2026年10月18日日曜日

那覇の国際通り 奇跡の1マイルは何処に行く?

  



 那覇の国際通り。相変わらず多くの観光客で賑わっていました。


 沖縄旅行ガイドに書かれないことはあり得ないという、沖縄随一の繁華街ですが、賑わっていた分、コロナでは壊滅的な打撃を受けました。

 あれから5年以上経過し、元の姿に戻ったのでしょうか.




 コロナ真っ只中の2020年7月、国際通りでは約80軒もの店舗が閉店・休業に追い込まれたとされます。 

 那覇市は、コロナ禍によって「観光客中心の業態」の脆弱性が明らかになったと説明していました。


 2022年。緊急事態宣言が終わり、通りには人が増えましたが、閉店して廃墟のようになってしまった店が多数ありました。

 翌2023年。シャッターの下りたままの店がまだかなり残っていました。


 あれから3年。今年の10月、前よりも復活していますが、牧志駅に近い方には、まだまだシャッターが下りたままの店が残っているようです。





 国際通り沿いにあった沖縄三越。

 百貨店としては2014年に閉店し、ビルの低層階に飲食店などが入っていましたが、いよいよ取り壊し工事に入ります。

 沖縄建設新聞によれば、跡地に建つ予定の新しいビルは13階建で、2031年の開業を目指します。

 3階から13階はホテルで、1・2階は商業施設となり、海外ブランドを中心とするファッション・雑貨・化粧品店などが並ぶそうです。


 これを読んで、脱力しましたよ。

 なんで、あの国際通りで、こんな日本中何処にでもあるような、ありふれた発想しか出てこないの?




 国際通りは、ホテルの立地条件としてはかなり悪い場所です。何しろ渋滞が激しく、車で近寄るのは大変です。歩行者天国になる時間帯もあります。

 それでは裏道を抜ければいいかというと、周辺の道路は、センターラインもない生活道路がほとんどです。

 しかも、ゆいレールの美栄橋駅や牧志駅から歩くと10分近くかかります。

 ここは、荷物を置いてからブラブラするのに適した街なのです。


 いまさら、海外ブランドを中心とするファッション・雑貨・化粧品店などが並ぶと言われて、わくわくする人はいるのでしょうか。

 蓋を開けたら、テナントは、○○良品とか、お値段以上とか、何とかバックスコーヒーだったりして。



 国際通りは、那覇市の中心と首里を結ぶ道路として、戦前の1934年に開通し、当時は新県道と呼ばれていました。

 沖縄戦で米軍の激しい攻撃を受けましたが、戦後間もなくの1948年、高良一さんという人がここに映画館を開設し、米軍の許可が得られやすいよう、「アーニーパイル国際劇場」と名付けます。

 アーニーパイルとは、伊江島の戦闘で死亡した、アメリカの従軍記者です。


 娯楽の少なかった当時、映画館には多くの人が殺到し、通りにはそれを当て込んだ店が次々に開業していき、闇市を形成していきました。

 翌1949年、来沖したアメリカの新聞記者が、そのあまりに早い復興ぶりを見て、「奇跡の1マイル」と呼んだことで話題になりました。

 その後も通りは、戦争で荒廃した那覇経済を牽引し、当時から車の渋滞が問題にされるほどだったそうです。


 本土復帰後は、通りにも観光客が増え、商店も観光客向けの土産物店などに替わって行きます。

 三越が閉店してからは、地元民はほとんど足を向けなくなり、闇市を起源とした小さな店は徐々に淘汰され、観光客相手の大規模店、特に、外国人向けの店が増えていきます。

 そうした事情もあって、普通の商店街と比べ、コロナからの復活に時間がかかっているのだと思いますが、復興の早さから奇跡の1マイルと言われた国際通りでは、何とも皮肉なことです。




 三越跡地しかり、宮古島のリゾートホテルしかり、ジャングリアしかりですが、どれも、沖縄の魅力や特性を本当に理解していない内地の人達が、頭の中で考えたプランであるとしか思えないのです。


 ジャングリアは、親会社が官民ファンドなどから80億円を超える出資を受けて建設されましたが、初年度は89億円の赤字で、公庫から30億円のつなぎ融資を受けたと報じられています。

 ジャングリアが面白いとかつまらないとか、待ち時間が長いとか短いとかいう以前に、「テーマパークを作れば北部観光の起爆剤になる」とかいって誘致した発想自体の是非が、問われるのではないでしょうか。


