2016年2月29日月曜日

西表島全島が国立公園に やんばる新国立公園も




 沖縄が国立公園ラッシュに湧いています。

 
 西表石垣国立公園のエリアが3月から拡大し、これまで一部区域のみが国立公園内だった西表島は、全域が国立公園の区域になるそうです。

 この国立公園の歴史を紐解いてみると、沖縄復帰直前の1972年4月、当時の琉球政府により「沖縄西表政府立公園」に指定され、翌月5月15日、本土復帰と共に「西表国立公園」に指定替えされます。


 ちなみにこの切手。
 「政府立公園シリーズ」の記念切手として発売される予定でしたが、急遽、復帰の際の、ドル=円交換用証紙として使われたため、郵便局の窓口で発売されることのなかった、復帰前後の混乱を象徴する曰く因縁の切手です。

 描かれているのは、マリュウドの滝でしょう。


 復帰後、改めて日本の郵政省から、「西表国立公園」切手として発行されました。図柄(右側)は、やはりマリュウドの滝です。

 話が脱線しましたが、2007年、石垣島の一部を取り込む形でエリアが拡大し、名称も「西表石垣国立公園」となりました。


 名称は「西表石垣国立公園」ですが、エリアはこの2島だけではなく、「石西礁湖」と呼ばれる、石垣島から西表島にかけて広がる、国内最大の珊瑚礁の海域を含みます。ですので、竹富島、小浜島、黒島などの海域は国立公園区域なのです。


 ちなみに、国立公園というのは、自然の風景地を保護し、利用の促進を図るという目的で指定されるもので、公園内は、普通地域・特別地域・特別保護地区に指定されます。

 一番厳しい特別保護地区に指定されると、枯れ葉一枚、石ころ一つ持ち出すにも許可が必要となります。

 今回の指定で、西表島内は、すべて上記どれかの区分に組み込まれることになります。
 何処がどの区域に指定されるのかは、詳細に報道されていませんが、西表島の大部分は、人の立ち入らないジャングルなので、島人の生活には、あまり影響ないのかも知れません。


 一方、本島北部が、新たに「やんばる国立公園」として指定される動きもあります。

 対象は、沖縄本島の北部の国頭村、大宜味村の一部で、やんばる(山原)と呼ばれる地域です。最北部の辺戸岬は、特別地域に指定されるようですが、西側の海や国道58号線沿線は、国立公園外となるようなので、島民の生活にはあまり影響がなさそうです。

 やんばるは、もちろんあの有名なヤンバルクイナさんのお住まいがあるところ。
 この地域は、実はかなりの部分が米軍の射撃訓練場となっていて、そのために自然が守られているという面もあり、皮肉なことになっています。


 ところで、報道されるところによれば、今回の一連の動きは、「奄美・琉球」のユネスコの世界自然遺産登録を目指す一環なんだとか。
 世界遺産になれば、世界から注目され、観光客も増え、島が活性化するという思惑があるのでしょうが、国立公園化は、自然の保護がメインなので、活性化とは矛盾するような気がしますが、そこはそこで、大人の事情があるのですかね。


 世界遺産は、既に日本だけでも、自然遺産4・文化遺産15もあり、しかも、登録を目指して活動中の地域がいくつもあります。
 初期の頃と比べれば、インパクトも一過性のような気がしますが、いずれにせよ、沖縄の自然を護ることになるのであれば、声援を送りたいと思います。 
 
 

2016年2月23日火曜日

沖縄の道路は○○横断注意!


 ご通行中の皆様。
 ヤドカリ横断注意!
 こいつは、結構デカイ。オカヤドカリでしょうか。自転車で走行中、危うく轢きそうになりました。
 黒島です。
 10月の午後4時頃。かなり影が出ていたので、撮影のため、日の当たる場所まで移動をお願いしました。(強制的に)


 沖縄の離島を車や自転車で走っていると、色々なモノが勝手に道路を横断しています。


 ヤギ横断注意!来間島と小浜島です。


 ネコ横断注意!黒島です。ま、ネコなら何処でも横断注意ですが・・・


 ここまで来ると、横断注意!というよりも、ネコ居座り注意!みたいな。来間島。


 犬横断注意!って、これ無鑑札じゃん。まさか今どき純野良犬なんていないよね。池間島です。


 馬横断注意!与那国島ですが、もう馬優先道路みたいですな。


 牛横断注意!もう、いい加減にしてください。こんなにドヤ顔で道にいたら、注意どころか、逃げるしかありません。黒島です。


 カタツムリ横断注意!って、こんなモンまで注意してられるか。台風の中、どさくさに紛れて、大胆にも車道を横断するカタツムリ。宮古島です。


 セマルハコガメ横断注意!あなた、天然記念物でしょ。何気に舗装された路上を歩いたりしないでください。西表島です。


 身近に自然があり、人も少ない沖縄の離島では、色々な動物たちが道路を横断します。




 だからといって、こんなモノまで横断しないでくれぇ!



