2022年6月29日水曜日

来間島長間浜はちょっとビックリ

 

 かつて、写真家の北島清隆氏が、「沖縄でもっとも美しいビーチ」だと言った、来間島の長間浜。

 伊良部大橋の影響とみられる潮の流れの変化で、砂浜が痩せて、近年、少し残念なことになっています。




 長間浜の砂浜の状況に関しては、以前にも当ブログでお伝えしていますが、ここ数年一進一退といったところで、完全アウトにはならないものの、かつてあった、どこまでも続く長いビーチは、最近は見ていません。



 その長間浜で、びっくりぽんな出来事が!

 なんと、道路とビーチを直結する、立派なコンクリート階段ができていました。




 何故こんなものができたかというと、ちょっとややこしい経緯があります。

 ここは、元々里道(りどう)と呼ばれる、市管理地でした。

 里道とは、公図が作成された明治時代に、正式な道路ではなかったが人の通り道だったため、国有地とされたもので、法律が改正され、現在では市町村が管理しています。


 昨年夏ごろ、隣接するリゾートホテルの事業主から、事業者負担でこの里道の整備をしたい旨、市に申し出がありました。

 里道は、普通財産、つまり、たまたま市が地主であるだけで、行政目的のために管理している土地ではありません。

 申し出に対し市は、地主の立場で判断すればよいので、OKしました。ということで、こんなびっくりぽんなものができてしまったのです。

 もしこれが、海岸保全区域にかかっていたら、絶対に許可にはならなかったでしょう。


(工事前はこの程度だった)



 これができたおかげで、長間浜に行きやすくはなると思います。

 しかしその分、台風の時に波や砂がこの階段を伝って舞い上がって来そうです。

 防風林でがっちり守られていた島に、わざわざ風の通り道を造ってあげるわけですから、風速何十㍍の強風が吹き荒れたら、周辺は砂と潮でザラザラ、ベタベタになっちゃうような気がします。






 強風時のことを措くとすれば、取り敢えず便利にはなりました。


 この階段は、リゾートホテルの宿泊客のために造られたことは明らかですが、元々が里道であるため、誰でも通れます。

 一方、ホテル隣接とは言え、客室からは結構な距離があります。水着のまま部屋から歩いてビーチまで、といった雰囲気ではなさそうです。


 そうなると、結局ホテルの宿泊客以外の人が、長間浜への新ルートとして利用することになりそうですが、駐車場がないため、一般客は路上駐車しなければなりません。




 道路と階段の間に手頃な空き地があったので、ここを駐車場にすればいいのに、と思いましたが、ここには「立入禁止」の看板が。



 またここで、何かやるんだろうな。有料施設とか造って。




 元からある駐車場は、この先にあります。草木が生い茂ってしまったのは、このルートを使う人が少なくなったからでしょうか。




 さて、その長間浜ですが、階段を降りた辺りから北側(海に向かって右側)100㍍弱は、砂浜が残っていて、昔ながらの美しい長間浜です。




 しかし、そこから反対方向を後ろを振り返ると、だんだん、あまり美しくない長間浜になっていきます。

 これを撮ったのは、干潮の2~3時間前位でしたから、干潮時は、もっと悲惨な状況だと思われます。




 2年ほど前、当ブログでは「絶景ビーチへと続く『奥への細道』」という記事を書いたことがあります。

 宮古島に限らず、沖縄では、人ひとりやっと歩ける位の細い道を通らなければビーチに行けない場所が、いくつもあります。

 
 長間浜へは、こんな細道を通って行っていました。そこがまた旅情を誘ってよかったのですが。




 前回記事にした、宮古島の前浜ほどではありませんが、何かと騒がしくなった来間島の長間浜周辺。

 しかし、肝心の長間浜自体が、かつての輝きを失いつつあるのは、皮肉です。





奥への細道の記事はこちら


 新着記事は、Twitter と Facebookでお知らせしています。

 スマホの方は、「ウェブ バージョンを表示」をタップすると各種機能が使えます。


2022年6月25日土曜日

宮古島前浜はちょっと感じ悪い

 

