今年の夏は沖縄だ!
石垣島編、宮古島編に続き第3弾は八重山諸島編です。
実は個性豊かな八重山諸島
石垣島のさらに先に散らばっている、こぢんまりした島々。いずれも竹富町という行政区画に属します。
ですが、実際は、島の大きさも、形状も、生業も、観光地としても魅力や見所も、難易度も、結構違う個性豊かな島々の集まりです。
今回は、石垣島から船で行ける竹富島・小浜島・西表島・黒島・波照間島・鳩間島をご紹介し、定期船の出ていない新城島(パナリ)と、普通船では行かない与那国島(与那国町)は除きました。
竹富島 手軽に行けるザ・沖縄
伝統的な沖縄の街並みが残る、花咲乱れる美しい島。古き良き沖縄の雰囲気を残し、それ故、沖縄の顔のような役割を担っています。
石垣島から船で15分という手軽さもあって、この小さな島には年間50万人もの観光客が押し寄せます。
石垣島がメインの観光でも、気軽にちょっと足を伸ばせる島です。
着いてから、自転車を借りて廻るのが、この島の王道観光です。ほかには、水牛車に乗るというアトラクションもあります。
集落内の、島人が普通に生活する道路を水牛車がゆったり通過していきます。こんな光景は、日本広しといえどもこの島だけでしょう。
伝統的な街並みが残るといっても、単に古い建物を保存しているだけではありません。いにしえの精神文化そのものを引き継いで守っているのです。
しかも、島人は、そのことに並々ならぬ情熱とプライドをもっています。
そんなことを知って竹富島を歩いてみると、より思い出深い旅になるかも知れません。
また、素敵な海もあります。コンドイ浜は、八重山屈指の美しいビーチです。
超遠浅なので、泳ぐというより水遊び程度しかできませんが、その分、SUP、ボート、ジェットスキーなど飛び道具を使う人がいないので、静かでのんびりした贅沢空間です。
竹富島では、島の自然・祭事・習慣・伝統工芸や町並みを未来へ残すためとして、来島者に入島料300円の支払いを求めています。
支払いは任意なので、寄付のような位置付けですが、趣旨に賛同いただければ幸いです。
石垣港と竹富港のターミナルに、券売機が設置されています。
小浜島 何でもあるけど何もない島
この島には、リゾートホテルが2つもあるのですが、その割に、ここという観光名所がありません。
そこそこ綺麗な海に囲まれ、そこそこのどかなサトウキビ畑や牧草地が広がり、そこそこ沖縄らしい集落が残っていて、決してつまらない島ではないのですが、何というか、決め手に欠くのです。
だから、ベストビューは自分で探してください、みたいな感じで、実は、中・上級者向け観光地かも知れません。
サイズ的には自転車で廻るのがちょうどいいのですが、山坂あるためちょっと辛い。かといって、レンタカーやレンタバイクではあっという間に一周できてしまう、この中途半端さが、また何とも小浜島らしいところです。
かつて、NHKの朝ドラ「ちゅらさん」のロケ地になったことから、20年近く経った今でも、団体さん向けにはちゅらさん絡みの観光案内がされているようです。
西表島 ジャングルのある沖縄で最もユニークな島
石垣島よりも、宮古島よりも大きいのに、人口は2千人程度。ほとんどが亜熱帯のジャングルで、島の大部分は人の立ち入れないエリアです。
海沿いを東回りで半周するだけで50㎞以上の距離がありますが、島の西側には行くこともできません。
大河川があり、滝があり、マングローブが群生し、時に大量の鳥が空を舞う、大自然を満喫できる島です。もちろん、美しい海もあります。
この島では、ダイビング、シュノーケリングのほかにも、カヌーで川を上る、滝壺で泳ぐ、滝上から海を見下ろすといった、他の島ではできないアクティビティが楽しめます。
のんびりするというより、アクティブに遊び回る島です。何日いても飽きることはありません。
何処で何をするか、明確な目的を決めてから行った方がいいと思います。
石垣島から日帰りする場合は、現地でレンタカーを借りる必要があります。もしくは、ツアーを予約しておいて、業者に向かえに来てもらうかです。
西表島は大きいので、大原港と上原港の2カ所が入り口となります。その両方に石垣島から船が出ています。
この島では、石炭が採れたことから、古くから他地域からの入植者が多く、その分他島と微妙に雰囲気が違います。
都会的、と表現するのは適当ではないのですが、何というのか、沖縄独特のユルさとはちょっと違う空気感を感じます。
エコツーリズムにも早くから取り組んで来ました。
仲間川遊覧、由布島に渡る水牛車といった、団体旅行の定番コースに組み込まれている場所もあります。
この島では、大原港のあるエリアを東部、上原港のあるエリアを西部と呼びますが、どう考えても南部と北部なのですが・・・
黒島 観光に依存しない牛の島
見渡す限り平坦な牧草地に、人口の15倍いるという牛の島、黒島。
沖縄のほとんどの地域、ほとんどの島が観光を生業としているのに対し、この島は、牛を飼うことを主産業としています。
元々、綺麗な海とのんびりした牧草地以外何もない島ですが、そんなこともあって、観光客向けの施設はほとんどなく、下手をすると、昼食をとる食堂を探すことすらも苦労します。
またこの島には、民宿しかなく、ホテルも、おしゃれなペンションもありません。
船の本数も少なく、訪れる観光客は、他の島に比べて少なめですが、その分、黒島にはまる人は、惚れ込んで何度も通っています。
