2020年5月30日土曜日

緊急事態宣言開けの宮古・八重山情報(5月30日)


 長いトンネルから脱し、ようやく先行きに明るさが見えてきたコロナショック。
 緊急事態宣言も解除され、宮古・八重山も、6月1日から少しずつ観光モードが復活します。

 まだ流動的な部分もありますが、5月30日現在の、宮古・八重山の状況をまとめてみました。




石垣市

 離島で唯一感染者を出した石垣島ですが、5月以降新たな感染者もなく、取りあえず何とか乗り切った感があります。

 石垣市は、5月31日までは観光客の受け入れ準備期間とし、6月1日から受け入れを開始するとしています。

 ただ、その際の具体的指針として、観光客は、1週間以上の滞在を原則とし、それ以下の場合、市外へ移動後3日間は毎日の検温及び健康状態の観察の要請、3日後に発熱や体調不良などについて(宿からの)電話確認を求めています。

 万が一の場合は、感染経路を徹底して追いかけるということでしょう。


 ただ、元々長期滞在予定の人を除けば、コロナのために急遽滞在予定を1週間以上に延ばせる観光客はまずいないだろうし、体調変化の確認も、観光客の協力があってこそなので、何処まで実効性が担保できるか、疑問ではあります。



竹富町

 竹富町も、6月1日以降観光客を受け入れることを表明し、経済活動の再開の指針を発表しています。
 その中で、業種や施設ごとに感染予防対策を盛り込んだガイドラインの作成を求め、作成を条件に協力金の支給を掲げています。


 ただ、これはちょっと問題がありそうです。

 例示された、宿泊施設用のガイドラインのイメージの中にこんな項目があります。

・ 長期滞在者を中心に少人数を受け入れる。
・ 感染拡大地域等からは受け入れない。
・ チェックアウト数日後の健康確認作業として感染疑いの有無を確認。
・ 事前に一定期間の検温や健康チェックの実施を予約の条件とする。
 

 旅館業法という法律があって、その第5条では、営業者は、希望者の宿泊を原則として拒んではならないとし、例外は、伝染病の疾病にかかっていると明らかに認められるときなどに限っています。
 つまり、感染拡大地域から来たというだけで宿泊拒否することはできず、違反すると罰則も課せられます。

 法律に抵触することを行政が事業者に勧め、従えば協力金を払うというのは、いくら、コロナだからといっても、これはちょっとヤバイでしょう。
 本来、町が条例を創って規制すべき話です。

 その点、石垣市は、微妙にお願いベースを崩していません。


 もっとも、町は姿勢を示しただけで、後は島民があうんの呼吸で上手くやるのだから、一々目くじらたてるな、と言われそうな気もしますが、島外の観光客とトラブルが起きないことを願うばかりです。



宮古島市

 宮古島市は、緊急事態宣言が解除され、特定警戒都道府県の指定が解除された場合は、従来の渡航自粛要請も緩和するとしていました。

 その際、一般的な注意事項を除き、特段の条件は付けていません。


 このユルさは、正直ホッとします。
 慎重に行動して、迷惑はかけないように努めますから、そんなに嫌わないでくださいというのが、観光客の本音です。 
 

 余談ですが、宮古島市は、オトーリ自粛を島民に呼びかけています。

 オトーリとは、ご存じの人も多いと思いますが、宮古地方に伝わる独特の酒の飲み方で、集まったメンバーが、一つのグラスで酒を廻し飲みします。

 台風で特別警報が出ようかという晩に、市長が職員とオトーリを廻していたと地元紙で叩かれた際、市長は、「職員の送別会だった、1回しか廻していない。」と釈明したほど、島人には定着しています(笑)が、さすがに今、廻し飲みはまずいでしょうな。

 



航空各社

 航空各社は、まだ減便中ですが、全日空は、4月末から運休している羽田―宮古・羽田―石垣線を、6月から不定期ながら一部再開します。

 また、3往復まで減便している羽田―那覇線も、6月から5~7往復に増便されます。

 その他、伊丹―那覇・福岡―那覇・那覇―宮古・那覇―石垣の各便も、1往復程度増便となります。

 
 JALグループは、6月14日までの沖縄路線の減便を発表していますが、15日以降は現時点では未発表です。
 6月10日頃発表としており、一気に全便再開は考えられませんが、一部復活がありそうです。


