2018年1月30日火曜日

”うりずん”ですが春休みの沖縄旅行に関しては・・・


 今時分になると毎年、「春休みに沖縄に行くのってどう?」と聞かれることが多くなるのですが・・・

 結論を先に言ってしまうと、当ブログとしては、あまりお勧めしていません。
 理由は、ひと言でいうと中途半端な時期だからです。



 春休みなんて、学生だけの特権かと思っていたのですが、大学生のほか、教育関係にお勤めの人とか、子供の休みに合わせて旅行したい親御さんなど、旅行のニーズが結構あります。

 そういえば、青春18切符もこの時期に発売されますね。でも、こと沖縄旅行に関しては、ん~ どうなんでしょうかねぇ、という感じです。



 気象台のデータで具体的にみてみましょう。

 平年の最高気温の平均は、
 石垣島では、3月が23.5℃、4月が25.8℃
 宮古島では、3月が22.7℃、4月が25.1℃

 暑からず寒からずで、ちょうど良いじゃん!と思う人もいるでしょうね。
 感覚的には、春休み期間中(3月末から4月初頭)の服装は、日中でも基本的には長袖シャツで、半袖で過ごせる時間は、あまりない感じです。


 一方、水温は気温の2ヶ月遅れといわれるので、ウエットスーツなしで泳ぐのはまず無理です。

 春分の日前後、沖縄各地で海開きが行われますが、これは単なるイベントで、内地の海開き、プール開きのように、その日から皆一斉に泳ぎ出すわけではありません。
 余談ですが、日本一早い海開きは、最近では小笠原村の1月1日午前零時です。




 日照時間ですが、
 石垣島では、3月が112.0時間、4月が125.3時間
 宮古島では、3月が112.0時間、4月が123.5時間
 と、最盛期の7月(石垣島264.5時間、宮古島246.7時間の)の半分以下となっています。

 4月1日頃は、日の出から日没まで約12時間半。そのうち4時間は晴れる計算ですが、逆に言えば、8時間は曇りか雨のわけで、その辺をどう考えるかだと思います。
 

 暑くないから却って快適。泳ぐつもりはない、若しくはウエット着用で泳ぐ、ダイビングだから関係ない。3日行けば1日は晴れる計算だし、台風の心配もないし、そんなに悪くはないのでは?という人もいるでしょう。

 それはそのとおりですし、そもそも天候は当たり外れがあり、こればかりは運次第なので、あまり気にするのもどうかと思います。



 春休みの期間中のマイナス要素としては、ツアー代金が高いのです。航空券単体も、春分の日以降4月第1週くらいまでは、週末を中心に高くなります。人も多くなり、各種予約も大変です。

 しかし、ちょっと時期をずらせば、4月の第2週辺りからはツアー代金がぐんと安くなり、人出も減って静かになります。
 4月も終盤になると、GW絡みで再び価格も吊り上がり、人も増えますが、この頃になると、ビーチではボツボツ泳ぎ始める人も出てくるなど、徐々に夏らしくなってきます。

 そういうわけで、春休みは、ちょっと中途半端。コストパフォーマンス的には、苦しいところです。



 もう一つお勧めしにくい理由は、この時期は、うりずん=初夏の快適な時期、というイメージを旅行業界から刷り込まれて、過大な期待をする人が少なからずいるからなのです。


 うりずんとは、「潤い始め」から発生した沖縄方言で、旧暦2、3月頃の、沖縄で一番過ごしやすい時期とされています。

 ですが、元々季節の移ろいの少ない沖縄では、内地のような、新緑の季節とか、花が咲き始める季節、というようなイメージではありません。
 そもそも、ハイビスカスなどは1年中咲いてますし。

 夏に比べれば暑くはなく、冬に比べれば北風が吹く日も少なくなって過ごしやすい、それが沖縄のうりずんです。
 「内地の5月の気候」が沖縄にあるわけではありません。

 また、トロピカルフルーツは、少なくともマンゴーやパインなどメジャーな物は出回っておらず、沖縄の県花デイゴが咲くのは、早いところでも4月以降、テッポウユリは、GW頃が見頃です。
 まあ、特定の花を求めて行く人は、かなりの通でしょうけど。


 やはり、沖縄が一番沖縄らしく輝くのは、何と言っても夏なのです。そこを敢えて外して、人の少ない時期に安く行こうというのもアリだと思います。
 しかし、そのどちらでもないとすれば、やはり中途半端な気がします。


