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2020年6月13日土曜日

今年の夏は沖縄に行きませんか 竹富島他八重山諸島編



今年の夏は沖縄だ! 

 石垣島編、宮古島編に続き第3弾は八重山諸島編です。



実は個性豊かな八重山諸島

 石垣島のさらに先に散らばっている、こぢんまりした島々。いずれも竹富町という行政区画に属します。

 ですが、実際は、島の大きさも、形状も、生業も、観光地としても魅力や見所も、難易度も、結構違う個性豊かな島々の集まりです。

 今回は、石垣島から船で行ける竹富島・小浜島・西表島・黒島・波照間島・鳩間島をご紹介し、定期船の出ていない新城島(パナリ)と、普通船では行かない与那国島(与那国町)は除きました。
 

竹富島 手軽に行けるザ・沖縄

 伝統的な沖縄の街並みが残る、花咲乱れる美しい島。古き良き沖縄の雰囲気を残し、それ故、沖縄の顔のような役割を担っています。
 
 石垣島から船で15分という手軽さもあって、この小さな島には年間50万人もの観光客が押し寄せます。
 
 石垣島がメインの観光でも、気軽にちょっと足を伸ばせる島です。


 着いてから、自転車を借りて廻るのが、この島の王道観光です。ほかには、水牛車に乗るというアトラクションもあります。
 集落内の、島人が普通に生活する道路を水牛車がゆったり通過していきます。こんな光景は、日本広しといえどもこの島だけでしょう。


 伝統的な街並みが残るといっても、単に古い建物を保存しているだけではありません。いにしえの精神文化そのものを引き継いで守っているのです。
 しかも、島人は、そのことに並々ならぬ情熱とプライドをもっています。

 そんなことを知って竹富島を歩いてみると、より思い出深い旅になるかも知れません。


 また、素敵な海もあります。コンドイ浜は、八重山屈指の美しいビーチです。

 超遠浅なので、泳ぐというより水遊び程度しかできませんが、その分、SUP、ボート、ジェットスキーなど飛び道具を使う人がいないので、静かでのんびりした贅沢空間です。


 竹富島では、島の自然・祭事・習慣・伝統工芸や町並みを未来へ残すためとして、来島者に入島料300円の支払いを求めています。
 支払いは任意なので、寄付のような位置付けですが、趣旨に賛同いただければ幸いです。

 石垣港と竹富港のターミナルに、券売機が設置されています。



小浜島 何でもあるけど何もない島

  この島には、リゾートホテルが2つもあるのですが、その割に、ここという観光名所がありません。

 そこそこ綺麗な海に囲まれ、そこそこのどかなサトウキビ畑や牧草地が広がり、そこそこ沖縄らしい集落が残っていて、決してつまらない島ではないのですが、何というか、決め手に欠くのです。

 だから、ベストビューは自分で探してください、みたいな感じで、実は、中・上級者向け観光地かも知れません。


 サイズ的には自転車で廻るのがちょうどいいのですが、山坂あるためちょっと辛い。かといって、レンタカーやレンタバイクではあっという間に一周できてしまう、この中途半端さが、また何とも小浜島らしいところです。

 かつて、NHKの朝ドラ「ちゅらさん」のロケ地になったことから、20年近く経った今でも、団体さん向けにはちゅらさん絡みの観光案内がされているようです。

 
西表島 ジャングルのある沖縄で最もユニークな島

 石垣島よりも、宮古島よりも大きいのに、人口は2千人程度。ほとんどが亜熱帯のジャングルで、島の大部分は人の立ち入れないエリアです。
 海沿いを東回りで半周するだけで50㎞以上の距離がありますが、島の西側には行くこともできません。

 大河川があり、滝があり、マングローブが群生し、時に大量の鳥が空を舞う、大自然を満喫できる島です。もちろん、美しい海もあります。


 この島では、ダイビング、シュノーケリングのほかにも、カヌーで川を上る、滝壺で泳ぐ、滝上から海を見下ろすといった、他の島ではできないアクティビティが楽しめます。

 のんびりするというより、アクティブに遊び回る島です。何日いても飽きることはありません。
 何処で何をするか、明確な目的を決めてから行った方がいいと思います。

 石垣島から日帰りする場合は、現地でレンタカーを借りる必要があります。もしくは、ツアーを予約しておいて、業者に向かえに来てもらうかです。


 西表島は大きいので、大原港と上原港の2カ所が入り口となります。その両方に石垣島から船が出ています。


 この島では、石炭が採れたことから、古くから他地域からの入植者が多く、その分他島と微妙に雰囲気が違います。
 都会的、と表現するのは適当ではないのですが、何というのか、沖縄独特のユルさとはちょっと違う空気感を感じます。 
 エコツーリズムにも早くから取り組んで来ました。


 仲間川遊覧、由布島に渡る水牛車といった、団体旅行の定番コースに組み込まれている場所もあります。


 この島では、大原港のあるエリアを東部、上原港のあるエリアを西部と呼びますが、どう考えても南部と北部なのですが・・・



黒島 観光に依存しない牛の島

 見渡す限り平坦な牧草地に、人口の15倍いるという牛の島、黒島。
 沖縄のほとんどの地域、ほとんどの島が観光を生業としているのに対し、この島は、牛を飼うことを主産業としています。

 元々、綺麗な海とのんびりした牧草地以外何もない島ですが、そんなこともあって、観光客向けの施設はほとんどなく、下手をすると、昼食をとる食堂を探すことすらも苦労します。

 またこの島には、民宿しかなく、ホテルも、おしゃれなペンションもありません。
 船の本数も少なく、訪れる観光客は、他の島に比べて少なめですが、その分、黒島にはまる人は、惚れ込んで何度も通っています。


