2026年8月17日月曜日

竹富町の訪問税振り出しに戻る




 竹富島や西表島に行くと、もれなく1000円の税金が付いてくる。

 そんな竹富町の訪問税ですが、既に条例が制定され、実施に必要な手続として国と協議中でしたが、どうやら国から差し戻されたようです。


 6月12日付け琉球新報デジタルは、「国が同意せず」と報じました。

 また、5月26日の参議院決算特別委員会で答弁した総務省の福田官房審議官は、

 「町民を一律で非課税とし、町民以外だけを課税対象とすることが公平なのか、様々な手段による訪問者がある中で適切に税を徴収することができるのか、といった論点について指摘している」

 と述べています。


 どういうことなのでしょうか。




 竹富町の訪問税は、竹富島、小浜島、黒島など竹富町の各島に行く人に、1人1回1000円の税金を課すものです。

 目的はオーバーツーリズム対策。だから、竹富町民は非課税。しかし、集めた税金はオーバーツーリズム対策に限らず町が自由に使える「普通税」なのです。



 当初案では、船の運賃に上乗せして徴収する方式で、早ければ、2024年度から実施したいとしていました。

 しかし、安栄観光、八重山観光フェリー、石垣島ドリーム観光が、徴収事務を許否したため、申告納税方式に改めた上、昨年の6月13日の竹富町議会で、賛成10、反対1で竹富町訪問税条例が可決成立しました。



 地方公共団体が、新たに税金を課すためには、地方税法の規定により総務大臣の同意が必要です(普通税の場合669条)。

 ただし、総務大臣は、協議があれば原則として同意しなければならず、次の場合に限って同意しないことができるとされています(671条)。

1 国税又は他の地方税と課税標準を同じくし、かつ、住民の負担が著しく過重となること。
2 地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること。
3 前2号に掲げるものを除くほか、国の経済施策に照らして適当でないこと。


 国会答弁で明らかになった、「町民を一律で非課税とし町民以外だけを課税対象とすることが公平なのか、様々な手段による訪問者がある中で適切に税を徴収することができるのか」という点は、上記の項目に当てはまらないようにも見えますが、国は、税の公平性といった根本原理を指摘したようです。




  問題点は二つです。

 一つは、竹富町民には税が課されないことです。

 税金には、普通税と目的税があります。目的税はその名の通り特定の目的のために課す税金です。
 例えば、オーバーツーリズム対策のために使うための税なら、目的税です。

 ですが、竹富町の訪問税は普通税です。オーバーツーリズム対策に限らず、町が自由に使える財源です。なのに何故町民には課税しないのか、国はそこを突きました。


 二つ目は、税の徴収の公平性です。

 訪問税は、島に行った人が、自ら申告書を提出し、併せて納税する仕組みです。

 しかし、島に行った人が申告・納税をしない場合でも、町がそれをすべてを補足し滞納処分をすることができるのか、できなければ真面目に払った人との間で不公平ではないか、という問題です。

 ザル法という言葉があります。ザルから水がすり抜けてしまうように、抜け道や例外が多く、法律としての規制や効果が十分に果たされていない不備な法律を意味するのですが、今のままでは、竹富町訪問税条例は画に描いたようなザル法、ザル条例です。



 この点、訪問税条例には、別の規定もあります。町長が特別徴収義務者を指定することができるというものです。

 特別徴収義務とは、本来の納税義務者から税を預かってまとめて納税する義務です。

 つまり、安栄観光など船会社を特別徴収義務者に指定し、運賃に1000円上乗せ徴収をして町に払えと命じることが、条例上はできることになっています。

 しかし、船会社がノーと言っているなかで、一方的にそんなことをしたら、反発は必至です。


 以下推測ですが、

 町は、国との協議に時間がかかることを見越して、機能不全を承知で申告納税方式で一旦条例を創り、協議の間に船会社を説得するつもりだったのではないでしょうか。
 
 しかし、「船会社はそのうち説得するから、取り敢えず今の条例で同意してね。」という作戦は、国に見透かされたようです。


 

 国は、最終的に地方財政審議会という第三者機関に諮ってから同意するかどうかを決めます。

 琉球新報は、「国は不同意」と報じましたが、まだ審議会には諮られていません。

 したがって、今の段階では、審議会に諮っても同意を得られない可能性が高いから、もう一度見直したらどうか、と町に投げ返した段階だと思われます。

 もちろん町は、「条例は手直ししない。白黒ハッキリしてくれ。」と突っ張ることは可能です。


 ただ、どう転んだところで、町が目指していた2026年度中の訪問税実施は、もう間に合わないことは確実で、一番最初に想定していた2024年度からは相当遅れることになります。




 当ブログは、最初から訪問税に反対しています。

 行く度に1000円も取られるのは嫌だという率直な思いもありますが、それは措くとしても、税の仕組みがおかしいと思うからです。

 税の使い道をオーバーツーリズム対策に限定した目的税とするか、使途を定めない普通税にするならば、町民も課税対象にしないと理屈に合いません。



 パブリックコメントにも意見を提出しました。その詳細は、ブログとは別ページの竹富町の訪問税についての意見にまとめ、リンクを貼りました。
 

 別ページにしたのは、マニアックな法律の話なので、ブログに書いても退屈なだけかなと自嘲したのです。


 そのとき、このページの閲覧数が100を超えたら自分で祝杯を挙げたい、なんて書いたのですが、いつの間にか閲覧数は239に達していました。

 細かい法律の話でも、読んでくれる人が一定数いるということが分かって、ちょっと気を良くしております。


 この竹富島訪問税の仕組みには、もっと色々な課題があることが分かってきました。そんな話や、訪問税のフォアランナーと言うべき竹富島の入島料の話も、近いうちに書きたいと思います。



 当ブログは、当初から「沖縄に関すること」というのが唯一の縛りで、その中で自分が書きたいことは何でも書いて来ましたが、特に最近は、水着女子から法律や税まで、ちょっと暴走気味ですんません。



新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。

2026年8月10日月曜日

謎の「限定」泡盛 宮古島菊の露酒造の「島」





 泡盛にしてはちょっとオシャレないでたちの「島」。

 宮古島にある菊の露酒造が、今から約20年前に宮古島市発足を記念して限定販売したものです。


 ところが、「島」は今でも売っている。何で?