 そんなわけで、この時期を逃すと、沖縄に行くチャンスがないという人や、頭の中がどうしても行きたいモードになっている人は、もう行っちゃうしかないのですが、待てる人はもう少し待った方が良いかな、というのが春休みの沖縄旅行なのです。



2018年1月26日金曜日

ザ・ケラマブルー 阿嘉大橋は徒歩5分の展望台




 港や集落から直結の阿嘉大橋は、まるで展望台。ケラマブルーといわれる阿嘉島の美しい海が、眼下に広がります。
 この眺めまで、船を下りてから徒歩5分。
 


 港に隣接した公園があって、テニスコートがあります。でも、テニスなんかやってる場合じゃないだろぉ!っていうくらい、周辺の海が綺麗なんですが。

 もっとも、地元住民からすれば、これが当たり前の海なのでしょうね。


 不思議な船が阿嘉大橋下を通過しました。サバニとはちょっと違う、帆のついた手漕ぎ船? 進行方向右側に出っ張っている物は何のためのものなのでしょうか。
 これは、レジャーとかスポーツとか、そんな類いですよね。


 橋は、ほぼ南北に架かっているため、橋からは、東西方向を臨むことになります。つまり、朝日・夕日のビューポイントでもあるのです。



 「ケラマブルー」がセールスポイントの慶良間諸島。宮古ブルーや波照間ブルーとどう違うの?というのは無粋ですかね。

 阿嘉島は、座間味島と同じ座間味村に属します。
 外国人観光客の激増で、落ち着かない島になってしまった座間味島に比べれば、静かで、離島らしさが色濃く残っています。

 船や宿の予約が大変だったりするのですが、日帰りではなく、是非泊まりで行っていただきたい場所です。




 午前中の早い時間帯と、夕方近くには、橋の影が海に映ります。「影大橋」です。


2018年1月21日日曜日

ザ・ケラマブルー 阿嘉島の海と阿嘉大橋



 慶良間諸島の阿嘉島。

 ケラマブルーと呼ばれる海の色と、ランドマークの阿嘉大橋。
 那覇から高速船で1時間程度で行ける場所でありながら、宮古・八重山にも匹敵する美しい海に囲まれています。




 この橋は、港の真ん前、集落入口の正面にあります。橋を渡るのも、周辺から眺めるのもすべて徒歩でOK
 沖縄には、海に架かる長大橋がいくつもありますが、こんな場所はここだけ。オンリーワンのビューポイントです。




 海は綺麗で当たり前!と言わんばかりに、グイグイ主張してきます。カメラを持って歩いてみると、あれもこれも撮りたくなって、休む暇もありません。




 超広角レンズで下から見上げました。海の色だけではなく、橋の形も絵になります。



 地上から見上げる橋。なだらかに降りて行きます。



 座間味島や渡嘉敷島と同様、夏休み期間中は、那覇からの日帰り客がドッと押し寄せますが、他の2島と比べ、宿も少なく飲食店もガイドも少ないこの島は、やや敷居が高いような気がします。
 でもその分、ノンビリと落ち着いた雰囲気を多く残します。手軽に出来るシュノーケリングも魅力的です。



 海上から見上げる阿嘉大橋。阿嘉島にやって来る定期船は、この橋をくぐってから港に到着します。
 逆に、橋の上から見下ろした光景も、とてもいいので、それを次回にお目にかけます。


2018年1月16日火曜日

石垣島の観光名所唐人墓とロバート・バウン号事件



 沖縄離島には似つかわしくない、派手な建築物は、石垣島にある唐人墓(とうじんばか)です。

 石垣島の観光名所であり、団体ツアーのほとんどがここに立ち寄ります。そして、施設の見学と共にある物語を聞かされます。

 それが、ロバート・バウン号事件です。

 

 
 1852年、日本がまだ江戸時代だったころ、アメリカの奴隷貿易船、ロバート・バウン号は、約400人中国人の苦力(クーリー)を乗せて、福建省からカリフォルニアに向かっていました。

 苦力とは、中国やインドの下層労働者の呼称で、19世紀後半、黒人奴隷に代わる労働力として売買されていたそうです。

 航海の途中、苦力達は、弁髪をそぎ落とされたり、奴隷として売り物にならない病人が海中に投棄されるなどの虐待を受けたことに腹を立て、船内で暴動を起こし、船長ら7人を殺害、船を奪取しました。
 その後、台湾に向かうものの、石垣島の崎枝沖で座礁。八重山政庁の蔵元は、現在の墓がある冨崎原に仮小屋を建てて、生存者380人を収容したのですが、米英の兵船が3回にわたり来島し砲撃を加え、武装兵を上陸させて山中に逃亡した中国人らを捜索し、銃撃・逮捕し、それを逃れた者も自殺したり疫病で病死したりと、多数の犠牲者が出る騒ぎとなりました。

