2022年4月27日水曜日

那覇の国際通り 奇跡の1マイルは終わったのか

 


 沖縄随一の繁華街。那覇の国際通り。

 コロナ前は、観光客で溢れ、客引きが人を取り囲み、深夜でも賑やかで、と言うかうるさく、自撮棒で撮影しながら歩く外国人グループが歩道を占領していました。


 2022年のGWを間近に控えた国際通り。牧志側からアプローチすると、衰退した地方の商店街すら連想させるような、シャッター通り商店街と化していました。




 この状況は、コロナのせいで、一時的に休業しているわけではなく、もはや、多くの店舗が閉店、撤退してしまったということでしょう。



 通りに面した店なのに、壁にこんなに落書きがされている所もありました。ここまで!とは、ちょっと驚きです。 




 国際通りは、県道39号線のうち、県庁前から牧志辺りまでの区間を指します。
 戦後の焼け野原から一早く復興し、その距離が約1.6㎞であったことから、奇跡の1マイルと呼ばれていました。


 こちらは、2013年に撮った国際通り。この日は歩行者天国でした。外国人観光客はまだ少なかった時期ですが、活気に満ちていました。



 通りに繋がる、むつみ橋商店街。
 閑散としているのは、平日の日中だからかと思ったのですが・・・



 そういう訳でもなさそうです。




 宮古島でも、石垣島でも、あるいは、本島名護でも、中心市街地で休業、閉店した店はそこそこ見かけますが、沖縄一の中心街が、こんなことになっているとは。

 昨年、閑散とした夜の国際通りの情報をお伝えしましたが、その時はまだ、コロナが終息すれば、ある程度は元に戻るだろうという感じもありました。


 しかし今、沖縄に行く観光客が少ないわけではありません。修学旅行生も見かけたし、往復の航空機は、平日にも拘わらずほぼ満席でした。

 約2年半振りの混雑した那覇空港も経験しました。





 奇跡の1マイルは、皮肉なことに復帰50年を迎える年に、奇跡が終わってしまったようです。

 少なくとも、今年のGWに那覇に行く人は、このシャッター通り商店街を見てしまいます。

 ネットで最新情報を取っている人はともかく、ガイドブックなどを参考に、あるいは、過去の記憶で、土産物屋も飲食店も何でも揃う活気ある場所だと思って行く人は、結構衝撃を受けるでしょうね。



 国際通りの中心、むつみ橋交差点は、交通量はそこそこあるように感じたのですが。




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2022年4月21日木曜日

宮古島に次々と建つ超高級ホテルへのひがみと不安

 

 コロナでも止まらなかった、バブリィな宮古島のホテル建設。
 
 この先も次々と竣工・開業が続きます。

 来年には、329室のヒルトン沖縄宮古島リゾート、再来年には、55棟のローズウッド宮古島の開業が控えています。

 その規模の大きさもさることながら、既に開業したホテルも含めて、高級・超高級ホテルが目白押し。


 ホテルが増え過ぎるだけではなく、高級路線をひた走る宮古島。ひがみやら、不安やらを書かせてもらいます。




 近年開業したホテルの多くは、見るからに高級そうですが、実際にどれくらいのものなのか、値段を調べてみました。

 じゃらんnetを利用し、7月23日(土)朝食付き(夕食別)2名1室利用の1泊一人当たりの料金をあたってみました。

 できるだけスタンダードなプランを選択しています。


 宮古島来間シーウッドホテル
  ヴィラタイプ 136,200円~67,300円
  ホテルタイプ 31,000円
 
 ブルーオーシャンホテル&リゾート宮古島 118,125円~65,500円

 イラフSUIラグジュアリーコレクションホテル 88,460円~57,600円

 ホテルシギラミラージュ 81,950円~45,100円


 まあ、本当に結構なお値段ですこと。

 パックツアーを利用すれば、もう少し割安になるのでしょうけれど、それでも航空券や食事代など諸々含めれば、夏のハイシーズンだと、2泊3日でも、お一人様20万円~ といったところでしょうか。




