2020年7月29日水曜日

パンプキンはもう見納め? 宮古島の保良泉鍾乳洞




 宮古島の保良泉(ぼらがー)鍾乳洞。通称パンプキンホール。自然が造った見事な造形美。これはもうアートです。

 しかし、パンプキンには簡単には行けません。入り口は海に面した断崖にあります。


 これが入り口。潮が満ちてくると、もっと狭くなります。



 一般の鍾乳洞のように、遊歩道が整備されているわけでもありません。天然の穴があるだけ。ある程度の装備と経験がなければ入洞は難しい。


 そこで、ガイドに付いてパンプキンに行くことにしました。

 今回もガイドはこの人。ひでちゃんツアーズ宮古島の、ゆるゆるブリンナーさん。





 砂浜からエントリーして浅瀬を歩くこと約20分。最後は泳いで入り口をくぐると、そこには見事なパンプキンが。




 これで終わりではありません。ここからがスタート。この上に鍾乳洞が広がっているのです。
 パンプキンの右側の方から岩を登ります。


 何故そんな危っかしいことが出来ちゃうかというと、ここの岩は全く滑らないのです。
 普通、濡れた岩はヌルヌルしてすべり易いものですが、強度の硬水に覆われた石灰岩の岩には、藻類が付着しないようです。

 だからといって、安全という訳では決してありませんが、足場がしっかりしているので、慎重に行動すれば、素人でも岩を登ることが出来るのです。



 洞窟の中には大量の水が流れています。これは、地上に降った雨が染み出てきたもの。下は海ですが、この水は真水です。
 



 この何というか、秘宝館チックな岩からも水が流れ出ています。そんでもって、この水を浴びると子宝に恵まれるんだとか。

 安易だけれど、まあ、納得しちゃいますよね。これが自然の造形だから凄い!




 この幻想的な光景は、ゆるゆるブリンナーさんが持ってきた数本の水中ライトで演出されています。
 もちろん、普段は真っ暗です。




 洞内では至る所から水が流れ出ています。

 宮古島は、約3万年前に珊瑚礁が隆起して出来た島。珊瑚由来の石灰岩からなる土壌は、水捌けがとてもよいのです。

 宮古島には、川らしい川がありませんが、降った雨はドンドン地下に浸透します。それが染み出て流れくる場所のひとつがこの洞窟なのです。
 



 来るときは、ゆるゆるブリンナーさんが用意したはしごを使って登りましたが、帰りは、上から飛び降ります。 



 ここは、竜宮の神様が宿る神聖な場所。心の中で願い事をしながら飛び込むと、願いが叶うのだとか。

 その手の話はあまり信じないのですが、せっかくだから、世界の平和と貧困の撲滅を願って飛び込みました(ような気がします)。




 そのパンプキンホールですが、テレビ番組でも取り上げられたこともあって、すっかり有名になりました。

 コロナ禍で閑散としている今年の宮古島ですが、それでも、多い日には100人を軽く超す観光客がやって来るそうです。

 この日も、パンプキンの中や行き帰りに、大勢の人とすれ違いました。
 
 中には、ガイド無しと思われる人や、ガイドが付いていても、水着にライフジャケットだけという軽装の人もいて驚かされます。

 オイ、大丈夫かよ。岩にぶつけたら血だらけになるぞ!





