2023年2月27日月曜日

本気で考えた 運転免許なしで遊ぶ宮古・八重山 Ⅱ

 


 超車社会の宮古・八重山で、観光客が車の運転無しで遊ぶ方法。続編です。


 この記事では、運転免許無しで宮古・八重山を楽しむための、なるべく具体的な情報をお届けするつもりですが、かつてあった石垣島の「まちなか循環バス」が廃止されたように、状況は常に変わります。

 実際に利用される際は、その時点の最新情報を確認していただくようお願いします。
 


 まず、宮古・八重山で、レンタカー以外の移動方法を確認しておきしょう。それぞれの詳しい内容は、改めて紹介します。




路線バス

 宮古島、宮古島と橋で繋がる周辺離島、石垣島、西表島には、路線バスがあります。

 多良間島、竹富島にも、路線バス的な車が運行されています。また、与那国島には、無料で乗れる生活バスがあり、観光客も利用できます。

 ただし、石垣島の空港線以外は、1日1~10往復程度の運行なので、バスに乗って遊びに行く場合は、時刻表のチェックが必須です。


 これまで、石垣島は何とかバス観光もできるけれど、宮古島では現実的でないと言われていました。

 昨年登場した宮古島ループバスは、宮古島で初めて本格的に観光に使える路線バスだったのですが、これは実証実験ということで、一旦終了してしまいました。
 今年の夏も、是非復活して欲しいところです。

 また、下地島空港からのバスは、航空便に連動しており、観光向きとはいえないものの、空港と市街地やホテルを結ぶという点では便利です。


 石垣島では、バスのフリーパスが発売されており、1日券が千円、5日券が2千円と、大変リーズナブルです。


観光バス

 宮古島と周辺離島、石垣島、西表島には、個人手配で乗れる観光バスがあります。竹富島にもこれと似たようなものがあります。

 ただ、小浜島の観光バスはなくなってしまったようなのでご注意ください。与那国島にも観光バスはあることになっていますが、個人では予約できないみたいです。


 その島の観光地を取り敢えず一通りは見ておきたい、という場合には、観光タクシーと共に使えるツールです。


タクシー

 タクシーがあるのは、宮古島と周辺離島、石垣島、竹富島、西表島、与那国島です。

 コスト面を別にれば、車を運転しない人にとってはタクシーが最も頼りになるはずですが、近年ちょっと注意が必要です。


 コロナ禍でタクシー不足が懸念されているのです。

 加えて、この夏以降、中国などからのクルーズ船が復活する見込みですが、コロナ以前は、宮古島、石垣島にクルーズ船が到着した日は、島人も含め一般客はタクシーが捕まらないといったことがままあったので、その上、タクシー不足が加わるとちょっと恐ろしい気がします。

 昨年でも、近距離では予約も受けないという話も聞いたので、今年の夏シーズンがどうなるのか、タクシーメインで考えている人は、出発前の情報収集が必須です。


観光タクシー

 何時間も乗り続ける場合、賃走のタクシーよりは安く、観光バスよりは自由が利くのが観光タクシーです。

 ただ、それでも結構なお値段なので、1人2人では、気軽に使うにはちょっと躊躇するかも知れません。

 タクシーのある島には、観光タクシーがあります。


 与那国島にも観光タクシーがあることになっているのですが、サイトには、「稼働タクシーは基本1台だけです・・・・ タクシードライバーはバス乗務員と兼用。バスの出勤が多くなりますとタクシーの乗務員がいなくなります。」なんて注記がありました。
 いかにも島らしくて笑っちゃいましたが、そういうことだそうです。



送迎バス・送迎車・連絡バス

 一部のホテルでは、空港までの送迎をやっています。あると有り難いサービスです。

 八重山の離島では、民宿も含め多くの宿が港まで迎えに来てくれます。


 安栄観光、八重山観光フェリーに乗って八重山の離島を巡るツアーに参加すると、石垣島の主なホテルまで送迎してもらえます。


 また、西表島に関しては、安栄観光、八重山観光フェリーで上原港まで行くと、白浜まで行く連絡バスが出ています。

 これを利用すれば、上原港より北西側にある海岸沿いのスポットには、ほぼ行くことができます。

 石垣島の離島ターミナルで船のチケットを購入する際、バスを利用する旨申し出ると、無料でバス乗車券がもらえます。

 帰りは、上原から石垣までの船のチケットを見せると乗せてもらえるので、離島ターミナルで往復券を買っておく必要があります。

 これらの券がないと、現地に着いてからでは乗せてもらえない・・・はずなのですが・・・ (何事もなかったように普通に乗って普通に降りるあばちゃんとかを見かけるのですが。)

