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2024年11月10日日曜日

晴れた日の沖縄 × 花 2024

 


 雨の中で咲く花も風情がありますが、晴れた日に青空に映える花は、ストレートに南国沖縄を象徴するもので、シンプルに魅力があります。

 今回は、今年撮った花シリーズとして、晴れた日の沖縄の花の写真をご覧いただきます。




 ブーゲンビリアです。
 南国沖縄では、ハイビスカスと並ぶ定番の花です。と思っていたら、東京で11月に咲いたと話題になりました。どんだけ温暖化?




 琉球朝顔です。
 つる性の植物なので、他の花に絡みついて共演することも珍しくありません。朝顔でありながら種を残さず、越年するという変わり種です。



 バタフライピーという花です。
 あまり聞かない名前ですが、花自体は結構そこらで見かけると想います。



 ハイビスカスの亜種だと思います。
 これは、花そのものも綺麗ですが、竹富島の風景に溶け込んでいます。



 コダカラベンケイ。
 以前の記事で名前が分からない花と書いたところ、教えてもらったので、再登場です。



 花ではなく、ゴーヤーの実です。
 綺麗に色づいていたので登場させました。フルーツのようですが、食べても甘くはないでしょうね。



 ハイビスカス。
 花びらに、めしべの影がハッキリ映っていて、夏の日差しを思い起こさせます。



 番外は、那覇空港ターミナルに置かれた胡蝶蘭。
 これをみると、沖縄に来たんだなぁ~感じます。那覇空港には、胡蝶蘭が常に沢山置かれていますが、高い花だし、金かかっているのでは?と余計な心配。




 前回は気合いを入れて、長文の記事を書いたので、今回は、ゆるいテーマとしました。

 各地で猛暑酷暑だった夏も終わり、最近はさすがに冷え込んで来ました。しばし、夏の沖縄を思いだしていただければ幸いです。




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2024年11月5日火曜日

竹富町の訪問税について続々報

 

 竹富島や西表島に行くたびに千円の税金がかかる・・・?

 竹富町の訪問税条例案が未だに迷走しています。実施は更に遅れることが確実です。新しい情報をお伝えします。




 当ブログで度々取り上げてきた竹富町の訪問税ですが、9月の竹富町議会に諮られる予定だったところ、議案は提出されませんでした。これで3回目の延期になります。

 理由は、町議会で税務課長が答弁したところによれば、安栄観光、八重山観光フェリーとの話がついていないからとのことでした。
 両社は、話し合いのテーブルにすら着かなかった模様です。


 訪問税は、安栄・八重観等の運賃に上乗せして徴収されることになっているので、両社がうんと言ってくれなければ実施は不可能です。

 もっとも、条例で一方的に義務化することは理論上はできますが、訴訟を起こされるリスクや、町民の生活に両社は不可欠な存在であることを考えると、船会社の協力なしに条例案を先に進めることは、事実上不可能なのです。

 今後については、11月に再び両社に話し合いを働きかけるということだけで、具体的なスケジュールは語られていませんでした。


【竹富町訪問税条例案とは】

 「竹富町への多くの観光客等の来訪によって発生し、又は増幅する行政需要に対応するため(条例案第1条)」に、竹富町の各島(竹富島、西表島、波照間島など)に行く人に対し、ひとり1回毎に千円の訪問税を、乗船券に上乗せして徴収するというものです。

 集めた税金の使い道については制限を設けない普通税とし、竹富町民は非課税で、5千円で1年間有効のパスポートも発行されます。


【これまでの経緯】

 昨年の11月頃、訪問税(この時は2千円)が識者による審議委員会で了承されたと突然報じられました。
 その時点では、1月に地元説明会とパブリックコメントを実施、3月議会で可決成立、総務省との協議を経て、早ければ2024年度中の実施を目指すとされていました。

 船会社、観光業従事の町民、現在島を離れている竹富町出身者(この人達も課税対象)らから反対の声が強く、「町長の判断で」税額を千円とし、3月にパブリックコメントを実施して6月議会に諮ることになりました。

 3月にパブリックコメントは実施されましたが、6月議会への提出は見送られ、9月議会に提出とされていたところです。




【船会社は訪問税に反対するはず】

もの凄く手間がかかる

 船会社が特別徴収義務者とされるので、各島に行く乗船客から訪問税を徴収し、取りまとめて町に納入する義務を負います。

 しかも、単純に運賃に千円をプラスするわけではありません。

 訪問税には年間5千円のサブスク制度があり、その利用者を区別しなければなりません。また、現在各社が発行している、アイランドホッピングパスという乗り放題券も対応が必要になります。