 これから開業する、ローズウッドホテル&リゾーツは、さらに凄そうです。何しろ、自ら「ウルトラ ラグジュアリー リゾート」と名乗るくらいですから。

 日本初上陸ですが、海外の例では、安い部屋でも、1ルームチャージ1泊十数万円。スイートルームなら、1泊数十万円という、世界のお金持ち御用達のホテルです。



 ところでこれは、ローズウッドのプレスリリースの一部です。

 「4軒のレストランとバーは、リラックスビーチフロントをコンセプトとし、新鮮なシーフード、地元で育成され数々の賞を獲得している牛肉、地元で蒸留されたスピリッツやクラフトビールなどを提供いたします。」


 地元で蒸留されたスピリッツって何?まさか、泡盛のこと?

 「宮古島 スピリッツ」でググってみたら市のHPにこんなのがありました。ふるさと納税の返礼品です。「宮古島のスピリッツ&リキュール5種」





 新鮮なシーフードと地元で蒸留されたスピリッツだったら、自分も毎回欠かさず宮古島で堪能しております。好むと好まざるとに拘わらず。笑


 多分、英語で書かれたものを翻訳したのでしょうが、これ書いた人は、あまり宮古島のことを知らないのかも知れません。


 いやしかし、ここは突っ込む場面ではなく、これは心配材料なのです。そのことは、後で詳しく書きます。




 これら高級ホテルがターゲットとするのは、国内外の富裕層らしいです。

 世の中にはお金持ちといわれる人が少なからずいます。お金持ちとはいえないけれど、最高の娯楽には惜しげもなく金をつぎ込む人もいます。


 そういった、本当の富裕層を満足させるためには、何が必要なのでしょうか。





 高級ホテルですから、施設・設備は素晴らしいのだと思います。

 眺望もいいでしょう。

 でも、眺めがいいだけでは今イチです。
 宮古島では、前浜でも渡口の浜でも17ENDでも、日本のTop of the topの海に、誰でも簡単に行けるからです。


 では、食事はどうでしょうか。

 宮古牛は生産量が少なく希少かも知れませんが、例えば、石垣牛と比べて、前沢牛や松阪牛や神戸牛と比べて、敢えて宮古島に行ってまで食べるほど違いがあるでしょうか。

 新鮮なシーフードは簡単に手に入りますが、一度台風が接近すれば、新鮮ではないシーフードすらも手に入りません。それが島というものです。


 宮古島に20年通っていますが、自信を持って人に勧められる食材は、マンゴー位しか思いつきません。


 そうなると、知られていない食材を発掘するか、平凡な素材から最高の料理を創り上げる一流のシェフが必要です。





 ひがみ根性で、ケチをつけているわけではありません。(いや、それもあるかも知れませんが。笑)

 事業計画の際、宮古島という場所を十分にリサーチしたのか、端的に言えば、宮古島に超高級リゾートを受け入れるポテンシャルがあるのかという問題です。


 何というか、宮古島には、秘境感ってないですよね。平坦な地形に加え、整備された道路網のおかげで、近寄りがたいビーチというものがありません。

 そこがいいところなのですが、「○○ホテルに泊まらないと見られない絶景」は、ちょっと考えられません。


 食事にしたって、普通にタクシーで移動出来る範囲内に飲食店があります。「こんなロケーションでこんな豪勢な食事が楽しめる感」は出にくいと思います。


 そして、忘れてはならないのが、台風の脅威です。これはもう言うまでもないと思います。

 余談ですが、今や高級ホテル銀座になってしまった伊良部島の南岸ですが、平成30年の台風8号級のヤツに襲われたら、あんなビーチサイドに建っているホテル群は、無事にやり過ごすことができるのでしょうか。



