2014年11月29日土曜日

黒島の写真を追加しました【終了しました】




 website「宮古・八重山ってこんな所」を更新しました。

 黒島のページを編集し、写真の入れ替え・追加をしました。



※ このサイトは、2016年12月をもって公開を停止しました。
 長期間にわたりご覧いただきありがとうございました。

2014年11月27日木曜日

民謡「安里屋ユンタ」に唄われた絶世の美女クヤマ



サァ 君は野中の茨の花か
(サァユイユイ)
暮れて帰れば ヤレホンニ 引き止める
(マタ ハーリヌチンダラ カヌシャマヨ)


 八重山の民謡「安里屋ユンタ」。元は、竹富島の古謡で、絶世の美女「安里クヤマ」と、クヤマに一目惚れした下級役人とのやりとりを、面白おかしく描いたものだとされています。

 クヤマは、実在した人物。竹富島の集落には、生誕の碑があります。
 

 時は18世紀。王府(琉球政府)から、「目差主(みざししゅ)」という官職の役人が竹富島に派遣されます。目差主は、クヤマに一目惚れし、求婚(正妻としてではなく島妻として)します。

 しかし、クヤマは、「下級役人の妾などになりたくない」と言ってこれを断りました。
 下級役人とはいえ、当時、庶民が役人に楯突くなどということはあり得ない話で、クマヤの反骨精神が庶民に人気となり、語り継がれたものが、後の古謡「安里屋ユンタ」になっと言われています。

 しかし、単なる美談ではなく、オチがありまして、クヤマに振られた目差主は、「おまえより美しい娘を妻にする。」と捨て台詞を残して去り、隣の仲筋村の美女を妻にし、王府に帰還する際お持ち帰りをします。
 クヤマはクヤマで、後に上級役人と結婚し、たいそうな土地を与えられたと言います。

 メデタシメデタシ。

 沖縄の美女伝説は、悲恋の結末を迎えるか、危うく難を逃れるといったものが多いのですが、こういう結末は面白いですよね。大人の事情的には。



 観光水牛車が、誕生の碑の前で駐まります。ここで、ガイドは、クヤマ伝説をひとくさり説明した後、「では」とばかりに三線弾き語りで安里屋ユンタを唄い始め、水牛は、再びゆっくりと歩き始めます。


 安里屋ユンタは、三線を弾いて唄われる曲としては、最もポピュラーなもの。知らないという人でも、沖縄に行ったことがある人ならば何処かで耳にしていると思います。
 今の曲は、1934年に、旧安里屋ユンタを基に新たに作詞・作曲されたもので、石垣島から広がっていきました。冒頭に紹介した歌詞も新安里屋ユンタです。

 クヤマの話が登場する旧安里屋ユンタは、竹富島にだけ残ります。

 トリビアですが、一般には「あさやユンタ」と呼ばれますが、竹富島では「あさやユンタ」です。クヤマの生家の屋号は「あさてぃや」だからだそうです。

 ユンタとは、「結い歌」から転化したもので、田植えなどの時に唄われる労働歌だそうです。


 囃子詞の「マタ ハーリヌチンダラ カヌシャマヨ」を、ここだけ覚えておけば、一緒に唄えます。
 
 言葉の意味は、八重山方言の古語で「また会いましょう美しい人よ」という説、インドネシア語が語源で「太陽は等しく我らを愛する」という説のほか、お囃子と同じなので特に意味は無いという人もいます。

 水牛車のガイドは、ここで美女伝説とかけて、「♪死んだら神様よ~ と言っているみたいですね。」とやって笑いを取るのがお約束。






 クヤマの墓。

 海を見下ろすこんな綺麗な場所にあります。


2014年11月23日日曜日

古き良き沖縄 ツッコミどころも満載な宮古島久松


 沖縄らしい街並みと言えば、赤瓦の屋根・シーサー・石積みの塀・咲き乱れる花・石敢當などなど。
 沖縄一の大都会、那覇でも一歩裏通りに入ればまだまだ残っているのに、宮古島には意外にないんだよなぁ、なんて思っていたらありました。

 伊良部大橋連絡道路が通過するため、大規模な公共工事が行われた久松地区。ですが、一部の道路が広くなった以外、大して変わっていません。そんな久松をブラブラ歩いていたら、古き良きツッコミどころも満載の沖縄を見つけました。


 ありました。赤瓦の屋根。
 宮古島では、なかなか見つからないのです。

 と思ってたら、なんじゃこりゃ。白瓦の屋根~? 
 屋根全面を漆喰で固めたのでしょうか。



 1日に5本しか運行されない路線バス。見かけたら幸運が訪れる・・・わけではないですが。

 だからといって、これじゃあ知っている人しか分からないバス停。



 石敢當

 石敢當について詳しくは、過去記事をご覧いただきたいのですが、

 http://miyakoyaeyama.blogspot.jp/2013/05/blog-post_17.html


 ん?石當?