 東洋一と称される、美しいビーチ、宮古島前浜。


 でも、ハッキリ言わせてもらいます。

 初めて宮古島に行く人は、東急ホテルに泊まる人以外は、今ここには行かない方がいいと思います。
 宮古島はこんな所なのかと、ガッカリしたり、誤ったイメージを持たれてしまうかも知れないからです。
 

 コロナが明けた、宮古島前浜のちょっと残念な現状をお伝えします。





 前浜港の岸壁の入り口が、車両進入禁止になりました。

 ここは港としての本来の役割を終えて、より海に近い駐車場として使われており、コロナ以前は、飲食物販売のワゴン車やトレーラーが常駐していました。

 
 海直結のため、ちょっとした衝突や踏み間違いで、海に転落する危険もあったので、これは、やむを得ない措置だと思います。

 港の入り口のすぐ右側に、4月からこんなのができています。「BEACH PAVILION MAEHAMA」



 ワゴン車などによる飲食物販売と、水着ショップなどがあるそうで、要するに商業施設エリアです。

 岸壁に常駐していたワゴン車などを、安全な場所に集約したのもいいと思います。

 
 問題は、ロープを張って歩行者まで閉め出したことです。 


 冒頭の写真のように、ビーチは目の前です。しかし、ロープを突破しないでビーチに行くには、店の前を通過しなければ行けません。

 新しい施設を造ったから、遠回りしてここを通らないとビーチには行かせませんというのは、利用者にとってものすごく感じが悪いことだと、関係者は誰も気付かないのでしょうか。


 前浜と言えば、海が綺麗な宮古島の中でも看板ビーチのはずですが、その品格のかけらも感じられません。





 前浜港の手前には、市管理の駐車場があります。コロナ前は、団体客が大型バスを連ねて押し寄せました。

 そのために造ったバス専用駐車場。しかし、新たに造ったわけではなく、一般車用の駐車スペースを潰して造ったのです。


 コロナ以後、ここにバスがやって来ることはほとんどありません。

 それどころか、バス自体が減車され、今、僅かしか宮古島に観光バスが存在しません。一般車がバスの駐車スペースに駐めても、誰にも迷惑はかかりません。

 それでも、一般車の便宜は図らず、バス優先のまま。



 入り口に張られたロープは、ひょいと一跨ぎすれば中に入れます。法令上の立ち入り禁止区域でもありません。


 実際、慣れた人は、より海に近いバスの駐車スペースに車を駐めて、ロープを越えてビーチに行きます。
 よく知らない人や、ルールだから守らなければならないと考える真面目な人だけが、律儀に、少ない一般車駐車スペースに車を駐め、店の前を通ってビーチに行くのです。


 大人しい奴には従わせ、理屈を言いそうな奴は黙認するみたいなやり方は、自分は、もの凄く嫌なのですが、どう思われますか。

 しかも、それを主導しているのは行政なのです。





 前浜には、もう一箇所、駐車場があります。前浜港の西側(海に向かって右側)です。「ウインディまいばま」という昔からある市の施設に隣接しています。「ウインディまいばま」は、海の家的なカフェです。


 
 ただ、こちらの駐車場は狭く、すぐ満車になります。また、1台当たりの駐車スペースも狭いため、駐車するのにも、車を降りるにも気を遣います。





 そして、ここいら一帯が、前浜で最も感じの悪いエリアなのです。


 コロナ前のことですが、ここに車を駐めたとたん、「観光ですか~」とチャラく声を掛けられたことがありました。ここは市営の駐車場ではないのかと問うたら、「いや交通整理ですよ」などととぼけられました。