 それだけではありません。高級ホテルには、相応の一流のホテルマン・一流のシェフが必要です。

 こんなに、高級ホテル林立の中で、必要な人材を確保出来るのでしょうか。外資系ホテルだったら、TOEIC700点は必須らしいですよ。

 内地や、国外からも優秀な人材を集めて来るとして、年に半年はオフシーズンの宮古島に貼り付けておくのは、大変だと思うのですが。



 過去記事でも書きましたが、かつてのリゾート法破綻の原因の一端は、ニーズを無視した、一方的・画一的構想だったといわれています。

 宮古島で、またしても同じ轍を踏んでしまうおそれはないでしょうか。



 開業に当たって、「新鮮なシーフードと地元で蒸留されたスピリッツを提供します、楽しみにしてください。」で安心していないで、

 前回の記事を引きずるわけじゃないですが、「現地でもなかなか手に入らない、幻と言われるオールドスピリッツをご用意いたします。」とか、

 せめて、

 「島の人達が日ごろ口にしている食材を、一流のシェフが調理いたします。」、「夏には島ならではトピカルフルーツを、それもプロの目で厳選した最高級品をお召し上がりいただけます。」

 くらいのことは書いておいた方がいいのではないかと、まあ、余計なお世話ですが。





 宮古島の魅力って海でしょ。海しかないじゃないですか。

 宮古の海なら、きっと世界で勝負できると思います。でも、それを独占することは、宮古島においては不可能です。


 美しい海と共に、高級ホテルで寛ぎたいというニーズも、一定数あると思います。
 
 でも、コロナが終息したときに、気が付けばド~ンと増えている、高級ホテル・超高級ホテルの供給に見合うだけの需要が、果たしてあるのでしょうか。



 八重山の某島に場違いな高級ホテルが建ったものの、すぐに休業。その後、サービスはほとんど無しの格安価格で営業を再開しましたが、また休業に入っています。

 別の某島の、反対運動を振り切って建設されたリゾートホテルは、現在、再建屋といわれるあの会社の手により運営されています。

 もし、このようなことが宮古島で起こってしまえば、そのスケールは八重山の比ではありません。


 こんな、自分のような一介の沖縄好きですら心配になるのに、市の幹部はどうして心配にならないのでしょうか。

 それとも、やっぱりただのひがみなんですかね。笑





 ローズウッドのプレスリリースはこちら


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2022年4月16日土曜日

絶滅危惧酒も!泡盛界の2032年問題

 
 とうとう終わりの日がやって来ます。

 50年間ぬるま湯に浸かっていた業界に、ついに王手がかかりました。このままでは、希少なアノ酒が絶滅危機酒となるかも知れません。

 泡盛業界を襲う2032年問題とは。




 泡盛業界の2032年問題とは、沖縄県における酒税の軽減税率適用が、あと10年で終わるという問題です。

 酒税の税率区分は、もの凄く細かいのですが、単式蒸留焼酎(旧乙類焼酎)の一種である泡盛には、本来、キロリットル当たり、25万円(25度)~44万円(45度未満)が課税されます。

 しかし、沖縄県産の泡盛には軽減税率が適用され、これより35%(オリオンビールは20%)安い税率になっています。

 一升瓶当たりでは、190円ほど安くなります。


 何故そうなったのかというと、遡ること今から50年前。

 1972年の沖縄返還の際、それまでアメリカ流の安い税率が適用されていた沖縄県産の酒類について、激変緩和のための特例措置として、5年間に限り軽減税率が適用されることになりました。

 その後、軽減率は多少上下したものの、5年ごとに延長が繰り返され、いつの間にか50年が経ってしまいました。


 2000年頃には、見直しがされそうになったこともありますが、基地対策など、本来酒とは関係のない政治問題により、さらに継続されます。

 「特例」のはずが、既に10回も延長され、2017年からは、5年間を2年間に短縮しながらも延長が繰り返されてきました。


 しかし、沖縄だけ優遇というのでは不公平感がぬぐえず、また、却って業界の自立の妨げになっているとの声も根強くありました。

 今年は、本土復帰50周年でもあり、復帰当時の特例はいくら何でももう終わりにすべきだという機運が高まり、泡盛業界もさすがにこれ以上の延長は難しいと考えたらしく、段階的な軽減廃止もやむなしとなりました。




