2023年5月30日火曜日

首里城再建中 でもどうもスッキリしません

 


 焼失した首里城の跡地に工場が建設・・・された訳ではありません。

 再建工事中の首里城正殿は、全体がプレハブで覆われていて、その中で作業が進められているのです。




 首里城は、一部ですが、今も公開されています。

 ここから有料区域となる奉神門。門の向こうにちらっと正殿が。あれ、もうここまで修復が、と一瞬思ったのですが。




 絵が画いてあるだけでした。
 



 2019年10月の火災により焼失した首里城ですが、現在国により再建工事が急ピッチで進められており、2026年の完成予定とされています。

 戦争で焼失した首里城を再建するのには、30年以上の月日を費やしましたが、ゼロからスタートした前回と異なり、今回は、その時の設計図が残されていたため、スムーズに工事ができるそうです。


 首里城公園は、本部半島の海洋博公園と共に国営沖縄記念公園であるため、オーナーである国の費用で工事を行う、とこういう理屈のようです。

 令和元年12月11 日 関係閣僚会議の申し合わせとして、首里城復元のため政府一体となって取り組むとされています。




 ところで、首里城の再建については、民間からも多額の寄附が寄せられています。

 沖縄県は、寄附や募金で約55億円が集まったしと(令和4年3月)、これを復興基金に組み入れました。


 県のHPによれば、

 「令和4年3月31日までにお寄せいただいた寄附金は、これまで通り受け皿となる『沖縄県首里城復興基金』に積み立て、国と連携しながら、引き続き北殿・南殿等も含めた焼失した城郭内施設の復元に活用させていただきます。」

とのことで、沖縄県首里城復興基金の活用に関する方針(令和2年7月30日)には、次のように記載されています。

 焼失した首里城の城郭内の施設等の復元に関し、主として次の事業のうち、国営公園事業である首里城の復元に取り組む国と協議、調整が整った事業に充当する。
 正殿の木材調達に関する事業
 正殿の赤瓦調達に関する事業
 大龍柱等の石彫刻、唐破風妻飾等の木彫刻及び龍頭棟飾等の焼物など、屋外彫刻の復元に関する事業
 扁額などの室内装飾の復元に関する事業
 その他、首里城正殿、北殿及び南殿等の復元に関する事業


 基金とは、内閣府のHPによれば、特定の用途に充てるため、他の財産と区分して保有する金銭とあります。

 他にも那覇市が、募金で6億円、ふるさと納税9億円集めたとしています(令和2年10月現在)。




 どうもよく分からないのですが、国費で工事が行われるのに、何故寄付金を集める必要があったのでしょうか。

 国費だけでは、再建に十分な費用が賄えないからでしょうか。
 それとも、国民の税金を使うのは申し訳ないから、せめて一部だけでも有志で賄うという趣旨なのでしょうか。


 また、国との役割分担はどうなっているのでしょうか。

 基金の活用方針を読むと、国との協議・調整が整ったら木材や赤瓦の調達をするということですが、普通に読めば、寄附を集める段階では具体的な使い道は決まっていなかったということですよね。

 そもそも、こうしたことは、寄附を集める際にきちんと説明されたのでしょうか。


(自分も3円分寄附しているみたいです。 笑 )



 火災発生後、すぐに支援の輪が広がり、寄付金が寄せられました。これは関係者の善意に支えられたものです。

 当初寄付金は、沖縄美ら島財団という一般財団法人が管理をしていました。
 一般財団とは、一定の条件を満たせば誰でも設立できる団体で、公益財団のように監督官庁の監視もありません。


 溢れる善意の受け皿がすぐには整わなかった、という話ならば理解できます。

 しかし、「募金先が決定してから慎重に金を集めるべきだ」という自治体からの意見もあったと報道されたことなど、実際は、スキームも決まらないうちから、とにかく寄附集めが始まったようです。