 自分のような、一人でやって来るおっさんにまで声を掛ける位ですから、日ごろ、相当熱心に「営業活動」をしているのでしょう。



 女子同士、あるいはカップルでビーチを歩いていると、若い男から「この海をバックに写真を撮りましょう。シャッター押しますよ。」と声を掛けられます。

 写真を撮り終えると、続けて、ジェットスキーやバナナボートの営業が始まります。


 こういう、離島ののんびり感をぶちこわす、露骨な営業自体感じの悪いものですが、少し前、新婚カップルがビーチで声を掛けられ、波が高い中でジェットスキーを強行し、女性の方が具合悪くなり、病院に駆け込むといったことがありました。

 ここまで来ると、感じが悪いとかのレベルではなく、完全に一線を越えています。


 この話を聞いたとき、単純に自分は、警察に被害届を出すべきだと思いましたが、本人の意向により、情報提供に止まったそうです。

 観光地で何かあっても、警察沙汰にすることは当人の負担が大きく、簡単にはできないというのが現実です。





 前浜は、遠浅ではないため、ジェットスキーが多数行き交っていますが、普通に泳いでいる人も大勢います。きちんとエリア分けができているとも思えません。

 こんな中で事故が起こらない方が不思議です。いや、もしかしたらもう起きているのかも知れませんが。


 以前、ジェットスキーで引っ張る遊具が、海中の重石か何かに繋がれ、海面に浮いたままになっていました。

 もちろん、占用許可なしにこんなことはできないはずですが、実際には、不法占用どころか、所有者不明の投棄物になっていたそうです。


 こんなことなってるビーチは、石垣島やその他八重山諸島では知りません。





 当ブログを書き始めてから、間もなく10年になりますが、東洋一と称される前浜のことは、もう何回も取り上げ、多数の写真を紹介してきました

 長く読んでくれている人はお気付きかも知れませんが、初期の頃の記事は、手放しでその美しさを紹介するものでした。

 ここ3~4年の記事は、海は綺麗だけどちょっと・・・というニュアンスに変わってきたと思います。

 そして、ついにこの記事を書くことになってしまいました。



 これから初めて宮古島に行く人は、東急ホテルに泊まる人以外は、今ここには行かない方がいいと思います。

 東急に泊まれば、さすがにホテルの目の前でおかしな商売はしないだろうし、ホテルの駐車場なら、チャラく声を掛けられることもありません。

 逆に言えば、リゾートホテルに泊まらない限り、このビーチでのんびりできないというのは、とても残念なことです。



 泳ぐにしろ、眺めるにしろ、同じように綺麗で、もっとのんびりしたビーチが、宮古島周辺にはいくつもあります。


 下地島の通称17END、伊良部島の渡口の浜、目の前の来間大橋を渡った向かい側にある、来間島ネコの舌ビーチ(パチャビーチ)なら、間違いなく満足してもらえると思います。

 あるいは、前浜でもずっと北の方に行けば、駐車には苦労しますが、人の少ない美し海が待っています。

 今後、当ブログで紹介しようと思っていますが、埋め立て地のトゥリバーのビーチや、島北端の西の浜なども、時間帯によっては、人の居ない3つ星級ビーチに変身します。

 
(前浜の北側の海)