 仲本海岸はシュノーケリングポイントとして有名ですが、潮の流れの関係で、干潮前後の数時間しか泳ぐことができません。


 石垣島から日帰りの場合は、島に着いて自転車を借りるのが一般的です。真っ平らな島なので、自転車で滑走するのはとても快適です。



波照間島 難易度の高い最南端のパラダイス

 八重山通の間で、最も行ってみたい島として挙げられるのが波照間島です。有人島としては日本最南端の島です。

 波照間島と言えば、ニシ浜(北浜)です。沖縄のビーチの人気投票では、いつもトップクラスの人気を誇ります。


 夏期間は、ニシ浜目当てに石垣島からやって来る日帰り海水浴客で、朝一便の船が満席となります。

 しかし、波照間島は遠く、石垣島からの乗船時間は80~90分。
 しかも、波照間航路は、強い南風が吹くとすぐに欠航になってしまい、無事運航されても、波の高い日は、ネタになるほど揺れます。

 その分、晴れて穏やかな日のニシ浜は、この世の天国かと思うほどです。



鳩間島 地味ながら渋く人気の孤島

 波照間島に次いで難易度が高く、八重山通の間で人気が高いのが鳩間島です。
 
 西表島のすぐお隣にある、外周4㎞ほどの小さな島で、人口は50人ほど。上原(西表島)行きの船が1日3回程度立ち寄ってくれるだけです。

 特に何があるというわけではありませんが、ご多分に漏れず美しい海に囲まれています。島が小さい分、歩いて1周するのも楽勝です。

 
 八重山諸島の中では北側にあるため、波照間島とは反対に、北風の時に欠航しやすいという特徴があります。



八重山離島を結ぶ高速船

 八重山各島へは、石垣港から出発する高速船を利用します。

 安栄観光と八重山観光フェリーの2社があり、かつては、ライバル同士激しくデッドヒートを繰り広げていた(常に安栄観光が勝っちゃっていた)のですが、いつの間にか仲良し?になり、今では共同運航が行われていて、チケットも共通です。


 離島航路は、基本石垣島と各島を往復するもので、各島を直接結ぶ便は、小浜島・大原(西表島)、大原・竹富島など限られた路線に1便程度。しかも予約制です。

 各島の人にとって、石垣島は生活圏なので頻繁に行き来しますが、他の島に行くことは滅多にないのです。


 石垣発着便は、予約もできますが、予約無しでも乗れます。
 客が多く乗り切れない場合は、後続便を出すなど臨機応変に対応してくれています。


 チケットは、石垣港で往復券を買うと若干安くなります。

 乗り放題のフリーパスがあります。3日券・4日券・5日券とあり、また、波照間航路を含むか含まないかなど細かい値段設定となっているので、よく作戦を練ってから購入してください。

 観光プラン付き(往復乗船券+観光バス、往復乗船券+レンタサイクルなどなど)もありますが、別々に買うより安いか微妙な価格設定もあるので、必ずしもお勧めしません。


 今年の夏は、コロナショックの影響で、例年より本数が削減されるかも知れません。必ず、今年の運航状況を確認してください。



さてどう巡りましょうか

 八重山が初めてであれば、石垣島観光をメインに、1日はどこかの島に行ってみるといったプランがいいかと思います。
 
 いずれの島も石垣島から日帰りが可能です。

 このうち、駆け足で見て廻るならば(あまりお勧めはしませんが)、半日程度で何とかなるのは、竹富島・小浜島・黒島です。
 
 鳩間島、波照間島は、丸1日コース。西表島は、ワンデードライブでは、廻りきれません。


 業者のツアーに参加するか、西表島でレンタカーを借りる場合は、あらかじめの予約が必要となりますが、そうでなければ、事前に計画を立てずに、行き当たりばったりの旅もいいでしょう。

 石垣島を拠点に、連日違う島を巡ることもできます。一方、あまり頑張らずに、どこかの島でのんびりするのも魅力的です。


島に泊まる

 もし、許されるのであれば、島に泊まってみることをお勧めします。

 どの島にも、石垣島のような繁華街はありません。
 ただただ、静かで、場所によっては、こんなところまで来ちゃったんだという心細さを感じるかも知れません。

 夕食が済めば、波の音、風の音を聞き、晴れていれば星を眺め、時季によっては道端に小さく光る蛍を探し、後は、酒を飲むことくらいしかすることがありません。

 ですが、これが楽しい、居心地がいい、快感だと感じてしまったら、間違いなくあなたは沖縄依存症に感染しています。


 この病気にワクチンはありません。治療薬もなく、健康保険も使えません。手洗いやマスク着用でも防止できません。笑
 
 
 

 

 3回に渡ってお届けした、「今年の夏は沖縄に行きませんか」シリーズ。まだ行ったことないという人も、興味をもっていただけたでしょうか。


 思いもかけないコロナ騒ぎで、夏休みがなくなってしまった人もいるかも知れません。強いストレスに見舞われた人、生活が苦しくなった人も多いと思います。
 脳天気に沖縄旅行なんて考えている余裕はない、と言われてしまうかも知れません。


 ですが、沖縄の、特に離島は、金をかけてゴージャスに楽しむだけのリゾート地ではありません。綺麗な海のある、ある意味究極の田舎です。

 ハイテンションで行くのもいいのですが、癒やされに行くにも適した場所です。

 興味を持っていただいたら、何とか都合を付けて、一度命の洗濯をしに行ってみてはいかがですか。






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2020年6月4日木曜日

今年の夏は沖縄に行きませんか 石垣島編



 緊急事態宣言が解除され、街中に活気が戻って来たました。いつの間にか日差しも強くなり、もうすぐ夏がやって来ます。

 よし、今年の夏は沖縄だ!というのが今回のテーマです。




 (夏の旅行の話なんて早すぎる、まだそれどころではない、と叱られるかも知れないので、少しトーンダウンして「落ち着いてきたら、今年の夏は沖縄に行きませんか。」くらいなら、よろしいでしょうか。)


