2020年5月30日土曜日

緊急事態宣言開けの宮古・八重山情報(5月30日)


 長いトンネルから脱し、ようやく先行きに明るさが見えてきたコロナショック。
 緊急事態宣言も解除され、宮古・八重山も、6月1日から少しずつ観光モードが復活します。

 まだ流動的な部分もありますが、5月30日現在の、宮古・八重山の状況をまとめてみました。




石垣市

 離島で唯一感染者を出した石垣島ですが、5月以降新たな感染者もなく、取りあえず何とか乗り切った感があります。

 石垣市は、5月31日までは観光客の受け入れ準備期間とし、6月1日から受け入れを開始するとしています。

 ただ、その際の具体的指針として、観光客は、1週間以上の滞在を原則とし、それ以下の場合、市外へ移動後3日間は毎日の検温及び健康状態の観察の要請、3日後に発熱や体調不良などについて(宿からの)電話確認を求めています。

 万が一の場合は、感染経路を徹底して追いかけるということでしょう。


 ただ、元々長期滞在予定の人を除けば、コロナのために急遽滞在予定を1週間以上に延ばせる観光客はまずいないだろうし、体調変化の確認も、観光客の協力があってこそなので、何処まで実効性が担保できるか、疑問ではあります。



竹富町

 竹富町も、6月1日以降観光客を受け入れることを表明し、経済活動の再開の指針を発表しています。
 その中で、業種や施設ごとに感染予防対策を盛り込んだガイドラインの作成を求め、作成を条件に協力金の支給を掲げています。


 ただ、これはちょっと問題がありそうです。

 例示された、宿泊施設用のガイドラインのイメージの中にこんな項目があります。

・ 長期滞在者を中心に少人数を受け入れる。
・ 感染拡大地域等からは受け入れない。
・ チェックアウト数日後の健康確認作業として感染疑いの有無を確認。
・ 事前に一定期間の検温や健康チェックの実施を予約の条件とする。
 

 旅館業法という法律があって、その第5条では、営業者は、希望者の宿泊を原則として拒んではならないとし、例外は、伝染病の疾病にかかっていると明らかに認められるときなどに限っています。
 つまり、感染拡大地域から来たというだけで宿泊拒否することはできず、違反すると罰則も課せられます。

 法律に抵触することを行政が事業者に勧め、従えば協力金を払うというのは、いくら、コロナだからといっても、これはちょっとヤバイでしょう。
 本来、町が条例を創って規制すべき話です。

 その点、石垣市は、微妙にお願いベースを崩していません。


 もっとも、町は姿勢を示しただけで、後は島民があうんの呼吸で上手くやるのだから、一々目くじらたてるな、と言われそうな気もしますが、島外の観光客とトラブルが起きないことを願うばかりです。



宮古島市

 宮古島市は、緊急事態宣言が解除され、特定警戒都道府県の指定が解除された場合は、従来の渡航自粛要請も緩和するとしていました。

 その際、一般的な注意事項を除き、特段の条件は付けていません。


 このユルさは、正直ホッとします。
 慎重に行動して、迷惑はかけないように努めますから、そんなに嫌わないでくださいというのが、観光客の本音です。 
 

 余談ですが、宮古島市は、オトーリ自粛を島民に呼びかけています。

 オトーリとは、ご存じの人も多いと思いますが、宮古地方に伝わる独特の酒の飲み方で、集まったメンバーが、一つのグラスで酒を廻し飲みします。

 台風で特別警報が出ようかという晩に、市長が職員とオトーリを廻していたと地元紙で叩かれた際、市長は、「職員の送別会だった、1回しか廻していない。」と釈明したほど、島人には定着しています(笑)が、さすがに今、廻し飲みはまずいでしょうな。

 