 宮古島周辺では、お一人様1泊数万円という超高級ホテルがドンドン建っています。

 その是非はともかく、国内外の富裕層が宮古島に泊まりに来ても、島の看板ビーチがこれではお寒い限りです。



 ビーチの品格とは、秩序があり、誰もが、自然を感じながら、安全で安心して遊べることではないでしょうか。

 人が集まるところには、商売をしたい人間も集まってきます。そこを上手く調整し、観光客が安心して遊べるようにするのが、行政の役割だと思いませんか。


 ちなみに、前浜一帯の海岸は国有地であり、管理者は、法令の定めるところにより現在は宮古島市で、港湾区域の管理者は沖縄県です。



 残念なビーチになってしまった前浜。でも、海が綺麗なことに変わりはありません。




 新着記事は、Twitter と Facebookでお知らせしています。

 スマホの方は、「ウェブ バージョンを表示」をタップすると各種機能が使えます。


2022年6月21日火曜日

アートがネイチャーな西表島月が浜




 西表島、そして八重山を代表するビーチの一つ、月が浜。島での呼び名はトゥドゥマリ浜です。

 ここは、沖縄でよく見る白砂の砂浜とは少し雰囲気が違います。沖縄最大の河川浦内川から運ばれた、木目の細かい砂が堆積した、広くて静かなビーチです。





 月が浜は、目に前にホテルがあり、宿の多い住吉集落にも近いのですが、訪れる人は多くありません。

 珊瑚がないので、シュノーケリングに適さないというのがその理由ですが、木目の細かい砂が厚く堆積し、アートのような美しい砂模様が、大自然=ネイチャーなビーチにできる、オンリーワンの砂浜なのです。


 まずは、この写真。砂の細かさが、何となく伝わるでしょうか。



 海から葉っぱが流され着くこともあります。浦内川のマングローブでしょうか。不思議なのは、こうした葉っぱが流されるのは、広い砂浜の決まった場所だけなのです。




 水溜まりに雲が映ります。真っ平らに見える砂浜でも、ホンの僅かの高低差ができるようです。




 砂浜に不思議な模様ができています。まるで粘土のようですが、ただの砂です。本当に細かい砂。




 こちらは、波の造形ではなく、カニの砂団子。カニが巣穴を掘るとき、綺麗に丸めて外に捨てます。



 砂浜に同化しているカニ。小さい割に、高速で移動します。足がいっぱいあるから?




 真西に海を臨む海岸は、夕日の名所でもあります。




 この轍は、ヤドカリの通った跡です。





 コテで整形したような整った部分と、隣り合わせで枯山水のような縞模様。波と風の力だけでこうなりました。

 もったいなくて、この上を歩くことができません。一体どのような力加減でこんなアートができるのでしょうか。




 新着記事は、Twitter と Facebookでお知らせしています。

 スマホの方は、「ウェブ バージョンを表示」をタップすると各種機能が使えます。


2022年6月15日水曜日

沖縄の珊瑚と日焼け止めの話

 

日焼け止めって珊瑚に良くないの?


 という質問をいただきました。

 これは、イエス・ノーで簡単に答えられる問題ではなく、また、自分も興味があったので色々調べてみました。

 今回は、沖縄の珊瑚と日焼け止めの関係についてです。

 


日焼け止めとは

 超大雑把に言うと、日焼け止めは、紫外線が肌に届かないようにする成分、つまり日焼け止め本体と、それを肌にくっつけておく接着剤成分からできています。

 日焼け止め本体は、紫外線を吸収し変質させる紫外線吸収剤と、紫外線を反射する紫外線散乱剤とがあります。

 近年、テカらない、白残りしないということで、紫外線吸収剤が使われることが多くなり、また、その効果を高めるため、ナノ化(極小化)が進んでいました。


何が問題なのか

 実は、この紫外線吸収剤の一部が、珊瑚の生育に悪影響を及ぼすのではないかと指摘されているのです。

 2008年にイタリアの研究者が行った実験では、特定の成分を含む微量の日焼け止めを投入した水槽で珊瑚を飼育したところ、白化が進んだという結果が公表されています。

 これは、限られた条件下であるため、自然界で本当に悪影響があるのか、異なる見解もあるそうです。

 ただ、間違いなく言えることは、日焼け止めは珊瑚の生育に悪影響を及ぼす可能性を否定できなかったということです。

 つまり、人が日焼け止めを体に塗って海で泳ぐことが、珊瑚の白化の一因となっている可能性があるということなのです。


 そのため、ハワイ州、パラオ共和国など外国の一部では、紫外線吸収剤のうち、

 オキシベンゾン
 オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルエキシル)

 という成分を含む日焼け止めの販売や使用が禁止されています。


 なお、日本では、これらの成分は、日焼け止めを含む化粧品に使用することが認められています。





日焼け止めは塗らない方がいいのか

 日焼け止めの中でも、紫外線散乱剤を使用した製品は、今のところ大丈夫だと言われています。紫外線散乱剤の代表的な成分は、酸化亜鉛、酸化チタンといったものです。

 これらは、無機物ですが、珊瑚に対しても人に対しても安全な物質とされています。

 成分表示を見て、オキシベンゾン・オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルエキシル)を含まず、酸化亜鉛、酸化チタンを含むものであれば、一応安心ということです。