 
ツアー送迎

 シュノーケリング、SUPなどのマリンスポーツを扱うショップは、ほとんどの場合宿まで迎えに来てくれます。
 なので、その手のツアーに参加すれば、その日は、足の心配をしなくて済みます。

 実は、このやり方が、車の運転無しで宮古・八重山を楽しむ、最も実用的な方法だと思うのです。

 実際、ダイビングを目的でやって来る人の多くは、運転免許の有無に拘わらず、そうやって楽しんでいます。

 運転免許を持たない人は若い人が多いので、観光地を周るより、綺麗な海で泳ぎたい、海遊びをしたいという人が多いのではないでしょうか。


自転車

 自転車は、宮古島、石垣島では、スポーツとしてサイクリングを楽しむか、近くのコンビニまでといったチョイ乗り以外は、一般的な移動手段としてはハードです。

 国道、県道などの主要路線では、車も飛ばすので、気を遣います。


 ただ、島の中には平坦なエリアもあるので、そういう場所を選んで、海遊びを兼ねた軽いサイクリングをしてみるのは楽しそうです。海沿いの道は大体平坦です。
 自転車を貸してくれるホテルなどは意外と多いです。

 また、最近は、電動自転車のレンタルも増えていますので、さらに行動範囲が広がると思います。


 竹富島や黒島、波照間島のような八重山の小さな島、多良間島では、自転車がメインの移動手段となります。
 さらに小さな、鳩間島、大神島では、基本徒歩移動です。





 八重山の各島や大神島は船でしか行けませんが、船でしか行けないところは、運転免許を持っていようがいまいが関係ありません。

 逆に考えれば、車を運転しない人は、そういう島を選んで行けばいいということです。

 免許がないから、石垣島はあまり周ったことはないけれど、竹富島や波照間島にはよく行く、なんていう人も少なからず居ます。


その他

 昨年、黒島でキックボードをしている人を見かけました。聞いたら、石垣島で借りて船に積んで来たのだとか。

 自転車より小回りが利くし楽しそうでしたが、これは平坦な場所専用だと思います。


 ただ、電動キックボードなら、行動範囲もぐっと広がるのではないでしょうか。

 残念ながら、電動キックボードはまだ数が少なく、一部のリゾートホテルや、それ専用のツアーに参加しなければ借りられませんが、今年の7月1日からから16歳以上なら運転免許無しで乗れるようになるので、もしかしたら今後広がって行くかも知れません。




旅行の時期について

 時期はそれほど関係しませんが、旧盆の時だけは注意を要します。沖縄では、旧暦で行事を行います。

 旧盆期間中は、ただでさえ少ないタクシーが本当に捕まりません。その他、商店や飲食店も休むところが出てきます。

 ちなみに、沖縄に限りませんが、昔から、盆期間中は海で泳ぐと先祖があの世に連れて行ってしまうと言い伝えられています。


 旧正月は、沖縄はオフシーズンなのであまり問題はないとは思いますが、春節の中国など、旧暦文化のアジアの国から観光客が大挙して押し寄せます。


手荷物対策

 バッグパッカーという人もいるのでしょうけれども、沖縄旅行者の大半は、大きなキャスターバッグを転がしながらやって来ます。

 レンタカーならば、空港で車を借りてしまえばあまり問題のない手荷物ですが、車がないとなると、大きな荷物はスムーズな移動の妨げとなります。

 石垣島なら離島ターミナルのコインロッカーに預ける手もありますが、宮古島では、空港以外に荷物を預けられる場所があまりありませんから、宿泊先の宿に預かってもらうくらいしか方法がありません。


 そうなると、空港到着後先ず宿に向かい、帰りは、宿に寄って預かってもらった荷物を受け取ってから空港に向かうことになります。

 それは、非効率ということであれば、いっそのこと、宿のチェックインができる時間(大半は15時)に到着する便を選択するのはどうでしょうか。
 一般には、沖縄に向かう飛行機は、午後便の方が安くなります。帰りはその逆のことをすることになります。 


