1628万円(国からの一括交付金)、合わせて2126万円もの国費が投入されました。

 2020年3月には工事も完了し、町長が視察のため登っています。




 その直後にコロナ時代に突入したため、閉鎖されていましたが、そのまま2025年に至るまで、鉄製の門扉が開かれることはありません。一体何故。

 


 知り合いの島人に聞いてみたところ、「管理者が決まらないから」とボソッと教えてくれました。

 なるほど。そういうことか。


 なごみの塔は、誰が造ったのか、誰が所有者なのかもハッキリしません。
 観光客など来ることもない時代に周辺住民が造り、本来の役割であるメガホンでのお知らせがなくなってからそのまま放置されていました。

 それから20年、30年と経ち、島に観光客がやって来るようになると、誰のものかも分からないけど、誰も文句を言わないから勝手に昇っていた、という状態だったのです。


 それが、なまじ2千万円超の国費を使って補修したものだから、国から「危険だから従来のような利用は難しい」と釘を刺され、利用ルールを定め、きちんと管理するよう求められたところ、皆腰が引けてしまった、とこういうことでしょうか(憶測ですが)。





 そして、「2千万円も費やしておいて、使われないのはおかしい。」なんて、マスコミや議会で叩かれると、竹富町教育委員会が重い腰を上げて、予算を付けて島の公民館に管理を委託する事になるでしょう。メデタシメデタシ(超憶測です)。



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