 紫外線吸収剤を含まない日焼け止めは「ノンケミカル non-chemical」「吸収剤不使用」などと表示されます。

 ノンケミカルというのは、オキシベンゾン等が化学的に合成された物質なのに対し、酸化亜鉛等は天然鉱物から採取可能だからです。

 できれば、紫外線散乱剤でもナノ化していない、「non-nano」の表示がある方がいいそうです。
 ナノ化は、新しい技術なので、自然界への影響が分かっていないからです。



 夏の沖縄で、日焼け止めを塗らずに屋外で遊ぶことは自殺行為なので、適切に日焼け止めを使用してください。





オーガニック神話も

 ググってみると、「珊瑚に優しいオーガニック日焼け止め」といった商品が、ドサッと出てきます。

 オーガニックと聞けば、いかにも自然に優しい良いイメージですよね。
 しかし、こういった商品は、ドラッグストアで市販されている一般の日焼け止めと比べて、かなり高価なものが多いのです。


 人間の肌にとってどうなのかは分かりませんが、珊瑚のために高価なオーガニック製品が必要だとするエビデンスは、今のところありません。

 また、酸化亜鉛、酸化チタンは、無機物であり、一般にいうオーガニック(有機)ではありません。
 接着剤がオーガニックでも、日焼け止め本体は無機物であれば、オーガニックという表示でいいのか疑問が涌きます。


 もしかしたら、ノンケミカルという用語と、オーガニックという用語が、混同されて使われているかも知れません。

 オーガニック表示の製品で、紫外線吸収剤を使用しているものは、よもやないと思いますが、珊瑚への影響に関しては、オーガニックは、十分条件であって、必要条件ではないということです。

 必要条件は、ノンケミカルです。


 オーガニックは良さげだけど、高いから普通の日焼け止めでいいや、と思っている人は、是非、ノンケミカルで探してみてください。

 大手メーカーでも、ノンケミカル商品を出しているところがあり、価格も他の製品と大きく変わらないものがあります。


 一方、「珊瑚に有害な成分を一切含まない」と謳った商品もありましたが、これも「現時点で分かっている限りは」という注釈が付くので注意してください。

 珊瑚と日焼け止めの関係は、まだ解明されていないことが多いそうです。
 

 さらに、ネット上には、

 海が大好きで、いままで日焼け止めをたっぷり塗って泳いでいました
  ⇩
 その日焼け止めが、珊瑚に悪いと聞いてショックでした
  ⇩
 それで調べてみたら、安心な製品があったので、皆さんにもお勧めします
 
 という流れで、マジメな話かと思って読み進めてみたら、実は特定の商品に誘導するステマ広告だった、なんていうのもありましたので気を付けてください。






私たちはどうすればいいのか

 取り敢えずできることは、成分が何であれ、海に流さないことです。

 日焼け止めはウォータープルーフ(耐水性)のものを選び、丁寧に肌に塗り込んで安定させてください。
 ヌルヌルベタベタしている間は、海に入らないように。

 時々ビーチで、日焼け止めを、お好み焼きのマヨネーズのようにたっぷり塗っている人を見かけますが、これは日焼け対策としても過剰です。


 そして、海で泳ぐときには、高価なオーガニック日焼け止めでなくて構いませんから、ノンケミカルの製品を使うと、よりベターです。


 泳がない日は、紫外線吸収剤の日焼け止めでも問題ありません。ちょっと足を海に漬ける程度ならば、そんなに神経質にならなくても大丈夫です。

 テカる日焼け止めはちょっと、という人も、遊び方によって上手く使い分けてください。

 
 製品には、必ず成分の表示がありますが、非常に小さな文字でカタカナの成分が羅列されているので、ノンケミカルなどの表示を目安にする方が楽です。
 あらかじめ、ノンケミカルの製品名をネットで調べておくのもいいと思います。