 那覇から遠く離れた離島でも寄附が呼びかけられました。

 ある人は、「これではまるで奉加帳方式だ」と息巻いていました。奉加帳方式とは、要するに寄附と言いながら、事実上の割り当てがあったということでしょう。

 別の人は、「原因も責任もはっきりしないのに寄付なんかできるか」と、これまたお怒りのようでした。

 よく言えば熱心な、悪く言えば半ば強引な寄附金集めが行われていた可能性もあります。

 そんな中で、石垣市で約400万円の寄付金を職員が着服する事件や、SNSを通じた募金詐欺もあったとか。

 

 それほどまでして集められた首里城再建のための寄付金ですが、改めて、これは本当に必要だったのでしょうか。

 寄付金の使い道は、寄附をした人の思いに適ったものだったのでしょうか。


 本来ならば、「国費でここまで再建するが、完全な復元には後いくら必要で、県の財政ではここまでしか出せないから、残りいくら分は寄附をお願いします。」といった話になるべだと思うのですが、そういった説明を受けて、納得して寄付をした人はいらっしゃいますか。

 


 火災の原因は今も分かっていません。
 放火や他施設からの延焼ではなく、施設内の漏電によるものとされていますが、では何処で漏電して出火したのか、何故漏電事故が起こったのか、那覇市消防局は、2021年に火災原因は不明という報告書をまとめました。


 3年半ほど前のあの日、朝のNHKニュースで、首里城が炎上したとのニュースを見て衝撃を受けました。

 文化財であるだけではなく、沖縄の、琉球の人々の精神的支柱であったはず。
 ただの沖縄好きの自分でさえショックなのだから、地元ではさぞや衝撃が走ったのだろうと思いました。

 それが、原因もよく分からないうちから、さあ再建だ、みんなで頑張ろうという流れになったような気がして、どうにもスッキリしないのです。

 この点、皆さんはどうお感じでしょうか。
 



 かつて、札幌時計台や高知はりまや橋と並ぶ日本三大がっかり名所だった守礼門。
 理由は、門だけ先に復元されたけれど、その先に正殿がなかったからがっかり、ということのようです。

 その後、正殿が再建され、守礼門はがっかり名所から名誉ある陥落を遂げたのですが、再びがっかりの危機に瀕しています。



 首里城は、何故再建されるのでしょうか。文化財だからでしょうか。沖縄県民の心のよりどころだからでしょうか。観光名所だからでしょうか。それとも、土建工事をやりたいからでしょうか。

 

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2023年5月26日金曜日

神の島大神島にある奇岩(ノッチ)

 


 宮古島の島尻港から船に乗って神の島大神島に向かいます。大神島が近づくと、遠くに奇妙な岩のような物が。




 さらに島に近づくと、砂浜の向こうに岩の集団がハッキリと現れます。




 もっと近づくと、頭でっかちな不思議な形の岩が海に浮かんでいる、と言うより、海の上に立っているようでもあります。





 この奇妙な岩の形は、正式には、波食窪(はしょくくぼ)と言うそうですが、英語のノッチ(notch=V字型の切り込み、凹み)から波食ノッチといわれ、さらに省略して、ノッチというのが一般的です。

 ノッチは、隆起珊瑚礁の沖縄の島では各地で見られますが、大神島のノッチは、特に迫力ありますよね。


 もともとは島の隆起によって地表から転がり落ちた岩が、長年にわたる波の浸食で根元を少しずつ削られ、このような姿になったそうです。


 つまり、海面に転がっているだけの岩が、こんな絶妙なバランスで立っているわけです。




 普通の観光地にあれば、間違いなく名所になっていると思います。しめ縄かなんかが飾られていそうです。

 しかし何しろ、離島の中の離島である大神島ですから、行く人もホンの僅かで、展望所も、案内看板もありません。

 ただ防波堤の向こうに転がっているだけです。




 大神島に行けば、必ずここで写真を撮っていますが、初めて大神島に行った約15年前から、この眺めは変わっていません。
 風雨、どころか、度々台風にも見舞われているにも拘わらず、意外に頑丈ですね。