 税金ですから、必ず領収書を発行しなければなりません。

 現在は、窓口で発券する場合でも申出がなければ領収書は発行しませんし、3月から始まったカードタッチでは何も出力されませんが、今後はそういうわけにはいかなくなります。

 仕事で竹富町に行き、費用を経費で落とす場合、運賃と公租公課では科目が違います。


 システム改修費くらいは町から補助が出るのかも知れませんが、将来の人件費まで含めれば、コストは百万単位、千万単位ではないでしょうか。

 
間違いが許されない

 公金を扱うことになるわけですから、間違いは許されません。

 万一徴収漏れがあった場合、今までだったら会社の損金扱いで済みますが、税金の徴収漏れとなれば、法令に基づく事後手続が必要になります。

 過徴収の場合はもっと面倒です。間違って徴収した場合、相手方は、過誤納金として5年間還付請求ができます。

 還付事務そのものは町でやるでしょうが、船会社は、誰から過徴収したか調べられるように、関係書類を5年間保存し、町から指示があれば調査しなければなりません


サンドバッグにされる

 もし自分が船会社の従業員だったら、これが一番嫌だと思うのですが、税金は運賃に上乗せして徴収されるため、税に対する疑問や不満は、全て船会社が窓口になって引き受けなければならないのです。

 知らないで来た人は、「えっ?」「何で?」「高くね?」と、従業員に詰め寄ってくるかも知れません。

 クレーマーもいるでしょうし、何より面倒なのは、正論で「何故税金なのか」「何故千円という金額なのか」を問うてくる客でしょう。

 「町で決めたことですから町に聞いてください」と言っても、素直に引き下がる客だけではないでしょう。町の職員が常駐してクレーム対応をしてくれる訳でもありません。


 竹富町の税金にも拘わらず、実際には石垣島の離島ターミナルで場外戦が繰り広げられるのです。


そして乗客は減る

 どんな理屈があろうとも、乗客の目からすれば運賃の値上げです。客が減ることはあっても、増える要素はゼロです。

 船会社にとっては、まさに踏んだり蹴ったりです。


【今後の見通しは】

 議会での税務課長答弁によれば、11月に船会社に対して話し合いを働きかけるとの事でしたので、順調に進んだと仮定しても、議会に諮るのは来年3月で、実施は1年遅れの2025年度後半になるでしょう。


 パブリックコメントに対する町の回答をよく読むと、観光客からの反対意見はほぼ無視という塩対応ですが、今は島を離れている竹富町出身者の扱いには苦慮しているようです。

 盆行事や島の神事の際に戻ってくる人達も課税対象です。非課税にしないのは技術的に難しいからでしょうが、納得は得られていないようです。


 推測ですが、町は、反対している船会社も含め、税額で妥協し、税の仕組みそのものは現行案のまま行きたいのではないでしょうか。

 そうなると、税額が800円とか600円とかになる可能性はあると思います。






【一旦ここで終わります。この先も読んでもらえると嬉しいのですが・・・】

 急に弱気になっているのは、この先は、沖縄の話というより税金の話が主になるからです。
 もちろん竹富町の問題ですし、自分の意見も含めできるだけ分かりやすく書いたつもりなので、とにかく読んでいただけると嬉しいです。



 竹富町訪問税と非常によく似たものとして、宮島訪問税があります。安芸の宮島がある広島県廿日市市が制定したもので、どちらも離島における法定外普通税です。

 似ているといっても、宮島は1回100円、年パスが500円と税額に10倍の違いがありますが、考え方は同じです。

 宮島訪問税の仕掛け人(大学教授)が、竹富町訪問税の審議会もリードしたようです。

 竹富町のサイトを読んでいるだけでは分からなかったのですが、宮島訪問税のサイトを見ると、税額を除き両者は基本的に同じです。


 ここには、原因者課税という発想が出てきます。

 町の行政サービスを増大させる原因者に直接課税しようというもので、つまり、観光客が増えたから町の仕事が増えたので、その分は原因者である観光客が負担してくれということです。
 住民は原因者でないので、課税しないということになります。