航空各社

 航空各社は、まだ減便中ですが、全日空は、4月末から運休している羽田―宮古・羽田―石垣線を、6月から不定期ながら一部再開します。

 また、3往復まで減便している羽田―那覇線も、6月から5~7往復に増便されます。

 その他、伊丹―那覇・福岡―那覇・那覇―宮古・那覇―石垣の各便も、1往復程度増便となります。

 
 JALグループは、6月14日までの沖縄路線の減便を発表していますが、15日以降は現時点では未発表です。
 6月10日頃発表としており、一気に全便再開は考えられませんが、一部復活がありそうです。


 下地島空港を発着するジェットスターは、成田・関西共6月15日の運航再開となります。


 感染防止対策として、ANAは、乗務員と乗客のマスク着用徹底など、JALは、3列席の中間席を空席にする形での予約受付けとしています。

 なお、JAL・ANA共、コロナの影響でキャンセルの場合の手数料をゼロにしてくれていますが、この措置は6月30日まで継続されます。



 全国に発令されていた緊急事態宣言が5月中で解除される見込みとなり、ビジネス客など新規予約の動きが出てきている。航空関係者は「本当に少しずつだが、回復に向けた動きが出てきている」と話す。(琉球新報5/23)



石垣空港連絡バス

 石垣空港と、市街地・離島ターミナルを結ぶ路線バスに関しては、東運輸は、市街地を経由する4系統はほぼ通常運行、ANAホテルなどを経由する10系統は一部運休となっています。

 カリー観光バスは、現在大幅減便中で、6月以降どうなるのかは、発表されていません。


安栄観光・八重山観光フェリー

 GW期間中は全便運休、その後も1日2往復のみの運航でしたが、5月18日から若干増えて、竹富島など3島では、1日3往復体制になりました。

 6月1日から15日までは、さらに各1往復程度が増便され、6月16日以降は未定とのことです。

 なお、石垣港離島ターミナルでは、乗船客の検温が行われています。


(八重山観光フェリーHP)



宿泊施設

 ホテルなどの宿泊施設も、休業のところが多かったのですが、徐々に再開に向けてアクセルを踏み始めています。

 大規模なリゾートホテルなどでは、消毒の徹底などの一般的な対策のほか、密を避けるため、宿泊人数を制限したり、バイキング形式の食事を個食形式にしたりと、様々な工夫が行われているようです。

 一方で、プール、大浴場、レストランの一部等、ホテル内の施設を休業しているところは、まだ多いようです。


 個人経営の民宿・ペンションなどは、事実上の休業を強いられていたようですが、6月になったら、あるいは6月中旬辺りからぼちぼち、というところが多いようです。



 オリオンビアフェスト

 例年7月頃から沖縄各地で行われる、オリオンビールがミサイルのように飛び交うという、島人にとっては重要なイベント、オリオンビアフェスト。

 今年はまだ発表になっていないので、きっと主催者も迷っているのでしょう。

 屋外のイベントなので、密らないと思いますが、心配なら2メートル間隔の横並びでビールを飲むのはどうでしょうか。
 みんな酔っ払っていてうるさいので、2メートルくらい離れてちょうどいいと思います。笑





 
 沖縄のコロナ対策に関しては、沖縄県庁を始め、宮古・八重山以外の各市町も含め、ホームページを追いかけていましたが、各首長の考え方に結構違いがあったようです。


 大雑把に分類してみると、

 何をおいても今はコロナ対策を徹底するんだ型

 コロナ対策はもちろんやるけど経済も大事だから上手いことやってくれ型

 感染者もいないしピンとこないけれど一応他島並のことはやっておこうか型


 どこがどうだとは言いません。どれが正解だったかも今時点では分からないし。



 兎にも角にも、「明けない夜はない」から、「冬来たりなば春遠からじ」辺りまで来たようです。

 そして6月1日からは、おっかなびっくり沖縄離島観光が再開されます。

 後になって、コロナ騒動は大変だったけれど、「禍福は糾(あざな)える縄の如し」だったね、と言えたらいいですね。

 もちろん、油断して調子に乗ってはいけないわけですが。


 大手旅行業の代表は、「この時期にしっかりと危機管理体制を構築すれば、沖縄観光の質の向上にもつながる。そのためにも、行政と業界が一緒になって取り組まないといけない」と話す。(沖縄タイムス5/21)