 でも、頭でっかちであるだけに、物理的は相当不安定であるはず。後何年持つのか。大神島に行ったら、一期一会の気持ちで鑑賞してきてください。


 言うまでもなく危険ですから、「映え」を狙って、岩の下に潜り込むようなことは絶対にしないでくださいね。





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2023年5月22日月曜日

沖縄の高速バス「やんばる急行バス」に乗ってみた

  


 某月某日、朝6時半を回ったところ。県庁北口バス停へと向かいます。

 朝早くから頑張ったのは、 6時45分発の運天港行きのバスに乗るためです。沖縄自動車道経由の高速バス「やんばる急行バス」です。


 やんばる急行バスは、那覇空港を出発し、市内のバス停にこまめに停車し、客を拾ってから沖縄自動車道に入り、許田、名護、本部、美ら海水族館、今帰仁村などを経由し、運天港まで行く、全行程約3時間弱の長距離バスです。

 1日10往復ほど運行されており、伊平屋島、伊是名島行きのフェリーに接続する時間は、運天港行き、それ以外の時間帯は、少し手前の今帰仁村役場が終着です。



 6時台の始発のバスは、さすがに空港から乗ってくる人はいないようですが、県庁北口バス停には、既に十数人が並んでいました。
 こっちは、旅先で必死に早起きしたのに、皆さん早いっすねぇ。





 このバスは、予約制ではなく、乗車券の事前購入もできません。

 乗車の際、運転手に行き先を告げて乗車券を買うシステムですが、支払いは現金のほか、クレジットカード、ICカード、なんちゃらPayなど色々使えます。

 ところが、色々使える分発券には手間取るようで、運転手は大変そうです。日本語の通じない客には身振り手振りで対応しているし。


 このため、道路渋滞とは無関係に、乗客が多いと遅れる傾向があるようです。この日も、高速に入る時点で既に20分近い遅れです。

 普通のバスのように、乗車時降車時にICカードタッチにするか、せめて主要バス停では券売機で乗車券を買えるようにすればいいのに。



 まあしかし、今時のバスですから、アプリ上にはバスロケーションシステムがありました。これを見れば今どこを走っているのかが分かるので、その点は助かります。



 

 それでもバスは、必至に遅れ回復運転に努めます。

 高速道を時速90㎞で快走します。沖縄自動車道は、80㎞制限だったような気がしますが、気のせいでしたか。



 さらに、高速を降りてから一般道でも、疾走します。時速70㎞です。あれ、一般道ですけれど、アプリが間違っちゃたかな。



 とまあ、そんなこんなで、終点の運天港には、約10分遅れで到着しました。お疲れ様でした。
 自分の乗ったバスは、瞬間的には30人くらい乗っていましたが、終点まで乗ったのは、自分を含めて僅か3人でした


 行きの便は、運天港発のフェリーと1時間以上の接続時間が設けられていますが、万一の遅れを見込んで余裕時間をみたのでしょう。
 帰りの便は、フェリーと30分以内の接続です。



 帰りは、高速を降りて、再び那覇市内のバス停に停まって行くのですが、夕方以降になると、市内渋滞に巻き込まれます。

 そこで、中心市街地に入る前に、急ぐ人は、古島駅バス停で降りてゆいレールに乗り換えるよう案内があります。

 ゆいレール古島~那覇空港間は30分340円です。渋滞の巻き込まれなければ、バスでもほぼ同じ時間で到着しますが、飛行機の時間が心配な場合などは、もうゆいレール乗り換え一択でしょう。

 ちなみに、運天港から乗って古島駅バス停で降りると、バス運賃は那覇空港まで行くより200円安くなります。



 高速バスにしては、トイレの付いていない車両ですが、途中、伊芸サービスエリアで約10分のトイレ休憩がありました。




 やんばる急行バスの主な乗客は、名護市内や美ら海水族館に向かう人達のようですが、このバスの恩恵を最も受けるのは、船でしか行けない伊江島・水納島・伊平屋島・伊是名島に行く人達だと思います。