  これに対し琉球王府と蔵元は、人道的に対応し、島民も密かに食料を運び込み、死者に対しても一人ひとりに石積みの墓を建立して丁重に祭り、生存者172人は関係国との交渉の末、翌年9月、琉球の護送船で福州に送還したのです。


  この事件で犠牲となった人の霊を慰霊するため、石垣市と台湾側とで1971年に建立したのがこの唐人墓で、現在の墓は1982年に改修され、説明文も事件の概要を伝えるものに書き改められました。




 物語は、米英の植民地主義者による中国人労働者略取販売という非道と、それに対する八重山の人達の人道的な対応、という美談として語られます。


 一方、一部の研究者は、物語を検証し、疑問点や問題点を指摘します。

 実際に英米兵に殺害されたのは3人で、犠牲者の多くは疫病によるものだが、その理由の一旦は、収容施設の衛生状態がよくなかったことによる。
 苦力は、誘拐同然に集められたという説もあるが、時代背景からみれば、必ずしも奴隷的な労働者だけでなく、知識階級の人々の出稼ぎもあった。
 漂着や座礁したのでなく、石垣島を台湾と間違えて上陸した形跡がある。
 英米の砲撃も威嚇砲撃程度であった。

 ことなどの可能性が指摘されています。

 「中国と琉球の友好の歴史の証人」とする論文が出る一方で、これを真っ向から否定する見解もあるそうです。




 我々が知るべきなのは、史実であって、物語ではありません。美談に酔いしれて良い気分に浸るには、ちょっと重過ぎる事件です。

 ですが、ロバート・バウン号事件そのものはノンフィクションであって、後に英米の船が、三度八重山の地にやって来て、砲撃したことも紛れもない事実です。
 収容施設の衛生状態が悪かったとしても、それは、当時のこと。島民自体が貧しかった中で、突然やって来た大量の漂流者に、必ずしも十分な保護ができなくてもやむを得なかったのかも知れません。
 いきさつはともかく、生存者を送り届けたのも事実のようです。
 飛び道具で襲撃してきた英米船に、丸腰同然の島民は、なす術もなかったことでしょう。

 内地から遠く離れた八重山では、やはりそれなりの歴史を背負っています。単純に善悪に色分けすることや、過大に盛って美談として語ること、逆に過小評価することは、いずれも適当とは思えません。
 



 唐人墓は、団体観光客のほとんどが見学して行くのに対し、海遊び目的で訪れる個人客は、ほとんど見向きもしない場所です。

 しかし、あの派手な建物は、観光客向けのテーマパークではありません。過去に石垣島が巻き込まれた重い事件のシンボルです。
 真の沖縄好きであれば、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
 
 離島桟橋から、車なら10分程度。観音崎のお隣です。川平行きのバスも停車します。


 余談ですが、唐人墓は、「とうじんばか」と読みます。墓を「ばか」と濁音で読むのは、あちらでは一般的なのですが、「ばか」が「馬鹿」と誤解されないよう、東運輸のバス停は「唐人の墓(とうじんのはか)」となっています。



 おい、お前ら、罰が当たるぞ!

2018年1月11日木曜日

この場所に来ると不思議と虹が・・・ 黒島宮里海岸



 小さいながら虹。しかも海面にその虹が映っています。

 黒島の西側、仲本海岸のお隣にあって取り立てて何もないビーチ、宮里海岸。
 でも、ここで今までに4回虹を見ました。

 自分にとってのラッキープレイス。まるで虹の名所です。


 上の写真と同じ時。これは、朝です。朝なのに西側の空が、夕焼けのようにオレンジに染まっていました。とても不思議な光景です。



 虹は、気象現象。雨上がりに見られることが多いだけで、何処でも見られる可能性があります。
 調べてみても、虹の多発する場所、「虹の名所」的な場所は、少なくとも国内にはないようなのですが。


 これも別の日の朝。
 正面方向にパナリ、そして西表島があるのですが、きっと激しいスコールなんでしょうね。



 こちらは夕方。東方向です。




 日中の宮里海岸です。正面に見えているのは、パナリです。まあ、海は綺麗ですけれど、仲本海岸や西の浜と比べれば、取り立てて何もない、というのはお分かりいただけると思います。
 人もほとんど来ません。夕方に、夕日を見に来る人が一人、二人という程度。