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2020年5月25日月曜日

海と空と椰子の木がある沖縄の風景




 頭の上の方で、大きな葉っぱがゆさゆさ風に揺らめく椰子の木。

 ハイビスカスとか、ブーゲンビリアとか、タコノキとかと同じように、沖縄らしさ、南国らしさを感じて、思わずシャッターを押してしまいます。

 今回は、沖縄の各地で見かけた、海・空を背景に葉を繁らせる椰子の木の写真集です。



 いかにも沖縄らしい椰子の木
 コーラルブルーの海を背景に生える椰子の木こそ、最も沖縄らしい光景です。上は波照間島、下は小浜島です。




 躍動感のある椰子の木
 美しい鱗雲の空に突き刺さるような椰子の木。伊良部島です。




 穏やかな椰子の木
 背景は青空とサトウキビ畑。ゆったりした眺めです。宮古島です。




 海風に煽られる椰子の木
 椰子の木は、風に強く海辺にも生えています。池間島から遠くに大神島を臨みます。




 ちょっと凄い椰子の木
 フィリピン海プレートの真上にあるといわれる南大東島。地殻変動により、高さ数メートルもある岩が二つに裂け、その隙間に椰子の木が生えたとされるものです。
 その名もバリバリ岩。




 ほのぼの椰子の木
 竹富小中学校の入り口に植えられ、生徒の成長を長年見守りながら、自分もすくすくと成長しちゃいました。




 薄暮と椰子の木
 日沈後、まだ暗くなりきらない間に、微妙な色合いの空が現れました。宮古島です。




 星空と椰子の木
 こんな光景が見られるのも、暗く空気が澄んだ沖縄ならでは。竹富島です。




 椰子の木といえば、ハワイとか赤道直下の島とか、南国の象徴みたいなイメージですが、もちろん、亜熱帯の沖縄にも、椰子の木が沢山育っています。


 沖縄は今梅雨。
 梅雨前線がすぐ南まで迫り、教科書に出てくるような分かりやすい梅雨ですが、太平洋高気圧によって前線が北に押し上げられれば、沖縄に夏が来ます。


 例年以上に待ち遠しい沖縄の夏。早くこんな景色を見に行きたい !× 3





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2020年5月21日木曜日

海を見下ろす小浜島のプチ絶景ロード




 アップダウンのある直線道路と、その先に見えるコーラルブルーの海。ここは小浜島です。
 
 山坂の多い小さなこの島では、海に向かって下っていく道が各所にあります。海を見下ろすプチ絶景ロードです。






 小浜島で有名な「道」と言えばこれ。シュガーロード。えりいが通ったあの道です。
 といっても、分からん、という人の方が多いと思いますが、NHKの朝ドラ「ちゅらさん」の話です。

 サトウキビ畑を貫く一本道、ということになってはいるのですが、昔と違って、沿線のサトウキビ畑も徐々に少なくなってしまいました。



 「シュガーロード」ってセンスあるネーミングだなと思っていたのですが、実は二番煎じらしい。

 元祖シュガーロード、というか、本家シュガーロードは、長崎県の出島から佐賀県を通って小倉港に抜ける道のことをいいます。

 南蛮貿易で買い付けた、当時貴重だった砂糖が、このルートで江戸に運ばれたことで名付けられたんだそうで。



 話を元に戻して、東側に海を見下ろす道。見えているのは、小浜港です。




 上の写真と反対方向、西側の海を見下ろす・・・はずなのですが、海がよく見えない。
 いい感じで撮れたので、まあ、お許しください。




 海の向こうは、西表島です。


 

 こちらは南側の海。正面には黒島が見えています。一番高いところでも14㍍という真っ平らな島。
 小浜島の最高地点は、99㍍です。




 スコールが迫っています。でも、よく見るとその先の海は晴れているようです。
 向かって行っていいのか、背を向けて逃げるべきか、迷うところです。




 ついでに、因縁のこの写真も載せておこう。これで、何処で撮ったかばれちゃうけど。笑 (詳しくは、こちらをご覧ください。)