 ともかく、オリンピックが延期となって、懸念された空港の混乱や厳戒態勢はなくなります。
 大都市周辺では、今年は海水浴場が開設されないというニュースもチラホラ。

 密にならない沖縄離島の海で、思いっきり夏の太陽を浴びて、心の消毒をしませんか。
 

 宮古・八重山の美しさ楽しさ居心地の良さをお伝えすると宣言している当ブログですが、長く続けているうちに、マニアックというかピンポイントの記事も多くなっていました。
 小浜島の道とか、椰子の木のある風景とか、沖縄のカタツムリとか・・・

 そこで今回は、シンプルに沖縄離島旅行への誘いです。まずは、石垣島から。


 
そんなわけで石垣空港に飛んできました

 島内観光がメインという人、宿泊先が市街地ではない人は、ここでレンタカーを借りてしまうのが一番便利で、しかも安上がりです。
 
 離島観光がメインの人、ダイビングなどが目的で一般的な島内観光はしない人、そもそも運転免許を持っていない人は、路線バスで市街地に向かいましょう。
 石垣空港連絡バスは、そこそこ本数も多く便利です。

 ホテルによっては、無料送迎バスを出しているところもあるので、HPなどで確認してください。

 空港の観光案内所には、オールカラーの観光ガイド、フリーペーパーが置いてあるので、忘れずに入手してください。



石垣島の見るべき観光スポットは

 まずは、ミシュラン三つ星観光地の川平湾・川平公園、高台から海を見下ろす絶景である、御神崎(うがんざき)、平久保崎、玉取崎辺りが石垣島では必見です。

 これらの場所は、ネットやガイド本に必ず載っていますから、詳しくはそれらを参照してください。
 
 その他、観音崎、唐人墓、バンナ岳公園、白保集落などは、必見とまでは言えないでしょうが、実際に行ってみればそれなりに楽しめるところです。
 
 観光施設的な場所としては、石垣やいま村、石垣島鍾乳洞、みんさー工芸館などがあります。
 ただ、晴れている限り、海などの自然景観を優先して楽しむことを当ブログとしてはお勧めします。


 経験上、案内すると意外に喜ばれる穴場的場所が、吹通川(ふきとおがわ)河口です。詳しくはこちらをご覧ください。


(平久保崎からの眺め)


綺麗な海で泳ぎたい

 せっかく夏の沖縄に来たのだから、是非泳いでください。

 そのつもりはなくても、夏の晴れた日、目の前にあんな綺麗な海があれば、思わず飛び込みたくなっちゃうかも知れません。
 念のため、水着をお持ちになった方がよろしいかと。


米原(よねはら)海岸
 シュノーケリングで珊瑚や熱帯魚を見てみたい人には、石垣島でイチオシです。
 シュノーケリングまではしなくても、水泳用のゴーグルを付けて海の中を覗いてみるだけでも結構楽しめます。

 珊瑚の保護と、自身の安全のため、掲示されている注意事項は守ってください。

(米原海岸)


底地浜(すくじはま) 
 白砂の砂浜が何処までも続く、広くて遠浅の海。しかも、ほとんど人が居ない。これぞ沖縄の海!というイメージそのもののビーチです。
 もちろん、ボーッと眺めているだけでもいいですよ。

 ただ、底地浜が美しいのは満潮時間帯に限られます。超の付くほどの遠浅なので、干潮時には、海は遠い彼方で、広大な砂浜に僅かに水溜まり、みたいなことになってしまいます。


南ぬ浜(ぱいぬはま)
 石垣港の近く、サザンゲートブリッジを渡った先にある、近場のお手軽ビーチです。
 管理された人口ビーチですが、そこは何といっても石垣の海。美しいコーラルブルーであることには変わりありません。 

 長い時間遊ぶには物足りないですが、昼過ぎに着いて夕方まで何もしないのはもったいないとか、今日帰るけれど出発まで少し時間がある、みたいなニッチな時間帯に、遊べるビーチとして重宝します。
 
 市街地のホテルから、自転車で、場所によっては、歩いて行けなくもないという立地も魅力です。
 人出もあまりありません。

(南ぬ浜)


真栄里(まえさと)海岸
 ANAホテル前に広がるリゾートビーチです。といっても、石垣市指定の海水浴場であり、誰でも遊べます。
 
 ここも、長時間いると飽きるかも知れませんが、ホテルの真ん前だけあって、南ぬ浜よりリゾートチックな海遊びができます。

 島の西側にあるフサキビーチも似たような感じです。


アクティビティは

 ダイビング、シュノーケリングなど、海で遊ぶ系のショップが、石垣島には何十軒とあります。
 最近は、SUP(Stand up Paddle Board)も人気のようです。

 業者を探すには、空港でもらった観光ガイドが役に立ちます。もちろん、ネットでも情報を拾えます。


 吹通川や宮良川では、マングローブの川でカヌーができるツアーもあります。
 これは、沖縄では、石垣島、西表島と本島の一部でしかできません。

 石垣島では釣りをする人も多いです。

 石垣港から、他の離島に渡ってから参加する日帰りツアーも色々あります。


石垣島ワンデードライブ

 石垣島は、主なポイントを1日かけてドライブするにはちょうどいいサイズです。

 朝、市街地を出発する場合、時計回りに一周するのがいいと思います。
 順光線(太陽が背中の方向にあること)の方が海が綺麗に見えるので、午前中に西側、昼は北側、午後は東側の海を見るような行程を考えてみてください。
 もちろん、そんなに神経質になる必要はありませんが。