 実は、これからもパンプキンに行くことが出来るのか、微妙な情勢になっています。

 元々狭い場所ですから、一度に中に入れる人数はそんなに多くありません。それにも拘わらず、来洞観光客がどんどん増えています。

 今年は、たまたまコロナ禍で、観光客自体が少ないのでこの程度で済んでいますが、やがて観光客が戻れば、洞内や入り口で大渋滞なんてことにもなりかねません。

 さらに、バブルと言われている宮古島では、ホテルの建設ラッシュの真っ只中。建築
中、計画中のホテルには、200室・300室といった大型のものも含まれます。


 万一、事故が起こってけが人が出たり、鍾乳石を破壊するようなことがあれば、規制がかかるのは間違いないでしょう。

 そうなる前にと、業者間での自主規制の動きもありますが、既得権益を主張する者もいて、なかなかまとまらないのだとか。


 ある日突然、許可なく入洞禁止、とか、ガイドを同伴を条件に1日何人まで入洞可、みたいな規制が始まるかも知れません。 
 
 いつでも気軽にパンプキンに行けるという時代は、遠くない将来に終わってしまうかも知れません。

 これからパンプキンに行く人機会のある人は、「一期一会」の精神で鑑賞してきてください。
 




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2020年7月25日土曜日

黒島仲本海岸でシュノーケリング 2020




 イソギンチャクに寄り添うカクレクマノミ。シュノーケリングでお馴染みのシーン。ここは、黒島の仲本海岸です。


 タイトルの2020は、以前当ブログで取り上げた場所を、今年撮った写真で改めてご紹介しようという企画です。


 黒島には毎年行っていますが、何故か天候に恵まれず、海に入ったのは3年ぶりです。



 海に入ると、最初は岩と海藻と砂浜だけで、熱帯魚も少しだけしかいないように見えますが、探していくうちに珊瑚の大きな根がいくつも見つかります。

 珊瑚の周りには熱帯魚も沢山います。



 この光景は、珊瑚の白化の影響で10年前、15年前と比べると多少変わってしまっているかも知れません。
 でも、今でも、この程度は珊瑚が残されているとも言えそうです。




 
 仲本海岸一帯は、普段は流れがあり泳ぐには適さないのですが、干潮時間帯はリーフ周辺が干上がり、その内側がシュノーケリングポイントとなります。

 干潮時刻を調べ、その前後各2時間くらいが目安です。大潮で風がない日がベスト。小潮で風がある日はより慎重に。
 海が荒れているときはもちろん泳げません。かつて、事故が多発したこともあります。十分に注意して、決して無理はしないでください。



 この日の仲本海岸。ほぼ干潮時間帯です。

 干潮で風がないときには、ときたま、巨大なプールと化します。こういう場所は、沖縄の中でもあまりありません。



 海の中から見上げた空。この僅かな波さえもなければ、青空と白い雲が水中から眺められるのでしょうか。



 来てね~ 待ってるよ~




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2020年7月21日火曜日

”コロナ後”初の宮古島はゆるピリだった



 検温は空港だけ。宿で承諾書も書かされない。
 あれ?石垣島と比べると、宮古島ってゆるいじゃん♪ 

 と最初は思ったのですが、島で色々な話を聞くににつれ、「むむむ」な展開に。

 八重山に続いて、7月16日から、コロナ後初の宮古島に行ってきました。



 
 7月も後半。間もなく、連休やら夏休みやらというこの時期。横浜駅は、以前とほとんど変わらない人出でした。

 しかし、羽田に行く途中に結界でもあるのか、羽田空港は相変わらずのガラガラ。

 J社の沖縄那覇行きは、10:55発の便が欠航。それでも、次の11:40の便は満席にはならず、見た目8割くらいの搭乗率。

 那覇乗り換えの宮古行きは、もっと空いていて、後方座席はガラガラ。全体でもぱっと見3割くらいしか乗っていない。

 これちょっとやばくね?



 宮古島は、バブルと言われていましたが、間の悪いことに、ホテルの建設ラッシュの真っ只中でコロナ騒動を向かえました。

 100室を超える大型のリゾートホテルから、中小規模のリゾートホテル、コンドミニアム、トレーラーハウスまで新規オープンが目白押し。
 そんな中でのオリンピックイヤーのはずが、コロナイヤーとなってしまったのです。


 今年2月に来間島にオープンした168室という大型リゾートホテルは、気の毒にも全盛期の宮古島をまだ知りません。

 リゾートホテルには泊まれないけれど、話の種にランチでも食べてみようかと立ち寄ったところ、人が居なさすぎて入りにくい。



 さすがに、前浜、シギラビーチ、渡口の浜では、そこそこの人が泳いでいました。
 去年までは駐車場に駐められず、周辺に路駐の車が多かった場所でも、満車にはならず、その一方、大型バスの駐車スペースががむなしく空いていました。