 それでも、最終的に軽減税率が撤廃されるのは、今から10年も先の2032年です。

 それまでは経過措置が講じられ、泡盛に関しては、県内出荷量に応じて酒造所を「大規模」「中規模」「小規模」の三つに分類し、

 2024年から、大規模酒造所の場合は軽減率を35%から25%に、中規模酒造所は30%にするなど段階的に軽減率を引き下げ、2032年に廃止する、

 小規模については現行措置を当面維持し、2032年に一気に全廃する、

 ことが、政府・与党の税制調査会で決定されたとのこと。



 泡盛の酒造所は、現在46社。うち34社が小規模に分類される零細企業で、そのほとんどは、家内工業です。

 事業主の高齢化や後継者不足は深刻で、かつて、宮古島にあった千代泉酒造が2018年に廃業しましたが、理由は後継者が見つからなかったことでした。

 その上、税率が上がれば、経営体力のある大手や、内地の焼酎メーカーとの競争に勝つのは厳しく、このまま消えてしまう銘柄も少なくなさそうです。
 

 琉球新報によれば、酒造組合の幹部が、「今後10年間が、沖縄の酒造所の経営基盤強化に向けて重要な時期となる。廃止まで長いようで短い10年。対策は待ったなしだ。」と語ったとか。





 さて、業界が考えているというその対策ですが、報道によれば、県外や海外に販路を広げるため、おしゃれなボトルの開発やPRに努めるのだとか。

 また、沖縄県内でも、若者の泡盛離れが進んでいるようなので、その対策として、若者にターゲットを絞り、大学生向けの試飲イベントを行ったり、泡盛カクテルの普及を企画しているそうです。

 ん~~~、なんか方向が間違っていると思いませんか。


 以前、大手日本酒メーカーが、若い女性を対象にアンケートを採ったところ、「ヘルシーな日本酒を望む」という回答が多かったので、糖質オフ、アルコール度数控えめの新商品を開発したところ、見事に転けたという話がありました。

 そりゃそうでしょう。

 酒の味も分からん若造に(失礼!)、「どうしたら日本酒飲んでくれますか」と媚びるのではなく、酒にうるさいオヤジを黙らせるような銘酒を造るべきであり、それを見て日本酒を飲んだことがない若い者が、そんなに旨いならと、食いつくのではないでしょうか。


 泡盛だって、同じでしょ。

 ボトルが素敵だからっといって買う層は、ホンの僅か。

 カクテルとて、泡盛の良さを活かしたオリジナルなカクテルを開発するならともかく、取り敢えず、甘くして飲みやすくするだけじゃ売上げは伸びませんよ。

 そんなことをしているヒマがあるならば、旨い泡盛を製造するための技術革新に、人も金もつぎ込むべきだと思いませんか。





 さて、ここから先は、自分の思い入れです。


 世の中の酒好きには、味にうるさいこだわり派と、正直酔っ払えれば何でもいい派がいます。
 もちろん、その中間派もボーダレスでいるわけですが。

 酒税の軽減は、沖縄において、酔っ払えれば何でもいい派には有り難い制度でした。

 でも、安い酒を提供するからドンドン飲んでくれというのは、健康という面からしても国策としてはよろしくないわけで、旨い酒を味わって飲む方向に誘導した方がいいと思うのですよ。

 ということは、酒税を安くするのは逆方向でしょう。世の中、酒税とたばこ税に限っては、増税して良いという声も少なくないですから。

 なので、国は、酒造メーカーが、多少高くても買いたくなる旨い泡盛を造る方向に誘導すべきです。そのためには、軽減税率の撤廃は正しいと思います。

 それは、酒造メーカーにとって、口で言うほど簡単なことではないかも知れません。でも、泡盛には、熟成して古酒になるという、他の酒にはない素晴らしいポテンシャルがあります。