 宮古島に次々と建った高級リゾートホテル。各部屋にプール付きというのも珍しくありませんが、あんな綺麗な海があるのに、小さなプライベートプールは要らないと気付いた人は、多分リピーターにはなりません。


 国際通りには、例えばオリオンビール直営のビアレストランなんかどうでしょうか。

 それも、オシャレな高級店ではなく、「毎日行けるオリオンビアフェスト」みたいな、お祭り騒ぎ感が国際通りに似合うと思うのですが。



  起爆剤とは、元々僅かな熱や衝撃で爆発を起こすものです。

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2026年10月13日火曜日

それでもやっぱり宮古の海は綺麗だった

 


 宮古島南岸の名もない海。しかし、晴れた日の宮古の海は、本当に美しい。


 今年は、諸事情で沖縄旅行の計画もあまり立てられず、その上台風もあって八重山には行けず、宮古島にだけ3回行けたのみでした。

 今年最後の沖縄旅行になるであろう宮古行き。最終日の10月10日の午後の便で帰るところ、その日は朝から雲一つ無い晴天で、有終の美を飾ることができました。





 来間島に渡って、農村公園からのお馴染みの眺めです。


 余談ですが、上の花の名前は「へクソカズラ(屁糞葛)」という、とんでもない名前が付けられているのですが、別名は「サオトメバナ(早乙女花)」だそうで、わけが分からん。

 ちなみに、花言葉は「人嫌い」だそうです。


 下りていって、ネコの舌ビーチ。来間港のヨコです。




 10月ともなると、日中でも太陽が低くなり始めます。やや逆光気味ですが、こういうシーンも美しい。




 SUPとは、Stand UP Paddleboatの略ですが、漕いでいる人は椅子に座っているし、後ろの人は何もせず牽引ロープで引っ張ってもらっているし。

 これでは、WSP(While Seated Paddleboat)ではないかと。笑 



 リゾートホテルが乱立し、観光客が増え、パリピな人間やら半グレまで増えていると言われている宮古島とその周辺離島。

 物価も高くなったし、あまり良いニュースは聞きません。


 それでも、海が綺麗なままでいれば、宮古島はまだ大丈夫です。そんなことを改めて実感した、今シーズンのラスト宮古でした。





 干潮の与那覇湾。干潟であり、海の美しさとは無縁の場所ですが、それでも、晴れると気持ちが良い場所です。



 天気予報は曇りでしたが、見事に外してくれたのも、沖縄エピソードの締めとしてはなかなか。


 その前日の夕刻の前浜港。
 
 夕日は見られませんでしたが、秋らしい雲が僅かに染まり、暑いながらもほんの少し季節の移ろいが感じられました。



 
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2026年10月5日月曜日

竹富島の入島料 25年度収支を見て益々失望した



 竹富町の訪問税には最初から反対でしたが、竹富島の入島料については、当初は応援していました。

 今それが疑心暗鬼に変わりつつあります。

 喩えて言うなら、信じていた女が、知らない男と肩を並べて夜の街を歩いているところを見てしまった。そんな気分なのです。笑


 8月にも同じテーマで書きましたが、昨年度の収支報告が出て、疑心暗鬼度がさらに高まります。




 竹富島の入島料は、任意の寄附金です。島に行く人に1人300円の支払いを求めるもので、2019年から続いています。

 竹富町観光協会によれば、「入島料は、島の自然・祭事・習慣・伝統工芸や町並みを未来へ残す環境保全活動に使われます。」とされています。


 本来は、竹富町の事業ですが、島の財団に委託されています。
 
 2025年度の入島料収入額は、9,161,700円(対前年比97%)で、入島者に占める支払者の割合は、僅か7.1%にすぎません。

 支払者の割合は、2021度の13.7%をピークに、11.2%、9.7%、8.0%と年々下がっており、昨年度は、7.1%まで落ち込みました。




 財団は、この状況を打開するため、前回記事でご紹介したターミナルでの「納入はお済みでしょうか」攻撃の一方、キャッシュレスの導入、入島料を払った人がガチャを廻せるなど、あめとむち作戦を展開しましたが、事態は好転しませんでした。


 また、財団のアニュアルレポートの25年度取り組み経緯の中には、「入島料手売り販売実施」をトータルで数十日行った旨の記載があります。

 おそらくは、来島者に対面で直接支払いの協力を求めたということでしょうが、この「手売り」という言葉も、義務を伴う場面で使われる「納入」と同様、任意の協力金にはそぐわない言葉です。