 雑誌などで紹介され、観光客で溢れかえっていた大和食堂も、古謝そばも、昼時に外まで並んでいる人は居ませんでした。

 「昔の宮古島に戻った。」と民宿のオーナーが言っていました。

 そう確かに、10年前、15年前は、こんな感じで何処も人が少なかった。いつの間にか、人が多いことに慣れてしまったようです。




 ところが、どうも観光客にとって、いい話だけではなかったようです。

 知り合いが、「東京から来たと言ったら、居酒屋で予約を断られた。」と言うのです。 
 まさかと思って話を振ってみると、観光客お断りの飲食店、居酒屋がいくつも。テイクアウトショップでもそんなことを言い出す店があるらしい。

 石垣島でもそういう話はチラホラ耳にしましたが、こんなにあちらこちらで、しかも露骨に観光客お断りは聞いていないし。

 中には、観光客相手の店で働いていた人は、14日間置かないと雇わないという事業者や、SNSで「宮古島に来るな」と逆煽りをする個人もいるそうです。

 
 何故そこまで過剰反応するのか。皆が口を揃えるのは、宮古島では、コロナの感染者が未だ一人も居ないため、「ウチから第1号は出したくない」という意識が強過ぎるから。


 また、島人の間では、「宮古には、コロナのための病床が3床しかない。」という話も行き渡ってしまっているようです。

 しかしこれは、コロナが指定感染症であって、そのためにあらかじめ確保されている病症が、宮古島市では宮古病院の3床であるということであって、4人目の患者が出れば医療崩壊という訳ではありません。

 あの大東京都でも、指定病床数は193しかなかったのです。それを色々やりくりしてトータル8千人超という患者に対応したのです。




 感染者が未だゼロの岩手県でも、同じような問題が起こってるとされています。

 しかし、岩手県知事は、「県としては第1号の陽性者は咎めません。むしろ全力で優しくケアしていきます。」、「県内では未だ感染未確認の状態が続いておりますが、県は『感染ゼロ』を目標としているものではありません。」というメッセージを発信しています。


 宮古島市は、7月上旬から観光プロモーションを開始し、8月からはGo Toキャンペーン等による旅行需要の取り込みを図るとしています。

 その前に足下で起きていることを認識してください。

 観光立市として、せっかく来てくれた観光客が不愉快な思いをしないよう、市民がまずきちんとした対策を行った上で、冷静で合理的な行動を取るよう、強く働きかけてください。
 

 かつて、宮古島では市民にバブルの恩恵がないと指摘された際、宮古島市の副市長はインタビューで、「観光業はトータル産業。自分に直に関係あるないよりも、回り回って自分のところにくる」と語っていたはずRBCニュース)

 逆もまた真なり、ではないのでしょうか。自分のところは観光客と関係ないと思っていても、回り回って自分の首を絞めることにはならないでしょうか。



 もちろん、そんな店ばかりではありません。自分が行ったところは、宿も、ショップも、飲食店も、売店も、全く問題なく歓迎してくれました。

 ある店では、大雨の真っ只中に車から玄関まで急ぎ飛び込んだら、うっかりマスクを車中に忘れてしまいましたが、「雨の中取りに戻らなくても大丈夫ですよ。」と笑顔で言ってくれました。
 




 いつの間にか、宮古空港の搭乗待合ロビーが改装され、広くなっていました。去年まで手狭で混雑していたのに。それにしても、宮古島は本当に間が悪い。


 帰りは、7月20日。A社で、那覇乗り継ぎで羽田まで。
 宮古発那覇行きはほぼ満席で、さすがに週末以降人が増えたなと思ったのですが、那覇発羽田行きが、半分程度の搭乗率。

 羽田那覇線は、本来なら大型機のB-777で運航されるはずだろうと思いますが、B-787にダウンサイジングしてこれだから、まだ完全復活への道のりは遠いようです。






 今回の宮古島旅行は、実は天気に恵まれず、正味3日間のうち、晴れたのは真ん中の1日だけ。
 そして、お約束のように帰る日の朝は晴れ。泣泣泣 神様そりゃあんまりだぁ~

 
 でも、今回に限っては、行けただけでよかった。混雑した横浜駅に帰ってきて現実に戻りつつ、そう強く思いました。



 感染者数が高止まりする中、なかなか旅行に行く気分にはなれない、という人も多いと思います。
 ストレスを抱えてまで遊びに行く必要はないので、当面待機するのもいいでしょう。

 一方、どうしても行きたいという人は、マスク、手洗い、その他多少の行動の制約はありますが、コロナ時代のマナーを守って堂々と旅に出ればいいと思います。

 日本は、コロナと経済活動の両立に舵を切ったわけですから。
 


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2020年7月15日水曜日

なごみの塔が再開しないのはもしかしてコロナのせい?