 ハブではありません。恐らく、サキシマスジオという種類だと思います。毒はありません。宮古島。

 国産最大種で、大物になると、2.2㍍にもなるんだとか。こんなの轢いちゃったら夢に出てきそうです。ちゃんと、横断歩道を渡ってください。


2016年2月19日金曜日

沖縄移住についてまじめに考えてみた



 「そんなに何度も行くなら、沖縄に住んじゃった方が早いじゃん。」
 「もう、沖縄に移住したのかと思ってました。」

 なんてことを、よく言われるのです。



 プロフィールにも書いたとおり、沖縄に100回行きました。沖縄のことだけで当ブログも3年以上続いています。
 これほどまでに沖縄にはまった自分ですが、移住となると、ちょっと二の足を踏んでしまいます。
 もちろん、個人的事情や趣味の問題もあるのですが、それとは別に、「沖縄に住む」ということに対して、何か見えないバリアのようなものを感じているのです。

 それも、行けば行くほど、沖縄のことを知れば知るほど、そのバリアは簡単に突破できないような気がしてきたのです。

 そこで今回は、若い人や終の棲家を求める中高年に根強い人気の、「沖縄移住」について、まじめに考えてみました。




 かつて、沖縄移住ブームというべき現象がありました。2003年頃からです。
 石垣島では、人口が顕著に増加し、加えて、住民票は移さない幽霊人口が総人口の1割ほどもいたそうです。

 今でも大手書店に行くと、沖縄にターゲットを絞った移住ガイド本が何冊も並んでいて、驚かされます。こんなことは、他の都道府県に関しては見られないことです。

 何故、ここまで沖縄が移住先として人気があるのでしょうか。挙げられている理由は、

・ コーラルブルーの海に代表される沖縄ならではの豊かで美しい自然
・ 一年中花が咲く温暖な気候
・ 都会のような渋滞や混雑のないのんびりした生活
・ 長寿で健康的な食べ物
・ 息づく伝統文化
・ ネットの普及による都会と変わらない生活・文化水準

 もちろん、問題点も指摘されています。

・ 仕事が少なく賃金が安い
・ 物によっては物価が高い
・ 島外・県外移動が不便
・ 虫が多い
・ 台風などの自然災害が多い

 しかし、自分が感じているバリアとは、ここで挙げられているようなことではありません。沖縄に住むには、沖縄の、その地域の独特の文化に溶け込まなければならない、ということなのです。

 それは、都会(自分は「都会もどき」ですが)の生活に慣れた人にとっては、ほとんど未知の世界なのではないでしょうか。



 地域の文化、といっても、抽象的で分かり難いと思いますが、つまりこういうことです。

 竹富島で働いていた人は、「祭りなどの祭事・伝統行事が年がら年中ある。」と言っていました。その他にも、運動会・祝い事・自治会行事などに、準備や打ち上げも含めて参加が求められたそうです。

 もちろん、冠婚葬祭も盛大です。
 例えば結婚披露宴。

 ごく普通の人同志でも、何百人と式に招待することが、今でも時々あります。こうなると、知り合いのまた知り合いみたいな人まで呼ばれます。
 学校の体育館を借り(貸してくれるから凄い!)、主賓級は最前列で宴、その他大勢組は、遙か遠くの席で、配られるのも弁当とオリオンビール程度だとか。
 それでも呼ばれれば、最低限、行って受付を済ませて、それなりの祝儀を渡し、弁当を受け取り、周りの様子を見つつ、タイミングを見計らってフェイドアウトするのだそうです。




 要するに、人間関係がもの凄く濃厚なのです。
 そういう文化が、普通に根付いていて、新参者が、ほどほどの人間関係をキープしたくても、それは許されず、だからといって、積極的に飛び込んで行っても浮いてしまいます。

 そもそもが先祖崇拝で、一家、一族、集落、地域といった地縁血縁が重視される価値観・宗教観が根底にあります。
 地縁血縁が基となって形成されているコミュニティこそが、よそ者が俄に入室出来ないバリアであり、それは、絶対的存在ではないけれど、何となく、でも確実に存在する、やっかいな代物です。

