2015年5月31日日曜日

団体旅行の定番「八重山4島巡り」シミュレート


 石垣島 → 西表島 → 由布島 → 竹富島 → 再び石垣島
 これを2泊3日程度で廻ります。
 小浜島が加わって、3泊4日になることも。


 沖縄の団体観光ツアーの定番です。新聞広告に「2泊3日八重山4島巡り」などとデカデカと掲載されたのを見たことがある方も多いと思います。

 でも、自分は参加したことがないのです。ですが、
 沖縄の離島は一度は行ってみたい、泳ぐわけではないし、色々な島を効率的に廻るには都合がいいではないか、という人達から、「ぶっちゃけどうなのよ。」というご質問も少なくないので、広告に載っている行程表をもとに、シミュレートしてみました。

 「バーチャル八重山4島巡り」です。


 まず、1日目。
 石垣島到着後、若干観光地を廻って、早めにホテルに入るプランが多いようです。ツアー代金を抑えるために、出発時間の遅い便が利用されるからだと思います。


 次いで、2日目。
 朝早く出発し、石垣港から高速船に乗って西表島大原港を目指します。

 大原で待ち受ける大型バスに乗り、仲間川河口へ。
 そこから、小型船に乗り替え「ジャングルクルーズ」。仲間川を遡ります。

 行きは、マンゴローブの説明などを聞きながら、比較的ゆっくり仲間川を走ります。
 
 終着点にあるのは「サキシマスオウノキ」。今分かっている中では最古の、樹齢約400年。
 この木は、「サキシマスオウ」の木ではなく、「サキシマスオウノキ」。全部が和名。漢字で書くと「先島蘇芳木」。

 「サキシマスオウノキ」を見学したら、ジャングルクルーズは終わりです。全行程1時間強ですが、帰りは高速ですっ飛ばすので、10分足らず。 
 再びバスで移動。そして、午前中のメインイベント、水牛車に乗って由布島に渡ります。

 時間的にちょうど昼時。由布島で昼食です。
 実は、ここがポイント。一度石垣島を離れると、八重山諸島では、団体で食事ができる場所がここを除いてほとんどありません。
 なので、由布島に昼頃到着するように、スケジュールが組まれるのです。

 由布島は、島全体が亜熱帯植物園ということになっていますが、それ程の見所もなく、時間も急いているので、早々に島を立ちます。

 再び高速船に乗って、お次は、竹富島。
 重要伝統的建築物郡保存地区に指定された、美しい街並みを、またまた水牛車に乗って見物します。 

 ツアーによって違いますが、水牛車観光が終わった後は、マイクロバスでコンドイ浜・カイジ浜を巡ったり、自由行動の時間となったりするようです。

 水牛車のガイドから、必ず説明があるなごみの塔からの眺め。「誰が写真を撮っても、絵はがきのような景色が撮れます。」などと言われます。

 そんなわけで、順番待ちの渋滞も・・・


 3日目。
 最終日は、石垣島観光です。
 必ず行くのは、川平湾。グラスボートに乗って珊瑚礁を見るのがお約束です。

 出発までに時間があれば、唐人墓・石垣鍾乳洞・八重山村(やいまむら)などにも足を伸ばします。
 ショッピングセンターに連れて行かれることも。

 小浜島がプラスされる、「3泊4日5島巡りツアー」もあります。
 10年以上前のちゅらさんブームの頃は、小浜島の人気が高かったのですが、今となっては、それ何処?の世界に。
 でも、小浜島にはリゾートホテルがあるため、ツアーに組み込まれることがあります。


 「こはぐら荘」を見学中の団体さん。



 国内の観光地はほとんど見た、という旅好きの方でも、沖縄離島が初めてであれば、マングローブ林、沖縄の伝統建築の街並み、珊瑚礁の広がる海は珍しい光景でしょう。水牛車に乗るというのも、新鮮な体験であると思います。

 これらのツアーは、主に冬の閑散期を中心に組まれますが、ジャングルクルーズも、水牛車も、グラスボートも天気が悪くてもそれなりには楽しめるので、天候のリスクは軽減されます。
 
 八重山のスポットを、非常に効率良く廻る、ゴールデンルートです。宿泊は、大体リゾートホテルが利用され、価格もコストパフォーマンスに優れています。

 
 しかし、当ブログとしては、この「八重山4島巡り」ツアーは、積極的にはお勧めしません。
 それは、何故?