 おおっ~ いつの間にやらなごみの塔が復活している!



 と思ったら、まだだった。泣



 どう見ても、もう工事は終わっているのに。

 もしかしてコロナのせい!?



 竹富島のランドマーク、展望台なごみの塔です。

 老朽化と、観光客の無茶な利用が増えたことから、事故が起こる前にと、2016年9月から閉鎖されていました。



 なごみの塔は、集落に連絡事項を伝えるため、昭和28年に建築されたものです。
 古い建築の上、そもそもを観光客が利用することなど想定しなかったことから、急な狭い階段を上る危なっかしい構造物です。

 本来の役目を終えた後、平坦な島を見下ろせる展望台として、いつの間にか、竹富島には欠かせない観光施設となりました。


 なごみの塔は、国の有形登録文化財として登録されています。

 有形登録文化財とは、緩やかな規制の下、使いながら保存していくことがコンセプトの制度ですが、文化財としての価値を維持しなければならないため、建て替えはできず、補修レベルでしか手を加えることができないという制約があります。

 
(以前は、こんな感じだった)


 昨年から補修工事に入り、高圧洗浄、躯体や鉄筋のさび・剥落補修、表面モルタル剥離の修理、亀裂補修などを行い、安全性強化のため階段や塔上部に手すりを付け、階段下には門扉を設置する工事が行われました。

 事業費として、設計監理に498万円(国の補助金)、工事に1628万円(国からの一括交付金)、合わせて2126万円もかかった!


 3月には工事も完了し、町長が視察のため登っています。


 なのに、まだ立ち入り禁止なのは、コロナのせい!?




 下の写真は、なごみの塔の土台辺りから撮ったものです。ここもそれなりの高さがあります。





 こちらは、なごみの塔が現役時代に展望台から撮ったもの。5メートルほどの差ですが、やはり違います。



 なごみの塔に登ると密になるから?でも、屋外だから換気の問題はなく、一人ずつ登るか、二人で登ってもマスクを着けていれば、問題ないレベルのはず。

 せっかく補修したのに。家一軒建つくらいの金をかけたのに。早く、開放して欲しいものです。


 しかし、再開しても登り口に扉ができたので、きっと夜間は施錠でしょうね。こんな景色はもう見られないかも知れません。




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2020年7月12日日曜日

さらにもっと誰もいない海 多良間島の港の海




 港の海が美しいシリーズ。

 船で港に着いたとたん、既に周辺の海が美しくて驚かされる・・・沖縄の離島はそんなことがよくあります。

 当ブログでは、色々な島の港周辺の海をしつこく紹介してきましたが、ここの海も本当に綺麗でした。

 多良間島の普天間港と多良間魚港です。ここは、船に乗る・降りる人がほとんどいないため、ただの人のいない海なのです。

 
 
 冒頭の写真と共に、多良間漁港です。 



 県が管理する第一種漁港ですが、見る限り漁船らしきものがありません。どこかに格納されているのでしょうか。
 ここは、主に、ダイビング船などのプレジャーボートの発着に使用されているようです。といっても、多良間島発着のプレジャーボート自体もあまり多くありません。


