かつて、写真家の北島清隆氏が、「沖縄でもっとも美しいビーチ」だと言った、来間島の長間浜。
伊良部大橋の影響とみられる潮の流れの変化で、砂浜が痩せて、近年、少し残念なことになっています。
長間浜の砂浜の状況に関しては、以前にも当ブログでお伝えしていますが、ここ数年一進一退といったところで、完全アウトにはならないものの、かつてあった、どこまでも続く長いビーチは、最近は見ていません。
その長間浜で、びっくりぽんな出来事が!
なんと、道路とビーチを直結する、立派なコンクリート階段ができていました。
何故こんなものができたかというと、ちょっとややこしい経緯があります。
ここは、元々里道(りどう)と呼ばれる、市管理地でした。
里道とは、公図が作成された明治時代に、正式な道路ではなかったが人の通り道だったため、国有地とされたもので、法律が改正され、現在では市町村が管理しています。
昨年夏ごろ、隣接するリゾートホテルの事業主から、事業者負担でこの里道の整備をしたい旨、市に申し出がありました。
里道は、普通財産、つまり、たまたま市が地主であるだけで、行政目的のために管理している土地ではありません。
申し出に対し市は、地主の立場で判断すればよいので、OKしました。ということで、こんなびっくりぽんなものができてしまったのです。
もしこれが、海岸保全区域にかかっていたら、絶対に許可にはならなかったでしょう。
(工事前はこの程度だった)
これができたおかげで、長間浜に行きやすくはなると思います。
しかしその分、台風の時に波や砂がこの階段を伝って舞い上がって来そうです。
防風林でがっちり守られていた島に、わざわざ風の通り道を造ってあげるわけですから、風速何十㍍の強風が吹き荒れたら、周辺は砂と潮でザラザラ、ベタベタになっちゃうような気がします。
強風時のことを措くとすれば、取り敢えず便利にはなりました。
この階段は、リゾートホテルの宿泊客のために造られたことは明らかですが、元々が里道であるため、誰でも通れます。
一方、ホテル隣接とは言え、客室からは結構な距離があります。水着のまま部屋から歩いてビーチまで、といった雰囲気ではなさそうです。
そうなると、結局ホテルの宿泊客以外の人が、長間浜への新ルートとして利用することになりそうですが、駐車場がないため、一般客は路上駐車しなければなりません。
道路と階段の間に手頃な空き地があったので、ここを駐車場にすればいいのに、と思いましたが、ここには「立入禁止」の看板が。
またここで、何かやるんだろうな。有料施設とか造って。
元からある駐車場は、この先にあります。草木が生い茂ってしまったのは、このルートを使う人が少なくなったからでしょうか。
さて、その長間浜ですが、階段を降りた辺りから北側(海に向かって右側)100㍍弱は、砂浜が残っていて、昔ながらの美しい長間浜です。
これを撮ったのは、干潮の2~3時間前位でしたから、干潮時は、もっと悲惨な状況だと思われます。
2年ほど前、当ブログでは「絶景ビーチへと続く『奥への細道』」という記事を書いたことがあります。
宮古島に限らず、沖縄では、人ひとりやっと歩ける位の細い道を通らなければビーチに行けない場所が、いくつもあります。
長間浜へは、こんな細道を通って行っていました。そこがまた旅情を誘ってよかったのですが。
前回記事にした、宮古島の前浜ほどではありませんが、何かと騒がしくなった来間島の長間浜周辺。
しかし、肝心の長間浜自体が、かつての輝きを失いつつあるのは、皮肉です。
※ 奥への細道の記事はこちら。
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