 「ヤマト嫁」という言葉があります。
 「ヤマト」とは、復帰以前によく使われていた「本土」を指す言葉で、ヤマト嫁とは、沖縄の人と結婚して移り住んだ内地の女の人ことです。ヤマト嫁の話と言えば、ほとんどが苦労話として語られます。

 彼女達の中には、たまたま結婚相手が沖縄の人だっただけで、沖縄そのものをあまり知らずに行った人も多いのです。その結果、濃厚な人間関係に悩み、疲れると言います。
 宮古島・石垣島のような、そこそこ都会な島でも、常に誰かに監視されているようだと聞きました。

 このような沖縄の濃い人間関係は、最初は心地よく感じられます。美しい海と共に沖縄移住の誘惑を振りまきますが、いざ、行ってみると、見えないバリアに阻まれ、早々に退転する人がとても多いのです。

 三線が好きで、20代で神奈川県から石垣島に移住した女性は、「石垣はいいところ。でも、唯一の欠点は、周りの人がどんどん帰ってしまうこと。」と言っていました。その彼女も、5年ほど頑張りましたが、向こうで知り合った内地出身の男性と結婚し、その旦那の仕事の都合で大阪へと引っ越しました。




 「沖縄の人は、観光客には優しいが、移住者に冷たい。」ということをよく聞きます。本当に冷たいかどうかはともかく、これの意味するところは、「お客さんは歓迎する。でも、身内に加わりたければ、郷に入れば郷に従え。」と、こういったことなんだろうと解釈しています。

 もちろん、移住して、数年、十数年と、島で安定した生活を送っている人達が大勢いることも事実です。
 その人達は、人間関係形成に努力した結果、向こうで居心地のいいポジションを得たのだと思います。




 なお、誤解のないように言っておきますが、沖縄が住みにくいと主張しているわけではありません。沖縄は、自然だけではなく、社会も文化も魅力が沢山あります。だからこそ100回も行ったのです。

 ただ、オブザーバーではなく正会員になりたければ、それなりのステップを踏む必要があるということです。それは、移住希望者のほとんどが持ち合わせていないであろう、新たな価値感の共有というステップです。

 加えて、移住して帰って来た人を悪く言うつもりも毛頭ありません。その人達は、得がたい経験をしてきたのだと思うし、人それぞれの事情があって帰ったのでしょう。都度新たな進路を選択することは、むしろいいことだと思います。

 言いたいのは、沖縄に移住しても帰って来る人が多いという現実があること、それには、何らかの理由があるはずに違いない、という想像力を働かせほしい、ということなんです。




 沖縄は遠い島であり、内地と違う歴史を歩んできました。情報化社会などといってもみても、人の営みはそう簡単に変わるものではないのでしょう。

 このことは、離島に限らず、大都会那覇でも、本質的には変わりません。


 沖縄は確かに素敵な所だ。しかし、住むとなると、そこには異なる価値観という見えないバリアが存在し、それは、排他的なだけではなく、ある意味崇高なものかも知れず、そのバリアを超えられないならば、今の場所に住み続ける方が快適である。

 これが、100回通って肌感覚で理解した、自分なりの沖縄移住問題の結論です。




 沖縄移住を考えている人は、文化やコミュニティを十分理解し、それに溶け込む決心をしてから行くか、さもなければ、期間を決めるなどして退路を断たずに、取り敢えず長期間滞在してみることをお勧めします。

 そうでなければ、苦労するのは自分です。

 旅先で知り合った若い人が、散々沖縄を誉めちぎった上で「移住したい」と言うのを聞くと、つい、一言言いたくなってしまう、困ったオヤジ化現象が・・・

 

2016年2月17日水曜日

伊良部島・下地島の写真を追加しました【終了しました】



 website「宮古・八重山ってこんな所」を更新しました。

 伊良部島・下地島の写真を追加をしました。

※ このサイトは、2016年12月をもって公開を停止しました。
   長期間にわたりご覧いただきありがとうございました。

  

2016年2月13日土曜日

沖縄に咲く花 ブーゲンビリア


 いきなり季節感を無視した、夏系の写真ですが、寒さが続く中、景気付けにブーゲンビリアの写真で迫ります。しばし、夏気分を堪能してください。 
 
 ブーゲンビリアの写真は、2年ほど前にも記事にしたのですが、今回は、その後撮ったものをご覧ください。



 敢えて、逆光線で撮ってみました。「敢えて」と言うより、この薄い花びらは、逆光で撮ってみたくなります。 

 もっとも、赤い「花びら」は、実は葉っぱ。中の白いのが花です。



 ブーゲンビリア × シロスジアゲハ



 沖縄の風景に、ブーゲンビリアが、文字どおり花を添える点景をいくつか。



 花咲乱れる白砂の道。竹富島のおなじみの風景です。ですが、いつ見ても飽きることはありません。ハイビスカスと共に、この原色の花は、南国沖縄に似合います。



 海もいいですが、沖縄は花もいいです。
 多少春の兆しも見えてきましたが、内地は、まだまだ寒さが続くようです。しかし、冬来たりなば春遠からじ、内地に冬来たりなば沖縄の夏遠からじです。