 多良間漁港へと続く道。防波堤で釣りをしている人すら見つかりませんでした。



 港から数分歩くと、こんな感じのミニビーチがありました。




 多良間島の海に関しては、以前ふるさと海浜公園の海を誰もいない海としてご紹介しました。

 多良間の港は、さらに誰もいない海です。以前ご紹介した久高島の港よりもさらにもっと誰もいない海です。

 島の人によれば、海を眺めるためにここに近寄る人は、滅多にいないどころか、あり得ないというくらい珍しい存在だそうです。



 こちらは普天間港。島の主要港です。



 普天間港は、宮古島からのフェリーたらまゆうが発着します。

 ですが、多良間島にやって来る人の多くは仕事関係者。大型荷物の運搬など、特に必要がなければフェリーには乗りません。

 したがって、港に着いて「わ~海が綺麗」と感嘆する人もほとんどいないのです。


 普通に見て綺麗な海ですよね。



  綺麗だけれど、誰も人が来ない海って憧れですよね。でも、本当に誰もいないと、ちょっと不安な気持ちにもなります。

 人のいない海。人がいないにも程がある海。沖縄らしい本当に綺麗な海です。


 多良間島に観光に来る人も少しはいます。ダイビングが目的の人か、伝統行事の8月踊りを見に来る人です。

 でも、ダイバーは、ダイビングメインの人が多く、ついでに多良間島観光をする人はあまりいないとのこと。
 8月踊りは島を挙げての行事なので、見物客のほとんどは日帰り。祭りを見て慌ただしく帰ります。



 多良間空港着陸直前の飛行機から見える多良間漁港。
 沖縄離島には、こんな綺麗な海が、まだ人知れず残されています。




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2020年7月8日水曜日

”コロナ後” 初の沖縄旅行 竹富島そして黒島へ


 おっかなびっくり行った、緊急事態宣言解除後、初となる沖縄旅行。

 前回に続き、竹富島、黒島の様子です。





 今回の旅程は、石垣島に1泊した後、黒島に3泊するものでしたが、2日目に当たる7月1日に、日帰りで竹富島にごあいさつをして来ました。

 石垣港離島ターミナルは、やはりガラガラ。

 去年までほぼ30分間隔で18往復運航されていた竹富航路は、今年は7月からの夏ダイヤでも、11往復までしか復活しません。


 竹富島では、この日から、水牛車観光が2業者の内1業者で復活。水牛さんと水牛乗りさん達は、今まで何をして過ごしていたのだろう。


 観光客は、船を降りた時点では、全員マスク着用でしたが、さすがにコンドイ浜ではマスク無し。

 島人はといえば、マスクの人、顎マスクの人、マスク無しの人など色々。食堂では、マスク無しのおじいが、丁寧に手をアルコール消毒している。
 いや、この状況ではそれが正解です。


 食堂は、主立った所は開いていましたが、中には跡形もなく消えているところも有り、単にコロナ休業なのか、本当に店じまいしてしまったのか分かりません。

 意外だったのは、外国人観光客がチラホラ居たこと。前から日本に居た人達なのでしょうが、全く居ないと決めつけていたので、ある意味驚きでした。
 もちろん、団体客は日本人も含めて見かけませんでした。
 




 一旦、石垣島に戻り、今度は黒島行きの船に乗ります。

 黒島航路は、昨年5往復(夏期のみ6往復)のところ、今年も4往復運航と、竹富航路に比べ減便率が低い。
 ずばり、観光客の利用が少ないからですよね。


 さて、離島に行こうとすると、また体温を測られます。

 まず、乗船券売り場にセンサー付きのモニターが。次いで、乗船時に竹富町の職員が待ち構えていて検温。さらに、民宿に着いたら「竹富町のガイドラインに従い」またまたまた検温が。

 僅か1時間くらいの間に3回。しかも、毎回体温が違う。最大37.1℃、最低は36.1℃。オレは変温動物か。笑


 空港から始まる数々の検温関所を通過すると、最後に同意書にサインを求められます。

 簡単に言えばこれは、竹富町長あてに「後日具合が悪くなったら連絡します。」という趣旨のもの。

 しかし、「何かをしてもいい」という内容ならば同意書でいいけれど、「こちらから何かをする」ことを約すのだから、承諾書でなければならないはず。
 小なりと言えども地方自治体。法律はきちんと調べていただきたいですな。笑笑




 黒島では、差しあたり、昼食を食べる店が開いているかどうかが大問題ですが、到着時の情報では、港前のハートランドと、テイクアウトのHORIE SANDがオープンしているとのこと。

 また、カフェICONOMAはテイクアウトで営業中。うんどうやも明日辺りからボチボチ、みたいな話だったので一安心。

 あ~ちゃんとよねおじさんの家は、まだお休みのようです。


 ほかには、レンタサイクルもやっているし、ダイビングショップも営業中。島唯一の売店であるたま商店も開いている。
 これだけあれば、黒島的にはほぼ問題なし。

 そのたま商店ですが、船が運休していたGW期間中、島人のため、毎日刺身を仕入れていたそうです。
 さすがですね。いざというときは頼りになります。 





 さて、次々と襲いかかる関門?を突破し、ようやく自由の身になってふと気が付いたのです。

 黒島観光にマスクは不要だ!

