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2025年9月8日月曜日

絶景宮古島東平安名崎とかつての闇



 「光あるところに影がある」

 昭和の終わり頃には既に子供だったという人は、もしかして懐かしいと思っていただけたのではないかと思いますが、白土三平原作の忍者アニメ「サスケ」のオープニングです。


 ところが、「絶景あるところに闇がある」のが、宮古島なのです。




 宮古島の周辺の海では、以前から金にまつわる意地汚い話が度々聞こえてきました。

 下地島の中の島では、25年ほど前にライフジャケットを着けていない観光客に、半ば強制的に有料でライフジャケットを貸し付けていた輩がいました。

 中の島では、その後も何年かに一度くらいの間隔で、違法な商売をする人間が出没しています。


 来間島の長間浜では、路上に勝手に駐車場誘導標識を立て、それに沿って進むと私有地の有料駐車場だったという事がありました。


 池間島では以前、海岸に降りる道(私有地)で「協力金」を徴収していました。
 協力金と聞くと、何か自然保護にでも活用されるイメージを持ちますが、ここの「協力金」は地主のサイフに協力するのです。

 ちなみに、沖縄県では条例によって、海に続く通路で金を取ることは、喩え私有地でも禁止されています。


 ほかにもえげつない商売やら、既得権益の主張やらをする人間が後を絶ちません。
 このようなことは、今までは宮古島周辺だけで、本島は分かりませんが、石垣島などでは聞いたことがありませんでした。


 そんな闇の中でも特段強烈だったのが、東平安名崎で地元の自治会がやっていた”協力金徴収活動”でした。

 


 東平安名崎は、宮古島を代表する景観地の一つですが、コロナ禍の2021年末頃から、市有地の占用許可を得てプレハブ小屋が建ち、来場者から300円以上の「入場協力金」なるものが徴収されていました。


 そこでは幟が立てられ、「職員」が常駐し、「協力」を要請するのですが、実態は「ご協力をお願いします」ではなく「払わなければ入れない」に近いものだったといいます。

 そのことで市に苦情が殺到し、市議会でもその問題が取り上げられたというのだから、よほどの騒ぎだったのでしょう。



 市に建物設置のための占用許可申請をしたのは、地元の自治会でした。 

 協力金は、環境美化活動に用いられるという触れ込みでしたが、事業目的には地域住民の雇用維持が含まれていました。
 不審に思った人達が調べたところ、事業は委託され、委託先が徴収員を雇って集金し、協力金のほとんどが徴収員の人件費に消えていたとのことです。


 この「協力金」は、1年余で事実上中止になり、今ではその痕跡すらもありません。




 今更この記事を書こうと思い立ったのは、ふと、竹富町の訪問税も本質はこれと同じではないかと思ったからです。


 東平安名崎の環境美化に役立つならと思って払った協力金が、徴収員の給料に消えて行った vs オーバーツーリズム対策に役立つならと思って払った訪問税が、島民の生活向上のため消えて行った。



 「光あるところに影がある」
 「絶景あるところに闇がある」
「綺麗な海があるところに自然保護を口実に金集めができると思う奴がいる」


 そう考えると気が滅入ります。宮古島の闇が海を越えて、八重山まで到達してしまったのでしょうか。



 
 当ブログでは、竹富町の訪問税条例にしつこく反対していますが、オーバーツーリズム対策なら、使途をそれに限る目的税にしてください。 
 竹富町の一般財源として使いたければ、竹富町民を非課税にするのは不合理です。



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2025年9月3日水曜日

オリオンビールが株式上場でありっ!乾杯!

 


 来る9月25日、オリオンビール株式会社は、東京証券取引所プライム市場に上場されます。

 それがどうした?と言われると身も蓋もないのですが、証券取引所に株式を公開すれば、自社株の売買が容易になることで、資金調達が容易になります。
 また、知名度や信用度が向上することにも繋がります。


 ということよりも、沖縄の企業が遂にここまで成し遂げたという、立身出世ではないけれど、そういった象徴的意味合いが大きいのです。

 沖縄県の製造業では初めての株式上場だそうですが、そんなわけで、あのオリオンビールが上場するというのは、沖縄的大ニュースなのです。




 オリオンビールの創業は、アメリカ占領時代の1957年、生産開始は1959年でした。
 発売当初は、ドイツ風の濃厚なビールを造っていたそうですが、あまり売れず、アメリカ風の軽いビールを製造したところ、沖縄の高温多湿の風土に合ったのか、急激に売り上げを伸ばし、復帰前後には、県内シェアの9割を占めたそうです。


 今でも、沖縄県内では5割のシェアを誇ります。コンビニはともかく飲食店では、オリオンビール以外のビールを置いてある店は、未だ少数です。


 オリオンビールは、沖縄県内のほとんどのイベントに協賛又は後援するといわれる、JTA(日本トランスオーシャン航空)と並ぶ沖縄県を代表する企業なのです。

 

 
 もっとも、オリオンビールは、創業以来右肩上がりに業績を伸ばし遂に上場まで漕ぎ着けた、というわけではありません。

 むしろ反対で、本土復帰により、それまで輸入品扱いだった内地のビールが一気に浸透して苦戦を強いられます。

 オリオンビールのシェアは右肩下がり。2002年にはアサヒビールと提携するなどしましたが、切り札にはなりませんでした。



 オリオンビールは、沖縄にとって戦後復帰の象徴のような会社でした。

 沖縄の復興には製造業が必要だとの信念の下、実業家が中心となり設立され、その後も創業家が経営に関わる非上場企業でした。

 1990年頃までには創業家は経営から退いたのですが、その後も株式の約2割を創業家一族が保有しており、企業の大胆な改革のためには、創業家の株を買い取る必要があったのだとか。

 2019年に、野村ホールディングスとアメリカの投資ファンドのカーライルが、創業家などから株式を取得し、オリオンビールは両社の完全子会社となりました。

 野村とカーライルは、買収当初から、オリオンビールの企業価値を高めた上で上場を目指すとしていました。

 会社も新製品を次々と投入するなど期待に応え、遂にその日を迎えることになったのです。

 これにより、知名度の向上と、県外・海外への販売強化に期待がかかります。




 東証(東京証券取引所)プライム市場とは、「グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場」なんだそうです(ワタクシにはよく分かりません。汗)。

 ちなみに、トヨタもソニーもプライム市場上場企業です。


 上場に伴い、オリオンビールの株式は一般の人でも購入できます。上場時の株の売り出し価格は1株770円だそうです。

 株主として飲むオリオンビールは、一段と美味いのでは?(まあ知らんけど)。
 
 株主優待として、オリオンTシャツがもらえるそうですが、条件としては千株以上の保有が必要です。



 それでは皆様、株式上場を祝って、いや、そんなの関係なくても「ありっ!乾杯!」




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