 もう一点大事なのは、自然界の敵は日焼け止めだけではないということです。
 
 例えば、中身の残っているペットボトルが、風で海に飛んで行ってしまったとしたら、プラゴミ+飲料の流失で、日焼け止めをオーガニックにしたことが帳消しになってしまうかも知れません。

 要は、海に余計なものは一切捨てない、流さないということです。日焼け止めには徹底的に拘ったけれど、「足腰を鍛え鍛えてがんで死に」みたいなことにならないように。


 そもそも、本来海にいない人間が海に入らないことが一番なはずです。

 でも、それではつまらないので、「なるべく迷惑をかけないようにしますから、遊ばせてください。」というくらいの謙虚な気持ちで行きましょう。お互いに。



 新着記事は、Twitter と Facebookでお知らせしています。

 スマホの方は、「ウェブ バージョンを表示」をタップすると各種機能が使えます。


2022年6月10日金曜日

沖縄の梅雨明けはまだ? 5月の雨量は例年の3倍

 

 5月28日、宮古島市平良で、時間雨量120ミリ、下地島空港でも113ミリという猛烈な大雨が降りました。
 
 宮古島地方気象台によると、同日、市内の荷川取と西仲宗根付近で突風が発生、
 市消防本部によると、突風でトレーラーハウス2棟がそれぞれ全、半壊したほか、ゴルフ練習場のネットを支える柱が倒壊しました。


 4月27日には、与那国空港で時間雨量110ミリの大雨が降り、
 6月3日には、本島の北は国頭村から南は糸満市まで、大雨による浸水・冠水、土砂の流出、護岸の崩落などの被害に見舞われています。


 5月28日の大雨のとき気象庁は、記録的短時間大雨情報を発表しています。

 記録的短時間大雨情報とは、その地域の歴代1位または2位の1時間当たりの雨量を参考に決められるのだそうです。



 まだ、梅雨が明けない沖縄。一体今年はどうなっちゃってるの? 




 いつになく大雨が続く沖縄。

 沖縄地方気象台令和4年6月3日付け報道発表によれば、沖縄の5月の月間雨量は、平年の3倍(303%)、統計を取り始めた1946年以来最高だそうです。

 歴代2位は、1966年の平年比207%、3位は、1956年の205%なので、今年は、いかに突出して雨量が多いかが分かります。


 これと反比例して、5月の日照時間は、平年の49%止まり。これまた新記録更新。マンゴーは大丈夫?



 5月の雨量が平年比で3倍を超えた観測点は、

 鏡原(那覇市)  平年比377%
 下地島空港       355%
 仲筋(多良間村)    335%
 城辺(宮古島市)    311%


 逆に少ない方(平年の2倍以下)は、

 宮城島(うるま市)   155%
 石垣空港        160%
 伊是名島        168%
 伊原間(石垣市)    174%
 読谷村         179%

 となっています。


 最大雨量となった鏡原(那覇市)と最小だった宮城島は、直線距離で50㎞ないはず。石垣島と宮古島でもかなり雨量に差があったようです。

 こうして見ると、狭い地域に集中して雨が降ったと想像できます。台風の時とは違った降り方なのでしょう。





 大雨って言ったって、梅雨なんだから当たり前だろ、と思われるかも知れませんが、そもそも沖縄の梅雨は、そんなに雨が降るわけではありません。

 ザッと降ってすぐに晴れるみたいな、陽性の気候です。こんなに、ドシャドシャ降り続くことは滅多にありません。


 沖縄の平年の梅雨明けは6月21日ですが、これは、沖縄地方全体として発表されるためで、本島より南西にある宮古・八重山辺りでは、6月ともなると、もう夏?みたいな日が増えてきます。