 こちらは、石敢? お菓子屋か?

 マジムンを笑わせて撃退する作戦かな?


 この辺りは、山坂あってサトウキビ畑は見かけませんが、ハウスによるマンゴー栽培が行われています。
 台風でやられたんだか、かなりいっちゃってるハウスの骨組み。来年のマンゴーは大丈夫?


 民家の塀に凄い看板を見つけました。

 錆具合からすると、ホーロー製ではなく、鉄製かな。この雰囲気はアメリカチック。もしかしたら、復帰前からあるの?

 「The Endless Summer」

 1964年公開の伝説のサーフィン映画。ということは、やはり復帰前からみたいですね。凄い。50年間ここに張り付いていたんだ。


 古き良き・・・なんて言いながら突っ込んでばかりでした。

 ところで、久松といえば、地元的にはコレなんです。「久松五勇士顕彰碑」。
 1905年、宮古島の北の海上を航行するロシアバルチック艦隊を発見。当時通信施設がなかった宮古島から、5人の漁師が手漕ぎのサバニで石垣島まで行き、八重山郵便局から大本営に無線連絡をしたという、当時の英雄のお話です。

 宮古空港の売店では、「久松五勇士」という名前のお菓子を売っています。

2014年11月18日火曜日

沖縄クチコミ情報の読み方について


 旅行前に色々下調べするのは楽しいですよね。
 昔だったら、旅行ガイド本を買って読むくらいしか方法がなかったけれど、今やネットでほとんどの情報が入手出来ます。


 中でも、「クチコミ」というものは、ネットならではの産物。実際に行った人の情報であり、量も多い。しかも、良いことだけでなく、悪い点ももちゃんと指摘してるし。

 沖縄関連でも、商業サイトから個人のサイトまで、その気になればもの凄い数のクチコミを読むことが出来ます。「私は、クチコミ第一主義です。」なんて公言する人も。

 しかし、以前、やらせが問題になったように、匿名の情報を本当に信用してもいいのか、少なからず心配になります。

 そこで、当ブログとして、クチコミ(もちろん沖縄旅行関係ですが)なるものをどうやって活用するのがよいのか、考察してみました。



 以下の文は、もちろん私見です。というか、この記事自体がクチコミ情報であることをご理解の上お読みください。


 まず、クチコミを投稿する人って、どんな人なんでしょうか。

 旅の思い出を誰かに語りたい...そんなノリで書く人

 知識·経験を伝えたい、読んでもらいたい、目立ちたい人
 まあ、これは自分がブログを書くのと同じようなようなもんですな。

 どうしても書きたい出来事があった人
 凄く印象に残ったことがあった、不愉快な思いをした場合などには、それを言いたくなるという心理です。

 景品や賞品がもらえるので



 次に、評価やコメントの特徴なり傾向を分析してみます。

 旅行に行けば、一般にテンションが高くなり、高評価に繋がります。「5点満点で評価してください。3点が普通です。」と書いてあっても5点・4点を付けやすく、1点・2点はあまり付きません。
 特に旅慣れていない人や、沖縄10年振り~みたいな人にはその傾向が強く出ます。

 一方その反対に、一部の人は、何にでも感動するのは初心者みたいでみっともないという心理が働くのか、何かにつけて辛めの評価をする傾向があります。コメントを読んでみて、よろず批判的だったり、他との比較の上で低評価をすることの多い人はこの部類です。

 何か不愉快なことがあれば、それが原因で全体が低評価になります。コメントを読んで客観性を欠く記述であれば要注意です。反対に、サプライズがあれば高評価に繋がり易いです。