 「来訪者に起因して増大する行政サービスは、観光に特化した行政ではなく、ごみ処理や上下水道、道路整備、救急医療といった日常的な行政を含む、ごく一般的なサービスがほとんど」

 「増大する行政サービスが観光ジャンルに特化していない以上、税収の使途を観光整備や景観保全に限定する方がむしろ異常であり、課税の論理が破綻してしまう。」

 という理由で、宮島訪問税は普通税とされたようで、その考え方を竹富町の訪問税条例案にも反映したものと思われます。





 訪問税に反対です。

 行く度に千円も取られるのは嫌だという率直な思いもありますが、それは措くとしても、税の仕組みがおかしいと思うからです。

 税の使い道をオーバーツーリズム対策に限定した目的税とするか、使途を定めない普通税にするならば、町民も課税対象にすべきだと散々言ってきました。


 何故普通税にするのか、パブリックコメントに対する町の回答は、「訪問者に起因する財政需要は非常に幅広いことから、使途を限定する目的税ではなく普通税とした」となっていますが、需要が幅広いから普通税にするという理屈は成り立つのでしょうか。

 
 一方、宮島の考え方は、観光客の増大によって引き起こされる行政サービスは、町民に対する行政サービスと同じもので、区別ができないから、使途を定めない普通税にするというものです。
 これなら理屈としては分かりやすいと思います。

 
 ただ、宮島にそれが当てはまったとしても、竹富町ではどうでしょうか。

 観光客の増大によって引き起こされる行政サービスは、町民に対する行政サービスと同じなのか、例示された、ごみ処理・上下水道整備、道路整備、救急医療体制について具体的に考えたいと思います。


 まず、ゴミ処理ですが、観光客が島で宿泊したり、食事をすればゴミは増えるでしょうが、これらは事業系ゴミとして、事業者の責任と費用で処理されるものです。
 行政サービスの対象となる一般ゴミに関しては、そもそも捨てる場所がほとんどなく、島で買ったペットボトルですら、石垣島まで持って帰らなければならないのが現実です。
 観光客が知り合いの家に泊まり、そこで出たゴミを家庭ゴミとして町が処理するといったケースもゼロではないでしょうが、そうだとしても、ゴミ処理に関しては、観光客が行政サービスの増大を引き起こすことはごく僅かだと考えられます。

 次に、上下水道ですが、観光客が宿泊したり、食事をすれば水道使用と汚水処理が増加しますが、これも事業者が上下水道料金として負担するものです。
 行政サービスの対象となるとすれば、公衆トイレや、波照間島のニシ浜などに設置されているシャワーなど限られたものです。
 したがって 、上下水道に関しても、観光客が行政サービスの増大を引き起こすことも僅かだと考えられます。

 次に、道路整備ですが、島という特性から、観光客がマイカーに乗ってやって来ることは有り得ません。レンタカーで島の道路を走るとしても、それに要する行政サービスは、業者によって引き起こされたと考えるべきです。
 車はすべて町民か島内業者の所有であり、道路整備(というか維持管理)に関しても、観光客が行政サービスを増大させる要素は、歩くことで道路がホンのちょっとすり減ったかも知れないというレベルです。

 救急医療体制に関しては、観光客が増えれば対応する可能性が増えるので、観光客が行政サービスの増大を引き起こすことはあり得ると考えられます。



 このようにみていくと、観光客の増大によって発生する町の行政サービスで、かつ、町民のための行政サービスと区別し難いものは、あるにはあるけれど僅かです。

 そうなると、宮島はともかく、竹富町では何故普通税にするのかという根本問題から議論する必要が生じます。

 また、原因者課税の普通税が必要だとしても、観光客の原因関与度合いからすれば、1回千円(当初案では2千円)という税額が本当に妥当かという点も検討が必要です。
 繰り返しますが、宮島訪問税は1回100円です。


