2023年5月30日火曜日

首里城再建中 でもどうもスッキリしません

 


 焼失した首里城の跡地に工場が建設・・・された訳ではありません。

 再建工事中の首里城正殿は、全体がプレハブで覆われていて、その中で作業が進められているのです。




 首里城は、一部ですが、今も公開されています。

 ここから有料区域となる奉神門。門の向こうにちらっと正殿が。あれ、もうここまで修復が、と一瞬思ったのですが。




 絵が画いてあるだけでした。
 



 2019年10月の火災により焼失した首里城ですが、現在国により再建工事が急ピッチで進められており、2026年の完成予定とされています。

 戦争で焼失した首里城を再建するのには、30年以上の月日を費やしましたが、ゼロからスタートした前回と異なり、今回は、その時の設計図が残されていたため、スムーズに工事ができるそうです。


 首里城公園は、本部半島の海洋博公園と共に国営沖縄記念公園であるため、オーナーである国の費用で工事を行う、とこういう理屈のようです。

 令和元年12月11 日 関係閣僚会議の申し合わせとして、首里城復元のため政府一体となって取り組むとされています。




 ところで、首里城の再建については、民間からも多額の寄附が寄せられています。

 沖縄県は、寄附や募金で約55億円が集まったしと(令和4年3月)、これを復興基金に組み入れました。


 県のHPによれば、

 「令和4年3月31日までにお寄せいただいた寄附金は、これまで通り受け皿となる『沖縄県首里城復興基金』に積み立て、国と連携しながら、引き続き北殿・南殿等も含めた焼失した城郭内施設の復元に活用させていただきます。」

とのことで、沖縄県首里城復興基金の活用に関する方針(令和2年7月30日)には、次のように記載されています。

 焼失した首里城の城郭内の施設等の復元に関し、主として次の事業のうち、国営公園事業である首里城の復元に取り組む国と協議、調整が整った事業に充当する。
 正殿の木材調達に関する事業
 正殿の赤瓦調達に関する事業
 大龍柱等の石彫刻、唐破風妻飾等の木彫刻及び龍頭棟飾等の焼物など、屋外彫刻の復元に関する事業
 扁額などの室内装飾の復元に関する事業
 その他、首里城正殿、北殿及び南殿等の復元に関する事業


 基金とは、内閣府のHPによれば、特定の用途に充てるため、他の財産と区分して保有する金銭とあります。

 他にも那覇市が、募金で6億円、ふるさと納税9億円集めたとしています(令和2年10月現在)。




 どうもよく分からないのですが、国費で工事が行われるのに、何故寄付金を集める必要があったのでしょうか。

 国費だけでは、再建に十分な費用が賄えないからでしょうか。
 それとも、国民の税金を使うのは申し訳ないから、せめて一部だけでも有志で賄うという趣旨なのでしょうか。


 また、国との役割分担はどうなっているのでしょうか。

 基金の活用方針を読むと、国との協議・調整が整ったら木材や赤瓦の調達をするということですが、普通に読めば、寄附を集める段階では具体的な使い道は決まっていなかったということですよね。

 そもそも、こうしたことは、寄附を集める際にきちんと説明されたのでしょうか。


(自分も3円分寄附しているみたいです。 笑 )



 火災発生後、すぐに支援の輪が広がり、寄付金が寄せられました。これは関係者の善意に支えられたものです。

 当初寄付金は、沖縄美ら島財団という一般財団法人が管理をしていました。
 一般財団とは、一定の条件を満たせば誰でも設立できる団体で、公益財団のように監督官庁の監視もありません。


 溢れる善意の受け皿がすぐには整わなかった、という話ならば理解できます。

 しかし、「募金先が決定してから慎重に金を集めるべきだ」という自治体からの意見もあったと報道されたことなど、実際は、スキームも決まらないうちから、とにかく寄附集めが始まったようです。


 那覇から遠く離れた離島でも寄附が呼びかけられました。

 ある人は、「これではまるで奉加帳方式だ」と息巻いていました。奉加帳方式とは、要するに寄附と言いながら、事実上の割り当てがあったということでしょう。

 別の人は、「原因も責任もはっきりしないのに寄付なんかできるか」と、これまたお怒りのようでした。

 よく言えば熱心な、悪く言えば半ば強引な寄附金集めが行われていた可能性もあります。

 そんな中で、石垣市で約400万円の寄付金を職員が着服する事件や、SNSを通じた募金詐欺もあったとか。

 

 それほどまでして集められた首里城再建のための寄付金ですが、改めて、これは本当に必要だったのでしょうか。

 寄付金の使い道は、寄附をした人の思いに適ったものだったのでしょうか。


 本来ならば、「国費でここまで再建するが、完全な復元には後いくら必要で、県の財政ではここまでしか出せないから、残りいくら分は寄附をお願いします。」といった話になるべだと思うのですが、そういった説明を受けて、納得して寄付をした人はいらっしゃいますか。

 


 火災の原因は今も分かっていません。
 放火や他施設からの延焼ではなく、施設内の漏電によるものとされていますが、では何処で漏電して出火したのか、何故漏電事故が起こったのか、那覇市消防局は、2021年に火災原因は不明という報告書をまとめました。


 3年半ほど前のあの日、朝のNHKニュースで、首里城が炎上したとのニュースを見て衝撃を受けました。

 文化財であるだけではなく、沖縄の、琉球の人々の精神的支柱であったはず。
 ただの沖縄好きの自分でさえショックなのだから、地元ではさぞや衝撃が走ったのだろうと思いました。

 それが、原因もよく分からないうちから、さあ再建だ、みんなで頑張ろうという流れになったような気がして、どうにもスッキリしないのです。

 この点、皆さんはどうお感じでしょうか。
 



 かつて、札幌時計台や高知はりまや橋と並ぶ日本三大がっかり名所だった守礼門。
 理由は、門だけ先に復元されたけれど、その先に正殿がなかったからがっかり、ということのようです。

 その後、正殿が再建され、守礼門はがっかり名所から名誉ある陥落を遂げたのですが、再びがっかりの危機に瀕しています。



 首里城は、何故再建されるのでしょうか。文化財だからでしょうか。沖縄県民の心のよりどころだからでしょうか。観光名所だからでしょうか。それとも、土建工事をやりたいからでしょうか。

 

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