 また、滞在中宿を変えないことも重要です。
 3泊したいのに、お目当ての宿が1泊しか空いていなかった、なんていう場合は悩みますけどね。

 もちろん、可能ならば手荷物を減らす工夫も必要です。


宿選びも重要

 宿泊先を選ぶ際、立地もよくチェックしてください。

 バス停に近いか(空港からの送迎サービスがあるか)、ビーチ、飲食店、石垣島なら離島ターミナルの近くにあるかどうかは重要なポイントです。


 例えば、お目当てのビーチの前に建つリゾートホテルや、そこに歩いて行ける宿なら、そのビーチで遊ぶ限り、足の心配はいりません。

 石垣島に泊まって、竹富島など他の離島に行く場合は、離島ターミナルまでの足をどう確保するかは要チェックです。

 逆に、駐車場を気にしなくていいので、その分は選択肢が広がります。


 手荷物対策、現地の到着・出発時間、宿の場所などトータルで考えておくことも、車の運転なしで楽しむ宮古・八重山旅行のポイントです。





 なかなか、具体的なルートの話にたどり着けませんが、次回から、島ごとの遊び方や、モデルコース的なものもお示ししたいと思います。





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2023年2月23日木曜日

本気で考えた 運転免許なしで遊ぶ宮古・八重山 Ⅰ

 

 運転免許は持っていない、持っていても知らない土地で車の運転をしたくない、でも沖縄には行ってみたい、そういう人が若い層を中心に相当数いるようです。

 そんな人達が、超車社会である沖縄の、特に宮古・八重山で、車の運転無しで楽しむ方法を、観光客の立場で考えてみました。


 実は、以前にも同様の趣旨の記事をアップしたことがありますが、抽象的な話が多かったかも知れません。

 今回はその点も踏まえ、具体的で役立つ情報提供を本気で考えました。例によって長くなりそうなので、何回かに分けてお伝え介します。




きっかけは

 琉球新報Digital(1月6日版)が報じた、「首都圏・阪神圏のZ世代のうち62.9%が旅先でレンタカーを運転したくないと思っていて、44.4%は自動車の免許を保有していなかった。」というニュースでした。


 毎日新聞の1月20日付け夕刊の一面トップでも、「沖縄観光公共交通に注目」という記事が載っていました。

 折しも、沖縄ではレンタカー不足が問題となっていますが、そもそも車を運転しない人が増えていることも指摘されています。

 
 沖縄に行きたいのに行けない、というのは、沖縄大好きな自分としては何とももったいない話だと思うのですが・・・

 


現地では実感も危機感もないのでは

 ところが、肝心の沖縄では、どうも関心が薄いようです。

 琉球新報の記事は最後に、「県観光振興課の担当者は「通信情報技術を活用して利便性を高めるMaaS(マース)なども活用して、まずはレンタカーと既存の公共交通を組み合わせて利便性を高めるのが第一だ」と指摘した。」と結んでいるのです。


 ゆいレールで、てだこ浦西駅辺りまで行って、そこでレンタカーを借りられれば、那覇市街の渋滞を回避できて効率的です。
 でも、そもそも車の運転をしない人にとっては、レンタカーと公共交通を組み合わせたって意味ないでしょう。

 MaaSとは、自動運転やAIなどのテクノロジーを掛け合わせた次世代型交通サービスのことですが、自動運転はレベル3だとしても、完全到達は早くても2030年だと言われています。



 沖縄観光コンベンションビューローでは、webサイト「おきなわ物語」の中で「レンタカーだけじゃない! おきなわ旅の楽しみ方」というページを公開しています。

 分量も多く豊富な内容で、今後もアップデートされるそうですが、少なくとも宮古・八重山に関しては、使える内容ではありませんでした。


 モデルコースでは、宮古島、石垣島で、「何処から何処までバス何分」とサラッと書いてありますが、バス自体が1日に数本しか運行されていないとしたら、それをどのように組み合わせたら、何処と何処に行けるのかを教えてもらわなければ意味がありません。
 

 与那国島のページでは、タクシーか自転車で行けということになっています。面積は小さいけれど山坂ある与那国島を自転車で周るのは、観光ではなくスポーツの域です。


 超車社会にどっぷり浸かっている人達にとっては、車を運転しない人の気持ちが分からないのかも知れません。




どういう情報が求められているのか

 レンタカーが使えなければ、代わりにバス、タクシーなどの公共交通を利用するべし、ということは誰でも想像がつきます

 でも、「バスで行けます」と言われても、宮古・八重山のバス路線のほとんどは、2~3時間に1本程度しか運行されていないのです。

 タクシーは金がかかるし、自転車移動はチョイ乗り以外は非現実的です。


 運転免許を持たない人が本当に知りたいのは、許容範囲の時間とコストで、車なしで何ができるのか、何処まで行けるのかという、具体的で現実的な情報だろうし、そもそもそれで宮古・八重山を満喫することができるのか、という点なのではないでしょうか。

