宮古島の保良泉(ぼらがー)鍾乳洞。通称パンプキンホール。自然が造った見事な造形美。これはもうアートです。
しかし、パンプキンには簡単には行けません。入り口は海に面した断崖にあります。
これが入り口。潮が満ちてくると、もっと狭くなります。
一般の鍾乳洞のように、遊歩道が整備されているわけでもありません。天然の穴があるだけ。ある程度の装備と経験がなければ入洞は難しい。
そこで、ガイドに付いてパンプキンに行くことにしました。
今回もガイドはこの人。ひでちゃんツアーズ宮古島の、ゆるゆるブリンナーさん。
砂浜からエントリーして浅瀬を歩くこと約20分。最後は泳いで入り口をくぐると、そこには見事なパンプキンが。
これで終わりではありません。ここからがスタート。この上に鍾乳洞が広がっているのです。
パンプキンの右側の方から岩を登ります。
何故そんな危っかしいことが出来ちゃうかというと、ここの岩は全く滑らないのです。
普通、濡れた岩はヌルヌルしてすべり易いものですが、強度の硬水に覆われた石灰岩の岩には、藻類が付着しないようです。
だからといって、安全という訳では決してありませんが、足場がしっかりしているので、慎重に行動すれば、素人でも岩を登ることが出来るのです。
洞窟の中には大量の水が流れています。これは、地上に降った雨が染み出てきたもの。下は海ですが、この水は真水です。
この何というか、秘宝館チックな岩からも水が流れ出ています。そんでもって、この水を浴びると子宝に恵まれるんだとか。
安易だけれど、まあ、納得しちゃいますよね。これが自然の造形だから凄い!
この幻想的な光景は、ゆるゆるブリンナーさんが持ってきた数本の水中ライトで演出されています。
もちろん、普段は真っ暗です。
洞内では至る所から水が流れ出ています。
宮古島は、約3万年前に珊瑚礁が隆起して出来た島。珊瑚由来の石灰岩からなる土壌は、水捌けがとてもよいのです。
宮古島には、川らしい川がありませんが、降った雨はドンドン地下に浸透します。それが染み出て流れくる場所のひとつがこの洞窟なのです。
来るときは、ゆるゆるブリンナーさんが用意したはしごを使って登りましたが、帰りは、上から飛び降ります。
ここは、竜宮の神様が宿る神聖な場所。心の中で願い事をしながら飛び込むと、願いが叶うのだとか。
その手の話はあまり信じないのですが、せっかくだから、世界の平和と貧困の撲滅を願って飛び込みました(ような気がします)。
そのパンプキンホールですが、テレビ番組でも取り上げられたこともあって、すっかり有名になりました。
コロナ禍で閑散としている今年の宮古島ですが、それでも、多い日には100人を軽く超す観光客がやって来るそうです。
この日も、パンプキンの中や行き帰りに、大勢の人とすれ違いました。
中には、ガイド無しと思われる人や、ガイドが付いていても、水着にライフジャケットだけという軽装の人もいて驚かされます。
オイ、大丈夫かよ。岩にぶつけたら血だらけになるぞ!
実は、これからもパンプキンに行くことが出来るのか、微妙な情勢になっています。
元々狭い場所ですから、一度に中に入れる人数はそんなに多くありません。それにも拘わらず、来洞観光客がどんどん増えています。
今年は、たまたまコロナ禍で、観光客自体が少ないのでこの程度で済んでいますが、やがて観光客が戻れば、洞内や入り口で大渋滞なんてことにもなりかねません。
さらに、バブルと言われている宮古島では、ホテルの建設ラッシュの真っ只中。建築
中、計画中のホテルには、200室・300室といった大型のものも含まれます。
万一、事故が起こってけが人が出たり、鍾乳石を破壊するようなことがあれば、規制がかかるのは間違いないでしょう。
そうなる前にと、業者間での自主規制の動きもありますが、既得権益を主張する者もいて、なかなかまとまらないのだとか。
ある日突然、許可なく入洞禁止、とか、ガイドを同伴を条件に1日何人まで入洞可、みたいな規制が始まるかも知れません。
いつでも気軽にパンプキンに行けるという時代は、遠くない将来に終わってしまうかも知れません。
これからパンプキンに行く人機会のある人は、「一期一会」の精神で鑑賞してきてください。
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