 宮古・八重山というところは、全国の名だたる観光地に比べれば、見所は圧倒的に少ないと思うのです。
 その代わりに、コーラルブルー、エメラルドグリーンなどと言われる美しい海があります。
 泳ぐ、泳がないにかかわらず、この美しい海を満喫してこそ、沖縄離島の旅だと思うからなのです。


 竹富島のコンドイ浜です。極端な遠浅なので、干潮時は見た目あまりきれいではありません。でも、遠浅の海を短パンとビーチサンダルでどんどん歩いて行くと、こんな景色に遭遇出来ます。水深数㎝の海です。

効率を重視した、「八重山4島巡り」では、こういう所には行けません。そもそも、天気によってNGになる場所は、ツアーに組み込まれません。
 大型バスで、団体客を受け入れてくれる場所にしか行きませんが、石垣島でもそういう場所は限られます。あの大きな西表島でも、仲間川と由布島にしか行かない、いや、行けないのです。

 旅の目的も、楽しみ方も人によって様々ですが、一方、その土地に適した楽しみ方があるはずです。沖縄離島の魅力が最も伝わる楽しみ方は、この美しい海をのんびり眺めて癒やされたり、ハイテンションになってガンガン遊ぶことだと思うのです。


 「八重山4島巡り」に参加した方、参加するつもりの方は、このツアーは八重山諸島のごく一部だけで、おいしい所がまだまだあることは、ご理解いただきたいと思います。

 そして、百聞は一見にしかず、是非次の沖縄離島旅行を計画してみてください。

 

2015年5月27日水曜日

世捨て蟹 ・ 蟹仙人 ・ hermit crab ・ 寄居虫

 

 今回のゲストは、当ブログでも度々登場してもらっている、こちら。

 「寄居虫」

 寄生獣じゃないですよ。
 英語で言うと、「hermit crab」。
 hermitとは、世捨て人・仙人・隠者などという意味。

 
 ということは、世捨て蟹・それとも、亀仙人ならぬ蟹仙人?


 ヤドカリだろ?
 そうです。寄居虫です。


 漢字で書くと「寄居虫」なんです。ご存知なかったですか?

 なあ~んてね。
 自分も知りませんでした。たまたま「やどかり」と入力して変換したら「寄居虫」とできてたので、ググってみたら、まさに「やどかり」=「寄居虫」でした。

 英語では?と思い、Google翻訳で調べたら「hermit crab」だったのです。

 
 
 日本語で「寄居虫」、英語で「hermit crab」。全然ニュアンスが違うけれど、どちらも、何となく分かるような気がします。

 でも、英米ではカニ、日本では虫扱いなのは、面白いですよね。

 というようなことが分かったので、当ブログでは、急遽ヤドカリ特集にしてみました。
 ヤドカリの写真は、あちこちの記事で相当使ってきましたので、主な写真に集合をかけ、新しいものも含めご覧いただきます。



 変わった場所で見かけることもあります。
 これは、打ちあげられた巨大な珊瑚の化石。自分の背丈の何十倍のところまで、何しに、どうやって行ったのでしょうか。

 こちらは、もっと不思議。アザミの葉っぱにぶら下がっていました。コラァ何してんだ!


 ヤドカリは、成長するに従って大きな貝殻に引っ越しをします。ヤドカリが絶えず動き回っているのは、新しいすみかを探すためなんだとか。
 そして、面白いことに、ヤドカリが繁殖する条件とは、エサが豊富かどうかというよりも、引っ越しのできる空き家が豊富なことだそうです。

 沖縄の海にヤドカリが多いのは、貝殻が豊富にあるということなんでしょうね。


 そんなわけで、早朝からお仕事です。

 この轍みたいなのは、ヤドカリの足跡。彼ら的には、相当の長距離移動なんでしょう。本日もお勤めご苦労様。

 ヤドカリ特集の〆はこちら。ヤシガニ。
 ヤドカリの仲間ですが、大きく育つので貝殻が手に入らないため、自分の甲羅を堅くして、外敵から身を守るように進化したそうです。

 
 海でヤドカリを見つけたら、「英語では、Hermit crabって言うんだ。世捨て人の蟹という意味なんだよ。」なあ~んてうんちくを垂れてみれば、「わぁ。すごぉ~い!」とか言ってもらえるかも。笑

2015年5月24日日曜日

日帰りの出来ない孤島 渡名喜島 Ⅱ


 渡名喜島の集落は、重要伝統的建築物郡保存地区に指定されています。
 沖縄県では、竹富島に次いでの指定です。

 この島には、フクギ並木だけではなく、伝統的な沖縄の家屋が残っています。残っているというより、ほとんどが、昔ながらの赤瓦の屋根の家なのです。もちろん、シーサーもちゃんと乗っかっていますよ。

