2022年11月29日火曜日

黒島ならではのアトラクション ウミガメの放流

 


 黒島港に何やら場違いな大型バスが。

 来島客が減り、船の便が減り、秘境の観光地化するのでは、と心配な黒島ですが、この島ならではのアトラクションがこれから始まるところです。




 黒島研究所によるウミガメの放流です。




 研究所で、ウミガメについてレクチャーを受けた後、黒島港の横、あるいは、そのお隣のアサビシバナのビーチで放流されます。

 今、研究所の人がカメを抱えて、皆の前に連れてきました。




 そして撮影会。




 カメの動きは思ったよりずっと早いのです。あっという間に海に戻っていきます。



 これがカメの通過した足跡。もし、自然でこんなのを見かけたら、産卵後のものかも知れません。



 放流というと、ウミガメの卵をふ化させて海に帰す、といったイメージですが、ここで行われているの成体の放流です。

 海で泳いでいるカメを捕獲し、怪我や病気があればできるだけ治療し、体格、体重などを測り、それを場所、日時と共に記した標識を付けて、再び海へと放ちます。

 この標識は世界共通で、再びどこかで捕獲されたときに調査され、生態研究の一助となるものです。

 なお、余談ですが、ふ化したばかりの小ガメの放流は、カメにとって負担となるので、行わないように呼びかけられています。





 黒島研究所は、NPOが運営する、石西礁湖の珊瑚やウミガメの研究施設です。

 様々な生物の標本展示や飼育がされていて、ウミガメやサメに餌やり体験もできます。
 建物は年季が入っており、施設もお世辞にも立派とは言えませんが、手作り感があり暖かみがあります。

 ついでに言えば、オール宮古・八重山の中で、雨天でも楽しめる数少ない施設の一つです。





 ウミガメ放流は、元々は教育の一環として始められたもので、夏休み期間やGWなど、子供の休みの時期に合わせて行われているそうです。

 もちろん、一般の大人でも参加できます。興味のある人は、研究所に直接問い合わせるか、石垣島からのツアーも出ていますので探してみてください。



 高速で海へと突進するカメ。「なんでオレはこんなに写真を撮られてるんだ?」なんて思っているかも知れませんね。 




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2022年11月24日木曜日

嵐の前の静けさ? 宮古島の埋立地トゥリバー Ⅱ

 


 埋立地トゥリバーの運河沿いの遊歩道。

 トゥリバーは埋立地ですが、宮古島と完全に陸続きに埋めたわけではなく、間に幅数メート理程度の海が残されています。

 そして、その運河に沿って遊歩道が整備されています。今回は、あまり知られていないこの遊歩道からの眺めをご紹介します。





 美南海橋(みなみばし)。いかにも狙ったようなキラキラネームですが、この橋がトゥリバーと宮古島を結ぶ唯一の橋です。

 遊歩道から見ないと橋だと気付かず、ほとんどの車はそのまま通り過ぎます。



 遊歩道から眺める運河といっても、これまでほとんど見向きもされず、人とすれ違うことも滅多にありません。

 


 海と直結してはいますが、ここまで陸に囲まれると波立つことはほとんどありません。無風であれば、まるで池のようです。





 人が通らない分、日陰ではにゃんこが堂々とお休み中。




 こんな奴も見かけました。

 大きさや色からするとミヤコヒキガエルかも知れません。だとしたら、レッドデータブックの絶滅危惧種、宮古島市自然環境保全条例保全種という、気持ちだけ希少種。




 この辺りが、トゥリバーの最南端。正面右手方向はもう伊良部大橋の付け根です。




 そこから、西側(海方向)を振り帰るとこんな絶景も。これだけ宮古島に来る人が増えても、まだあまり知られていないポイントです。




 巨大リゾートホテルが開業目前のトゥリバーの埋立地。今は、嵐の前の静けさなのでしょうか。


 自分自身、トゥリバーが意外に絶景だと気付いたのは、ホンの2~3年前。埋立地に整備された人工ビーチや公園なんて、大したことはないという先入観のせいでした。

 しかし、長い間に自然と一体化し、宮古島の見るべき場所、行くべき場所の一つとなっていたようです。

 長年放置されてきた広大な埋立地が、良きにつけ悪しきにつけ、来年の春に生まれ変わります。





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2022年11月20日日曜日

嵐の前の静けさ? 宮古島の埋立地トゥリバー Ⅰ

 


 伊良部大橋の建設と、下地島空港の旅客化に端を発した宮古島バブル。

 その頂点とも言うべき、巨大リゾートホテルが来春開業します。ヒルトン沖縄宮古島リゾート。地上8階、客室数329室。




 ただ単に、巨大リゾートホテルができるというだけではありません。この場所は、宮古島市の都市計画マスタープラン「宮古都市計画」に位置付けられた、官主導の開発地なのです。


 宮古島の西側、伊良部大橋の付け根の北側に位置する、約32ヘクタールの広大な埋立地であるトゥリバー地区です。




 トゥリバーは、合併して宮古島市となる前の旧平良市が、国の景気対策に乗る形で埋立を進め、2000年の時点で既に工事が竣工していたものの、土地の売却ができず、2007年になってようやく外資の会社に売却し、ホテル、ビーチ、マリーナなどが建設される予定でした。

 2008年に着工し翌年には一部開業、と当時は言われましたが、エリアの大部分はその後も、手付かずのままでした。




 一方、埋立地の周辺部は人工ビーチ、駐車場、遊歩道などが整備され、観光客より、島の人達の憩いの場として定着していました。




 トゥリバーとは、宮古島の方言で、のんびりした場所、静かな場所という意味だそうですが、本当にのんびりした場所で、朝夕の涼しい時間帯を中心に、ジョギングやら犬の散歩やら釣りやらで、三々五々人が集まってきます。