 協力を「お願いする」ではなく、入島料券を「売る」という表現を、誰もおかしいと思わないのでしょうか。


 さらに、リピーターにも楽しみながら協力してもらえるよう、返礼品をリニューアルするという趣旨のことも書かれています。

 ガチャと相まって、「300円払うと何かもらえるよ」というインセンティブを付けたわけです。


 必至になって金集めに奔走しているように見えますが、違う方向に進んでいると思いませんか。


(入島料導入直前の石垣港離島ターミナル:2019年8月)


 アニュアルレポートから、2025年度の収支を拾ってみました。

 公益事業収入は、
 入島料収入が、9,161,700円
 補助金寄附金等を加えた公益事業の総収入は、11,265,795円
 でした。

 一方の公益事業支出ですが、
 事業費が、5,989,023円
 管理費が、6,349,658円
 です。

 事業費対管理費の割合は、48.5%:51.5%であり、管理費が事業費を上回っています。


 そうすると、入島料300円の内、本来の目的に使われているのは約145円に過ぎないことになります。

 入島料収入以外の公益事業収入が、全額管理費に回された(絶対にそんなことはあり得ないのですが)と仮定しても、それでも180円程しか本来の目的には使われていないのです。


 つまり、入島料の約半分、どんなに少なく見積もっても4割が、財団の維持や入島料の徴収費用に使われているのです。

 
 もちろん、本来事業を何もやっていないとは言いません。

 アニュアルレポートによれば、御獄の調査、港のゴミの分別、島の子供達によるビーチクリーン活動などが行われています。

 しかし、それが入島料の主な使い道ではないのであれば、話が違います。



 管理費をもう少し細かくみていきます。

 まず、役員報酬が1,282,960円です。昨年度からは大幅に減っていますがそれでも、事業費も含めた総費用の10%が役員報酬なのです。

 給与費が3,424,443円、賞与と法定福利費の合計が546,884円です。給与費は昨年度と比べほぼ倍増です。

 そうなると、役員報酬を含む人件費は、5,254,287円となり、総費用の42.6%を占めます。

 300円の入島料の内、推計で110円~125円が役員報酬を含む人件費に消えているのです。

 人件費以外に、その他の管理費が100万円ほどオンされます。



 一方、入島料の1/3以内の範囲で積み立てられるはずのトラスト事業用の資産は、前年度比で僅か42,000円の増加に過ぎません。

 これは、トラスト基金を指定した寄付が42,000円あったためで、入島料からの積み立てはゼロです。

 2019年度からのトータルでも9,057,090円に止まります。


 かつて、コンドイビーチ隣接地にリゾート開発計画がありましたが、島を挙げて反対しました。代表は訴えられ、訴訟沙汰にもなりましたが、初志を貫徹しました。

 再びそういったことが起きないように、土地を買い戻すためにトラスト基金を始めたのではなかったのでしょうか。あの時の熱気は何処に消えたのでしょう。





 宮古島の景観地、東平安名崎では、かつて地元の自治会が、環境美化活動のためとして来訪者から300円の協力金を集めていました。

 しかし、事業目的に地域住民の雇用が含まれていたことを不審に思った人達が調べたところ、事業は委託され、委託先が徴収員を雇って集金し、協力金のほとんどが徴収員の人件費に消えていたのです。


 竹富島の入島料は、これとは違うと胸を張って言えるでしょうか。

 昨年度も、一昨年度も、半分ほどを財団の維持費用に使ってしまい、トラスト基金は増えていません。

 一方で、ガチャを作ったり、返礼品を替えたり、そんなことを一生懸命やっている。それも経費です。

 これで「入島料は、島の自然・祭事・習慣・伝統工芸や町並みを未来へ残す環境保全活動に使われます。」と言うのは、おこがましくありませんか。


   
 冒頭のイラストは、もちろんAI作ですが、ブロンプトを書いたのは自分です。

 悪意に満ちているように見えるかも知れませんが、今の偽らざる心境をAIが上手く表現してくれました。

 応援をしていただけに、入島料を取り巻く現在の環境には酷く失望しています。

 同じテーマで記事をアップしたのが8月25日ですが、その後に2025年度の収支状況を見て、益々残念な気持ちになってしまいました。


 

※ 8月25日の前回記事は、こちら。

※ 財団の収支については、こちら。

 
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