 
 さらに、行政サービスの原因者に負担を求めるならば、行政への貢献分は控除すべきです。

 全てが離島の竹富町にあって、各島と石垣島とを結ぶ船舶航路は生命線ですが、もし、観光客が船に乗らなければ、船会社の収益は大幅に減少するはずです。

 それでも今と同じ路線と便数を維持したければ、町は相当な額の補助金を船会社に支出する羽目になります。

 観光客は、航路の維持に十分貢献しているのです。


 西表島では、町がバス会社に補助金を出しつつ、島民にバス乗車を呼びかけていますが、実際にバス乗ってくれるのは大半が観光客です。

 観光客がバスに乗らなければ、町の補助を更に増やさないと路線は維持できなくなるのです。


 ネットで、重要な記事を見つけました。NHK沖縄放送局が4月29日付けで配信した「竹富町訪問税導入の背景」です。

 この記事によると、訪問税の必要性について、「観光客に島で快適に過ごしてもらうため、無料Wi-Fiの整備のほか、トイレを洋式に変えたり、水道施設の改修などを行ったりもしています。町はこうした対応にここ数年、年間で約10億円を支出しています。」とありました。

 これが理由ならば、増大する行政サービスは観光ジャンルに特化しているので、宮島訪問税の理屈からすれば、当然に目的税とするべきです。
 

 結局のところ、竹富町の訪問税条例案は、先行する宮島訪問税と比べても、理論的な整合性は保たれていません。




 最後に、自分の率直な見立てを書かせてもらいます。これは邪推かも知れませんが、自分は本気でそう思っています。


 以前、竹富町の前泊町長が訪問税導入に関し、「国や県におんぶにだっこという状況がいつまでも続いてはならない。今この環境をしっかり守り次につなぐために、町民の皆さんにご理解いただきたい。」と述べたと報じられました。
 
 「国や県におんぶにだっこ」というのは、竹富町の歳入の大半が、国や県からの交付金・補助金だという意味です。
 町税収入など自主財源に乏しいので、この際、オーバーツーリズム対策にかこつけて自主財源を確保したいという本音が垣間見えます。


 当初、税額2千円としたのは、竹富町の各島は人気観光地だから、乗船券がこの程度値上がりしていたからといって、石垣島まで来て渡航を諦める観光客はいないだろうという読みがあったのでしょう。
 その背景には、観光客は放っておいても必ずやって来るという自信があるのだと思います。

 2千円という税額は、必要額から逆算したのではなく、いくらまでなら取れるかを検討した結果だと思います。

 町民からも課税するとなると反発を喰らうから、町民を非課税とする理屈が必要だったので、原因者課税という宮島方式に飛びついたのだと思われます。

 ただ、ぶち上げてみたら身内からもハレーションが大きかったので、税額を千円にしてみて様子をうかがっているのが今の状況でしょう。


 パブリックコメントに対する町の回答に、「いただいたご意見も含めて議会にご提示し、税率について慎重にご審議いただいた上で決定させていただきます。」とありました。

 税率(=税額)については見直す余地があるような書きぶりですが、普通税(=町が自由に使える財布)という枠組みは、絶対に譲りたくないという意味だと受け取りました。



 もし関係者の方がこのブログを読んで、「それは間違いだ、お前の勝手な憶測だ」というのであれば何時でも訂正しますので、是非共分かりやすい説明をお願いします。




 最後の最後に、強烈なエピソードを紹介します。

 パブリックコメントにおいて、どの島でも税額が同じなのはおかしいといった趣旨の意見に対して、町はこう回答しているのです。

 税制度は憲法第 14 条第 1 項の規定により「税の下の平等」が厳格に定められてお
り、同一自治体内で課税額に差を付けることは不公平な課税とみなされるため、島毎に課税額を変えることはできません。」
 (同じフレーズが何度も登場します。)


 憲法14条には、法の下の平等とは書かれていますが、税の下の平等は初めて聞きました。

 念のために芦部信喜先生の本と、有斐閣の法律学小辞典も調べてみましたが、そんな言葉は載っていません。

 万が一税の下の平等なるものがあったとして、何故そこから、黒島に行く人と竹富島に行く人の税額に差をつけると不公平な課税になるのか、説明していただかないと分かりません。

 これは、オウンゴールじゃないですか。


 ちなみに、法の下の平等の上位概念は、法の支配です。

 それまで国王に支配されてきた人々が、自分達が選んだ代表(国会)によって創られる法によってのみ支配されるという、歴史の中で培われてきたイデオロギーです。

 税の下の平等の上位概念は、税の支配でしょうか。なんかいやだなあ~ 笑


 

 


 安栄観光、八重山観光フェリーの各社におかれては、どうか観光客の代弁者となって、訪問税の問題点を質していただきたいと切に願うばかりです。



 宮島訪問税については、こちら

 竹富町のパブリックコメントについては、こちら


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