 また、例外だとは思いますが、故意に高評価・低評価をしたり、匿名であるのをいいことに誹謗中傷するケースもあり得ます。

 ということで、素直に信じちゃいけないよ、とまでは言いませんが、書いてあることをすべて額面通り受け取るのは、ちょっと・・・なのです。
 


 だからといって、クチコミは使えないと決め付けるのは極論だと思います。自分の知りたいことに関して山のような情報があるわけですから、使わない手は無いと思います。

 自分もこの記事を書くに当たって、改めてクチコミサイトを訪問し、徹底的に読んでみましたが、本当に色々なことが書いてありました。

 では、実際クチコミをどのように読んでいけばいいのでしょうか。


 評価·評点よりも具体的なコメントを参考に
 例えば、料理の満足度を5点満点で採点するとします。端に美味しさが重視されているのか、コストパフォーマンスが考慮されているのか、食器や調度品、店の雰囲気も含んでの評価なのか、基準が各人で異なるはずなのですが、それがどう評価に反映されているのかはあまり分かりません。点数や星の数よりも、コメント読んでみてください。

 コメントの中でも「綺麗だった」、「たいしたことなかった」、という抽象的なコメントより、具体的なコメントが参考になります。
 「視界を遮る物がなく広大な景色が楽しめた」、「波打ち際に海藻やゴミが沢山打ちあげられていて、砂浜は綺麗でなかった」、「店員が少ないのか、注文しようと思ってもなかなか店員がつかまらない」、「豪華とは言えないものの、島野菜をふんだんに使った料理は好感が持てた」等々。
 また、コメントを読めばその人がどういう基準で採点したかも分かって来ます。

 感情的に書かれていると思ったら斜め読みを
 マイナスポイントが感情的に書かれている場合、例えば、「店員の言葉遣いが悪く気分が悪かった」、「女の客には優しいが、男には素っ気ない対応をする」、「何度も電話したのに出なかった」、「部屋が汚くて落ち着かなかった」、などといった、ピンポイントの問題点が全体の評価を下げているかも知れません。
 問題がありそうな所は避けた方が無難だとつい思いがちですが、そう決め付けず、他の情報にも当たるといいと思います。

 Q&A形式でシンプルな質問に詳しく回答されている場合は参考程度に
 知○袋のようなQ&A形式のクチコミで、「宮古島のオススメ教えてください」「石垣島の過ごし方をアドバイスしてください」といったシンプルな質問に、断定的に、或いは、事細かく回答がされている場合は、頼りになるようで、実は回答者があまり島に詳しくないような気がします。

 オススメと簡単に言われても、何を勧めるかは、相手が、沖縄(離島)旅行歴はあるか、いつ行くのか、メンバーに子供・高齢者はいるか、そもそも何をしたいのか、車の免許は持っているか、泳げるか、シュノーケリングの経験はあるか、滞在日数は、宿の希望は、予算は、船は大丈夫か、自転車に乗れない人は居るか等々、条件や希望を細かく聞かないと決まらないはずなんです。
 島のことを知れば知るほど、答えに悩むようになるのです。

 善意で回答している人には失礼になるのですが、そんなに簡単に答えられるのは、持っている情報が少ないからだと思います。

 自分も経験があります。石垣島に3回ほど行った時点で、「同じところに3回も来たんだから、島のことは大体分かった」みたいな感じで、アドバイスとかしていました。ところが、その後行けば行くほど色んなことが分かって来て、同時に知らないことも沢山あることが分かって来ました。今思い返すと、あんなに断定的に言っちゃったのが恥ずかしいです。

 余談ですが、「沖縄に何度も行った」と吹聴しているもので、「何処の島がいいか」と聞かれることが多いのですが、この質問に答えるのはもの凄く難しいのです。どの島もそれぞれにいいので、どういう視点から答えるべきか言ってもらわないと、回答できません。

 ランキングで明確な基準は公表されているか
 ランキング(ホテルランキング・ビーチランキングなど)が発表されている場合は、基準が明記されている場合を除き、参考の小盛程度の扱いに止めた方がいいと思います。
 人気ナンバーワンのホテルに泊まりたい、ビーチで泳ぎたいと当然思ってしまいますが、もし、恣意的にランキングが決められていたとすれば、まんまとそれに乗ってしまう恐れもあります。

 以前、あるサイトで沖縄のビーチベスト10なるものが発表になりましたが、一位とされたビーチの写真が別のビーチのものだったことがありました。担当者が、その場所を知っていれば絶対に起きえない間違えで、そのランキングの精度は推して知るべしです。