 例年なら今頃は、夏至南風(カーチベー)と呼ばれる南風が吹き荒れて、連日蒸し暑く、オリオンビールが旨い・・・まあ、それはどうでもいいのですが。



 毎年旧暦5月4日は、各島の漁港で、海神祭・ハーリーが行われます。昔から、ハーリーが終わると、夏がやって来ると言われてきました。

 今年の旧暦5月4日は、6月2日に当たりますが、言い伝えを無視するかのように大雨が降り続いています。

 漁師町の糸満市は、ハーリーが特に盛んですが、翌日の豪雨には驚いたことでしょう。





 こうなった原因について、気象庁は、

 上空を流れる偏西風(亜熱帯ジェット気流)の蛇行が明瞭で、特に平年の位置に比べて中国東部で南に蛇行する状態が持続したことにより、沖縄地方では梅雨前線が停滞した。

 太平洋高気圧が日本の南海上で平年よりも強く、沖縄地方にはその縁辺を まわる下層の湿った空気が多く流れ込み、梅雨前線の活動が強化された。 

と説明しています。

 ハァ~そうですか。としか言いようがありませんが、ま、そういうことだそうです。


 しかも、今これだけ降っても、夏に降らなければ今度は水不足になります。何とかうまいこといかないものでしょうか。



(気象庁HPより)


 例年以上に梅雨明けが待ち遠しい沖縄ですが、当てにならない週間天気予報によれば、八重山地方、宮古島地方には、13日から晴れのマークがチラホラ。

 この辺りを転機として、太平洋高気圧さんと、オホーツク高気圧さんには、ほどほどのところで手を打っていただいて、いつもの天気に戻してほしいものです。




 冬来たりなば春遠からじ 梅雨来たりなば夏遠からじ





 気象台の報道発表資料こちら


 新着記事は、Twitter と Facebookでお知らせしています。

 スマホの方は、「ウェブ バージョンを表示」をタップすると各種機能が使えます。


2022年6月7日火曜日

誰もいない海 粟国島の長浜(ウーグ浜)

 


 誰も人が居ない海。

 小一時間ほどいたのに、見通しはいいのに、天気もいいのに、4月とは言えGW前の日曜日だったのに。

 その間、人っ子一人、人影さえも見えず。特大プライベートビーチだったのは、粟国島の長浜(ウーグ浜)です。




 長浜は、島の東海岸です。Googleマップでみても白砂のビーチにコーラルブルーの海といった感じが伝わってきます。



 粟国島は、外周約12.8㎞、面積約7.6㎢。八重山諸島でいえば、小浜島くらいの小さな島です。
 人口は約900人ですが、周辺に島がなく1島1村です。

 長浜は、約1㎞。島の外周の1割弱が一つの浜ということになります。

 

 この辺りが、長浜の南端。ロングビーチのエントランスみたいな場所です。




 この先に、長い長い浜が続きます。白砂のビーチがホンの少し黒っぽいのは、例の軽石のせいです。



 沖合に何も見えません。いわゆる外海ですが、波が穏やかなのは、珊瑚のリーフに囲まれているからでしょう。
 これぞ、ザ・沖縄の海、という感じです。




 この海には、珊瑚もあるらしい。

 是非共、泳いで行って見てみたいのですが、何しろ人が居ないので、ここを知っている人と一緒でなければ、ちょっと怖くて海に入れません。




 以前の記事でちょっと書きましたが、とにかく一度足を踏み入れてみたくて、滞在時間僅か2時間強という強行軍でやって来た粟国島。

 この浜を見ただけでも、弾丸旅行をした甲斐があるというものです。





 きちんと手入れがされていると思われるビーチ。クラゲ避けネットまであって、ついさっきまで誰か泳いでいたような気にさえなります。
 

 こんなにも人が居ないのは、たまたま偶然だったのでしょうか。
 もし、「いつもこんなもんだよ。」と誰か言ってくれたら、毎年通いたくなるかも。





 新着記事は、Twitter と Facebookでお知らせしています。

 スマホの方は、「ウェブ バージョンを表示」をタップすると各種機能が使えます。