 竹富島との一番の違いは、花。
 島中で植栽に努め、常に花に囲まれた美しい竹富島と、観光客も来ないし、特段何もしない渡名喜島。

 一方、この島ならではの特徴は、風よけのため、塀に囲われた敷地を掘り下げて屋根を道路とほぼ同じ高さにした、「掘り下げ屋敷」と呼ばれる、渡名喜島に固有の建築方法です。

 家を建てる前に、敷地を掘るわけです。それにより建物全体が低くなるので、風の影響を受けにくくなるという仕組みです。
 ただ、そうなると雨が降ったときの排水はどうなるのか心配なところですが、多分、水はけの良い地盤なのでしょう。

 金持ちほど深く掘ったのだそうです。


 「チキシ」。
 昔、若者達がこの石を地面に叩き付けて、悪霊を追い払ったとされています。重さは、50~70㌔だとか。


 昼食が取れるのは、ここと、フェリーターミナルにある食堂の2箇所だけ。

 中に入ってみても、どう見ても普通の民家。縁側で靴を脱いで部屋に入ります。野菜そば650円。デカっ!


 「となきのおやつ」。
 フェリーターミナルの待合室で、船の出航時間に合わせて販売される、島のお土産です。「もちきび入り」とありますが、要はクッキーです。
 ハッキリ言って、何の特徴もない単なる焼き菓子。

 もちきびとは、キビの一種で、「五穀豊穣」の五穀の一つ。米よりもミネラル分を多く含み、最近では一部でブームとなっているそうですが、白米ほど美味くないので、まあ健康食ですか。

 この島では、稲作は行われていません。多分水が十分確保出来ないからでしょう。代わりに、乾燥に強いキビの栽培が行われています。

 サトウキビの栽培も行われていませんが、それは恐らく、中途半端に作っても、輸送にコストがかかって採算が合わないからだと思います。



 よく、「何処何処は、何もない」という言い方をしますよね。
 黒島は何もないとか、小浜島は何もないとか。

 でも、本当に何もないわけではなく、その意味するところは、際だった特徴がないとか、ランドマークがないとか、あるいは、静かで落ち着いているといった肯定的な意味の場合もあると思います。

 しかし、渡名喜島は、少なくとも観光という視点からは本当に何もない。
 変な表現の仕方ですが、本当の「何もない」があるのです。


 将来、万が一、宮古・八重山が開発されて、「昔は、こうじゃなかったのに。」と嘆くことになったら、再びこの島に来て、沖縄離島旅行の原点に立ち返ろうと思います。



 ところで、何もない島に、事件が!
 というほどではないですが、5年ほど前、静かな島にビッグイベントが起こりました。

 長澤まさみ主演の映画、「群青 愛が沈んだ海の色」のロケが、この島で行われました。
 下の写真は、映画のワンシーン。フェリーターミナルの待合室に展示されています。

 残念ながら、この映画はコケたようで、たいして話題になることもなく、忘れ去られようとしています。

 もし、この映画が大ヒット作ならば、その影響で、行ってみたいという人も大勢居たことでしょう。
 やはり、この島は、何もないオーラを放っているのでしょうか。


2015年5月20日水曜日

日帰りの出来ない孤島 渡名喜島 Ⅰ 


 朝8時30分発。那覇泊港から、久米島行きのフェリーに乗ること約2時間半。
 船は、途中渡名喜島に立ち寄ります。
 15分ほど停泊した後、久米島に向けて出航。その少し前には、久米島発那覇行きの船が渡名喜島に立ち寄ります。

 渡名喜島に渡る手段は、これがすべてです。飛行場は無く、空路はありません。午前中に島に到着したら、次に島を出られるのは、24時間後です。

 宮古諸島や八重山諸島と比べれば、ずっと近いのに、遠い島。

 その渡名喜島に遙々やって来たら、そこにあったのは、「観光化」、「都市化」などという言葉とは全く無縁の、フクギ並木に囲まれた、昔ながらの沖縄でした。



 渡名喜村(となきそん)。全人口わずか430人程度。
 村の面積も3.87㎡と、沖縄県最小。日本全体でも下から二番目です。住所には字名がありません。渡名喜村○○番地。これですべて網羅されます。


 島唯一の信号機。
 ここは、県道188号線。総延長25㍍!