 

 小浜島は、サイズ的には自転車で廻るのがちょうどいいのですが、こんな感じで山坂が続くので、自転車は健脚向き、という感じです。

 かといって、レンタカーやレンタバイクでは、あっという間に一周できちゃうので、ちょっと走っては車を駐めて、を繰り返さなければなりません。


 
 小浜島には、絶対ここに行くべし、といった観光名所的な場所があまりない一方、海を見下ろす渋いプチ絶景が各所にあります。

 山坂があって、そして、どっちに方向に進んでも海が見える小さな島だからこそ。


 車でも、原付でも、自転車でも、はたまた歩いてでも、こうした無名のプチ絶景を堪能できるのが、小浜島の魅力です。






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2020年5月16日土曜日

沖縄の珊瑚礁はこのまま減り続けるのか



 「昔はよかった」などと口走ると、若い人達からは「オヤジの懐古趣味だ」というツッコミがありそうですが、沖縄の海の珊瑚礁に関しては、本当に「昔はよかった」なのです。

 それも、何十年前の話ではなく、ホンの10年、いや、数年前と比べても、沖縄の海は、ひどいことになっています。






 まずは、こちらの写真をご覧ください。

 波照間島のニシ浜です。ビーチエントリーで気軽にシュノーケリングが楽しめる海でした。これは、2012年9月に撮ったものです。



 7年後の2019年8月の同じ海です。
 


 これでは、「昔はよかった」と言わざるを得ません。


 珊瑚がダメになった、という話は色々な人から伝わっていました。

 小浜島細崎沖は、もう珊瑚礁がないとか、宮古の八重干瀬は、昔を知っている人にはもう案内できない、といった類の話をずいぶん聞かされました。
 自分自身でも、池間島のブロックビーチや黒島の仲本海岸などで、前の方が綺麗だったな、とは感じていました。
 
 しかし、波照間島のニシ浜で、泳いでも泳いでも、まともな珊瑚が見つからない状況を目の当たりにして、これはマジでヤバイことになっているぞと思い始めたのです。


 沖縄の珊瑚礁は、本当にこのままダメになってしまうのでしょうか。





 沖縄に限らずですが、珊瑚礁が消滅してしまう原因としては、

 珊瑚の白化
 オニヒトデによる食害
 台風による破壊
 海洋の酸性化
 地域的な要因による生態系の破壊

 などが指摘されています。


 珊瑚の白化とは、海水温の上昇によって、サンゴと共生している褐虫藻(かっちゅうそう)が逃げ出してしまうため、サンゴの骨格が透け白く見える現象です。
 一時的であれば問題ありませんが、長期間褐虫藻がいないと、栄養を受け取ることができなくなり、珊瑚は死滅してしまいます。

 オニヒトデは、珊瑚を食い荒らす害獣とされています。オニヒトデは、数年に一度大量発生しますが、そのメカニズムはよく分かっていないそうです。
 ただ、オニヒトデの幼生は、富栄養化によるプランクトンの大量発生で成長が促進されると考えられています。

 台風が巨大化することで、珊瑚礁が根こそぎ破壊されることがあります。一般に台風の襲来は、海水温を下げる効果があるため、珊瑚の白化の防止には役立つのですが、過ぎたるは及ばざるがごとし、ということなのでしょう。

 海洋が酸性化すると、石灰化に必要な炭酸イオン濃度を下げるため、炭酸カルシウムを主成分とする珊瑚の成長を阻害します。
 元々海は、大気中の二酸化炭素を吸収する役割を担いますが、二酸化炭素量が多くなれば、水と反応して、本来アルカリ性である海水が酸性化する恐れがあります。

 地域的な要因としては、開発による土砂の流入、汚水の流入やゴミの投棄による富栄養化、珊瑚の病気などのほか、漁業や観光による直接的な生態系の破壊が挙げられます。
 土砂が流入すると透明度が落ちて光量が減少するため、珊瑚の成長を阻害します。
 生活雑排水や有機ゴミが流入すると、海水が富栄養化(窒素やリンの増加)し、植物性プランクトンが大量発生して、それを餌とする魚類が急増するという連鎖で、生態系のバランスを崩すのです。