 下地島空港を発着するジェットスターは、成田・関西共6月15日の運航再開となります。


 感染防止対策として、ANAは、乗務員と乗客のマスク着用徹底など、JALは、3列席の中間席を空席にする形での予約受付けとしています。

 なお、JAL・ANA共、コロナの影響でキャンセルの場合の手数料をゼロにしてくれていますが、この措置は6月30日まで継続されます。



 全国に発令されていた緊急事態宣言が5月中で解除される見込みとなり、ビジネス客など新規予約の動きが出てきている。航空関係者は「本当に少しずつだが、回復に向けた動きが出てきている」と話す。(琉球新報5/23)



石垣空港連絡バス

 石垣空港と、市街地・離島ターミナルを結ぶ路線バスに関しては、東運輸は、市街地を経由する4系統はほぼ通常運行、ANAホテルなどを経由する10系統は一部運休となっています。

 カリー観光バスは、現在大幅減便中で、6月以降どうなるのかは、発表されていません。


安栄観光・八重山観光フェリー

 GW期間中は全便運休、その後も1日2往復のみの運航でしたが、5月18日から若干増えて、竹富島など3島では、1日3往復体制になりました。

 6月1日から15日までは、さらに各1往復程度が増便され、6月16日以降は未定とのことです。

 なお、石垣港離島ターミナルでは、乗船客の検温が行われています。


(八重山観光フェリーHP)



宿泊施設

 ホテルなどの宿泊施設も、休業のところが多かったのですが、徐々に再開に向けてアクセルを踏み始めています。

 大規模なリゾートホテルなどでは、消毒の徹底などの一般的な対策のほか、密を避けるため、宿泊人数を制限したり、バイキング形式の食事を個食形式にしたりと、様々な工夫が行われているようです。

 一方で、プール、大浴場、レストランの一部等、ホテル内の施設を休業しているところは、まだ多いようです。


 個人経営の民宿・ペンションなどは、事実上の休業を強いられていたようですが、6月になったら、あるいは6月中旬辺りからぼちぼち、というところが多いようです。



 オリオンビアフェスト

 例年7月頃から沖縄各地で行われる、オリオンビールがミサイルのように飛び交うという、島人にとっては重要なイベント、オリオンビアフェスト。

 今年はまだ発表になっていないので、きっと主催者も迷っているのでしょう。

 屋外のイベントなので、密らないと思いますが、心配なら2メートル間隔の横並びでビールを飲むのはどうでしょうか。
 みんな酔っ払っていてうるさいので、2メートルくらい離れてちょうどいいと思います。笑





 
 沖縄のコロナ対策に関しては、沖縄県庁を始め、宮古・八重山以外の各市町も含め、ホームページを追いかけていましたが、各首長の考え方に結構違いがあったようです。


 大雑把に分類してみると、

 何をおいても今はコロナ対策を徹底するんだ型

 コロナ対策はもちろんやるけど経済も大事だから上手いことやってくれ型

 感染者もいないしピンとこないけれど一応他島並のことはやっておこうか型


 どこがどうだとは言いません。どれが正解だったかも今時点では分からないし。



 兎にも角にも、「明けない夜はない」から、「冬来たりなば春遠からじ」辺りまで来たようです。

 そして6月1日からは、おっかなびっくり沖縄離島観光が再開されます。

 後になって、コロナ騒動は大変だったけれど、「禍福は糾(あざな)える縄の如し」だったね、と言えたらいいですね。

 もちろん、油断して調子に乗ってはいけないわけですが。


 大手旅行業の代表は、「この時期にしっかりと危機管理体制を構築すれば、沖縄観光の質の向上にもつながる。そのためにも、行政と業界が一緒になって取り組まないといけない」と話す。(沖縄タイムス5/21)



 新着記事は、Twitter と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧いただいている方へ 過去記事の検索方法はこちらをご覧ください。


0 件のコメント:

コメントを投稿