2022年9月4日日曜日

沖縄で台風に遭遇した時に参考になる情報源

  
(Windy. com)


 前回の記事でもお伝えしたとおり、台風11号は、予想進路が途中で大きく変わりました。
 そのため、知らずに沖縄に行って、大変な目に遭ってしまった人も多かったと思います。

 台風の予測は、残念ながらまだまだ精度が高いと言えないようですが、台風が接近してこれからどうする、明日どうするといった判断を迫られたときに、台風経路図以外にも参考になる情報源が、ネットには散在しています。
 

 台風に遭遇しても、大袈裟に伝えたり、不安を煽ったりするマスコミ情報に振り回されず、根拠のない楽観論に陥ることもなく、情報に基づいた冷静な行動をお願いします。



台風の大きさ・規模

 進路予想(台風経路図)からはなかなか読み取れない、台風の実際の大きさや影響を及ぼす範囲は、気象庁ホームページの防災情報のページから、「気象衛星ひまわり」「雨雲の動き」を見るとイメージし易いと思います。

 今台風が何処にあるのか、雲はどういう形でどれぐらいの大きさかということが分かるので、台風通過後の影響もある程度予測がつきます。

 動画再生もできるので、どの方向に雲が動いているかも分かります。

(気象庁)



風の強さ

 報道では、広いエリアにおける予想される最大値が強調されますが、実際に今自分がいる場所で、どの程度の風が吹いているかは、気象庁の「アメダス」が役に立ちます。

 アメダスは、初期画面では気温が 表示されているので、上部の「気温」からプルダウンして、「風向・風速」を選びます。

 アメダスは、実測値なので、先の見通しは分かりませんから、他の情報と併せて活用してください。

 
(気象庁)



停電の状況

 沖縄電力のホームページで停電情報がほぼリアルタイムで確認できます。随時見ていくと、停電の増えている地域・減っている地域が一目瞭然です。

 停電情報は、そのとき何処で強風が吹き荒れているのかの指標となります。 
 
(沖縄電力)



航空機の運航の見通し

 航空会社は、独自に気象データを分析しているようで、参考になることが多いです。

 台風の場合、航空会社のホームページで、まず「運航の見通し」が発表されますが、単なる注意喚起に止まらず、希ですが早々と欠航が発表されることもあります。
 自分の記憶では、2019年の台風19号の時は、4日も前に欠航が決まりました。

 今回の台風11号は、8月31日の便の情報が前日に出たくらい反応が遅かったので、航空会社も判断に迷っていたか、若しくはあまり発達しないと見込んでいたのでしょう。

(JAL)


 前日になると、路線毎に個別の便情報がでます。この時点で欠航か、注意便に指定されていれば、手数料無しでの変更かキャンセルができます。

(ANA)

 なお、台風が通過した後も、機材繰りなどの関係で欠航することもあるので、その点は含み置いてください。



宮古島では橋の通行止め情報

 伊良部大橋、来間大橋、池間大橋は、暴風警報の発令で通行止めになります。

 実際は、○日の○時から通行止め、と事前に予告されます。
 市のホームページにも掲載されますが、管轄が県で、なおかつ、橋によって所管課が異なるため、市の扱いは小さく地味です。

 この点、役に立つのは「エフエムみやこ」です。ヤバそうな時は、ラジオを付けっぱなしで運転してください。


 通行止め解除は、暴風警報が解除され、安全を確認してからとなりますので、体感では風が治まってもなかなか解除されないことがあります。
 
 下地島空港利用で宮古島に泊まっている場合とか、来間島に泊まっていて宮古島に買い物に行くなどという場合は、十分に注意してください。



八重山では船の運航状況

 船が運航するのは、基本的に波高2.5㍍までなので、台風時はほぼ欠航します。

 運行状況は、当日分は安栄観光、八重山観光フェリーのホームページに載るほか、欠航が決まれば、特別なお知らせが掲載されます。

 微妙な場合は、石垣島にいるならば、離島ターミナルの窓口が開いていれば直接聞く、開いていない場合や、他の島にいる場合は、地元の人(宿の人など)を介して聞いてもらうのが確実です。



 波の高さ自体は、気象庁ホームページの防災情報 から「海洋」→「波浪実況」で見ることができます。




ネットでは検索できない情報

 飲食店はやっているか、商店が開いているかなど、実際には必要性が高い情報でも、ネットでは検索できません。

 直接電話を掛けるしかないのですが、状況によっては相手方の迷惑になることもあり、また、繋がらない、電話に出てくれないこともしばしばです。

 そんなときは、Twitterで情報収集ができるかも知れません。
 試しに、「#宮古島」「#台風11号」「#コンビニ」で検索したところ、次のような投稿がありました。




台風の進路予想

 台風が接近すると、天気予報でもニュースでも、嫌というほど見せつけられる、気象庁発表の台風経路図。
 しかし、残念ながら、進路予想や、今後の発達(衰退)予想は、精度が低いようです。

 予報円の中に収まる確率は、70%とされ、しかも、予報円が何百㎞ということもあります。更に、今回の台風11号のようにまるっきり違う方向に向かっていた、ということも希に発生します。
 台風経路図だけを見て、一喜一憂しないようにしてください。


