伊良部大橋の建設と、下地島空港の旅客化に端を発した宮古島バブル。
その頂点とも言うべき、巨大リゾートホテルが来春開業します。ヒルトン沖縄宮古島リゾート。地上8階、総客室数329室。
ただ単に、巨大リゾートホテルができるというだけではありません。この場所は、宮古島市の都市計画マスタープラン「宮古都市計画」に位置付けられた、官主導の開発地なのです。
宮古島の西側、伊良部大橋の付け根の北側に位置する、約32ヘクタールの広大な埋立地であるトゥリバー地区です。
トゥリバーは、合併して宮古島市となる前の旧平良市が、国の景気対策に乗る形で埋立を進め、2000年の時点で既に工事が竣工していたものの、土地の売却ができず、2007年になってようやく外資の会社に売却し、ホテル、ビーチ、マリーナなどが建設される予定でした。
2008年に着工し翌年には一部開業、と当時は言われましたが、エリアの大部分はその後も、手付かずのままでした。
トゥリバーとは、宮古島の方言で、のんびりした場所、静かな場所という意味だそうですが、本当にのんびりした場所で、朝夕の涼しい時間帯を中心に、ジョギングやら犬の散歩やら釣りやらで、三々五々人が集まってきます。
西向きのビーチは、サンセットビーチと名付けられ、夕刻には、マックの袋を抱えた親子連れが砂浜で寛ぐ姿も。
人工であってもそこは宮古の海。コーラルブルーの美しい海と白砂のビーチが広がっています。
ところが、宮古島バブルが始まったここ数年は、大型トラックが行き交う、「トゥリバー」ではない場所になっていました。
旧平良市が思い描いた姿が、2~30年遅れて、ようやく実現しようとしています。
ヒルトン開業後は、トゥリバーの人工ビーチは、ホテルに一番近いビーチとなります。
もちろん、宿泊客でなくても行けますが、人出は増えるだろうし、それを目当てにここで商売をする人も出てくることでしょう。
駐車場にはアイスクリームやオリオンビールを売るワゴン車が並んだり、ビーチではジェットスキーが爆音を轟かせるのでしょうか。
これから先、トゥリバーは一体どうなるのでしょうか。今は、嵐の前の静けさなのでしょうか。
※ 宮古都市計画についてはこちら。
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