 なのでそのニーズに応えられれば、運転免許を持たない人にとって役に立つ情報になると思い立ったのです。




発想の転換も必要

 宮古島でも石垣島でも、観光拠点を効率よく廻るには、やはり車が便利です。免許がなければ、金は掛かりますが、観光タクシーを利用するのがいいでしょう。

 ただ、そういう遊び方をすることが、宮古・八重山で相応しいかは別問題です。

 
 例えば、宮古島周辺の前浜、砂山、ネコの舌、長間浜、渡口の浜、17END、フナクスなどは、いずれもオールジャパンでもトップクラスの美しい海です。

 それらを1日で見て周ることは物理的には可能ですが、必ずしもお勧めというわけではありません。
 どこか1箇所か2箇所に絞って、ゆっくり散策したり、泳いだり、あるいはマリンスポーツを楽しんだりする方が、より宮古島の魅力を体感できるかも知れません。


 石垣島で、観音崎、御神崎、川平公園、平久保崎、玉取崎、バンナ公園などを周るのも同じことです。

 川平公園をゆっくり散策し、グラスボートにも乗れば、あっという間に半日ほど経ってしまいます。早足で各所を巡るのとどちらが充実するかは人によります。


 せっかく行くのだから、あちこち周ってみたいとつい思いがちです。

 でも、その発想を転換して、宮古・八重山で本当にやってみたいことは何なのか、本当に楽しいと思える瞬間はどういう時なのか、そこをポイントに旅の計画を立ててみるのはいかがでしょうか。

 例えば、

・ グラデーション豊かな海を展望台から見下ろしたい
・ 人がほとんどいない海で泳いでみたい
・ シュノーケリングで珊瑚礁やウミガメを見てみたい
・ 穏やかな美しい海でSUPやカヤックを体験したい
・ きめ細かい白砂の浜を素足で歩きたい、何もせずボーッとしていたい
・ 椰子の木やハイビスカスを背景に映え写真を撮りたい
・ ポスターで見たあの眺めを自分の目で見てみたい
・ あれが食べたい、お土産にこれを買いたい

などなど。

 つまり、レンタカーで行くべき所に代替手段を使って行くという発想ではなく、やってみたいことをやるためにどのような手段があるかを考えるという発想です。


 さらに、旅行する時期、ホテル選び、手荷物を減らす工夫、飛行機の発着時間、宮古島では到着空港の選択なども含めトータルで考えることで、車なしストレスなしの宮古・八重山満喫プランの選択肢が増えると思います。




 今回は、プロローグだけで終わってしまいましたが、次回から具体的な話をします。






 沖縄観光コンベンションビューローの調査についての記事はこちら

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2023年2月19日日曜日

沖縄で雨が降ったら花の写真を撮りに行こう




 沖縄で雨に降られてしまうとあまりやることはない。でも、写真好きであれば、敢えて雨に濡れた花の写真を撮りに行くのもアリだ。



 雨に降られた海は、その本来の美しさを発揮できませんが、雨に濡れた花は、独特の風情があります。
 なので、雨でも花の咲いている所まで出かけてカメラを構えます。
 
 今回は、雨の中、雨上がり直後に撮った、沖縄でお馴染みの花達の中から、ここ1年くらいに撮ったものを並べましたのでご覧ください。



 ハイビスカスとカタツムリ。「雨」というテーマにピッタリです。





 濡れた花びらが美しいとは言っても、実際雨の中で傘を挿して一眼レフを構えるのは難しいので、雨が上がった直後が狙い目です。

 そのために、降っている内に移動し、車の中や四阿などで雨が上がるのを待ちます。

 
 それでも、わざわざ雨の真っ只中に撮ったのがこれ。ビチャビチャと雨が降る感じが伝わるでしょうか。
 傘の柄をアゴに挟んで、変なカッコで一苦労して撮ったのですが。笑




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2023年2月14日火曜日

八重山の英雄オヤケアカハチとフルスト原遺跡




 時は西暦1500年2月13日、中山(ちゅうざん:琉球王府)は、王への朝貢を絶ち臣民である宮古を攻めた八重山の首領オヤケアカハチに対し、琉球軍の軍船大小100艘、琉球兵3千人を送り込み、これを討ち取った・・・


 とこれは、中山側の資料によるものですが、石垣島では、

 年貢を拒否し、中山へ反旗を翻したオヤケアカハチは、正義感が強く、島民開放のため先頭に立って権力に立ち向かった英雄で、島民達から太陽と崇め立てられ、信望を一身に集めていた、