 酒造組合のHPによれば、
 ウイスキーなどの洋酒は、樽に貯蔵され、樽からバニラの香りやスモーキーな香りなどのさまざまな成分をもらって熟成するので、樽から出して瓶詰めすると古酒化はそれ以上進まない。

 一方の泡盛は、泡盛に含まれる成分(アルコール類各種・脂肪酸(有機酸)・脂肪酸エステル・硫黄系化合物・フェノール化合物 ・アセトアルデヒドなどなど)そのものが、物理的変化、化学的変化を経て香味成分などに変化し、まろやかな口当たりと甘い香りを醸し出すとのこと。

 つまり、泡盛は、自らの成分そのものを変化させて古酒になっていくので、瓶詰めした後でも古酒化が進むのです。
 もっと言えば、瓶詰めして製品化した後、勝手に泡盛が熟成して旨くなっちゃうのです。

 それも、日本酒やワインのように厳格な温度管理は必要ありません。直射日光や高温を避ければ、結構てーげーに扱っても大丈夫なんです。


 凄いじゃないですか。

 ウイスキーから苦情が来たり、ブランデーが弟子にしてくれと頭を下げたり、日本酒から泡盛の不買運動を起こされたり、ワインが泣き出すくらい凄いと思うのです。

 だったら、これを活かさない手はないと思いませんか。




 この件に関しては、ちょっとした思い出があります。

 以前、宮古島の某ペンションで、開業20周年ということで、20年前に買っておいた、菊の露とニコニコ太郎を、口開けして飲ませてもらったのです。

 どっちがどっちだったかは忘れましたが、片方は、まろやかだけれど濃厚な口当たり、もう一方は、刺激のないさっぱりした口当たりでしたが、喉ごしの時に「うぉぉ~」な刺激が。

 新酒の一升瓶を買って、20年間置いておいただけなのですが、二つの酒は、全く別物に進化していました。
 


 泡盛が熟成するということは、昔から経験的に知られていて、戦前は、50年物とか100年物とか、とんでもない泡盛があったそうです。
 それらは、大部分が戦火で焼失したということです。何とももったいない。


 戦後、泡盛造りも効率化が進み、大量生産大量消費の流れへと向かい、昔ほど古酒を有り難がる風潮が薄れてきたのだとか。

 その原因の一端が、内地より酒税が安かったことであれば、むしろ残念な結果を招いてしまったと思います。


 この50年間、内地では、日本酒にせよ焼酎にせよ、技術革新が行われてきました。今我々は、徳川家康も福沢諭吉も飲んだことのないような、旨い酒を飲んでいるのだそうです。

 
 ちょうどいい機会です。

 軽減税率廃止で、従来酒が淘汰されるのはある程度やむを得ないと腹をくくり、より商品価値の高い泡盛を追究していただきたい。

 そのために、熟成成分をより多く含む製法の開発とか、熟成が進みやすい容器の開発、熟成が早く進む保存方法の開発に力を入れ、泡盛のポテンシャルを最大限に発揮してもらいましょう。
 

 ボトルなんてダサくても、旨い酒にはそのダサさが却っていいのです。

 PRですか。キャッチコピーは、

 「成長する酒 泡盛」
 「自分を磨く酒 泡盛」
 「自ら歴史を刻む酒 泡盛」
 「お客さんが育てる酒 泡盛」

 なんて、いくらでも思いつくじゃないですか。


 オークションで高値で転売されたら困りますよね。

 転売ヤーに買い占められないよう、通販はせず、現地での対面販売だけにしましょう。
 現地でしか買えないとなると、益々欲しくなるのが人情というものです。
 売り切れると大変だから、販売は一人1本に限定しましょうか。

