東洋一と称される、美しいビーチ、宮古島前浜。
でも、ハッキリ言わせてもらいます。
初めて宮古島に行く人は、東急ホテルに泊まる人以外は、今ここには行かない方がいいと思います。
宮古島はこんな所なのかと、ガッカリしたり、誤ったイメージを持たれてしまうかも知れないからです。
コロナが明けた、宮古島前浜のちょっと残念な現状をお伝えします。
前浜港の岸壁の入り口が、車両進入禁止になりました。
ここは港としての本来の役割を終えて、より海に近い駐車場として使われており、コロナ以前は、飲食物販売のワゴン車やトレーラーが常駐していました。
海直結のため、ちょっとした衝突や踏み間違いで、海に転落する危険もあったので、これは、やむを得ない措置だと思います。
港の入り口のすぐ右側に、4月からこんなのができています。「BEACH PAVILION MAEHAMA」
ワゴン車などによる飲食物販売と、水着ショップなどがあるそうで、要するに商業施設エリアです。
岸壁に常駐していたワゴン車などを、安全な場所に集約したのもいいと思います。
問題は、ロープを張って歩行者まで閉め出したことです。
冒頭の写真のように、ビーチは目の前です。しかし、ロープを突破しないでビーチに行くには、店の前を通過しなければ行けません。
新しい施設を造ったから、遠回りしてここを通らないとビーチには行かせませんというのは、利用者にとってものすごく感じが悪いことだと、関係者は誰も気付かないのでしょうか。
前浜と言えば、海が綺麗な宮古島の中でも看板ビーチのはずですが、その品格のかけらも感じられません。
前浜港の手前には、市管理の駐車場があります。コロナ前は、団体客が大型バスを連ねて押し寄せました。
そのために造ったバス専用駐車場。しかし、新たに造ったわけではなく、一般車用の駐車スペースを潰して造ったのです。
コロナ以後、ここにバスがやって来ることはほとんどありません。
それどころか、バス自体が減車され、今、僅かしか宮古島に観光バスが存在しません。一般車がバスの駐車スペースに駐めても、誰にも迷惑はかかりません。
それでも、一般車の便宜は図らず、バス優先のまま。
入り口に張られたロープは、ひょいと一跨ぎすれば中に入れます。法令上の立ち入り禁止区域でもありません。
実際、慣れた人は、より海に近いバスの駐車スペースに車を駐めて、ロープを越えてビーチに行きます。
よく知らない人や、ルールだから守らなければならないと考える真面目な人だけが、律儀に、少ない一般車駐車スペースに車を駐め、店の前を通ってビーチに行くのです。
大人しい奴には従わせ、理屈を言いそうな奴は黙認するみたいなやり方は、自分は、もの凄く嫌なのですが、どう思われますか。
しかも、それを主導しているのは行政なのです。
前浜には、もう一箇所、駐車場があります。前浜港の西側(海に向かって右側)です。「ウインディまいばま」という昔からある市の施設に隣接しています。「ウインディまいばま」は、海の家的なカフェです。
ただ、こちらの駐車場は狭く、すぐ満車になります。また、1台当たりの駐車スペースも狭いため、駐車するのにも、車を降りるにも気を遣います。
そして、ここいら一帯が、前浜で最も感じの悪いエリアなのです。
コロナ前のことですが、ここに車を駐めたとたん、「観光ですか~」とチャラく声を掛けられたことがありました。ここは市営の駐車場ではないのかと問うたら、「いや交通整理ですよ」などととぼけられました。
自分のような、一人でやって来るおっさんにまで声を掛ける位ですから、日ごろ、相当熱心に「営業活動」をしているのでしょう。
女子同士、あるいはカップルでビーチを歩いていると、若い男から「この海をバックに写真を撮りましょう。シャッター押しますよ。」と声を掛けられます。
写真を撮り終えると、続けて、ジェットスキーやバナナボートの営業が始まります。
こういう、離島ののんびり感をぶちこわす、露骨な営業自体感じの悪いものですが、少し前、新婚カップルがビーチで声を掛けられ、波が高い中でジェットスキーを強行し、女性の方が具合悪くなり、病院に駆け込むといったことがありました。
ここまで来ると、感じが悪いとかのレベルではなく、完全に一線を越えています。
この話を聞いたとき、単純に自分は、警察に被害届を出すべきだと思いましたが、本人の意向により、情報提供に止まったそうです。
観光地で何かあっても、警察沙汰にすることは当人の負担が大きく、簡単にはできないというのが現実です。
前浜は、遠浅ではないため、ジェットスキーが多数行き交っていますが、普通に泳いでいる人も大勢います。きちんとエリア分けができているとも思えません。
こんな中で事故が起こらない方が不思議です。いや、もしかしたらもう起きているのかも知れませんが。
以前、ジェットスキーで引っ張る遊具が、海中の重石か何かに繋がれ、海面に浮いたままになっていました。
もちろん、占用許可なしにこんなことはできないはずですが、実際には、不法占用どころか、所有者不明の投棄物になっていたそうです。
こんなことなってるビーチは、石垣島やその他八重山諸島では知りません。
当ブログを書き始めてから、間もなく10年になりますが、東洋一と称される前浜のことは、もう何回も取り上げ、多数の写真を紹介してきました
長く読んでくれている人はお気付きかも知れませんが、初期の頃の記事は、手放しでその美しさを紹介するものでした。
ここ3~4年の記事は、海は綺麗だけどちょっと・・・というニュアンスに変わってきたと思います。
そして、ついにこの記事を書くことになってしまいました。
これから初めて宮古島に行く人は、東急ホテルに泊まる人以外は、今ここには行かない方がいいと思います。
東急に泊まれば、さすがにホテルの目の前でおかしな商売はしないだろうし、ホテルの駐車場なら、チャラく声を掛けられることもありません。
逆に言えば、リゾートホテルに泊まらない限り、このビーチでのんびりできないというのは、とても残念なことです。
泳ぐにしろ、眺めるにしろ、同じように綺麗で、もっとのんびりしたビーチが、宮古島周辺にはいくつもあります。
下地島の通称17END、伊良部島の渡口の浜、目の前の来間大橋を渡った向かい側にある、来間島ネコの舌ビーチ(パチャビーチ)なら、間違いなく満足してもらえると思います。
あるいは、前浜でもずっと北の方に行けば、駐車には苦労しますが、人の少ない美し海が待っています。
今後、当ブログで紹介しようと思っていますが、埋め立て地のトゥリバーのビーチや、島北端の西の浜なども、時間帯によっては、人の居ない3つ星級ビーチに変身します。
(前浜の北側の海)
宮古島周辺では、お一人様1泊数万円という超高級ホテルがドンドン建っています。
その是非はともかく、国内外の富裕層が宮古島に泊まりに来ても、島の看板ビーチがこれではお寒い限りです。
ビーチの品格とは、秩序があり、誰もが、自然を感じながら、安全で安心して遊べることではないでしょうか。
人が集まるところには、商売をしたい人間も集まってきます。そこを上手く調整し、観光客が安心して遊べるようにするのが、行政の役割だと思いませんか。
ちなみに、前浜一帯の海岸は国有地であり、管理者は、法令の定めるところにより現在は宮古島市で、港湾区域の管理者は沖縄県です。
残念なビーチになってしまった前浜。でも、海が綺麗なことに変わりはありません。
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