 西向きのビーチは、サンセットビーチと名付けられ、夕刻には、マックの袋を抱えた親子連れが砂浜で寛ぐ姿も。




 人工であってもそこは宮古の海。コーラルブルーの美しい海と白砂のビーチが広がっています。

 ところが、宮古島バブルが始まったここ数年は、大型トラックが行き交う、「トゥリバー」ではない場所になっていました。





 旧平良市が思い描いた姿が、2~30年遅れて、ようやく実現しようとしています。
 
 ヒルトン開業後は、トゥリバーの人工ビーチは、ホテルに一番近いビーチとなります。


 もちろん、宿泊客でなくても行けますが、人出は増えるだろうし、それを目当てにここで商売をする人も出てくることでしょう。

 駐車場にはアイスクリームやオリオンビールを売るワゴン車が並んだり、ビーチではジェットスキーが爆音を轟かせるのでしょうか。


 これから先、トゥリバーは一体どうなるのでしょうか。今は、嵐の前の静けさなのでしょうか。





 宮古都市計画についてはこちら


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2022年11月15日火曜日

今年も安定の美しさ 竹富島コンドイ浜2022




 コンドイ浜は、今年もコンドイ浜のままでした。

 当たり前のことですが、宮古島周辺の海が、良きにつけ悪しきにつけ変わって行くのとは対照的に、ここは安定しています。

 変わらず美しかった、2022年の竹富島コンドイ浜の様子です。




 上と下の写真を見比べてください。

 同じ晴れの天候で、かつ、いずれも午前中に撮ったものです。上は7月上旬で台風前、下は9月下旬で台風直後です。

 下の写真は、台風で底の砂地がかき回されたこと、9月とは言え、秋分の後なので、真夏の7月とは太陽光線の届き方が違うのでしょう。

 こうしてみると、海の色は結構繊細です。





 夕方近く、逆光線気味に海が輝きます。疾走するのは、小浜島から戻る八重山観光フェリーの「にぬふぁぶし号」でしょうか。




 お馴染みの四阿からの眺めです。



 
 コンドイ浜の入り口。これは、去年の写真です。



 今年9月です。台風直後で葉っぱが落ちてしまいましたが、なんか明るくなった感じがしますね。笑




 台風で波打ち際には海藻類が打ち上げられ、それを目当てに鳥がやって来ます。




 お騒がせだったリゾートホテル建設計画も、訴訟の後は動きがないようです。

 反対の看板も、残っていたのは枠だけで、すっかり緩んでいます。いや、いいことなんですよ。
 



 穏やかで、それは美しいビーチです。

 手付かずのまま残ってこそ、島の貴重な観光資源になると思うのですが、この美しい海を見て商売をしたくなる人もいるということでしょうね。




 これは、ニーラン石と呼ばれる由緒ある岩です。

 ニーランとは、海のはるか彼方にある神の国のことで、地域によってニライカナイとも言われます。
 ニーランから神々が、五穀豊穣をもたらすために竹富島にやって来て、乗ってきた船のとも綱をこの石に結び付けて上陸したと伝えられています。


 ニーラン石の左手奥が、コンドイ浜です。




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2022年11月10日木曜日

伊良部島と下地島の間の海 伊良下海峡2022

 


 伊良部島の渡口の浜には駐車場が2箇所あります。そのうちの西側の駐車場に車を駐めて歩き出すと、目に前に現れるのは、川、ではなく海峡!?

 
 伊良部島と下地島はすぐお隣ですが別の島。ということは間にあるのは海です。その海を、当ブログでは勝手に「伊良下海峡」と名付けることにします。笑





 「伊良下海峡」の下地島側に降りてみました。これは海でここはビーチ、のはず。



 まるで海のように波立っています。って、海か。
 実は、船が通過した直後で、普段は波の立たない、とっても穏やかな”海”です。




 下地島側から見ています。正面にあるのは、伊良部島になります。この護岸を消しゴムで消してみれば、普通の白砂のビーチのはずですが。




 一方、こちらは伊良部島側からの眺めです。橋が架かっていることもあって、どう見ても川ですよね。





 防波堤に鳥が佇んでいました。まるで絶景に見とれているかのような。




 もう一つ鳥の話題。空を見上げると上空に無数の鳥が。サシバです。

 サシバは、夏の間は日本各地に夏鳥として飛来し、冬が近づくと越冬のため東南アジアやインドシナ半島に向かいます。

 10月頃、南に向かうサシバが大挙して沖縄に訪れます。これがサシバの渡りです。これは、今年の10月7日昼頃の「伊良下海峡」上空です。



 宮古島周辺では、西部の久松の集落や、伊良部島など、主に西側が出現ポイントだとか。

 島のおじぃから聞いた話では、昔は捕って食べたんだそうな。焼くと凄くいい香りがするそうです。


 かつて、フナウサギバナタの展望台は、こうなっていました。これがサシバです。台風で鳥の部分がやられてしまい、屋根のない展望台として残っています。




 それにしても、島と島がこんなに近いのは、かなり珍しいと思います。沖縄では、多分ここだけ。

 ネットで調べてみたら、両島は元々一つの島だったものが、浸食や隆起、そして津波による岩石の移動などにより、今のような形になったという説があるみたいです。

 この間の海は、正式には、入江水道というらしいです。



 伊良部島と下地島を結ぶ橋のうち、一番南にある乗瀬(ぬーせ)橋からの眺めです。左伊良部島、右下地島です。

 「伊良下海峡」の海は、2022年も、とても綺麗なエメラルドグリーンでした。





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