 膨大なデータを掻き集め、大型コンピュータで分析した結果を、その道のプロが解析しているにも拘わらず、正確な予報が難しいというところに、自然の恐ろしさを感じます。



 台風の進路予報に関しては、手軽に見られるものとして、JTWC(Joint Typhoon Warning Center)、通称米軍情報があります。
 (ちなみにJointと付くのは、アメリカ海軍と空軍の合同でやっているからです。)


 米軍情報の信頼度は気象庁と同じか、むしろ高めです。気象庁がまだ台風扱いしていないうちから進路予報を出すことが多いので、助かります。

 ただ、あまり見やすくないのが難点です。

 気象庁と米軍で予想が異なることがありますが、逆に、両者がほぼ一致すると、比較的信頼度の高い情報と言えます。



 冒頭に挙げたのは、ウィンディ・ドットコム(Windy. com)という、チェコの企業の情報です。

 風向・風速が動画で示されるなど、ビジュアルに優れており、台風の発生前から予測が見られるので、愛用者は多いようですが、精度は気象庁・米軍の方が上だと個人的には感じています。



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2022年9月1日木曜日

台風で宮古島行きが中止 魔の1日のドキュメント

 


 台風のバカヤロォー とマジで言いたかった。

 8月30日から9月3日まで予定していた宮古島行きが、台風11号のせいで中止になりました。

 あまりにも急転直下の出来事だったので、個人的な話ではありますが、参考になることもあるかと思い、自分にとって魔の1日になった、出発前日の様子を記録しておきます。


(tennki.jp)


 出発2日前の8月28日、熱帯低気圧が台風になるものの、四国辺りに上陸する予報となっており、台風から離れた沖縄では、むしろ好天に恵まれるのではないかと期待していました。


 この段階での、ある気象予報士のコメントは、

 今回の台風は幸い発達しませんが、ギリギリ台風、または熱帯低気圧であっても、先日の台風8号のように、氾濫被害をもたらすほどの大雨となることもあります。また、9月が近づき秋雨前線が日本付近に停滞しやすい時季になったため、台風+前線の秋の大雨パターンにも要警戒でしょう。

 というものでしたし、当日発表のYahoo!天気の週間予報でも、宮古島地方のは晴れマークが並んでいました。

(Yahoo!天気)



 一方、気象台の方は渋い予報でしたが、それでも旅行が中止になるような悪天候になることは、爪の先まで想像していませんでした。

(石垣地方気象台HP)



 ところが、翌朝起きると状況が一変。魔の1日の始まりでした。

 8月29日午前3時発表の気象庁の台風の進路予想が、別の台風かと思うほど、激変していたのです。

(ウエザーニューズ)


 このとき頭に浮かんだのが、ダチョウ倶楽部の「聞いてないよォ!」(古いけど。笑 )

 想定外でしたとか、寝耳に水でしたなんて言葉では表し切れない。まさしく、

聞いてないよォ!

な出来事です。何しろ、四国辺りに上陸するはずの台風が、一晩寝て起きたら、沖縄直撃になっている。何百㎞ずれたんだ。


 Yahoo!天気は見事に豹変。節操がないというか素直というか。



 しかし、気象台の方は相変わらず。曇一時雨で信頼度Cというのは、要は、予報が難しいというサイン。




 この時点で、自分は混乱してしまい、冷静な判断ができませんでした。何しろ行く気満々で、台風に関しては心の準備ゼロ。

 そもそも、この台風の進路予想の信頼性すら疑っていました。マジ?嘘でしょ?って感じで。

 もう少し速度が遅くなってくれれば、宮古島にはあまり影響がないのでは? 



 ところが、午前9時発表ではまたまた進路が変わって、しかもさらに嫌なルートに。その上、暴風域も大きくなっている。



 しかもしかも、米軍もほぼ同じ予想になっていた。

(JTWC)


 こんなに短時間で、進路予想が激変するなんて、フツーあり得んだろぉぉぉ!(ブツクサブツクサ)
 

 ここは少し、冷静になって考えねば。

 この予報の通りならば、帰る日の3日の便はまず欠航だろう。日程を変更しても2日・4日共飛ばない可能性が大。

 行くことは可能だけれど、現地で楽しめないだけではなく、こんな時によそ者がいるだけで島にとって迷惑な状況になりかねない。

 一方、予報円が大きい。ということは、進路がまだ定まらないということ。気象庁の週間予報でも、暴風の予報にはなっていない。

 航空会社の動きも鈍い。早ければ31日夕刻から欠航便が出そうなのに、29日時点でも、便情報はなし。


 もう少し、様子を見たい、時間が欲しい。でも、明日はもう出発だし、わー どうしようどうしよう。



 結局、今回は諦めて一旦キャンセルしようと決断したのは、出発前日の夜遅く。午後9時の台風進路予想が発表された後でした。

 自分が優柔不断なこともあるだろうけれど、あまりに急激な状況の変化だったため、頭の中がついていけなかったのです。 





 今回一つ分かったことは、気象庁で天気予報を担当している部署は、台風情報をあまり信頼していないということです。

 これは、気象庁内部で仲が悪いとか、横の連絡が悪いとかいうことではなく、そもそも台風の進路予報は精度が低く、週間天気予報に直ちに反映するのには難しいケースもあるとみるべきでしょう。