 むしろ、宣伝は控えた方がいいかも知れませんね。今は、ネットでドンドン情報が拡散されますから。




 後10年、楽しみに待ちます。

 それまで、飲み過ぎてドクターストップにならないよう、十分に気を付けますので、是非共、沖縄ならではの旨い酒を造ってくださいませ。



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2022年4月12日火曜日

宮古島の地味絶景 サトウキビ畑と与那覇地区





 サトウキビ畑以外はほぼ何もない、と言ってもいいような、宮古島南西部の与那覇地区。何もないが故に、普通の沖縄らしさが残っています。


 そんな、与那覇地区で、「ちょっといいな」と思ってシャッターを押した写真。
 今回は、数年間撮り貯めた、与那覇の何でもない写真をまとめてご覧いただく、宮古島の地味絶景集です。 




 上の地図の赤で囲んだ地域が与那覇です。


 何もないと言いましたが、与那覇の西側には、泣く子も黙る与那覇前浜が、東側には、地味ながらラムサール条約登録湿地である与那覇湾が控えます。




 しかし、陸地側から海を眺められる場所はほとんどありません。海際の防風林にがっちり守られているからです。
 なので、敢えて海を見に行かない限りは、サトウキビ畑が広がる平地です。




 ここいら一帯には、戦時中の昭和19年、突貫工事で旧日本陸軍の西飛行場が建設されました。
 「西」というのは、当時、他に2箇所の飛行場が建設されたからですが、この西飛行場は、敷地面積約52ヘクタール、1,250㍍の滑走路を有していました。


 与那覇は、それくらい平坦なのです。




 これも、沖縄あるあるの光景です。造ったはいいが予算がなくメンテできない、カーブミラーのなれの果て。
 でも、サトウキビ畑によく馴染んでいます。




 サトウキビ畑の向こうに沈みゆく夕日。
 夏の宮古島では、こんな時間でも、スプリンクラーによる水撒きが行われています。




 サトウキビ畑のための、農道のような道路ですが、所々、ハイビスカスが繁茂しています。これもなかなか良いですよ。




 集落内も、注意して歩いていると、色々と面白い物が残っています。路地の角には、未だにホーロー看板があります。




 普通のお宅の白い壁面に書かれた画。街角アート?
 おばあの誕生日にお孫さんが描いたとか、確か、そんな話だったと思います。今でも残っていますが、大夫色が褪せてしまいました。




 ゲートボール場。「カニ穴注意」と看板にあるのですが、カニ穴の何に気を付けるのでしょうか。
 ボールがカニ穴に落ちてしまうってこと?




 再びサトウキビ畑に戻って、青々と茂ったサトウキビに映えるカーブミラー。ちゃんとしたミラーも残っています。笑




 その、カーブミラーが、一瞬凄いことに。思わずカメラを向けました。




 与那覇地区には、ザ・ホテル宮古島とも言うべき、宮古島を代表するリゾートホテルである東Qホテルがあります。

 しかし、相変わらずバブリィな宮古島では、静かな与那覇地区に、さらにリゾートホテル建設の計画があるらしく、既に、サトウキビ畑の一角が不自然に切り取られている場所があります。

 
 どうして、「観光客が増える → ホテルを造りゃ儲かる」みたいな、ワンパターンの発想しかできないのでしょうかねぇ。






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2022年4月8日金曜日

まさかまさかの波照間空路復活!!