 こちらは、村道1号線。集落内のメインストリートですが、この幅です。

 その他の道はもっと狭い。でも、車がすれ違うことがありませんから、これで十分みたいです。

 ところで、このフクギですが、葉がビッシリと密生するため、屋敷林として、防風林・防潮林として、かつては、沖縄・奄美地方の至る所で植えられていました。
 しかも、幹が堅く葉が多いため、火事の延焼防止にも役立ち、葉っぱが小判の形をしていることからも、「福木」として大事にされてきました。

 今では、フクギ並木といえるものが残っているのは、本島本部町の備瀬や久米島の真謝など限られた場所で、竹富島でも数が少ないのですが、この島に来たら、集落中フクギ並木だらけ。新鮮な驚きです。


 島のゴミ収集車。といっても、ただの軽トラですが、
ズームアップすると、 
「防衛庁補助事業」の文字があります。

 渡名喜村は、渡名喜島と入砂島という2つ島からなりますが、入砂島は、自衛隊も使用する米軍の射撃練習場となっており、一般人は原則立ち入ることができません。防衛庁(現防衛省)補助は、そういった理由でしょう。



 日帰りは出来ないと書きましたが、海の荒れる冬期期間を除き、毎週金曜日に限って、午後3時半頃に久米島発那覇行きの船が立ち寄ってくれます。
 これを利用すれば、週1回だけ、那覇から日帰り可能で、今回自分もこれで往復しました。

 これは、日帰り観光客のためではもちろんなく、工事などで島に滞在している人が、週末本島に帰るための措置のようです。

 この島のこと、まだまだ紹介したいので、次回に続きます。



 次回予告・・・なんちゃって。

2015年5月16日土曜日

沖縄のニッチな名産品 黒糖



 日本では、沖縄と奄美地方のみでしか生産されず、地元の食生活にも根付いています。
 沖縄ではどこでも見かけます。
 特に重たいものでも嵩張るものでもなく、高価なわけでもありません。
 しかし、沖縄旅行の土産品として買って帰るのは、何だか今イチのような。

 そんな、ニッチな沖縄県産品がこれです。
 

 沖縄の何処でも見かける、♪ ざわわ~、なサトウキビ畑。
 サトウキビは、沖縄の主要な農作物。1962年に起こったキューバ危機のとき、砂糖の輸入が減り価格が高騰したため、その頃から沖縄ではサトウキビの栽培が盛んになったそうです。  
  冬場にサトウキビを収穫し、絞ります。その絞り汁を沈殿させて、不純物を取り除いた後、煮詰めて結晶化させたものが黒糖です。黒砂糖とも呼ばれます。

 黒糖の段階では、糖質以外のビタミンやミネラルが10%以上含まれていますが、これが砂糖の味に雑味を与えるため、蜜を取り除いて純糖にしたものが上白糖、グラニュー糖といった、おなじみの砂糖です。

 これらは分蜜糖と呼ばれ、一方、黒糖のように蜜を取り除く前のものを含蜜糖といいます。含蜜糖は、ミネラル等を含む上、独特の濃厚な風味があるので好きだという人も少なくありません。
 黒糖の方が製造に手間がかからないため、原料のサトウキビがそこいら中にある沖縄では、昔から普通に使われていたのだとか。

 最近では、沖縄だけではなく、内地でも、敢えて黒糖を使用した菓子などが多く作られています。

 さらに、ある程度煮詰めた段階で製品化する黒糖蜜も、蜂蜜のような感覚で使用されています。

 

 宮古島産の高級な黒糖蜜をいただきまして。

 シンプルに、バタートーストにかけてみました。

 こちらは、氷ぜんざい黒糖蜜がけ。竹富島のカフェにて。

 黒糖独特の濃厚な甘さが、シンプルな食材にはよくマッチするようです。コーヒーに砂糖を入れて飲む人は、コーヒーシュガーの代わりに黒糖・黒糖蜜を入れるものいいと思います。

 ビタミン・ミネラルを豊富に含むため、健康食品だという人もいますが、あくまでも砂糖は砂糖。カロリーは高いです。上白糖などの代わりに同じ量を使えば、多少ヘルシーということでしょうが。

 黒糖は、宮古ならば「多良間島産」、八重山なら「波照間島産」が、一般に美味しいとされています。何処がどう違うのか、自分には分からないのですが、その道の”通”によれば、絶対に違うんだとか。


 
 おしゃれじゃないけれど、希少価値もあまりないけれど、沖縄には何処にでも普通にある黒糖。このニッチな県産品を味わうことで、よりディープな沖縄の旅を体感してみてください。