 気象業務法によって、台風の予測ができない民間の気象会社は、気象庁から台風が来ると言われれば、それを反映せざるを得ないのかも知れません。



 今回のように、当初の進路予想が激変したのは初めての経験ですが、急に進路が変わった、急に発達したというのは、2014年の台風19号、2019年の台風5号でも経験したことです。

 そうすると、何年かに一度の割合で、想定外台風を覚悟する必要があるということなのかも知れません。


 
 当ブログでは、「沖縄旅行が中止になる確率」という記事を書き、何度か更新していますが、今回の分を踏まえてを更新すると、

 予定していた沖縄旅行が台風で中止になる確率は、3.1%(4/127)

 台風で中止又は日程を短縮する確率は、12.6%(16/127)

 ということになりました。今回は、運が悪かったというより、確率的にそういう巡り合わせの時期だったのでしょう。

 そういえば、2020年から今年の7月まで自分は全く台風と無縁でしたし、沖縄にも大きな台風はやって来ませんでした。

 もしかしたら、台風はコロナを避けた? 笑



 また、珊瑚には台風が必要です。時々海水をかき回して水温を下げないと、白化し、やがて死滅してしまいます。
 今年は、かなり危なかったようです。



 出発前日の8月29日は、自分にとって魔の1日となりましたが、もし、29日の出発だったら、何も気が付かずに出かけ、向こうで大慌て、なんてことになっていたような気がします。

 同じように、既に宮古島に行っていて、2日以降に帰る予定だった人は、大変なことになっていたのではないでしょうか。


 今回、本当にドタキャンになってしまい、予約していた宿(2箇所)、レンタカー屋にご迷惑をおかけしたのですが、特に何を言われるでもなく、キャンセル料も免除で、気持ち良くを受けてくれました。

 台風とはいえ、キャンセルの連絡は、こちらもプレッシャーがかかるのですが、このような対応をしていただいて、救われました。



 今9月1日の20時過ぎですが、この後台風が北上して、先島諸島付近に長時間滞留する予想となっています。

 皆様のご無事を心から願っております。



 最後にひと言。
 今回に限りませんが、台風関連のニュース、特に民間気象会社系のニュースでは、猛烈、大荒れ、更に発達、危険、過去最大級などの扇情的な用語が並びます。

 警戒を呼びかけることと、煽ることは違います。
 既に起きたことなのか、将来の可能性なのか、可能性であればどの程度の確率なのか、どこのエリアの話をしているのか、冷静に判断してください。



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2022年8月29日月曜日

自然が創った! 宮古・八重山の砂浜アート7連発

 

 伊良部島渡口の浜。干潮時間帯に現れた美しい砂模様です。



 砂浜があって、そこに偶然の作用で、しかも波と風の力だけで、人が想像もできない砂模が出来ます。

 宮古・八重山諸島の海岸で見かけた、大自然の芸術品です。過去に当ブログでご紹介したこともある写真も含めて、砂浜アート7連発をお届けします。

 

 台風直後の来間島長間浜。

 台風の強い風が吹き荒れた後ですが、ただの砂なのに、突起物のようなものが綺麗に並んでいました。何で?




 宮古島近くの幻の浜、ゆにの浜です。

 海中の砂だまり、砂州です。この大量の砂自体が波を受けて海を漂い、時として美しくまとまります。




 宮古島西浜崎です。

 かつて、当ブログで、「枯れてない枯山水」という意味不明の日本語で紹介したことがあります。笑

 その後、干潮時間帯を狙って何度か行きましたが、ここまで美しい枯れてない枯山水にはお目にかかれていません。
 



 西表島月が浜です。

 この縞々模様も美しいのですが、コテで整形したように整った部分とは、一体どういう按配で分けられるのでしょうか。




 真っ白で不純物のない混じらない砂地に、まるでテクスチャーのような模様。あまりに整いすぎて人工の壁のようなので、ヤドカリさんに歩いてもらいました。

 宮古島与那覇湾です。




 こちらの砂浜アートは、石垣島川平湾の対岸に出来たカニの巣穴です。

 カニは、砂浜に巣を掘るとき、砂を小さな団子状にして外に捨てます。まるでカニの画でも描いたようです。




 砂浜アートは、偶然の産物である以上、日本中どこの海岸でもありそうですが、沖縄の海に出来やすいのは、砂が細かいことと、遠浅な場所が多いためだと思います。


 同じような時間帯、気象条件を狙って同じ場所に行ってみても、同じものが見られることはありません。
 見つけた時に、写真に撮って記録しておくしかない、一期一会の絶景です。



 こちらは、人間が創った砂の像。見事です。これとの対比で自然にできた砂浜アートを見ると、改めてその凄さを感じませんか。

 それと同時に、運がよければ、こんな凄いものが普通の場所で見られる、沖縄の海岸もまた凄い。




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