 ということで、クチコミの活用方法は、要は、多数の情報の中から役に立たない情報をスルーしながら、自分に役に立つ情報を拾い出して読んでいく、とそういうことになりますかね。

 どうですか、面倒ですか?そうなると、何も考えず信頼していいのは、やはり公刊されている旅行誌なのでしょうか。

 でも、こんなこともありました。
 全国の旅行ガイド誌を出している大手誌の「石垣・宮古・西表島」版は、沖縄旅行の必需品として「日傘」をイラスト入りで紹介。
 でも、向こうで日傘を差している人なんて、滅~多に見ないんですけれど。
 風が強い島では、日傘は面倒。必需品というなら帽子でしょ。いかにも、沖縄に行ったことがないライターが書いちゃった、って感じですな。

 所詮、旅行情報なんてこんなもんなんですかね。

 まあ、最後は自己責任でご判断を、ということになってしまいそうですが、そもそも、事前にそんなにガッチリ調べないで、臨機応変に楽しむというはいかがでしょうか。

 旅行前にクチコミを読むと、それだけで気分が盛り上がってきてワクワクしたりします。
 それだけでもいいじゃないですか。

 心配性だという人も、「何処の島では自転車が借りられるか」、「民宿××の部屋は鍵の掛かる個室か」といった客観的な情報収集に止め、綺麗、感動した、期待外れといった主観的な情報は参考程度でいかがですか。

 当ブログは、本当は自分の撮った写真を見てもらいたくて始めたのですが、情報的なものも多く書いています。好きなことは、どうしても人に言いたくなるのです。
 その中で、美しい、素晴らしい、不便になったなどと主観的な感想を散々ほざいておりますが、最終的にはご自身で判断していただきたいのですが、その結果として、「当ブログの情報は信用できる」と思っていただけるよう頑張りたいと思います。

2014年11月12日水曜日

絶景だけど地図にない謎の道 石垣島野底林道


 石垣島の北東部、簡単に言うと玉取展望台の背後辺りにある山を切り開いて造られた道路、「野底林道」。
 今年で、ちょうど10年目のまだ新しい道路です。

 高い場所を通るので、所々垣間見える海はとても綺麗です。しかし、メンテがされていないのか、西側の入口付近の看板は既にこんな感じに。

 この林道は、もちろん一般車両通行可ですが、石垣島タウンガイドの地図に載っていない、不思議な道路なんです。


 GoogleMAPを参考に落としてみるとこんな感じかな。

 と言うことは、、地元の林業振興のための道路であって、観光客には通って欲しくないということなのでしょうか。幅員は4㍍。今どきの道路としては最低限の規格です。曲がりくねった急坂が続きます。対向車には滅多に遭遇しませんが、快適なドライブとはいきません。
 
 それはそれで、理解できなくもない、と思ったのですが・・・


 最大標高地点にはこんな四阿が。これは、どう見たってここで休んでください、ここからの眺めを堪能してください、ですよね。


 しかし、この四阿のある場所には駐車場がない。
 車がほとんど通らないから、路駐でも支障はないですけど。もちろん、駐停車禁止区域でもありませんし。

 しかししかし、駐車場が無いということは、やはり一般車両には通ってほしくないのかな。

 しかししかししかしですよ。途中にこの道としては広い駐車場があるのです。

 ここは何処かというと、野底岳(マーペー)の登山口です。

 ちょっと話が横道に逸れますが、野底岳は標高282㍍ほどの山ですが、従来は、登り切るのに小一時間ほどかかっていました。この林道の駐車場からは、15分ほどで山頂に到着します。

 国土地理院の採用している名称は野底岳(のそこだけ)ですが、地元では野底マーペー(ぬすくまーぺー)と呼ばれています。

 マーペーとは女の名前で、黒島からこの地に強制移住させられた娘マーペーが、引き離された恋人のいる黒島を見たいと思う一念で野底岳に登ったところ、黒島のある南西方向には、野底岳よりも高い於茂登岳があって黒島は見えず、マーペーちゃんは、悲しみのあまり石になってしまったという伝説があります。

 話を戻して、結局この林道は、野底岳登山のために造られたのでしょうか?