2015年5月11日月曜日

伊良部大橋開通で伊良部島はどう変わる


 待望の伊良部大橋開通。

 全長約3.5㎞、途中アップダウンや、何故かカーブもあって、美しい海の上を走るドライブコースは最高です。

 東京湾アクアラインや、明石海峡大橋をドライブして「わぁ~ステキ!」と思ったことのある方。この橋を走るために宮古島に行ってもいいくらいです。
 何しろ、海の色が違います。しかも、一般道。のんびり走れます。冴えない田舎道(失礼!)を走っていると、突如として視界が開け、眼前に現れる長大橋。
 無料ですから、何回でも通過してください。

 前に当ブログに書いた、Fレンタカーのおばちゃん(もしかしたら社長令夫人)は、宮古島出身ながら、この度初めて伊良部島を観光したんだとか。「伊良部って広いわねぇ~」というご感想で。



 伊良部大橋には、左右に路側帯があります。来間大橋・池間大橋には、片側に一段高くなっている歩道がありますが、こちらはフラットで、ペイントと白線によって分けられているだけです。

 しかも、橋のてっぺんなど何箇所かで路側帯が広くなっている部分があります。段差がないから、どう見ても駐車スペース。この道は、全線駐停車禁止みたいなのに、この場所付近には、何の標識もないし。

 トライアスロンの余韻が残っていたのか、自転車で走る人、ジョギングをする人、歩く人も多く見られましたが、路側帯を歩く際は、くれぐれもご注意を。
 何しろ、車の運転手が、景色に見とれている可能性大ですから。
 なお、路側帯は、歩行者の通行が優先されますので、念のため。


 宮古島側の橋の袂にできた「橋の駅」。
 といっても、ただの売店。プレハブの簡易構造のようで、屋上に上って橋を眺めることができますが、「危険なので20人以上登らないでください」との注意書きが。

 でも。ここに駐車スペースがあることは有難いかも。



 早速、橋を渡ってみました。
 さすがに長い。普通に走ると5分経っても対岸に到着しません。飛ばす車もなく、皆のんびりとドライブを楽しんでいるようです。さすがは沖縄離島。

 その伊良部島ですが、今のところ道路施設以外には大きな変容はありませんが、宿だか飲食店だかの工事現場を何軒か見かけました。
 伊良部大橋への案内標識もバッチリ。

 それに比べると、宮古島側は冷たいですな。道路上に、伊良部大橋への案内標識がありません。
 同じ市域でありながら、伊良部島側と宮古島側の温度差が凄いですね。

 カーナビもまだ古いものが多いと思いますので、地図を見ないと橋にたどり着けないかも知れませんが、国道390号線(バイパス)の「久貝北」という交差点を西に進んでください。ファミリーマートが目印です。

 


 ここは、定期船が廃止となった伊良部島佐良浜港。
 この場所は、以前は確か売店があって、渦巻きパンを買ったはず···

 伊良部島と宮古島を結ぶ路線バスができました。

 対する宮古島側、平良港のターミナル「まりんぴあみやこ」。

 多良間島行きの多良間海運の事務所は残っていますが、伊良部島行きの運航会社2社が撤退し、閑散としています。



 最後に、少し堅い話をさせてください。
 地元伊良部島の住民にとって、架橋が悲願であったことは想像に難くありません。今までは、病院に行くにも、役所に行くにも船に乗らなければならなかったわけですから。

 その一方、この橋には巨費が投じられていることも忘れてはならない事実です。
 一般県道の位置付けですが、もちろん県・市の単独事業ではありません。国費が大量投入されています。
 
 「こんな凄いもの、沖縄か原発立地じゃなきゃ出来っこない。」と言い切る人も居ます。基地問題に絡めて、「人口6千人の島に400億円の橋」と批判的に紹介した週刊誌もありました。

 そして、橋を渡って進んで行くと、今や宝の持ち腐れになってしまった下地島空港に行き着くのです。
 この長大橋が出来たことの意味、そして、それによって伊良部島が今後どう変わっていくのか、我々観光客も心の隅に止めておくべきと思いますが、いかがでしょうか。
 その意味でも、是非一度、この橋を渡りに訪島していただきたいと思います。
 



 ところで、来間大橋は、今年で開通20周年だそうです。


※ 美しいという割には、美しい写真がないぞ!と仰る方。
  すっ、するどい。実は、今回は天気があまりよくなかったんです~。
  次回は、コーラルブルーの海に架かる美しい橋を、バッチリ収めますので、しばしご猶予を。