 この中では、珊瑚の白化が、最も強烈です。それ以外でも、未だよく分かっていないオニヒトデ問題と、地域の要因を除けば、つまるところ、地球温暖化が珊瑚死滅の原因ということになりそうです。

 そうなると、これはちょっとやっかいです。問題が大きすぎます。沖縄の珊瑚云々ではなく、全地球、全人類の課題であり、当ブログごときが、とやかく言える問題ではありません。

 では、それでもうゲームセットなのか、何かできることはないのか、考えてみました。




 
 珊瑚の白化現象は、主原因は海水温の上昇なのですが、毎年徐々に進行していくという感じではなく、周期的に大きな波があるようです。

 直近では、2016年に大規模な白化現象がみられました。この年は、7月になってようやく台風1号が発生するなど、台風が少なく、海水温が上昇し続けたことが原因とされています。

 石垣島と西表島の間にある、国内最大のサンゴ礁である石西礁湖では、調査ポイントの97%で白化現象が見られ、そのうち5割を超える珊瑚が死滅したとされました。冒頭でご紹介した、波照間島ニシ浜も、おそらくこれでやられたのでしょう。

 それ以前にも、1980年、1998年頃に、大規模な珊瑚の白化現象が観測されています。たまたま18年周期になっていますが、まあこれは偶然でしょう。

 
 ただ、ニシ浜のように、白化により消滅してしまう珊瑚礁群もありますが、持ちこたえる個体もあり、次の白化までにある程度回復する珊瑚礁群もあります。
 宮古島周辺の海では、2016年にはダメージを受けましたが、2017年以降徐々に復活し、石西礁湖に比べればかなりマシ、だそうです。


 つまり、大きな流れでは、白化による珊瑚礁の減少が進んでいるようですが、単純に絶滅一直線ということでもなさそうです。

 また、ダイバーなど関係者による、珊瑚の苗の植え付け、併せて、オニヒトデの駆除といった地道な活動が行われ、珊瑚礁の回復・保全に役立っています。


 その前提で、海水の富栄養化を防ぐこと、直接的な生態系の破壊を防止することなどに努めれば、珊瑚礁の減少にストップをかけるのは無理でも、そのスピードを緩やかにすることはできるかも知れません。


 我々観光客レベルで意識するべきことは、シュノーケリング中、珊瑚に触れない、壊さないということに加えて、珊瑚の海を汚さないということでしょう。

 ゴミを捨てないというのは当然ですが、この際だから、ペットボトルの飲料の残りを海に流さないといったレベルまで徹底するのはどうでしょうか。
 少し神経質過ぎるかも知れませんが、ただ遊びに行くという立場では、これくらいの心構えでいいと思います。
 もちろん魚の餌付けなんて論外です。

 
 また、地域(島)に働きかけるべき事としては、開発のよる泥土の流出防止、ゴミの不法投棄の監視、汚水・富栄養水の流出防止のための下水道・浄化槽の整備、オーバーツーリズムの回避といったことだろうと思います。

 
 そうすることによって、珊瑚の死滅を少しでも減らし、あるいは、遅らせるうちに、もしかしたら、地球温暖化問題でも、画期的な進展があるかもしれません。






 沖縄の海は、ダイビングをしなくても、シュノーケリングだけで、極端に言えば、海に顔を浸けるだけで、熱帯魚や珊瑚を見ることができます。
 自分は、初めて石垣島に行ったときそのことを知り、以来、沖縄にはまりました。

 という話は、当ブログを以前から読んでいただいている人にとっては、「またその話かよ」だと思います。でも、その「沖縄の海」が「昔の沖縄の海」に変わってしまったら、本当にオヤジの懐古趣味になってしまいます。