 これまでは、車あるいはレンタカーで行って、港付近に車を駐めて船に乗るのが当たり前でしたが、本部港、運天港の駐車場が有料となり、しかも、最近はレンタカーも高くなったので、この手は使いにくくなっていました。


 その点、片道2千円で乗れるこのバスは、とても助かります。途中乗り換えで、古宇利島などに行く路線もあります。

 先日記事にした、沖縄で運転免許なしで遊ぶということに関しても、本島の本部半島や周辺離島場合に関しては、やんばる急行バスは、なかなか使えそうです。





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2023年5月18日木曜日

ビアフェストも復活 今日はオリオンビールの日

   


 今日は、オリオンビールの日。さぁ、飲むぞぉ~ ♪ なんていう個人的なオリオンビールの日ではございません。

 本日5月18日は、オリオンビール株式会社の前身である、沖縄ビール株式会社が発足した日です。


 そして、今年は、嬉しいニュースもあります。コロナで中断していたオリオンビアフェストが、3年振りに再開されるのです。





 オリオンビールの創業は、アメリカ占領時代の1957年、生産開始は、1959年でした。
 発売当初は、ドイツ風の濃厚なビールを造っていたそうですが、あまり売れず、アメリカ風の軽いビールを製造したところ、沖縄の高温多湿の風土に合ったのか、急激に売り上げを伸ばし、復帰前後には、県内シェアの9割を占めたそうです。

 
 実は当初は、キリンビールと提携し、沖縄キリンビールとなる想定で動いていたそうですが、キリンビールの協力を得られなかったことから、独自路線を歩んだというエピソードも伝えられています。

 もし、キリンビールと提携していたら、今頃「オリオン一番搾り」が発売されていたのでしょうか。それはそれで、ちょっと飲んでみたいような。





 今では沖縄でも、コンビニに行けば、一番搾りも、スーパードライも、黒ラベルも、プレモルも普通に買えますが、それでもオリオンビールの県内シェアは50%超えで、突出して島人に愛飲されています


 県内で行われるほとんどのイベントに協賛、後援していると言われ、沖縄にはなくてはならない企業のひとつです。

 清涼飲料水のバヤリースは、実は沖縄のみ別会社の沖縄バヤリースでしたが、それも今ではオリオンビールの傘下です。


 飲料事業だけではなく、ホテル事業にも参入しており、国際通り沿いにある、ホテルロイヤルオリオンは、オリオンビールの完全子会社です。

 しかし、惜しいことに、館内にビアレストランがない。ここだけ限定の、工場直送の出来たてビールが飲めるレストランがあればいいと思いませんか。


 また、高級リゾートホテルであるブセナテラスなどを運営する会社の、主要株主でもあります。




 オリオンビアフェストは、公園など屋外に特設会場が設けられ、オリオンビールを飲んで食べて飲んで歌って飲んでまた飲むという、とてつもなくビィ~ル!なイベントです。

 今年は分かりませんが、以前は、400mlくらいのカップ1杯300円という「ご奉仕価格」で、ビールが飛ぶように、どころかミサイルのように売れ、会場全体では一体何㌧のビールが消費されるのかというほどの超お祭りです。


 発表されている今年の日程は、
 7月8日(土)が石垣島、8月5日(土)が宮古島、9月9日(土)・10日(日)が沖縄市
ということになっています。

 お楽しみに!