 ただ、各ポイントを効率よく見て廻ろうといった計画は、あまりお勧めしません。

 必見の観光ポイントといっても、どのみち海を眺めるわけですから、スタンプラリーのように一つ一つ制覇するより、気に入った場所があったら、そこでゆっくりのんびりする方が、沖縄離島の過ごし方に合っているような気がします。

 大雑把な計画だけを立てて、後はそのときの気分で、みたいな贅沢な時間の使い方を楽しんでください。

 午前中はちょっと泳いで、午後は適当にドライブ、という人も多いようです。


 都会と比べれば、車は少ないですが、思いの外アップダウンやカーブが続くので、運転は慎重にお願いします。


(川平湾)


夜の遊び方

 といっても「接待を伴う飲食店」の話ではありません。

 石垣島の国立公園エリアは、日本初の星空保護区に指定されました。星空保護区とは、人工の光の影響が少なくて、星空が綺麗な場所や地域として指定されるものです。

 なので、夜は満天の星空を見に行くというのはいかがでしょうか。


 さすがに市街地では無理ですが、バンナ岳公園は、市街地から割と近い星空観測ポイントです。
 車でないと行けませんが、タクシーで行っても許容範囲です。

 星空観測ツアーを行っている業者もあります。また、石垣島展望台は、予約制の観測会をやっている日があります。

 ただ、当然のことですが、月夜の晩は星はあまり見えません。沖縄旅行に行くに当たって、月齢まで調べて行く人はあまりいないと思いますので、まあ、運次第ということになりますが。



雨に降られたら

 これは正直難問です。当ブログでは、この点に関して何度か記事にしましたが、最終的には、残念ながら「できることはあまりない」という結論に達しました。

 詳しくはこちらをご覧ください。

 雨どころか、台風に遭っちゃった場合はこちらをご覧ください。


何泊する?何処で予約するのがいい?

 2泊3日でも、十分楽しめますが、できれば余裕をもって3泊以上することをお勧めします。
 休みの関係でどうしても無理ならやむを得ないのですが、早朝発深夜着の2泊3日より、ゆっくり出発して早めに戻る3泊4日の方が安いことも少なくありません。

 
 予約に関しては、出発まで1ヶ月を切るような場合、JAL・ANAのネット専用予約、ダイナミックパッケージ(ANAの旧名称は旅作)は使えます。

 これは、航空券と宿泊をセット予約するものですが、空席状況に連動して価格が設定されるため、思わぬ掘り出し物があります。

 特に、「基準便」と表示される、航空会社お勧めの時間の便を利用すれば、航空券単体で買うより安いといったことも珍しくありません。

 また、1泊以上ホテルの予約があればOKなので、例えば、全行程3泊4日のところ、1泊4日として予約することも可能です。さらに、那覇に前泊するといった設定も可能です。

 欠点は、日程と行く先を入力して検索するまで価格が分からず、常に安価とは限らないこと、価格が逐次変更されるので、後日照会したら高くなっていた、逆に購入後にさらに安くなっていたなど、ギャンブル的要素があることです。

 なお、同じ日程、同じ行き先、同じホテル利用なのに、JALとANAで価格が違うこともあります。

 予約は、通常は、出発7日前までです。

 
(米原海岸)

 

最後に石垣空港に戻ってきました

お土産
 新空港になってから、土産物店が充実しました。お菓子類など、定価の決まっているものは、最後にここで買うと荷物にならなくてすみます。種類も豊富です。

 マンゴー、パインなどをお土産に買って帰りたい場合は、物は揃っていますが空港値段なので、作戦を考えた方がいいと思います。

 泡盛をお土産にしたい場合、酒に詳しい人ならば、市内の大きな酒屋を物色する方が、面白いものが見つかる可能性があります。


食事
 石垣空港の1階ロビーには、海鮮も石垣牛もそばもジェラートも日本最南端のスタバもありますが、食べる場所は、フードコートみたいなフリースペースだけです。

 早めに空港に着いて、ゆっくり食事をしようとか、一杯やってから飛行機に乗ろうという人にとって、残念ながら、石垣空港はイマイチです。


手荷物預け
 石垣空港では、日によって時間帯によって、搭乗の際の手荷物預けに長蛇の列ができてしまうことがしばしばあります。
 
 搭乗客数が増えたにも拘わらず、空港の施設が対応できていないためと思われます。特に、機材の大型化を進めるANA側で顕著です。

 あまりの人の多さに、手荷物を預ける前に出発してしまうのではないかと不安になりますが、所定の時間に列に並んでいれば、係員から指示がありますから、焦らなくても大丈夫です。 




 ♪ ハァー 石垣よいとこ 一度はおいで~ (サァユイユイ)  

 




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2018年1月16日火曜日

石垣島の観光名所唐人墓とロバート・バウン号事件



 沖縄離島には似つかわしくない、派手な建築物は、石垣島にある唐人墓(とうじんばか)です。

 石垣島の観光名所であり、団体ツアーのほとんどがここに立ち寄ります。そして、施設の見学と共にある物語を聞かされます。

 それが、ロバート・バウン号事件です。

 

 
 1852年、日本がまだ江戸時代だったころ、アメリカの奴隷貿易船、ロバート・バウン号は、約400人中国人の苦力(クーリー)を乗せて、福建省からカリフォルニアに向かっていました。