 林道とは林野庁の所管する道路(普通の道路は国土交通省所管)で、林業受益地に建設されるものです。
 分かり易く言えば、林業に必要か林業で儲かった地域に造られるもの。

 この林道の沿線で、木材の切り出しをしているとか、造林・営林が行われているとかいう雰囲気は全く感じられません。

 結局謎の道。
 でも、入口はちょっと分かりにくいですが天気のいい日にドライブしてみてください。せっかく造られた道ですから。



2014年11月7日金曜日

西表島の秘境 船浮とイダの浜


 同じ島の中にあるのに、道路が通じていないため船でしか行くことが出来ない秘境の集落。西表島船浮。このような場所は、沖縄広しと言えどもここだけ。

 感覚的には、周辺の離島と同じです。
 
 簡単に行けない分、離島の中の離島という感じがする、特別な場所です。

 船浮港に上陸してから、集落を抜け、林の中の道を歩くこと約10分。秘境の中の絶景ビーチ、イダの浜に到着します。

 弧状に広がる白砂のビーチです。波のあまり立たない、コーラルブルーの、沖縄らしいとても静かで綺麗な海岸です。
 慣れた人は、船から降りるや否や、一目散にここを目指して歩き始めます。
 

 少し沖の方まで行くと、シュノーケルも楽しめます。このときは、あまり天気が良くなかったのでこの程度の写真しかありませんが。

 この浜に、直接船で乗り付けてくるツアーもあるので、人が多いというほどではないですが、秘境の割には、そこそこ人が泳いでいたりします。

 船に乗って、歩いて、遠路遙々やって来た方が、達成感があっていいのにね。



 船浮集落には、イダの浜を除きこれといった見所はないのですが、国の特別天然記念物イリオモテヤマネコが初めて捕獲された場所として(一部では)知られています。

 雑学ですが、イリオモテヤマネコは、現地では「ヤマピカリャー」などと呼ばれています。「ピカリャー」とは、「目が光る物」を意味するそうですが、竹富町のゆるキャラ「ピカリャ~」はここから来ているとか。
 船浮港は、暴風時の避難港に指定されていて、これは、先島諸島では唯一のものです。


 船浮は、人口約40人。島内や石垣発の日帰り観光のツアーがあって、団体さん、と言っても少人数ではありますが、と鉢合わせになることも。
 民宿があります。食堂が多分2~3軒。多分というのは、季節営業なんだか、臨時休業なんだかよく分からないけれど、「お食事は、今やってないんですよ~。」なんて軽く言われたりするから。
 いかにも、ゆるい感じで、まあ、いいのですけど。



 西表島の外周道路の北西側の終点、白浜の集落に船浮行きの船着き場があります。1日5往復ですが、冬期は1往復減便されます。
 所要約15分。往復料金は960円です。

 白浜までは、レンタカーが便利ですが、路線バスのほか、船会社の送迎バスが上原港発着便に合わせて運行されます。詳しくは、石垣島で乗船券を買うときに、窓口で確認してください。



2014年11月2日日曜日

冬の宮古島 冬の石垣島に敢えて行くべきか?


 「沖縄に四季はない、二季、つまり、夏と夏以外だけだ。」

 これは、石垣島で定宿にしているペンションのおじいの言葉ですが、長かった沖縄の夏も終わり、夏以外の季節が始まりつつあります。



 冬の沖縄は、天気が悪いのであまりお勧め出来ないと、以前書きました。

 実際そのとおりだと、今でも思っているのですが、今回は、それでも敢えて冬の沖縄、それも宮古・八重山の離島に行くという沖縄フリークと交わした、ちょっとマニアックなやりとりをご紹介します。


 ところで、冬に沖縄に行く人は、必ずしも少ないわけではありません。団体さんのツアーは、むしろ冬場がかき入れ時。

 首里城や美ら海水族館などの屋内外の観光施設がある本島はもとより、離島ツアーも盛んです。
 八重山4島巡り・宮古八重山9島巡りなんていうツアーの広告が、今頃から、新聞などに沢山出てきます。


 しかし、前にも書きましたが、写真派の自分としては、晴れててナンボ。なので夏シーズンに集中的に沖縄に行っています。11月~3月は、ほとんど行ったことがありません。
 暑い夏にこそ沖縄に行くべし!が信条なのですが。