 となるのです。 




 そんな八重山の英雄、オヤケアカハチの居城跡だと言い伝えられてきたのがこの場所。石垣島にあるフルスト原遺跡です。


 遺跡には、石塁の遺構、古墓、御獄跡などがあり、中国製の陶磁器や八重山焼の破片が出土しているそうです。

 古文書にもそれと矛盾のない記述がある一方、生活用品は多数出土するものの、武器が出てこないなど、本当にオヤケアカハチの居城だったかは真偽不明です。




 フルスト原遺跡の南西に広がるのは、旧石垣空港跡地です。

 旧石垣空港は、戦時中日本海軍の石垣飛行場として開設されました。
 戦下で物資が不足する中、近くにあった遺跡内から、鉄製品を始め多くの物が軍に供出されてしまい、遺跡は荒れてしまったそうです。




 石垣飛行場は、戦後は民間機のための空港となりましたが、滑走路が千五百メートルしかなく、飛行機のジェット化に適さなかったことから移転が検討されます。

 当初は、旧空港を延長する案もあったのですが、滑走路の南西側には市街地が迫っており、北東側にはこのフルスト原遺跡があったため、延長案は消えたとされます。


 確かに、貴重な遺跡を潰して空港にするのはどうかと思いますが、その代替案とされたのが、珊瑚礁の白保の海を埋め立てて建設する案だったので、本当に遺跡を守るためなのか、単に大規模な土木工事をしたかっただけなのではないかと、つい勘ぐってしまいます。


 
 復元された石塁。竹富島では今でも見かける、珊瑚石灰岩の野面(のづら)積みです。





 さて、オヤケアカハチに話を戻します。漢字で書くと遠弥計赤蜂だそうですが、別の説もあります。
 赤い髪をしていたことは間違いないようです。


 元来、宮古・八重山は、琉球には属さない、大平山(タイビンサン)と呼ばれる地域で、首里城内の欄干銘には、宮古島を太平山と記している箇所があります。

 その後中山(琉球王府)の侵攻に対し、宮古島の酋長であった仲宗根豊見親(なかそねとぅみや)は恭順の意を表し、中山王から島主に任ぜられました。
 宮古が朝貢国となったことを受けて、八重山にも同様の主従関係を求めてきたことに対し、オヤケアカハチ率いる八重山の軍勢が反抗したのが、オヤケアカハチの乱です。


 「乱」というのは、中山側から見た歴史であって、八重山では、敗れはしたものの、中山の侵攻から現地の民を守ろうとしたアカハチは、地元の英雄として今も名を留めています。



 石垣市立大浜小学校に向かって檄を飛ばしているかのようなアカハチ。「ゲームばっかりしていないで、勉強しろ!」なんて言っているのでしょうか。




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2023年2月8日水曜日

開通8周年記念 伊良部大橋36景 Ⅲ


(伊良部島口から)


 「伊良部大橋36景」

 最終回は、ちょっと意外な眺め、朝夕の絶景、そして、開通前の写真も交えて12点をご紹介します。


宮古島トゥリバー地区から)



(宮古島トゥリバー地区から)



(いらぶ大橋海の駅から)



(ゆにの浜から)



(伊良部島側海中道路部分)



(宮古島トゥリバー地区から)



(宮古島側の歩道から)



(宮古島口から)



(宮古島トゥリバー地区から)



宮古島トゥリバー地区から 2009年8月)



(来間島長間浜から 2012年9月)


 伊良部大橋

 橋梁部の全長3540メートル、海中道路(埋立部分)600メートルで、総延長は、全国第5位、通行料金を徴収しない橋としては日本最長

 開通 2015年(平成27年)1月31日午後4時

 最高桁下高27メートル

 事業費399億円






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2023年2月3日金曜日

開通8周年記念 伊良部大橋36景 Ⅱ

 
(伊良部島南東側から)


 「伊良部大橋36景」

 2回目は、橋そのものを撮った写真、橋から撮った橋の写真など12点をご紹介します。


(伊良部島牧山展望台から)



(宮古島行きの機窓から)



(橋の歩道から)



(伊良部島北東側から)



(宮古島口から)



(伊良部島東側の高台から)



(伊良部島ヤマトブー大岩に向かう道から)



(橋の歩道から)



(宮古島口から)



(伊良部島東側駐車場から)



(伊良部島から来間大橋(奥)との二重橋)






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