2022年4月8日金曜日

まさかまさかの波照間空路復活!!



 失礼ながら、期待させるだけ期待させておいて、どうせまた立ち消えになるだろうと思っていました。

 それが、まさか、まさかの大復活劇です。4月30日から、石垣島・波照間島間の航空路線が復活します。

 2015年に完成し、以来宝の持ち腐れだった波照間空港の新ターミナルが、ようやく日の目を見ることになりました。


 ・・・という予定だったのが、またまた延期になったようです。詳しくはこちら
(5月3日追記)



 琉球新報(3月29日配信)によると、

 第一航空(大阪府)は28日、石垣―波照間線と石垣―多良間線を4月30日から運航すると発表した。波照間線は週3回、多良間線は週2回程度を予定。就航曜日はまだ定まっておらず、同社は竹富町や多良間村と調整するとしている。また行事などに合わせて臨時便の就航も予定している。

とのこと。


 使用される機材は、デ・ハビランド・カナダ・DHC-6-400型機、通称ツインオッターというプロペラ機で、定員は19名。


 「ツインオッター」って聞いて心ときめいちゃった人いますか? 笑

 オッター(otter)というのはカワウソのことで、オッターの愛称で親しまれていた同社のDHC-3という機の双発(エンジンが2つ)版だから、ツインオッターなんだそうです。


 短い滑走路で離発着が出来るのが特徴で、滑走路が800㍍しかない波照間空港にはピッタリ。
 ちなみに、新石垣空港、宮古空港とも、滑走路は2000㍍です。



 実はですね、自分、このツインオッターに乗って波照間島に行ったことがあるのです。2001年7月のことです。
 これは、その時の貴重なお宝です。



 かつて、石垣・波照間間は、RAC(琉球エアコミューター)が定期路線を持っていました。

 自分が乗った年の冬、RACはDHC-6を退役させたため、その後はBN-2B(アイランダー)という定員10人の小型機で運航されていましたが、採算性の問題から、2007年2月に運航を休止、11月には完全に撤退します。

 12月からは、かつて沖縄にあったエアドルフィンという会社が、不定期運航を開始するも、翌2008年11月に再び運休となり、その後会社が経営破綻したこともあり、波照間路線は完全に消滅します。


(20年前の波照間空港旧ターミナル)


 空路復活に向け、県、竹富町が、大阪にある第一航空と折衝を始めます。

 同社は、県などの補助受けて、2機のDHC-6を購入。
 波照間路線のほか、同じくRACが撤退した、石垣・多良間路線、那覇・粟国路線が、2015年10月ごろ再開されると発表されました。

 しかし、開業を前にした同年8月、粟国空港で事故を起こし、原因究明までの間、同型機の運航が禁止されてしまいます。

 2018年1月にようやく粟国路線を先行開業したものの、補助金を巡る県と同社のトラブルにより運休、その後、訴訟沙汰にまで発展してしまいました。

 2020年に会社の経営陣が変わり和解が成立、2021年に就航と発表されましたが、今度はコロナの影響でさらに延期と、まさに波瀾万丈、というか、もはや泥沼の状態。

 もう復活は無理かと思っていました。まさか本当に復活するとは!


(20年前の波照間空港の搭乗カウンター)           


 運賃は、片道14,000円。
 所要時間は30分とされていますが、実際の飛行時間はこれよりずっと短いはずです。 何しろ、新幹線並のスピードで石垣波照間間をぶっ飛ばすわけですから。

 今ある宮古・多良間路線も、時刻表では所要時間25分とされていますが、ほとんどの場合、飛行開始後10~15分程度で着陸しています。



 観光客目線で見た場合の空路のメリットは、内地から波照間島に直行(直帰)する場合、石垣空港・石垣港間の移動が不要となり、効率的です。

 また、低い高度で日本最大の珊瑚礁域である石西礁湖の上を通過する訳ですから、天気が良ければ最高の遊覧飛行が楽しめます。


 一方、片道運賃14,000円はかなりいいお値段です。コロナ禍の去年の夏には、東京から石垣島までこれより安い値段で行けたこともあります。
 安栄船なら、燃油が上がっている状況でありながらも、往復で7,040円(4月1日現在)です。

 また、石垣島の中心市街地にいるのであれば、元々の距離が近いので、時間短縮のメリットはほとんどありません。

 石垣市内をヨーイ・ドンで出発するとしたら、バスに乗って空港に行き、搭乗手続、保安検査を済ませ、搭乗口に到着する頃には、安栄船は、既に、波照間島の島影が見えている頃です。


(安栄船)


 欠航が多いことで有名な波照間航路ですが、安栄観光は、2018年から双胴船「ぱいじま2」を導入しました。

 この船は、定員が210名の大型船です。安定運航のため敢えて大型船を入れたと考えられますが、人口が500人にも満たない波照間島には過剰能力で、観光客が押し寄せる夏の一時期を除くと空席が目立ちます。

 その上に空路となれば、小さな島には十分過ぎる移動手段が整うことになります。
 航空運賃には、島民割引が適用されるそうですが、それでもかなり割高です。

 

 同じく就航する、石垣・多良間線はもっと微妙ではないでしょうか。

 かつて、同区間にはRACの空路がありましたが、廃止後は、船便の設定もなく、石垣島から多良間島に直接行く手段はありません。
 逆に言えば、それでも済んでいたわけです。

 多良間島(多良間村)の人口は、1,100人余。行政区域も宮古郡であり、石垣島より宮古島との繋がりが大きいはずです。
 観光的にも、未開拓地です。

 もちろん、県が補助金を出しているのですから、きちんとした需要予測に基づいていると思いますが、全国的な人口減少の局面でもあり、不安が残ります。



 事業主体となる第一航空のHPを見ても、4月8日現在、粟国路線以外の記載が一切なく、1か月を切った時点で、まだ予約もできない状況です。


 紆余曲折を経てようやく辿り着いた道ですから、何とか継続することを願います。個人的には、一度は乗ってみたい路線です。


(あるところにはある泡波の一升瓶)


 
 八重山日報 琉球新報、Wikipediaを参考にしました。


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