 失礼ながら、期待させるだけ期待させておいて、どうせまた立ち消えになるだろうと思っていました。

 それが、まさか、まさかの大復活劇です。4月30日から、石垣島・波照間島間の航空路線が復活します。

 2015年に完成し、以来宝の持ち腐れだった波照間空港の新ターミナルが、ようやく日の目を見ることになりました。


 ・・・という予定だったのが、またまた延期になったようです。詳しくはこちら
(5月3日追記)



 琉球新報(3月29日配信)によると、

 第一航空(大阪府)は28日、石垣―波照間線と石垣―多良間線を4月30日から運航すると発表した。波照間線は週3回、多良間線は週2回程度を予定。就航曜日はまだ定まっておらず、同社は竹富町や多良間村と調整するとしている。また行事などに合わせて臨時便の就航も予定している。

とのこと。


 使用される機材は、デ・ハビランド・カナダ・DHC-6-400型機、通称ツインオッターというプロペラ機で、定員は19名。


 「ツインオッター」って聞いて心ときめいちゃった人いますか? 笑

 オッター(otter)というのはカワウソのことで、オッターの愛称で親しまれていた同社のDHC-3という機の双発(エンジンが2つ)版だから、ツインオッターなんだそうです。


 短い滑走路で離発着が出来るのが特徴で、滑走路が800㍍しかない波照間空港にはピッタリ。
 ちなみに、新石垣空港、宮古空港とも、滑走路は2000㍍です。



 実はですね、自分、このツインオッターに乗って波照間島に行ったことがあるのです。2001年7月のことです。
 これは、その時の貴重なお宝です。



 かつて、石垣・波照間間は、RAC(琉球エアコミューター)が定期路線を持っていました。

 自分が乗った年の冬、RACはDHC-6を退役させたため、その後はBN-2B(アイランダー)という定員10人の小型機で運航されていましたが、採算性の問題から、2007年2月に運航を休止、11月には完全に撤退します。

 12月からは、かつて沖縄にあったエアドルフィンという会社が、不定期運航を開始するも、翌2008年11月に再び運休となり、その後会社が経営破綻したこともあり、波照間路線は完全に消滅します。


(20年前の波照間空港旧ターミナル)


 空路復活に向け、県、竹富町が、大阪にある第一航空と折衝を始めます。

 同社は、県などの補助受けて、2機のDHC-6を購入。
 波照間路線のほか、同じくRACが撤退した、石垣・多良間路線、那覇・粟国路線が、2015年10月ごろ再開されると発表されました。

 しかし、開業を前にした同年8月、粟国空港で事故を起こし、原因究明までの間、同型機の運航が禁止されてしまいます。

 2018年1月にようやく粟国路線を先行開業したものの、補助金を巡る県と同社のトラブルにより運休、その後、訴訟沙汰にまで発展してしまいました。

 2020年に会社の経営陣が変わり和解が成立、2021年に就航と発表されましたが、今度はコロナの影響でさらに延期と、まさに波瀾万丈、というか、もはや泥沼の状態。

 もう復活は無理かと思っていました。まさか本当に復活するとは!


(20年前の波照間空港の搭乗カウンター)           


 運賃は、片道14,000円。
 所要時間は30分とされていますが、実際の飛行時間はこれよりずっと短いはずです。 何しろ、新幹線並のスピードで石垣波照間間をぶっ飛ばすわけですから。

 今ある宮古・多良間路線も、時刻表では所要時間25分とされていますが、ほとんどの場合、飛行開始後10~15分程度で着陸しています。



 観光客目線で見た場合の空路のメリットは、内地から波照間島に直行(直帰)する場合、石垣空港・石垣港間の移動が不要となり、効率的です。

 また、低い高度で日本最大の珊瑚礁域である石西礁湖の上を通過する訳ですから、天気が良ければ最高の遊覧飛行が楽しめます。


 一方、片道運賃14,000円はかなりいいお値段です。コロナ禍の去年の夏には、東京から石垣島までこれより安い値段で行けたこともあります。
 安栄船なら、燃油が上がっている状況でありながらも、往復で7,040円(4月1日現在)です。

 また、石垣島の中心市街地にいるのであれば、元々の距離が近いので、時間短縮のメリットはほとんどありません。

 石垣市内をヨーイ・ドンで出発するとしたら、バスに乗って空港に行き、搭乗手続、保安検査を済ませ、搭乗口に到着する頃には、安栄船は、既に、波照間島の島影が見えている頃です。