仲本海岸はシュノーケリングポイントとして有名ですが、潮の流れの関係で、干潮前後の数時間しか泳ぐことができません。
石垣島から日帰りの場合は、島に着いて自転車を借りるのが一般的です。真っ平らな島なので、自転車で滑走するのはとても快適です。
波照間島 難易度の高い最南端のパラダイス
八重山通の間で、最も行ってみたい島として挙げられるのが波照間島です。有人島としては日本最南端の島です。
波照間島と言えば、ニシ浜(北浜)です。沖縄のビーチの人気投票では、いつもトップクラスの人気を誇ります。
夏期間は、ニシ浜目当てに石垣島からやって来る日帰り海水浴客で、朝一便の船が満席となります。
しかし、波照間島は遠く、石垣島からの乗船時間は80~90分。
しかも、波照間航路は、強い南風が吹くとすぐに欠航になってしまい、無事運航されても、波の高い日は、ネタになるほど揺れます。
その分、晴れて穏やかな日のニシ浜は、この世の天国かと思うほどです。
鳩間島 地味ながら渋く人気の孤島
波照間島に次いで難易度が高く、八重山通の間で人気が高いのが鳩間島です。
西表島のすぐお隣にある、外周4㎞ほどの小さな島で、人口は50人ほど。上原(西表島)行きの船が1日3回程度立ち寄ってくれるだけです。
特に何があるというわけではありませんが、ご多分に漏れず美しい海に囲まれています。島が小さい分、歩いて1周するのも楽勝です。
八重山諸島の中では北側にあるため、波照間島とは反対に、北風の時に欠航しやすいという特徴があります。
八重山離島を結ぶ高速船
八重山各島へは、石垣港から出発する高速船を利用します。
安栄観光と八重山観光フェリーの2社があり、かつては、ライバル同士激しくデッドヒートを繰り広げていた(常に安栄観光が勝っちゃっていた)のですが、いつの間にか仲良し?になり、今では共同運航が行われていて、チケットも共通です。
離島航路は、基本石垣島と各島を往復するもので、各島を直接結ぶ便は、小浜島・大原(西表島)、大原・竹富島など限られた路線に1便程度。しかも予約制です。
各島の人にとって、石垣島は生活圏なので頻繁に行き来しますが、他の島に行くことは滅多にないのです。
石垣発着便は、予約もできますが、予約無しでも乗れます。
客が多く乗り切れない場合は、後続便を出すなど臨機応変に対応してくれています。
チケットは、石垣港で往復券を買うと若干安くなります。
乗り放題のフリーパスがあります。3日券・4日券・5日券とあり、また、波照間航路を含むか含まないかなど細かい値段設定となっているので、よく作戦を練ってから購入してください。
観光プラン付き(往復乗船券+観光バス、往復乗船券+レンタサイクルなどなど)もありますが、別々に買うより安いか微妙な価格設定もあるので、必ずしもお勧めしません。
今年の夏は、コロナショックの影響で、例年より本数が削減されるかも知れません。必ず、今年の運航状況を確認してください。
さてどう巡りましょうか
八重山が初めてであれば、石垣島観光をメインに、1日はどこかの島に行ってみるといったプランがいいかと思います。
いずれの島も石垣島から日帰りが可能です。
このうち、駆け足で見て廻るならば(あまりお勧めはしませんが)、半日程度で何とかなるのは、竹富島・小浜島・黒島です。
鳩間島、波照間島は、丸1日コース。西表島は、ワンデードライブでは、廻りきれません。
業者のツアーに参加するか、西表島でレンタカーを借りる場合は、あらかじめの予約が必要となりますが、そうでなければ、事前に計画を立てずに、行き当たりばったりの旅もいいでしょう。
石垣島を拠点に、連日違う島を巡ることもできます。一方、あまり頑張らずに、どこかの島でのんびりするのも魅力的です。
島に泊まる
もし、許されるのであれば、島に泊まってみることをお勧めします。
どの島にも、石垣島のような繁華街はありません。
ただただ、静かで、場所によっては、こんなところまで来ちゃったんだという心細さを感じるかも知れません。
夕食が済めば、波の音、風の音を聞き、晴れていれば星を眺め、時季によっては道端に小さく光る蛍を探し、後は、酒を飲むことくらいしかすることがありません。
ですが、これが楽しい、居心地がいい、快感だと感じてしまったら、間違いなくあなたは沖縄依存症に感染しています。
この病気にワクチンはありません。治療薬もなく、健康保険も使えません。手洗いやマスク着用でも防止できません。笑
3回に渡ってお届けした、「今年の夏は沖縄に行きませんか」シリーズ。まだ行ったことないという人も、興味をもっていただけたでしょうか。
思いもかけないコロナ騒ぎで、夏休みがなくなってしまった人もいるかも知れません。強いストレスに見舞われた人、生活が苦しくなった人も多いと思います。
脳天気に沖縄旅行なんて考えている余裕はない、と言われてしまうかも知れません。
ですが、沖縄の、特に離島は、金をかけてゴージャスに楽しむだけのリゾート地ではありません。綺麗な海のある、ある意味究極の田舎です。
ハイテンションで行くのもいいのですが、癒やされに行くにも適した場所です。
興味を持っていただいたら、何とか都合を付けて、一度命の洗濯をしに行ってみてはいかがですか。
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