 苦力とは、中国やインドの下層労働者の呼称で、19世紀後半、黒人奴隷に代わる労働力として売買されていたそうです。

 航海の途中、苦力達は、弁髪をそぎ落とされたり、奴隷として売り物にならない病人が海中に投棄されるなどの虐待を受けたことに腹を立て、船内で暴動を起こし、船長ら7人を殺害、船を奪取しました。
 その後、台湾に向かうものの、石垣島の崎枝沖で座礁。八重山政庁の蔵元は、現在の墓がある冨崎原に仮小屋を建てて、生存者380人を収容したのですが、米英の兵船が3回にわたり来島し砲撃を加え、武装兵を上陸させて山中に逃亡した中国人らを捜索し、銃撃・逮捕し、それを逃れた者も自殺したり疫病で病死したりと、多数の犠牲者が出る騒ぎとなりました。

  これに対し琉球王府と蔵元は、人道的に対応し、島民も密かに食料を運び込み、死者に対しても一人ひとりに石積みの墓を建立して丁重に祭り、生存者172人は関係国との交渉の末、翌年9月、琉球の護送船で福州に送還したのです。


  この事件で犠牲となった人の霊を慰霊するため、石垣市と台湾側とで1971年に建立したのがこの唐人墓で、現在の墓は1982年に改修され、説明文も事件の概要を伝えるものに書き改められました。




 物語は、米英の植民地主義者による中国人労働者略取販売という非道と、それに対する八重山の人達の人道的な対応、という美談として語られます。


 一方、一部の研究者は、物語を検証し、疑問点や問題点を指摘します。

 実際に英米兵に殺害されたのは3人で、犠牲者の多くは疫病によるものだが、その理由の一旦は、収容施設の衛生状態がよくなかったことによる。
 苦力は、誘拐同然に集められたという説もあるが、時代背景からみれば、必ずしも奴隷的な労働者だけでなく、知識階級の人々の出稼ぎもあった。
 漂着や座礁したのでなく、石垣島を台湾と間違えて上陸した形跡がある。
 英米の砲撃も威嚇砲撃程度であった。

 ことなどの可能性が指摘されています。

 「中国と琉球の友好の歴史の証人」とする論文が出る一方で、これを真っ向から否定する見解もあるそうです。




 我々が知るべきなのは、史実であって、物語ではありません。美談に酔いしれて良い気分に浸るには、ちょっと重過ぎる事件です。

 ですが、ロバート・バウン号事件そのものはノンフィクションであって、後に英米の船が、三度八重山の地にやって来て、砲撃したことも紛れもない事実です。
 収容施設の衛生状態が悪かったとしても、それは、当時のこと。島民自体が貧しかった中で、突然やって来た大量の漂流者に、必ずしも十分な保護ができなくてもやむを得なかったのかも知れません。
 いきさつはともかく、生存者を送り届けたのも事実のようです。
 飛び道具で襲撃してきた英米船に、丸腰同然の島民は、なす術もなかったことでしょう。

 内地から遠く離れた八重山では、やはりそれなりの歴史を背負っています。単純に善悪に色分けすることや、過大に盛って美談として語ること、逆に過小評価することは、いずれも適当とは思えません。
 



 唐人墓は、団体観光客のほとんどが見学して行くのに対し、海遊び目的で訪れる個人客は、ほとんど見向きもしない場所です。

 しかし、あの派手な建物は、観光客向けのテーマパークではありません。過去に石垣島が巻き込まれた重い事件のシンボルです。
 真の沖縄好きであれば、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
 
 離島桟橋から、車なら10分程度。観音崎のお隣です。川平行きのバスも停車します。


 余談ですが、唐人墓は、「とうじんばか」と読みます。墓を「ばか」と濁音で読むのは、あちらでは一般的なのですが、「ばか」が「馬鹿」と誤解されないよう、東運輸のバス停は「唐人の墓(とうじんのはか)」となっています。



 おい、お前ら、罰が当たるぞ!

2017年5月20日土曜日

運転しない人向け 石垣島・周辺離島観光ガイド Ⅱ




 宮古島は、周辺離島と橋で繋がっていて、伊良部島など4島に車で簡単にアクセスできます。
 それに対し、八重山諸島は、石垣島から離れているため、船に乗って行かなければなりませんが、逆に言えば、車なしでも大丈夫ということです。

 前回に引き続き、車の運転はしない人向けの観光手段のご案内で、今回は八重山の離島編です。
 

 石垣島から船で行ける島は、定期航路がないパナリと、普通は船で行かない与那国島を除けば、竹富島黒島小浜島西表島鳩間島波照間島です。

 このうち、車がないとどうにもならないのは、西表島だけです。
 西表島には、路線バスがあるので、それは後ほど説明しますが、他の5島については、それほど大きくないため、自転車が観光客の基本的な移動手段です。

 小浜島は、多少山坂があるので、レンタカー・レンタバイクで廻る人も少なからずいます。鳩間島は、上陸後歩いて廻る人がほとんどです。

 自転車は、各島に到着後借りられるので、石垣島からの日帰りならば、予定を立てずにふらっと行くことも可能です。
 港近くに営業所があったり、看板を持った業者が待ち受けていて、すぐに対応してくれます。

 昭和の時代の田舎の小学生になった気分で、自転車に乗ってちょっと泳ぎに行く、なんていかがでしょうか。



 観光客が利用できる、自転車以外の移動手段としては、次のものがあります。

 竹富島は、小さい島ですが、観光客が多いので、ここには色々あります。
 路線バスとほぼ同じ役割の、有償運送(つまり白バス)のマイクロバスが走っています。1区間200円~310円。
 観光バス(所要約1時間)もあります。それから、最近はタクシーまでできたのです。

 水牛車観光をする場合は、港から送迎してくれるので、それに乗ってステーションに行きます。帰りも港まで送ってもらえますが、水牛車観光が終わった後、辺りを散策してから港に送ってもらうこともありなので、業者に相談してみてください。