 この「島」は初代です。

 宮古島市発足を記念して、古酒3年・5年・8年物をブレンドしたアルコール度数30度の、宮古島限定品として販売されたものです。

 ラベル裏に「宮古島市誕生の喜び祈念して」とあります。

 祈念とは、神仏に願いが叶うように祈るという意味なので、この場合「記念」の間違いでは?と思っていたら、いつの間にか訂正されていました。



 一方、「島」は引き続き製造され、2代目は、3年古酒25度の沖縄限定品として販売されコロナの前の頃までに終売し、3代目は、30度の新酒で宮古島限定で今も販売されています。


 限定とはなんぞや?という大変奥深い問題に・・・笑





 雑談ですが、以前は泡盛の古酒とは、新酒と古酒をブレンドしても、古酒が51%以上ならば古酒と名乗っていたのですが、2015年8月から、3年以上寝かせた古酒100%でなければ、古酒と名乗ることはできなくなりました。

 これは、業界の公正競争規約(表示ルール)によるものです。



 ところで、何で口開けしないのか、と言われるかも知れませんが、 実は、ちょっとおいそれとは飲みにくい事情があります。


 このボトルは、沖友さんからいただいた物ですが、この沖友さんの弟さんが約20年前に宮古島に行き、お土産としてこの「島」をケースで買ってお姉さんのところに送りました。

 ところが、その弟さんは直後に急逝してしまい、結果として、いただいたボトルは形見分けということになってしまったのです。


 
 そんなわけで今まで、暗い場所で、時々揺すったりしながら大切に保管してきました。

 しかし、酒は飲むものですから、何かきっかけがあれば大事に味わいたいと思います。

 瓶詰め当初から古酒のブレンドで、あれから約20年も経っている訳ですから、どんな香りがして、どんな口当たりで、どんな喉ごしなのでしょうか。

 楽しみ ♪





 「島」の歴史について、AIに聞いたところ分からなくて、代わりに菊の露酒造のサイト内の問い合わせ窓口が示されました。

 それで、問い合わせた結果分かったのですが、悔しいからAIに教えてやんない。



新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。

 

2026年8月3日月曜日

ブログ14周年 いよいよ考えなければ




 ありがとうございます。


 何と14回目のブログ誕生日です。これまで読んでくださった皆様のおかげです。

 

 ブログを始めた2012年は、

 東京スカイツリーが開業し、民主党政権が終わり、円相場は1ドル79円前後で、AKBの全盛期で、スギちゃんの「ワイルドだろぉ~」が流行した年です。

 iPhoneの最新モデルは5で、ディスプレイは「大型の」4インチ、吉野家の牛丼は並盛り280円、マクドナルドのハンバーガーは120円でした。




 月日が経つのは本当に早いものです。
 


 4年前にブログ10周年を迎えた頃から、このブログをどう終わらせるか、などとウダウダ言っていましたが、そのままダラダラと4年が経過してしまいました。

 しかし、物事にはいつか終わりがある。ならば、終わり方をきちんとしたいという気持ちは消えません。

 

 もう潮時かなと考える理由は、

① あまりに長く続けているうちブログというものが変わった

 当ブログのPVは、今年5月に100万に達しました。ここまで来るのに13年余の時間がかかったわけですが、その後あっという間に110万PVを超えました。

 その大部分は、AIによるデータ収集なんだそうで、本当に人間が読んでくれる(この言い方も不気味ですが)数は分からなくなってしまいました。

② 主に個人的な理由で今までのように沖縄に行けなくなった

③ 書きたいことは大体書き尽くした

 ということなのです。


 一方、踏ん切りがつかない理由としては、

① 竹富町の訪問税や宮古島バブルなど追いかけたいテーマが残っている

② 何かあったときのための発信の場を残しておきたい 

③ 単純な寂しさ

 です。





 
 今考えているのは、何かエポックメーキングな出来事があればそれをきっかけに、それは、自分にとって、自分の沖縄旅行に関してのエポックメーキングなことですが、ブログを終了するということです。

 
 敢えてこのまま残しておいて、今後も気が向いたときに、たまに記事を投稿するというのもありかも知れませんが、ここまで育て上げたブログですので、何となくフェイドアウト、的な終わり方にはちょっと抵抗もありまして。 


 



 もしよろしければ、このことに関して、お読みいただいている立場の皆さんがどのように感じているのか、率直な感想をお寄せいただけると嬉しいです。

 正直マンネリ、といった意見でももちろん歓迎します。



 ブログの下の方に「コメントを投稿」という欄があるので、そこからコメントしていただくか、XやFacebookでコメントしていただいても結構です。

 公開したくない場合は、記事の一番下に「ご連絡はこちらから」というコーナーがあります。
 (スマホの方は、コメント欄の下の「ウエブバージョンを表示」に切り替えると、最下欄に表示が出てきます。)


 

新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。