 
 沖縄好きとしては、「沖縄なんて遠いし、暑いし、高いし・・・」なんて言っている人に、ドヤ顔でこんな光景を見せてやりたいと思いませんか? 笑

 そのために、我々ができることが、まだ少し残されているように思います。
 




 この記事を書くに当たっては、web上で閲覧可能な、次の機関・団体の記事や報告書などを参考にしました。

 国立環境研究所地球環境研究センター
 沖縄県衛生環境研究所 
 環境省九州地方環境事務所那覇自然環境事務所
 八重山環境ネットワーク
 WWF
 gooddoマガジン



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2020年5月11日月曜日

沖縄梅雨入りにつき・・・でんでんむしむしカタツムリ




  雨上がり。ハイビスカスとカタツムリ。


 コロナばかりに気をとられていたら、いつの間にか季節は移ろい、今日5月11日、沖縄地方は梅雨入りとなりました。

 そんなわけで今回は、雨に似合うカタツムリ。沖縄で撮ったカタツムリの写真集です。
 





 陸に生息する腹足類のうち、殻のないものを大雑把にナメクジ、殻があるものをカタツムリというそうです。
 
 カタツムリは、夏の季語でもあり、雨に似合う季節の風物詩みたいな存在で、好感度が高いのに対し、ナメクジは何となくキモイイメージです。

 殻がないだけでずいぶんと扱いが違うと、ナメクジが嘆いているかも。





 貝殻の材料となるカルシウムが豊富な石灰岩地は、カタツムリにとって好適な環境で、沖縄の隆起珊瑚礁の島では、温暖な気候も相まってカタツムリの個体数が多いのだそうです。

 そういえば、今回の写真はすべて、宮古島か竹富島で撮ったもの。どちらも隆起珊瑚礁の島です。


 嵐の中、どさくさ紛れに道路を横断するカタツムリ。







 クワズイモの葉っぱです。熱帯・亜熱帯に生息するクワズイモとカタツムリの組み合わせは沖縄らしい、と言ってもあまりピンと来ませんかね。





 これは、ドラゴンフルーツの中。カラスに食べられてしまったドラゴンフルーツの皮に張り付いて、残りをちゃっかりお相伴。






 ♪ でんでんむしむし~かたつむり~ 


 でんでんむしは「出出出虫」が訛ったそうな。

 しかし、若い人ほどでんでんむしという言葉は使わないのだそうで、したがって、当ブログもカタツムリで統一しました。笑


 西表アザミとカタツムリです。




 
 最後にちょこっとうんちくを。
 昔の八重山にあったパナリ焼きという陶器は、土にカタツムリの殻を混ぜて焼いたと伝えられています。
 焼き物に適した良質の粘土がなかったため、つなぎとしてカタツムリの貝殻を使ったとのこと。