 これらは、原則予約は不要ですが、観光バスは予約無しだと満員の場合がたまにあります。
 また、有償運送のマイクロバスは、港以外のバス停には、予め頼んでおかないと立ち寄ってもらえないことがあります。海からの帰りのバスも、満員だったり、そもそも来てくれないことがあるので、到着後、バス停の注意書きを読んでください。


 小浜島には、観光バス(所要約1時間)があります。路線バス的なものはありません。タクシーもありません。レンタバイクはあります。
 ただ、小さな島なので、かつて、レンタカーを借りたことがあるのですが、2時間で、各所に立ち寄りながらでも、島を3週くらいできてしまいました。アップダウンが若干きつい場所があるのですが、サイズ的には、自転車でちょうどいい島です。

 黒島波照間島にはレンタバイクがあります。

 西表島には、路線バスがあります。1日4往復ですが、豊原から白浜まで、道路で繋がっている場所は網羅しています。

 西表島の航路は、東部の大原港行きと、西部の上原港行きがありますが、上原港からは、発着する高速船と連動して、白浜までの無料送迎バスが運行されているので、便利です。
 このバスは、安栄観光が運行するものと、八重山観光フェリーが運行するものの2種類があり、安栄観光のバスは、船浦港まで足を伸ばしてくれます。

 安栄観光と八重山観光フェリーは、共通乗船券のシステムを採用していて、どちらの窓口で乗船券を買っても、両方の船に乗れますが、この送迎バスに関しては、安栄観光のバス乗るには、安栄観光の窓口で乗船券を買う必要があり、八重山観光フェリーのバスに乗るには、八重山観光フェリーの窓口でチケットを買ってバス券をもらう必要があります。

 帰り(白浜発)のバスは、予約が必要な場合もあるので、詳しくは、乗船券を買う際確認してください。

※ 送迎バスの記述を訂正しました(H29.5.24)


 西表島には、タクシーもあります。また、石垣島同様に観光バス、観光タクシーもあります。



 なお、各島の宿に泊まる場合は、ごく一部を除き、ほとんどの宿が港まで送迎してくれます。



 石垣島から船で島に渡り、到着した島で送迎付きのツアーに参加する方法もあります。

 各離島のショップが主催するシュノーケリング、カヤック、カヌー、トレッキング、釣りなどのツアーは、港まで送迎してくれるものがかなりあります。

 パンフレットなどに、「石垣島から参加OK」みたいな記載があります。もし、何も表示がなくても、問い合わせてみる価値はあるでしょう。
 「石垣港○時の船に乗ってもらえれば、港でお待ちしています。」といった案内があると思います。

 石垣島の会社が主催する、船で出発するツアーも色々あります。離島ターミナルには、様々なツアーのパンフレットが並んでいます。もちろん、ネットで情報も取れます。



 八重山の離島は、竹富町か与那国町に属し、石垣市とは別の自治体ですが、石垣島が基幹島であって、観光は基より、経済も文化も石垣島とは切っても切れない関係です。
 宮古の島も同じですが、主な島が橋で結ばれ、市町村合併により宮古島市にまとまった宮古諸島と比べれば、未だ、八重山諸島は、各島の個性や独自性が保たれているようにも思います。

 黒島と小浜島は、共に石垣島から船で30分程度の距離にあり、面積もあまり変わらない小さな島ですが、産業、観光の面では、大きな違いがあります。

 宮古島で、本土にもほとんどない長大橋をドライブするのも凄く楽しいのですが、八重山で、船でしか行けない島に渡り、徒歩や自転車で時間をかけて廻るのも、負けず劣らず楽しいものです。

 車の免許があろうがなかろうが、八重山の離島で、宮古島とは違う遊び方を是非試してみてください。




2017年5月15日月曜日

運転しない人向け 石垣島・周辺離島観光ガイド Ⅰ




 今回のテーマは、車の運転はしない、という人向けの石垣島と八重山離島の観光手段の案内です。
 長くなりそうなので、2回に分けます。 

 石垣島でも、空港からレンタカーで移動するのが効率もよく、コストパフォーマンスが高いのですが、免許は持っていない、ペーパードライバーである人でも、宮古島に比べると、それなりに遊べるのが石垣島と八重山諸島です。
 

 車なしで観光する、遊ぶ方法としては、
 
 ① 観光バス・観光タクシーを使う
 ② 目的地まで、路線バス・タクシーで行く
 ③ 自転車で廻る、歩く
 ④ 送迎付きのシュノーケリングなどのツアーに参加する
 
 ⑤ 石垣島から船で島に行き、車を使わないで廻る
 ⑥ 石垣島から船で島に行き、到着した島で送迎付きのツアーに参加する

 などが考えられます。今回は、①から④まで、石垣島島内での車無し観光についてです。


 観光バス・観光タクシーを使う


 観光バス・タクシーで主だった観光地を見て廻るのは、かつての王道観光でした。
 石垣島だと、観光バスの場合、半日コースで一人3千円くらいから、観光タクシーだと、3時間で一台1万円くらいから、1日だと2~3万円くらいのようです。

 観光バスは、川平公園には必ず立ち寄り、後は時間に応じて、みたいな感じでコースが決まってきます。
 移動中もガイドがあり、ときに三線弾き語りなどもあって、退屈することはないようですが、ある程度の沖縄リピーターだと「またその話かよ!」みたいなことになっちゃうかも知れません。
 一人でも参加でき、当日申込みでも、ほぼ大丈夫なことが多いようです。


 観光タクシーは、コースや立ち寄り場所は一応決まっていますが、バスに比べて融通が利き、自由度が高いのがメリットでしょう。運転手による案内、ガイドももちろんあります。
 運転手により当たり外れがありそうな感じですが、「よかった」「親切だった」という感想が多いので、もしかしたら、会社の方も運転手を選んでいるのかも知れません。