 観光といっても、黒島では、海で泳ぐか、自転車で島を廻るくらいしかすることがないのですが、普通に島を廻っている限り、他の観光客とも島人とも、接近する可能性はないと言ってもいいくらいなのです。

 以前から観光客も島人も少ないこの島では、ソーシャルディスタンスどころか、元々ディスタンス。

 その一方で、一人で軽トラを運転しているおっちゃんが、マスクを着けていたりするのは不思議と言えば不思議です。

 
 民宿で同宿の人達が、黒島滞在中唯一接近する可能性のある人達。でも、この人達は皆、何度も発熱チェックをかいくぐってきた同士なのです。笑笑笑


(今年から始まったらしいHORIE弁当)



 ちょうど石垣島に泊まっていた、6月30日、八重山ビジターズビューロー(観光協会)が、「島色、無限大〜Infinity yaeyama〜」と題した動画を公開したというニュースが流れていました。
 各島の風景や祭事50カットを繋いだ約5分の動画で、会長である石垣市長が、「コロナで止まった観光を徐々に回復させたい。」と語ったそうです。


 しかし、正直違和感があります。
 
 一時は、「今は来ないでくれ」とまで言ったのだから、そのフォローが絶対に必要です。
 「ご心配をおかけしました。どうぞ来てください。」というメッセージこそ、真っ先に伝えるべきことではなかったのでしょうか

 人が少ないのは、皆が八重山の魅力を知らないからではなく、八重山の魅力を知り尽くした常連さん達が、二の足を踏んでいるからだと思います。


 石垣空港でバス待ちの間、同世代の一人旅の人に話しかけられました。「なんか、ピリピリしてますね。でも、予約しちゃったからなぁ。」

 もちろん、自分もですが、この人だって予約しちゃったから渋々来たはずはなく、来たかったから来たのだと思います。
 せっかく来てくれた人が、変に言い訳をしなければならない雰囲気を早く何とかするべきです。
 
 
 金をかけて動画を作る前に、やるべきことがあったと思うと、少し残念です。





 今、八重山に行く人は、例年以上に体調管理に気を遣ってください。コロナでなくても、37.5℃以上の熱があれば、あちらこちらでチェックが入ります。

 一番気を付けるべきは、やはり熱中症だろうと思います。こまめな水分補給をお忘れなく。
 離島では、ペットボトル飲料などの自販機があっても、実は売り切れというケースも少なくありません。そんなことも気に留めておいてください。



 最終日の朝、晴天の黒島を後に、久々にマスクを着けて船に乗り込みます。

 到着した船からは、明らかに石垣島からの日帰り観光客と思われる人が3~4人降り立ちました。
 この日は、7月に入って最初の土曜日でした。



 今年も航空券が安く買える2月頃から、沖縄旅行計画を着々と進めていましたが、あの頃は思いもよらなかったコロナ騒動で、4月、6月と2回の予定をキャンセル。

 そうして、やっとの事で辿り着いた八重山の離島。もう、何度もここに来たのに、常に微かな緊張感と好奇心が入り交じる、新鮮な旅行体験でした。


 後ろ髪を引かれる、というよりも、不思議な達成感のようなものを感じつつ、帰途に着きました。
 




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2020年7月5日日曜日

”コロナ後” 初の沖縄旅行 羽田から石垣島へ


 おっかなびっくり行った、緊急事態宣言解除後、初となる沖縄旅行。

 6月30日から、初めて味わう緊張感と共に、4泊5日の八重山旅行に行ってきました。その様子をレポートします。




 まだ、沖縄に行く人は少ないだろうと、ある種の期待は抱いていました。
 
 それが、そもそも羽田空港からしてガラガラ。
 羽田空港行きの電車は平常運転されるも、空港リムジンバスは、路線によっては運休。運行されている路線も、間引き運転がほとんどです。
 