 パナリ焼きは、日本最南端の寺院とされる、竹富島の喜宝院に展示されています。



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2020年5月6日水曜日

宮古島の前浜ヨコ 良くも悪くも変わりゆく砂浜




 沖縄屈指の絶景ビーチ、宮古島の前浜。
 前浜の入り口の一つが前浜港。そこより南東方向、海に向かって左側にもビーチが広がっています。

 多分、ここも前浜と呼ぶのだろうけれど、ほとんどの人がイメージする前浜とは違うので、とりあえず前浜ヨコという名前で呼ばせてもらいます。




 ここいら一帯は変わりました。20年余り前に来間大橋ができてから潮の流れが変わり、その影響で砂浜が広がり続けています。

 砂の移動を防ぐため、海に向かって消波ブロックが並べられました。それでも、長い間には、徐々に砂が貯まっていきます。




 お隣の前浜は、東洋一とか言われるほどの美しいビーチですが、それと比べても、前浜ヨコもほとんど見劣りしない、素敵な砂浜化が進行中です。

 ずっと前から観察していた訳ではありませんが、ここ5年ほどでも砂浜が広くなったのはハッキリ感じます。


 自然の力は凄い、と言っていいのかわかりませんが、こういうこともあるんですね。下地島の17ENDも、下地島空港の工事の影響で、砂が貯まったからこその絶景です。




  
 最近は、前浜に人が増えすぎたこともあり、徐々に泳ぎに来る人も現れるようになりました。「ここも地味にきれいじゃん!」みたいな感じなんですかね。

 以前は、訪れる人も少なく、知っている人だけが、SUPやウインドサーフィンをしに来る穴場でした。




 人が少ない分、以前は、鳥やヤドカリが沢山いました。

 5年ほど前ですが、当ブログで、東洋一に隣接する鳥の楽園としてこの場所をご紹介したことがあります。
 できれば、鳥が近寄らなくなる程にまでは、人が増えて欲しくはないのですが。





 もう一つ変わったのはこれ。昨年の7月に撮ったものですが、既に工事は完了し、ホテルがオープンしています。




 プライベートプールの付いた、全室100㎡超のヴィラ形式のリゾートホテル。
 宮古島周辺では、ホテルの開業が続きますが、ここは、よりによってコロナショック直前の2月にオープンしたばかりです。

 「ホテルを一歩出るとそこは絶景ビーチ」なんてコピーが、自分でも思い浮かんでくるような立地なのですが。 

 余計なお世話ですが、先行きが心配になります。




 ヤガラでしょうか。こんな浅くて綺麗な海だと目立っちゃうよ。




 前浜は綺麗だけれど、人が多過ぎてのんびりできない。そんな時に、人のいる場所からちょっと足を伸ばせば、前浜級に綺麗で、沖縄離島らしい静かなビーチが待ってます。
 それが、前浜ヨコです。


 もっとも、アフターコロナで、また人の流れが変わるかもしれません。いい意味でも悪い意味でも。 





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2020年5月1日金曜日

GW突入 緊急事態宣言下の宮古・八重山情報



 ゴールデンウイークが始まりました。今年は、いつもと違う重苦しい雰囲気の中での連休となってしまいました。

 本来なら観光客で溢れるゴールデンウイーク期間中に、徹底した水際作戦を敢行する、宮古・八重山の今の状況をお伝えします。

 


安栄観光・八重山観光フェリーの定期便全便運休

 これは、正直驚きました。
 石垣島と八重山の各島を結ぶ船の便が、5月1日から6日まで全便運休です。
 両社のホームページによれば、竹富町の要請により、この期間の定期航路を全て運休する、とあります。

 竹富島、西表島など、八重山の各島は、石垣島との経済的な繋がりが深く、極論すれば、石垣島を経由しなければ何も手に入らないのです。
 また、家族が石垣島の病院に入院していたり、介護施設に入居しているという島民も少なくありません。

 運休は、観光業への打撃に止まらず、島民の生活そのものを大きく制約することになるため、食料や生活必需品の輸送、その他やむを得ない石垣島との往復について、町が船を借り上げて、島民限定の特別便を運航するそうです。


 5月7日以降も、各島1日2往復の減便運航が続きます。

 福山海運のフェリー与那国は、GW期間中も、従来どおり週2便の運航が行われます。


航空路線も大幅減便

 本土と沖縄那覇、那覇と離島を結ぶ航空路線も、GW期間中大幅に減便されます。
 
 羽田・那覇便は、日本航空が1日5往復、全日空に至っては1日3往復のみの運航です。

 那覇・宮古便は、JTAが5往復、全日空は1往復、那覇・石垣便は、JTA・全日空共3往復に絞られています。

 宮古・多良間便、石垣・与那国便は各1往復と、まさに、必要最低限の体制を確保している状況です。

 下地島空港を発着する便は、全便運休となり、空港ターミナルが閉鎖されています。

 

 先日、沖縄県知事が、GW期間中に「沖縄に来る予定の方が航空会社の予約によると6万人余りいる」と発言して騒ぎになりました。しかしこれは、そもそもが往復の数字であり、また、コロナ期間中は、航空会社がキャンセル料を免除してくれていることから、ギリギリまでキャンセルしない人が大勢いるためだと思われます。