 ただ、レンタカーを12時間借りる場合、ガソリン代込みでも小型車なら数千円という石垣島では、割高感は否めません。

 観光バス・タクシーは、何度も使える手段ではないので、初めて行ったとき限定、みたいな感じでしょうか。

 

  目的地まで、路線バス・タクシーで行く

 宮古島と違い、石垣島では、路線バス網がそれなりに整備されているので、バス観光が何とかできます。

 西側、川平公園までと、東側、白保までは、普通にバス旅ができます。それより遠い場所だと、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」みたいなことになってしまいますが、米原海岸にバスで泳ぎに行くとか、島一周車窓の旅なんかも可能です。
 まちなか循環バスというのもあるので、市街地チョイノリでも利用できます。フリーパスもあります。

 タクシーも、人数が揃えば、バンナ公園や石垣島鍾乳洞くらいなら、現実的な選択肢だと思います。中には、米原までタクシーで泳ぎに来る人もたまに見かけます。

 自転車に乗る・歩く・・・

 以前、石垣市街地ブラブラ歩きという記事を書きましたが、余った時間で周辺散策も楽しいのですが、さすがにこれメインでは物足りないと思います。
 また、石垣島のメジャーな観光スポットは、市街地から離れているところが多く、自転車でも、よほどの健脚の人でなければ、現実的ではありません。



 送迎付きのシュノーケリングなどのツアーに参加する

 観光すると言うより、海や川で遊ぶ感じですが、宿まで迎えに来てもらって、シュノーケリングやカヤック、トレッキングなどのツアーに参加すれば、自力での移動は不要です。
 ダイビングメインで行く人は、こういうパターンが多いのではないでしょうか。
 値段の安いツアーは、送迎無しのものありますが、中心市街地ならば、大抵は迎えに来てくれます。

 また、石垣島から船で行くツアーは、ほとんどが石垣港から出航するので、市街地に泊まっていれば、送迎がなくても参加可能です。




 こうした石垣島島内での観光・遊びに加え、石垣港から八重山の各離島に船で行けるため、車の免許は持っていないけれど、石垣島リピーターという人は少なくありません。

 次回は、周辺離島について書きます。



2015年5月31日日曜日

団体旅行の定番「八重山4島巡り」シミュレート


 石垣島 → 西表島 → 由布島 → 竹富島 → 再び石垣島
 これを2泊3日程度で廻ります。
 小浜島が加わって、3泊4日になることも。


 沖縄の団体観光ツアーの定番です。新聞広告に「2泊3日八重山4島巡り」などとデカデカと掲載されたのを見たことがある方も多いと思います。

 でも、自分は参加したことがないのです。ですが、
 沖縄の離島は一度は行ってみたい、泳ぐわけではないし、色々な島を効率的に廻るには都合がいいではないか、という人達から、「ぶっちゃけどうなのよ。」というご質問も少なくないので、広告に載っている行程表をもとに、シミュレートしてみました。

 「バーチャル八重山4島巡り」です。


 まず、1日目。
 石垣島到着後、若干観光地を廻って、早めにホテルに入るプランが多いようです。ツアー代金を抑えるために、出発時間の遅い便が利用されるからだと思います。


 次いで、2日目。
 朝早く出発し、石垣港から高速船に乗って西表島大原港を目指します。

 大原で待ち受ける大型バスに乗り、仲間川河口へ。
 そこから、小型船に乗り替え「ジャングルクルーズ」。仲間川を遡ります。

 行きは、マンゴローブの説明などを聞きながら、比較的ゆっくり仲間川を走ります。
 
 終着点にあるのは「サキシマスオウノキ」。今分かっている中では最古の、樹齢約400年。
 この木は、「サキシマスオウ」の木ではなく、「サキシマスオウノキ」。全部が和名。漢字で書くと「先島蘇芳木」。

 「サキシマスオウノキ」を見学したら、ジャングルクルーズは終わりです。全行程1時間強ですが、帰りは高速ですっ飛ばすので、10分足らず。 
 再びバスで移動。そして、午前中のメインイベント、水牛車に乗って由布島に渡ります。

 時間的にちょうど昼時。由布島で昼食です。
 実は、ここがポイント。一度石垣島を離れると、八重山諸島では、団体で食事ができる場所がここを除いてほとんどありません。
 なので、由布島に昼頃到着するように、スケジュールが組まれるのです。

 由布島は、島全体が亜熱帯植物園ということになっていますが、それ程の見所もなく、時間も急いているので、早々に島を立ちます。

 再び高速船に乗って、お次は、竹富島。
 重要伝統的建築物郡保存地区に指定された、美しい街並みを、またまた水牛車に乗って見物します。 

 ツアーによって違いますが、水牛車観光が終わった後は、マイクロバスでコンドイ浜・カイジ浜を巡ったり、自由行動の時間となったりするようです。

 水牛車のガイドから、必ず説明があるなごみの塔からの眺め。「誰が写真を撮っても、絵はがきのような景色が撮れます。」などと言われます。

 そんなわけで、順番待ちの渋滞も・・・


 3日目。
 最終日は、石垣島観光です。
 必ず行くのは、川平湾。グラスボートに乗って珊瑚礁を見るのがお約束です。

 出発までに時間があれば、唐人墓・石垣鍾乳洞・八重山村(やいまむら)などにも足を伸ばします。
 ショッピングセンターに連れて行かれることも。

 小浜島がプラスされる、「3泊4日5島巡りツアー」もあります。
 10年以上前のちゅらさんブームの頃は、小浜島の人気が高かったのですが、今となっては、それ何処?の世界に。
 でも、小浜島にはリゾートホテルがあるため、ツアーに組み込まれることがあります。