 

2016年2月8日月曜日

珊瑚も熱帯魚もカメも 沖縄の海でシュノーケリング



 自分が沖縄にはまった最初の頃は、沖縄に行くメインの目的は、シュノーケリングをすることでした。

 最近は、沖縄に行っても、専ら陸上から写真を撮っていて、シュノーケリングの回数はかなり減ってしまいました。
 飽きてきたということではないのですが、準備をして泳ぎに行くのが、だんだん面倒になって・・・
 (決して、寄る年波のせいではありませんぞ。)


 しかし、沖縄に行けば、やはり海の中をちょっと覗いてみたいもの。
 なんだかんだといいながらも、、シュノーケリングをしながら撮った、最近3~4年の間の写真をご覧いただき、「やっぱ、キレイだよねぇ~。」ということを、一緒に再確認してください。



 まずは、波照間島のニシ浜の海中です。ここは、砂浜からそのまま泳いで行く、ビーチエントリーが出来るポイントです。



 こちらは、竹富島。竹富島でシュノーケリングなんて出来るの?とお思いの方も多いと思いますが、ちゃんとポイントがあるのです。
 北側の海ですが、干潮時は、ポイントのかなり近くまで、海中を歩いて行けます。
 コンドイ浜では、ちょっと無理ですが。 



 ところで、自分は、これで水中の写真を撮っています。コンパクトデジカメ+ハウジング。



 池間島、フナクス(ブロックビーチ)。こちらもビーチエントリー可。



 一方、こちらは、船でしか行けない黒島沖。、ショップのツアーに参加しました。
 黒島沖といっても、深い場所でありません。このとき初めて、「アカバナ」を見ました。ダイビングでなければ見られない、深い場所にしか棲息しないと思っていましたが、感激しました。

 同じアカバナなんですが、光が当たらない方向、つまり逆光線だと赤くはないのです。これも、このとき初めて知りました。



 宮古島の某海岸。これで、水深2メートルくらいですか。



 これは、海底。珊瑚ではなく、白砂の海底を上から撮りました。



 シュノーケリングで写真を撮るといっても、珊瑚や熱帯魚に限りません。ただの海の中。でも、もの凄く綺麗な海です。宮古島前浜。



 魚がきちんと整列しています。キビナゴだと思うのですが、ミジュンかな。下地島中の島。ここもビーチエントリーが可能な浜です。



 少し海に潜って、テーブル珊瑚を下から覗きました。西表島の近くにあるバラス島。冒頭の写真も同じ場所です。


 最後にまた書かせてもらいますが、餌付けNO! についてです。

 残念なことに、シュノーケリング中、餌付けをする人がいます。さらに困ったことに、ガイドがお客さんに餌を渡すことが少なくないのです。
 JALの機内映像でも、子供が楽しそうに餌付けする場面が放映されていたこともあります。

 餌付けをすると、魚が大勢近寄ってきて、その瞬間はとても楽しいのですが、少し我慢してください。
 
 餌付けという行為自体の是非はともかく、珊瑚礁という環境に棲む魚に、何をどれだけ食べさせて良いのか、分かっていないそうです。

 餌付けに使われるのは、大抵は、魚肉ソーセージです。食いつきが良く、水に溶けず扱いやすく、しかも安いから。

 しかし、安易に、魚肉ソーセージを与えることで、生態系を破壊してしまう恐れが多分にあるのです。しかも、魚肉ソーセージには、食品添加物も入っていますが、野生の魚が添加物を摂取することは本来あり得ません。

 ツアーに参加して、ガイドから魚肉ソーセージを渡されたら、一席ぶって断るのは勇気が要ると思いますが、受け取ってもそれをご自身が海中にばらまかなければいいのです。
 他の人がやっても自分はしない、それが自分の良識である。そう考えていただければ十分です。


 シュノーケリングは、海水浴の延長で手軽に楽しむことが出来ますが(それですら面倒だとか言ってる奴もいますが・・・)、それでも相手は大自然。
 まずは自分の安全をしっかり確保し、併せて、環境の保全にも気を配ってください。
 そうすれば、楽しみは、また次に、その次にと続くと思うのです。