 実は、自分も本当だったら今宮古島で過ごしているはずでした。
 苦労してやっと予約できたGW期間中の航空券。ダメだと分かってはいても、もしかしたらと、キャンセルをギリギリまで引き延ばしたい気持ちはもの凄くよく分かります。

 あまり、大袈裟に煽らないでいただきたいと思います。わずかに運航される便にも、実際には多くの空席があります。


 なお、クルーズ船の入港は、発表されている5月分まで、すべてキャンセルとなっています。
 



主要なホテルはほぼ臨時休館

 宮古・八重山のホテルも軒並み休業します。

 特に、観光客をターゲットにしたリゾートホテルは、ほぼ休業となっており、宿泊に特化したビジネスホテルでも、多くが、休業もしくは部分休業となっています。

 休業期間は、区々ですが、GW期間中だけではなく、前後の期間を含め長期間休業とするホテルも見受けられます。
 
 個人経営の民宿、ペンションなどは、敢えて宣言しなくても、事実上の休業を余儀なくされているところがほとんどのようです。


 昨年後半から、ホテルの開業ラッシュとなっていた宮古島では、最初のかき入れ時となるはずのGWで、いきなり休業という試練に見舞われてしまいました。
 
 この先、従業員の雇用がどうなるのか心配です。


 宮古島に限らず、マリンショップや、飲食店なども含め、観光関連の、特に小規模事業者、個人事業主は、極めて厳しい状況だろうと想像されます。

 一日も早い終息を願わずにはいられません。



観光施設・飲食店・イベント

 石垣島の、米原キャンプ場、玉取崎展望台など、宮古島の、海中公園、ドイツ文化村などの観光施設も軒並み休業しています。

 飲食店は、石垣島の繁華街では、8割方休業しているそうです。また、観光客をターゲットにしたカフェなども多くが休業中です。
 
 まだ感染者の発生していない宮古島は、石垣島よりも開いている店が多いようです。
 

 イベントに関しては、準備の都合もあるため、GW期間以外でも早々と中止が発表されています。
 石垣島、宮古島のトライアスロン大会、宮古島アイランドロックフェスティバルなどの大型イベントも、中止又は中止が決定しています。

 そんな中、旧暦5月4日(今年は6月24日)に行われる海神祭(ハーリー)については、各地区とも頭を悩ませているようです。
 本来神事であるので、イベント性を薄くして実施することなどが検討されているようです。
 


石垣島の現状
 
 先日、離島初となる感染者がでた石垣島では、独自の緊急事態宣言を発し、全島民に対し、原則、2週間の自宅待機を求めました。

 16日までに感染者3人が発生し、その行動経過からクラスター発生の可能性も指摘されていました。
 その後、28日に4人目の感染者が発生したものの、今のところは、小康状態を保っているようです。
 

 以下、石垣島の知り合いから聞いた話です。

 「感染者もおらず危機意識の薄かったところに、突如として感染が者が出て、緊急事態宣言が行われたので、多くの島民はとまどっている。

 そのため、過剰に反応している人や、逆に危機意識が薄い人もいて、マスクや手洗いなども人によって差がある。海に釣りに行ったりする人もある程度いる。
 
 おじい・おばあ達が、寄り添って不安げに話をしている場面に出くわすことが多いが、『それが良くないのだからやめて』とはなかなか言い出せない。」


 



少しほのぼのとした話題も

 与那国島では、歴史的な経緯から、アルコール度数60度の泡盛を醸造しています。この60度の泡盛は、花酒と呼ばれています。

 アルコール消毒液が不足する中、アルコールの代替として、高濃度の酒も、飲用ではないことをラベルに明示すれば、酒税が免除される特別措置がとられています。

 与那国」のブランドで泡盛を造っている与那国島の崎元酒造所は、花酒のノウハウを生かしアルコール度数78度の泡盛「花酒七十八度」を特別に造って、町に寄付したそうです。 


 これは消毒用であり飲用ではありませんが、花酒なら飲めるはず。これを飲んだら、コロナも撃沈?なんていうのは不謹慎ですね。




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