 「こはぐら荘」を見学中の団体さん。



 国内の観光地はほとんど見た、という旅好きの方でも、沖縄離島が初めてであれば、マングローブ林、沖縄の伝統建築の街並み、珊瑚礁の広がる海は珍しい光景でしょう。水牛車に乗るというのも、新鮮な体験であると思います。

 これらのツアーは、主に冬の閑散期を中心に組まれますが、ジャングルクルーズも、水牛車も、グラスボートも天気が悪くてもそれなりには楽しめるので、天候のリスクは軽減されます。
 
 八重山のスポットを、非常に効率良く廻る、ゴールデンルートです。宿泊は、大体リゾートホテルが利用され、価格もコストパフォーマンスに優れています。

 
 しかし、当ブログとしては、この「八重山4島巡り」ツアーは、積極的にはお勧めしません。
 それは、何故?

 宮古・八重山というところは、全国の名だたる観光地に比べれば、見所は圧倒的に少ないと思うのです。
 その代わりに、コーラルブルー、エメラルドグリーンなどと言われる美しい海があります。
 泳ぐ、泳がないにかかわらず、この美しい海を満喫してこそ、沖縄離島の旅だと思うからなのです。


 竹富島のコンドイ浜です。極端な遠浅なので、干潮時は見た目あまりきれいではありません。でも、遠浅の海を短パンとビーチサンダルでどんどん歩いて行くと、こんな景色に遭遇出来ます。水深数㎝の海です。

効率を重視した、「八重山4島巡り」では、こういう所には行けません。そもそも、天気によってNGになる場所は、ツアーに組み込まれません。
 大型バスで、団体客を受け入れてくれる場所にしか行きませんが、石垣島でもそういう場所は限られます。あの大きな西表島でも、仲間川と由布島にしか行かない、いや、行けないのです。

 旅の目的も、楽しみ方も人によって様々ですが、一方、その土地に適した楽しみ方があるはずです。沖縄離島の魅力が最も伝わる楽しみ方は、この美しい海をのんびり眺めて癒やされたり、ハイテンションになってガンガン遊ぶことだと思うのです。


 「八重山4島巡り」に参加した方、参加するつもりの方は、このツアーは八重山諸島のごく一部だけで、おいしい所がまだまだあることは、ご理解いただきたいと思います。

 そして、百聞は一見にしかず、是非次の沖縄離島旅行を計画してみてください。

 

2014年11月27日木曜日

民謡「安里屋ユンタ」に唄われた絶世の美女クヤマ



サァ 君は野中の茨の花か
(サァユイユイ)
暮れて帰れば ヤレホンニ 引き止める
(マタ ハーリヌチンダラ カヌシャマヨ)


 八重山の民謡「安里屋ユンタ」。元は、竹富島の古謡で、絶世の美女「安里クヤマ」と、クヤマに一目惚れした下級役人とのやりとりを、面白おかしく描いたものだとされています。

 クヤマは、実在した人物。竹富島の集落には、生誕の碑があります。
 

 時は18世紀。王府(琉球政府)から、「目差主(みざししゅ)」という官職の役人が竹富島に派遣されます。目差主は、クヤマに一目惚れし、求婚(正妻としてではなく島妻として)します。

 しかし、クヤマは、「下級役人の妾などになりたくない」と言ってこれを断りました。
 下級役人とはいえ、当時、庶民が役人に楯突くなどということはあり得ない話で、クマヤの反骨精神が庶民に人気となり、語り継がれたものが、後の古謡「安里屋ユンタ」になっと言われています。

 しかし、単なる美談ではなく、オチがありまして、クヤマに振られた目差主は、「おまえより美しい娘を妻にする。」と捨て台詞を残して去り、隣の仲筋村の美女を妻にし、王府に帰還する際お持ち帰りをします。
 クヤマはクヤマで、後に上級役人と結婚し、たいそうな土地を与えられたと言います。

 メデタシメデタシ。

 沖縄の美女伝説は、悲恋の結末を迎えるか、危うく難を逃れるといったものが多いのですが、こういう結末は面白いですよね。大人の事情的には。



 観光水牛車が、誕生の碑の前で駐まります。ここで、ガイドは、クヤマ伝説をひとくさり説明した後、「では」とばかりに三線弾き語りで安里屋ユンタを唄い始め、水牛は、再びゆっくりと歩き始めます。


 安里屋ユンタは、三線を弾いて唄われる曲としては、最もポピュラーなもの。知らないという人でも、沖縄に行ったことがある人ならば何処かで耳にしていると思います。
 今の曲は、1934年に、旧安里屋ユンタを基に新たに作詞・作曲されたもので、石垣島から広がっていきました。冒頭に紹介した歌詞も新安里屋ユンタです。

 クヤマの話が登場する旧安里屋ユンタは、竹富島にだけ残ります。

 トリビアですが、一般には「あさやユンタ」と呼ばれますが、竹富島では「あさやユンタ」です。クヤマの生家の屋号は「あさてぃや」だからだそうです。

 ユンタとは、「結い歌」から転化したもので、田植えなどの時に唄われる労働歌だそうです。


 囃子詞の「マタ ハーリヌチンダラ カヌシャマヨ」を、ここだけ覚えておけば、一緒に唄えます。
 
 言葉の意味は、八重山方言の古語で「また会いましょう美しい人よ」という説、インドネシア語が語源で「太陽は等しく我らを愛する」という説のほか、お囃子と同じなので特に意味は無いという人もいます。

 水牛車のガイドは、ここで美女伝説とかけて、「♪死んだら神様よ~ と言っているみたいですね。」とやって笑いを取るのがお約束。






 クヤマの墓。

 海を見下ろすこんな綺麗な場所にあります。