 虹自体は、特別珍しいものではありません。でも、同じ場所で何度も見たという経験は、ここだけです。

 黒島に行くのは、年に1~2度。一滞在2泊程度です。しかも、朝夕必ず宮里海岸に行くというわけでもありません。

 そう考えると、もの凄い遭遇率です。不思議です。

 ちなみに、ここは、夜は真っ暗です。星を眺めるには、うってつけです。
 しかし、闇夜で突然ガサガサッと物音が。もの凄くビビリますが、野生化したクジャクが近くに潜んでいるらしいのです。 



 これも夕方。夕日を見に行ったのですが、日没直後、反対の東側の空を見上げると、何だか迫力のある雲。そして、小さく虹が架かっていました。


2018年1月6日土曜日

宮古島の定番の東平安名崎の中の穴場の保良漁港



 長いタイトルですみません。



 宮古島を代表する景観地、東平安名崎。
 伊良部大橋開通前は、宮古島の観光ポスターやリーフレットに取り上げられ率ナンバーワンでした(当ブログ比)。
 最近は、やや影が薄い感じですが、強力なライバルが出現しただけで、劣化したわけではありません。




 その東平安名崎の東南角、岬の先端に向かって左下ですが、ここに小さな漁港があります。保良(ぼら)漁港です。



 これが、また綺麗な海なんです。
 もし海水プールだったら、飛び込みたくなりませんか。漁港内なので、もちろん泳ぐことは危険ですが、何とかしてくれればいいのに。


 堤防から陸地側を眺めます。こんなことが出来るのも、港だから。


 これは、昨年の写真。時期によっては、アジサシが近くの岩場に大挙営巣していることもあります。


 ハマヒルガオ。背景が美しいので、映えます。


 漁港から見上げる東平安名崎灯台です。こんなに近い。





 港の海は、何故かとても綺麗です。
 宮古島周辺では、ここ、来間漁港、そしてその他にも海の綺麗な港・漁港がいくつもあります。これらは、観光名所、ビュースポットとして取り上げられることはまずありませんが、「これぞ沖縄」というべき、地味絶景です。

 保良漁港は、東平安名崎の一部のような立地ですが、東平安名崎まで行っても、ここまで降りてみる人はホンの少数派。もったいない。是非とも足を伸ばしてみてください。



2018年1月1日月曜日

あけまして戌年 沖縄の海とわんこの写真



謹んで新春のお慶びを申し上げます。


 新しい年を迎え、皆さまいかがお過ごしでしょうか。



 
 今年は戌年。そこで、海で気持ち良さそうに遊ぶわんこ、その他沖縄で撮ったわんこの写真を並べてみました。 



 新年最初のブログアップに、毎年その年の干支にちなんだ写真を載せたいところですが、沖縄風景写真の中から選ぶわけですから、無理な年の方が圧倒的に多いわけでして、巳年、午年は何とかなりましたが、今年は、それ以来の久々の登場となります。

 


 宮古島の前浜で散歩するわんこ3連発。




 海は写っていませんが、沖縄で犬の話題といえば、このコを紹介しないわけにはいきません。
 大東犬です。足が短いのが特徴です。
 外部から持ち込まれた犬が、小さな島で近親交配を繰り返した結果だと考えられていますが、一方、台風に飛ばされないよう、足を短く進化させたという俗説があるそうです。



 
 ノンビリ釣り糸を垂れる側に、わんこが寄り添う。自分は釣りはしないのですが、とても憧れる情景です。




 年明けと共に当ブログも、ついに足掛け6年目に突入です。
 記事数も約470本になりました。

 宮古・八重山のビュースポットのほとんどを、写真でご紹介しています。
 沖縄旅行情報に関しても、天気予報・ベストシーズン・台風・宿・一人旅・写真の撮り方・グルメ・動物や花など、あらゆる切り口で書いて来ました。

 まじめに書いた分析やら意見から、筆致の軽いテキトーな記事まで、バラエティに富んじゃっています。

 この正月休みに、過去記事を検索して読んでいただければ、きっと「よし、今年は(も)沖縄に行くぞ!」気分になっていただけると思います。


 また、引き続き、定期的に記事をアップしていくつもりです。


本年もどうぞよろしくお願いいたします。