 そんなオリオンビールですが、ネット上では、「オリオンビール美味いか不味いか論争」なるものがあって、喧々囂々の議論?が行われているようですが、結局のところ、「オリオンビールは美味い(ただし沖縄に限る)」という結論に落ち着くようです。

 これには、自分も賛成します。

 沖縄で飲むオリオンビールは確かに美味い。

 それは、「温泉に入って湯上がりの1杯」とか、「今日は疲れたから取り敢えず1杯」、などとはちょっと違う、「暑ち~な あぁ喉渇いたな~」という美味さです。

 分からん? まあいいじゃないすか。笑


 もう夏も目の前。今年も、美味い沖縄県民ビールを味合わせてください。

 



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2023年5月13日土曜日

20周年を迎えるゆいレールの ”現在地”

 

 早いですねぇ。もう20年ですって。


 沖縄都市モノレール、ゆいレールが開業してから、8月10日で20周を迎えます。

 てだこ浦西駅まで延伸したのが4年前、Suicaなど全国の交通系ICも利用できるようになり、コロナの打撃からも立ち直りつつあるゆいレールは、いよいよ混雑解消の切り札として、3両編成化を目指します。





 ところで、問題です。
 ゆいレールは、何故こんなにくねくねと曲がっているのでしょうか。



 建設費を押さえるため、用地買収の必要のない道路や河川の上空を走っているからです。

 特に市の中心部付近では、建設工事による道路の通行止め、車線規制を可能な限り回避するため、国場川、久茂地川ルートが選定されました。
 そのため、県庁前駅は「県庁は前の方にあります駅」になってしまい、国際通りも、北東端の牧志駅でしか連絡しません。

 
 そんなゆいレールですが、乗降客数は順調に伸びています。

開業2年目の2004年度に、11,633,606人と早1千万人を超え
2019年度には、過去最多の19,057,176人を記録し、
コロナで転けた2020年度は、10,935,990人まで落ち込みましたが、
昨年度は、16,908,907人まで回復しています。




 と、そんな中、那覇空港駅の連絡通路の動く歩道は、利用が禁止されています。何と老朽化のためという情けない理由。

 だったら、とっとと撤去して通路を広げてもらいたいものですが、これは、ゆいレールではなく空港の施設かも知れません。




 ゆいレールは、開業以来2両編成で運転されていますが、将来の3両化を見据え、当初からホームは3両運転に対応出来るよう建設されています。

 現在3両化に対応するためのホームドアの工事が順次行われており、今月中に全駅完了の予定です。



 今の2両編成の中間に連結する新車両が一部搬入されており、既に深夜帯に3両編成での試運転も行われています。

 いつから、3両の営業運転が始まるか、まだ発表されていませんが、開業20周年を向かえる8月頃には、間に合いそうです。


 もっとも、一夜にして全編成の3両化は難しいと思うので、当面は、2両編成と3両編成が混在するかも知れません。


「今度のゆいレールは短い2両編成で到着します。1番から4番のホームドアの前でお待ちください。」とか、
「今度のゆいレールは長い3両編成で到着します。全てのホームドアが開きます。」

なんて放送が流れるのですかねぇ。



 これによって、なんといっても混雑緩和が期待できます。ゆいレールは、始発の那覇空港駅で、既にでっかい荷物を抱えた観光客でいっぱいとなり、途中駅では乗り降りも大変です。

 単純計算で、輸送量が1.5倍になるわけですが、中間車両は、運転台がない分、車両に余裕がありますから、それ以上の効果が期待できるかも知れません。 



 一方、延伸されてから4年が経ちますが、延伸区間である首里駅より先は、未だにガラガラ。日中だとこんな感じです。




 コロナで日本中の鉄道が打撃を受けました。

 新幹線を含む大都市圏の主要路線で減便や短編成化が行われ、多くが未だ回復していません。

 そんな中で、ゆいレールが長編成化を進めていることは嬉しいことです。



 ゆいレールの前途には、このような曲がりくねった坂道が続いて・・・というわけではありませんよ。笑




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2023年5月8日月曜日

5類移行を機に沖縄のコロナ対策の徹底検証を

    

 責任者出て来い!などという趣旨ではまったくありません。
 未曾有の事態に、最適な対応が出来なかったとしても、それはやむを得ないことです。


 今日5月8日から、新型コロナウイルスの感染症法上の区分が5類に変更され、今回のコロナ騒動にも一区切りが付きました。

 ただ、あれは仕方なかった、みんなよく頑張った、というだけで終わってしまうと、万が一、再びウイルスが蔓延したときに、同じような騒ぎを繰り返すことになってしまいます。