 空いているおかげで、空港での手続きは待ち時間無しでスムーズ。ついでに言うと、飛行機も往復とも時刻表どおりの定時運航。羽田の発着便が少ないからでしょうね。


 一方、空港ロビー内の飲食店、売店は、半分以上が閉店中。
 早めに行って空港で昼食をと思ったら、とんでもないことになりました。開いている店を探して、広いロビー内を延々と歩くはめに。
 いわゆる空弁を買おうにも、入荷が少ないらしく、ケースは空っぽ。
 



 行きは、JTAの石垣行き直行便。空港がこんな状況なので、当然機内も人が少ない。後方の席だったこともあり、前後左右に人がいない。
 機内サービスはあまりなく、飲み物は、紙パック入りの緑茶が配られるのみ。


 羽田空港の手荷物検査の際、モニターで体温を測られます。しかも、石垣空港到着後、またまた体温を測られるのです。いくら何でもそんな短時間じゃ発症しね~よ!と心の中で突っ込みつつ、出口へと向かいます。

 
 石垣空港連絡バスもガランガラン。
 東運輸は、公共交通としての責任感からか、多少の減便に止まっていましたが、コロナ前は30分間隔で運行されていたカリー観光バスは、こんな状況に。



 帰りは、石垣空港から全日空の直行便利用。
 全日空は、石垣・羽田の直行便を1日2便飛ばしていますが、7月の前半は内1便を欠航に。自分の予約便は欠航となってしまったため、振り替えたものでした。

 機内サービスは、紙コップでの飲料提供でしたが、メニューは、リンゴジュースと冷たいお茶のみ。
 暖かいお茶とかスープを提供してもコロナとは関係なさそうなのだけれど。


 使用機材も、B-787からB-767へとダウンサイジング。それでも、ガラガラではないにしろ空席が目立ちます。

 まあ、出発前の手荷物預けからしてこんな状況ですから、推して知るべしというもの。
 


 石垣島に着いて市街地を歩いてみると、島人は皆マスクを着けています。失礼ながら少し新鮮な驚きでした。ただ、よく見ると、鼻を出していたり、顎にマスクの人もチラホラ。
 元々人が少ないせいか、ソーシャルディスタンスにはあまり関心がないようで、顔をくっつけて話す人もいて、ついつい気になっちゃいます。


 石垣市街地の夜。美崎町周辺では、ほとんどの店が開いているようでしたが、通りを歩く人はまばら。外から見える範囲では、店内もガラガラ。

 市役所通りでは、まだシャッターの降りている店が1/3くらいはあったように感じました。営業時間短縮で、昼間は開けている店もあるかも知れませんが。


 その昼間のあやぱにモール(ユウグレナモール)。スカスカ。7月4日土曜日、午後1時ころの光景です。



 正直、旅行に出る前は、人の少ない石垣島に期待していました。
 しかし、航空機にしろ、飲食店にしろ、あるいは、離島航路の船にしろ、フル稼働していないにも拘わらず、ここまで人が少ないことは、ちょっと想定を超えていました。

 6月も後半になると、都会のターミナル駅や繁華街では人出が増え、一見元に戻ったような印象でしたが、石垣島に来てみたら、一目で人が少ないこと分かります。

 この時期、この島は、大勢の観光客で溢れかえっているのがあたりまえだった、ということなのでしょう。


 以前当ブログでも記事にしましたが、かつての定宿、「ペンションぱいらんど」があった場所。跡地に建ったのは「ホテルWBFリゾートイン石垣島」。ホテルは営業中ですが、経営母体が民事再生手続き中。いわゆるコロナ関連破綻です。



 自粛が続くと経済が回らない、とは最近よく耳にする言葉ですが、緊急事態宣言が解除されて1ヶ月以上、一般に沖縄のベストシーズンと言われる7月になっても、まだ、石垣島がこんな状態だとは、かなり衝撃です。

 もしも、緊急事態宣言が今も続いていたら、石垣島はゴーストタウンになってしまったかも知れません。そんな気にさせるような光景です。


 石垣島では、4~5月頃、マグロがかなりの安値で出回っていたそうです。航空機の減便で、島外への販路が絶たれたためです。

 今の時点では、コロナの影響は飲食業、観光業が中心ですが、長引けば第一次産業にも悪影響を及ぼすのは必至です。
 兎にも角にも、以前のような平穏な生活を願わずにはいられません。。




 その後、竹富島、黒島に渡りました。その様子は引き続き次回に。



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