 そんな、自分に対して、「いや~冬の沖縄はまた違った雰囲気でいいですよ。」と誘惑する人が居るのです。
 敢えて冬場に、それも本島ではなく離島に行く人によれば、


 安い。
 正月や三連休などを除けば、航空券は底値で、しかも、予約も取りやすい。
 もちろん、航空券 + 宿のツアー代金も安いし、ホテルも、一流ホテルがネット予約で激安価格で泊まれることすらある。


 人が居ない。
 砂浜に腰を下ろすと、広っろいビーチなのに視界に人が現れず、砂浜には自分の足跡だけ。こんなこともオフシーズンならでは。静かで、むしろ寂寥感が。泳ぐのは無理でも、ボーッと海を眺めるには最高なんだとか。
 宿も人が少ないので、人気の民宿やペンションのオーナーとゆっくり話せるのも、この時期。


 体が楽
 石垣市の1月の平均気温は18.8℃。東京の1月の平均気温は6.3℃です。ちなみに、7~9月の平均気温の差は、2~4℃程度まで縮まります。
 もちろん、真夏の沖縄に比べれば格段に過ごしやすいです。
 ついでに言うと、沖縄には、花粉を飛ばす杉の木もありません。


 意外と食べ物が美味い
 実は、夏は虫が付きやすいので、島野菜の生産には適しません。暑くてもグングン育つナーベラーとかゴーヤとかを別とすれば、冬場の方が野菜が豊富。
 車海老は、冬の時期のもの。ホテルやレストランは、この時期に大量に仕入れて冷凍しておきます。
 そういえば、西表島のイノシシも冬が猟期です。
 サトウキビも冬が収穫期。といっても、まさかサトウキビを旬に味わうなんてことは無いでしょうが。




 「しかしですねえ、そうはいっても、冬場は天気の悪い日が多いじゃないですか。コーラルブルーの海はなかなか眺められないし、沖縄離島の本来の楽しみ方は難しいのでは?」

 「いや、そうじゃないんです。海の色はくすんでいても、これも沖縄の姿なのです。年に半年はこういう状況が続くんですよ。むしろ、観光客目当てのショップが休業したり、夏の間内地から大勢来ているアルバイトやヘルパーが去って、元々ある島に戻るんですよ。」


 う~ん。なるほど。
 島が観光客仕様から本来の姿に戻るということか。確かに一理あるなあ。その時期に潜入して、本来の姿に戻った島に身を委ねるということか。
 そうすると、何をするとか、しないとかではなく、行ってみて、出来ることをするのが本来の楽しみ方?などと考えると「本来の」ってどういうことになるんだろ。


 「でも、八重山だと、強風による船の欠航のリスクがあるじゃないですか。」

 「夏だって、台風が来れば同じことじゃないですか。凄いのがガーっと来て何日も閉じ込められる夏と、『今日は荒れたけど明日は大丈夫かも知れない』を繰り返す冬の違いだけですよ。」


 むむむ。ごもっともですな。敵は中々手強いぞ!
 ちょっと変化球で攻めてみよう。


 「冬の北海道って実はとてもいいですよ。北国の本来の姿が現れます。夏は沖縄、冬は北海道旅行なんて素敵じゃないですか。」

 「それは、否定しません。でも、夏の北海道がつまらないというわけではないでしょう。」


 しまった、これは墓穴を掘った。
 何だか負けてる。いや、勝ち負けの問題ではないんだけれど、説得されつつあるなあ。


 ちなみに、冬でもダイビングや、ウエットスーツを着用してのシュノーケリングは出来ます。コンディションによっては、夏シーズンよりも透明度が高いことも多いらしいです。ただ、ショップは、お休みのところも多いですが。


 沖縄に何しに行くのか、何があれば満足するのかは、もちろん人によって様々です。
 ただ、多くの人は、良い天気の下で、青空に映える沖縄の美しい海が見たい、そこで泳ぎたいということだろうと思うので、それならば、台風のリスクはあっても夏シーズンがいいですよ、ということになるのだと思います。

 しかし、本当に沖縄好きな人にとっては、冬に沖縄離島に行くといっても、端に好きだから行くだけであって、何があるから行く、何が出来ないから行かないという話ではなく、まして、安いからとか、この時期にしか休みが取れないとかの消極的理由ではない、たまたま晴れたりすればラッキー、とまあこういうことなんでしょうね。


 夏シーズンにしか行かない、とか自信を持って言っちゃう自分は、まだまだ修行か足りないのか。