 当ブログでは、これまで何度も、沖縄県、宮古島市、石垣市、竹富町が独自で行ってきたコロナ対策について記事にしてきました。
 そのたびに効果の検証を!と訴えてきたのですが、5類移行で全てが終わりになってしまわぬうちに、改めて訴えたいと思います。

 


 これまで様々なコロナ対策が行われました。それは、国民の税金を原資とし、公権力を背景に行われた訳ですから、十分な合理性がなければならなかったはずです。

 具体的には、

 その対策は、目的に対し適切なものであったか(比例原則)
 その対策は、特定の集団に不利益が偏っていなかったか(平等原則)
 その対策は、負担や犠牲を上回る効果があったか(費用対効果)

ということを確認することになるでしょう。


 コロナ対策に対しては、常に経済との関係が取りざたされてきました。でも、それだけではなかったはずです。
 行政が人の行動を制限する、平たく言えば、国民に我慢を強いた訳ですから、喩え強制力を伴わなくとも、合理的であったかどうかの検証が必要となるのです。

 以下、過去記事にも書いたことですが、整理した上でいくつかピックアップして、再度問題提起をさせてもらいます。



観光客対策に偏重していなかったか

 感染症ですから、一番最初に沖縄県にウイルスを持ち込んだのは、県外から来た観光客だったかも知れません。しかし、既にウイルスが蔓延した後も、観光客対策に重きを置き過ぎてはいなかったでしょうか。

 実際、2021年の第4派では、GWが終わり梅雨に入って観光客が減少した頃に感染が拡大し、第5派では、台風で航空機の欠航があった期間でも感染状況は変わらず、全期間を通じて県内で感染が確認された者の都道府県別内訳は、沖縄県在住者が99%を占めたのです。
 
(詳しくは、こちらの記事をご覧ください。)


 観光客の来島阻止以外に、他にもっと注力すべき対策はなかったのか、検証していただきたいと思います。




対策は効果的に行われたか

 2021年8月、宮古島市は、感染者数が世界最悪になったとして、観光客らに来島の取りやめを求めると共に、突如ビーチの駐車場を閉鎖します。

(詳しくは、こちらの記事をご覧ください。)


 ずいぶん思い切ったことをしたと思いますが、本当にそれでよかったのか、次の観点からの検証をお願いします。

① そもそもビーチ閉鎖は、有効なコロナ対策だったのか。人が海で泳ぐことで感染が拡大する恐れはあったのでしょうか。

② 仮にそうだとしても、観光客が宮古島に着いてからこのことを知ったでは、遅いのでははないか。観光客は、海で泳げなければホテルを一歩も出ない、ということは考えられません。飛行機に乗る前にこのことを周知しなければ、効果は期待できなかったのではないでしょうか。

③ 対策が徹底していませんでした。市有地以外の駐車場は開放されており、路上駐車で海に行く人も数多く見受けられました(路上駐車といっても、宮古島市の道路のほとんどは駐停車禁止ではないので、道路交通法違反ではありません。)。

④ 宮古島の感染状況が世界最悪だとしたら、観光客来るなではなく、島民に島を出るなと真っ先に言うべきだったのではないですか。また、島内に長期滞在する工事関係者や、飲食店関係者に一時帰省を呼びかけることは検討しなかったのでしょうか。



 似たようなことが石垣島でもありました。2020年夏から、道路沿いの駐車スペースがある展望所(県管理地だけだったそうです)にロープが張られ、立入りができない状態になっていました。

 屋外で、景色を眺める以外の何もすることがない場所です。そこから閉め出しても、観光客が代わりに行く場所は、全てそこ以上に人混みであると思うのですが、そうしたことは考えなかったのでしょうか。