(安栄船)


 欠航が多いことで有名な波照間航路ですが、安栄観光は、2018年から双胴船「ぱいじま2」を導入しました。

 この船は、定員が210名の大型船です。安定運航のため敢えて大型船を入れたと考えられますが、人口が500人にも満たない波照間島には過剰能力で、観光客が押し寄せる夏の一時期を除くと空席が目立ちます。

 その上に空路となれば、小さな島には十分過ぎる移動手段が整うことになります。
 航空運賃には、島民割引が適用されるそうですが、それでもかなり割高です。

 

 同じく就航する、石垣・多良間線はもっと微妙ではないでしょうか。

 かつて、同区間にはRACの空路がありましたが、廃止後は、船便の設定もなく、石垣島から多良間島に直接行く手段はありません。
 逆に言えば、それでも済んでいたわけです。

 多良間島(多良間村)の人口は、1,100人余。行政区域も宮古郡であり、石垣島より宮古島との繋がりが大きいはずです。
 観光的にも、未開拓地です。

 もちろん、県が補助金を出しているのですから、きちんとした需要予測に基づいていると思いますが、全国的な人口減少の局面でもあり、不安が残ります。



 事業主体となる第一航空のHPを見ても、4月8日現在、粟国路線以外の記載が一切なく、1か月を切った時点で、まだ予約もできない状況です。


 紆余曲折を経てようやく辿り着いた道ですから、何とか継続することを願います。個人的には、一度は乗ってみたい路線です。


(あるところにはある泡波の一升瓶)


 
 八重山日報 琉球新報、Wikipediaを参考にしました。


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2022年4月4日月曜日

花咲く竹富島サイクリングの写真10連発




 ♪ 春夏秋冬 ヤレホンニ 花が咲く~ 竹富島 

 竹富島での観光客の主要な移動手段は自転車。もちろん、スポーツサイクルではなくママチャリです。

 花咲く竹富島の集落で、思わずチャリを転がしたくなる写真10連発です。




 温暖な竹富島には、本当に春夏秋冬花が咲いています。

 自生している訳ではありません。島人が植栽に努めているのです。だから、民家の建ち並ぶ集落の小道に、花が咲き乱れています。




 竹富島に渡ったら、まず自転車を借ります。
 ほぼ真っ平らの島ですから、健脚でなくとも自転車で楽勝です。

 レンタル業者がいくつもあります。どこも、1時間300円、1日1500円が相場のようです。




 予約は必要ありません。
 竹富港に着くと、業者が看板を持って待っているので、そこに行きます。
 
 と言うか、複数の業者が客待ちをしているので、どこを選ぶか迷います。どこでも大差ないようですが、目が合ったら最後みたいな・・・ 笑




 港から業者のバスに乗り、ステーションに向かいます。
 そこで手続をし、自転車で出発します。

 帰りは、何時の船に乗るには何時までに戻るように、と伝えられます。  




 二人乗りとか、電動自転車も借りられます。
 竹富島は、山坂ないので、電動はあまり必要ないと思います。
 
 カップルや親子連れで、二人乗り自転車を漕いでいる人も見かけます。当人達は楽しいでしょうが、あまり効率的ではないような。




 竹富島が初めての人には、簡単な観光ガイドもしてくれます。地図もくれます。




 自転車に乗らない場合は、バスがあります。

 船の到着に併せてバスが発着するので、コンドイ浜に行くとか、特定の場所が目的地の場合、バスの方が早く着きます。

 バスと言っても、白ナンバーのマイクロバスです。
 ほかに、数少ないながらも、この島にはタクシーもあります。




 コロナ以前は、年間50万人もの人が訪れていた竹富島。
 昨年は、15万人にまで落ち込みました。

 外国人の団体観光客が来ないうちは、この数字は容易に回復しないでしょう。見方を変えれば、個人観光客がゆったり島を廻るには、今がチャンスです。 






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