2020年7月29日水曜日

パンプキンはもう見納め? 宮古島の保良泉鍾乳洞




 宮古島の保良泉(ぼらがー)鍾乳洞。通称パンプキンホール。自然が造った見事な造形美。これはもうアートです。

 しかし、パンプキンには簡単には行けません。入り口は海に面した断崖にあります。


 これが入り口。潮が満ちてくると、もっと狭くなります。



 一般の鍾乳洞のように、遊歩道が整備されているわけでもありません。天然の穴があるだけ。ある程度の装備と経験がなければ入洞は難しい。


 そこで、ガイドに付いてパンプキンに行くことにしました。

 今回もガイドはこの人。ひでちゃんツアーズ宮古島の、ゆるゆるブリンナーさん。





 砂浜からエントリーして浅瀬を歩くこと約20分。最後は泳いで入り口をくぐると、そこには見事なパンプキンが。




 これで終わりではありません。ここからがスタート。この上に鍾乳洞が広がっているのです。
 パンプキンの右側の方から岩を登ります。


 何故そんな危っかしいことが出来ちゃうかというと、ここの岩は全く滑らないのです。
 普通、濡れた岩はヌルヌルしてすべり易いものですが、強度の硬水に覆われた石灰岩の岩には、藻類が付着しないようです。

 だからといって、安全という訳では決してありませんが、足場がしっかりしているので、慎重に行動すれば、素人でも岩を登ることが出来るのです。



 洞窟の中には大量の水が流れています。これは、地上に降った雨が染み出てきたもの。下は海ですが、この水は真水です。
 



 この何というか、秘宝館チックな岩からも水が流れ出ています。そんでもって、この水を浴びると子宝に恵まれるんだとか。

 安易だけれど、まあ、納得しちゃいますよね。これが自然の造形だから凄い!




 この幻想的な光景は、ゆるゆるブリンナーさんが持ってきた数本の水中ライトで演出されています。
 もちろん、普段は真っ暗です。




 洞内では至る所から水が流れ出ています。

 宮古島は、約3万年前に珊瑚礁が隆起して出来た島。珊瑚由来の石灰岩からなる土壌は、水捌けがとてもよいのです。

 宮古島には、川らしい川がありませんが、降った雨はドンドン地下に浸透します。それが染み出て流れくる場所のひとつがこの洞窟なのです。
 



 来るときは、ゆるゆるブリンナーさんが用意したはしごを使って登りましたが、帰りは、上から飛び降ります。 



 ここは、竜宮の神様が宿る神聖な場所。心の中で願い事をしながら飛び込むと、願いが叶うのだとか。

 その手の話はあまり信じないのですが、せっかくだから、世界の平和と貧困の撲滅を願って飛び込みました(ような気がします)。




 そのパンプキンホールですが、テレビ番組でも取り上げられたこともあって、すっかり有名になりました。

 コロナ禍で閑散としている今年の宮古島ですが、それでも、多い日には100人を軽く超す観光客がやって来るそうです。

 この日も、パンプキンの中や行き帰りに、大勢の人とすれ違いました。
 
 中には、ガイド無しと思われる人や、ガイドが付いていても、水着にライフジャケットだけという軽装の人もいて驚かされます。

 オイ、大丈夫かよ。岩にぶつけたら血だらけになるぞ!





 実は、これからもパンプキンに行くことが出来るのか、微妙な情勢になっています。

 元々狭い場所ですから、一度に中に入れる人数はそんなに多くありません。それにも拘わらず、来洞観光客がどんどん増えています。

 今年は、たまたまコロナ禍で、観光客自体が少ないのでこの程度で済んでいますが、やがて観光客が戻れば、洞内や入り口で大渋滞なんてことにもなりかねません。

 さらに、バブルと言われている宮古島では、ホテルの建設ラッシュの真っ只中。建築
中、計画中のホテルには、200室・300室といった大型のものも含まれます。


 万一、事故が起こってけが人が出たり、鍾乳石を破壊するようなことがあれば、規制がかかるのは間違いないでしょう。

 そうなる前にと、業者間での自主規制の動きもありますが、既得権益を主張する者もいて、なかなかまとまらないのだとか。


 ある日突然、許可なく入洞禁止、とか、ガイドを同伴を条件に1日何人まで入洞可、みたいな規制が始まるかも知れません。 
 
 いつでも気軽にパンプキンに行けるという時代は、遠くない将来に終わってしまうかも知れません。

 これからパンプキンに行く人機会のある人は、「一期一会」の精神で鑑賞してきてください。
 




 新着記事は、Twitter と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧いただいている方へ 過去記事の検索方法はこちらをご覧ください。



0 件のコメント:

コメントを投稿