 その一方で、2020年夏以降、自分が知る限りでも、夜間営業を続ける飲み屋がありました。宮古島でも、石垣島でも、那覇でも。

 行政指導に素直に従わない面倒な相手だったのかも知れませんが、広い海や展望台よりも、狭い場所で酒を飲み盛り上がる方が、誰がどう見たって、何倍も、何十倍も感染の危険性が高いはずです。


 そう考えると、やはり県・市が、全体として効果的なコロナ対策を講じたのか、検証する必要がどうしてもあると思います。

 


行政が法令違反をするのはちょっとまずい

 これは、検証というよりも、今後は繰り返して欲しくはない課題です。

 石垣市は、2021年7月から、来島する観光客にPCR検査かワクチン接種を求めるとし、「市としては証明書提示は義務との位置付けだ。観光客は全員必ず検査や接種を受けて来島してほしい」と呼び掛けました。

 この点について当ブログでは、何度も突っこんでいますが、国民に義務を課すには法律上の根拠が必要で、自治体の長が勝手に義務を課すことはできません。

 こんなブラフをかけるより「これは義務ではないが、石垣市は来島者の皆さんを信頼している。」とでも訴えた方が、よほど強く響くと思うのですが。



 竹富町もやらかしました。
 第一波直後の2020年6月、業種や施設ごとに感染予防対策を盛り込んだガイドラインの作成を求め、作成を条件に協力金の支給を決めたのです。

 この中で、少なくとも旅館事業者に対するガイドラインにはちょっと問題がありました。例示された「ガイドラインのイメージ」の中に、こんな項目があったのです。

・ 感染拡大地域等からの客は受け入れない。

 旅館業法という法律があって、第5条では、営業者は、空室がある限り希望者の宿泊を拒んではならないとし、例外は、伝染病にかかっていると明らかに認められるときなどに限っています。
 つまり、感染拡大地域から来たというだけで宿泊拒否することはできず、違反すると罰則も課せられます。

 昨年になって、旅館業法が改正されましたが、それでも、特定感染症の症状がみられる宿泊者に予防に必要な協力を要請し、相手が正当事由なくそれに応じなければ、初めて宿泊を拒否できるということになっただけです。

 法律に違反することを行政が事業者に勧め、従えば協力金を払うというのは、いくらコロナだからといっても、ちょっとヤバイでしょう。
 
 どうしてもやりたければ、町が条例を創って規制すべき話です。


(沖縄ブルーパワープロジェクトHPより)


 もっとヤバイと思ったのは、2021年8月1日から始めた「沖縄ブルーパワープロジェクト」です。観光協会や経済団体が主催し、沖縄県・内閣府が後援しました。

 陰性証明かワクチン接種証明で、施設や飲食店で優待が受けられるというものですが、その証として、観光客にリストバンドをしろというのです。
 要は、「私は観光客です。ワクチン打ちました」と一目で分かるようにしておけということです。

 これは、個別の法律違反というよりも、人権侵害レベルの問題です。もし、こんなことを人権問題に敏感な欧米でやったら、暴動になるかも知れません。

 それを、内閣府と一緒に県が後援したのです。この無神経さはちょっと信じられません。
 リストバンドの装着という目に見える形が何故必要だったのでしょうか。カードでも作って、それを提示すれば優待を受けられるシステムでは、目的は達せられなかったのでしょうか。

 例えば、街興しイベントか何かで、独身者はバッジを付けろ、そうしたら割引するというようなものです。

 もし、住民訴訟で訴えれたら、何と抗弁するつもりだったのでしょうか。


 ちなみに、優待が受けられたプロジェクト協力店舗は、全県で283店。宮古島では4件、石垣島で11件で、大半が、ミネラルウォーターとかソフトドリンクサービスというものでした。 

 2021年9月18日付け琉球新報によれば、前日に開催されたプロジェクト実行委員会において、5802個のリストバンドが配布された旨報告されたそうですが、この時の沖縄県の入域観光客数は、8月だけで28万8千人なので、受け取った人は全体の2%以下ということになります。



 コロナで大変だったとしても、人権侵害や法令違反があって良いはずはありません。むしろ、それを先導していくのが行政の役割のはずです。


           (沖縄ブルーパワープロジェクトHPより)
 


 緊急事態宣言中、夜間も営業を続けた飲食店に対し東京都が行った時短命令について、裁判所は、憲法が保障する営業の自由の侵害であり違法であるとする一方、担当公務員に過失はなかったとして損害賠償は認めませんでした。

 これで良いのだと思います。

 未曾有の事態に、各部門の担当者は不眠不休で頑張ってくれました。そのことは、評価されるべきです。

 それでも、対策に当たり、重要な点を見過ごしていなかったか、小さな問題点を過大評価していなかったか、配慮すべき点にきちんと配慮したかを、今後のために、客観的な事実の検証を是非共お願いしたいと訴える次第です。


 
 5類への移行で、社会の仕組みとしてはコロナは一段落したことになります。

 コロナは消滅はしたわけではないと専門家が注意喚起を繰り返しますが、分かっちゃいるけれど、少し休ませて欲しいというのが本音です。

 この間、沖縄旅行に行きたくても行けなかった人も多いと思います。皆さん、本当にお疲れ様でした。

 
 この記事を読んでいただき、趣旨に賛同していただれば幸いです。そして、当ブログのコロナ関連の記事も、これで終わりにできればと思っています。





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2023年5月3日水曜日

那覇の国際通り 人出は戻っても復活は道半ば

 


 沖縄随一の繁華街、那覇の国際通り。

 コロナで大打撃を受け、まるで地方のシャッター通り商店街の様相を呈していたのですが、今年は訪れる人も増えました。




 仮設だった公設市場も、3月から新築オープンとなり、一見賑やかな国際通りが戻って来たようですが・・・




 部分的には、以前の賑わいが戻ってはいるものの、よく見ると、まだまだ完全復活にはほど遠いようです。




 2年前、昨年と、国際通りの状況をブログアップしてきましたが、その頃に比べれば、徐々に復活を果たしてはいるものの、その状況は文字通り道半ば。


 通りを歩く人は増えました。外国人客も、修学旅行生もいます。でも、その人出に街が追いついていない、という印象です




 特に、牧志駅に近づくに連れて、シャッターの降りた店が増えている感じです。



 
 よく見ると、新しい建物や店もあり、少しずつ形態が変わってきているようです。沿道に大型ホテルも建ちました。

 免税店のドラッグストアも。沖縄土産を扱うのではなく、爆買い外国人観光客をターゲットにしたものでしょう。




 むつみ橋交差点のすぐ近くの「かどや」。

 1995年、自分が初めて沖縄に行って入ったそば屋が、この店だったのです。
 当時は、看板に「そば」としか書かれていなくて、小さな窓にはどんぶりだけが並んでいるという、沖縄初心者には入るのに勇気がいる店でした。

 お隣の建物が工事中だったようですが、がどやは健在でした。




 コロナ以前の国際通りの雰囲気が好きだったかといえば、正直、自分はあまり好きではありませんでした。

 営業、というか客引きがもの凄く、特に若い女性に対してチャラく声掛けをするヤンキーな兄ちゃんが多く、外国人観光客が増えてからは、自撮棒を使って歩道を占領するグループも目立ちました。


 今、日中には修学旅行生も大勢歩いていますが、以前であれば、子供達を遊びに行かせるのは、特に夜であれば、躊躇するよう場所でした。




 国際通りと呼ばれるのは、かつて沿道に「アーニーパイル国際劇場」という映画館があり、賑わっていたからだそうです。

 
 コロナで日本中の観光地が大打撃を受けたはずですが、沖縄随一の繁華街がここまで落ち込み、しかも、復活にも時間がかかっているのは、元々何か問題を抱えていたのかも知れません。

 これを機に、誰もが、普通に買い物ができて、普通に飲み食いできて、楽しく歩ける街に再編されればいいと思うのですが。
 




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