2023年3月16日木曜日

本気で考えた 運転免許なしで遊ぶ宮古・八重山 Ⅴ


 超車社会の宮古・八重山で、観光客が車の運転無しで遊ぶ方法。最終回は、車無しでは難易度の高い宮古島と周辺離島です。

 宮古島と池間島・来間島・伊良部島・下地島は橋で結ばれているので、感覚的には宮古島の一部です。全部まとめて宮古島としてご紹介します。


 実際に利用される際は、その時点の最新情報を確認していただくようお願いします。




 八重山諸島や石垣島と異なり、宮古島は、レンタカーがないとちょっと厄介です。

 路線バスはありますが、ごく一部を除き、観光スポットには直結しない生活路線です。

 観光バスもありますが、東平安名崎と伊良部大橋、来間大橋、池間大橋の3橋を渡るのがメインようで、海遊びには適しません。
 17END(下地島北西端)にも、砂山ビーチにも、来間漁港にも、インギャーマリンガーデンにも行ってくれません。

 宮古島で、行きたい場所に効率よく行くには、どうしても車が必要であり、運転免許がなければタクシーを使うしかありません。


 しかし、宮古島というところは、極論すれば、海は日本のトップクラスと言ってもいいほど綺麗だけれど、海しか見るべき場所がない、という一点豪華主義みたいな島です。

 ですから、ビーチやら展望台やらをくまなく巡り、全てのビューポイントを制覇するよりも、何処かのビーチに絞って、時間をかけてゆっくり眺めたり、歩いたり、写真を撮ったり、泳いだりする方が、宮古島の楽しみ方としては相応しいように思うのです。

 それは、車があろうと無かろうと一緒です。


 なので今回は、宮古島には車無しでは行けない場所があるという前提で、もし自分が運転免許をもっていなかったら、レンタカーが借りられなかったら、宮古島でどう楽しむかという視点で考えてみました。

  


とにかく17ENDに行ってみる

 17ENDの海は、もしかして日本一かも、と思うほど美しく、その上、目の前で飛行機が轟音を響かせて離発着するという、沖縄でも唯一無二の場所です。

 宮古島に初めて行く人には、是非行ってもらいたい場所です。

 でも、17ENDには、路線バスは通ってないし、観光バスも行きません。そこで、下地島空港ターミナルから歩いてみましょう。


 Googleマップによれば、片道3.3㎞だそうです。

 確かに、炎天下の沖縄でこの距離を歩くのはきつい。島人は、死んでも歩かないと言うでしょう。笑 
 でも、その価値は絶対にあります。

 ルートは平坦な道で、半分以上は海を眺めながら歩く道です。車で行ったとしても、駐車場から800メートルほどは歩くことになります。

 
 下地島空港を利用しなくても、空港までは路線バスで行くことができます。



 
 ところで、空港のサイトを見ていたら、レンタサイクルがあるそうです。これは使えそうです。朗報。詳しくは後で触れます。



下地島空港発着のバスに乗る

 下地島空港が開港してから、飛行機の時間に合わせたバスの運行が始まりました。宮古空港には、こうしたサービスはありません。


 バスは、中央バスと共栄バスの2社が運行しています。

 どちらもほぼ同じルートなのですが、2社競合している訳ではなく、中央バスは、空港リムジンバスであり、空港発便の途中乗車、空港行き便の途中下車は出来ません。

 ハイデッカータイプのゆったりした車内で、伊良部大橋を経由し、空港とアトール、東急、シギラエリアホテルなどを結びます。


 一方の共栄バスは、こちらも飛行機に合わせた運行ですが、途中で乗り降り可能な一般路線バスです。

 嬉しいことにこのバスは、渡口の浜や、伊良部大橋の袂にも停まってくれます。中心市街地にもこまめに停車するし、伊良部大橋も渡るので、空港利用者以外が遊びに行くにも使えます。

 本数が少ないのが欠点ですが、例えば、渡口の浜まで行ってとんぼ返りすることはあまりないでしょうから、時間が合えばこの路線は便利です。



自転車でも楽しめるエリアがある

 宮古島は、隆起珊瑚の島で山がないということになっていますが、山は無くても坂はあるし、結構広いので、自転車でこの島を周るなんて、自分には絶対に無理っす!!

 、 エリアを区切れば、自転車もなかなか侮れないのです。


与那覇エリア

 三角形の宮古島の左下、南西方向にある、旧下地町の与那覇地区は、戦時中に陸軍の飛行場が造られたほど平坦な地で、自転車移動に向いています。

 国道を避け、サトウキビ畑に囲まれた農道を行けば、交通量も少なく、爽快なサイクリングが楽しめるでしょう。


 ここには、何といっても前浜があるし、西浜崎、与那覇湾(サニツ浜)辺りは圏内です。もう少し足を延ばして、北は川満辺り、東は入江湾辺りまでほぼ平坦です。

 来間大橋は途中上り坂がありますが、袂にある農村公園に自転車を止めて、歩道を歩いてみるのもいいでしょう。


 話が逸れますが、池間大橋、来間大橋を歩いてみると、車で通過するより圧倒的に素晴らしい眺めを満喫できます。
(伊良部大橋に関してはちょっと長すぎるので・・・)



下地島周辺エリア

 下地島で自転車が借りられたら、17ENDに歩いて行く替わりに、途中まで自転車で行けるほか、伊良部島の佐和田の浜や渡口の浜辺りは楽勝です。

 少し上り坂もありますが、下地島の空港を挟んだ反対側にある中の島や通り池、さらには、伊良部大橋の袂辺りまでは頑張れば行けます。


 ただ空港で借りると、レンタル料が2時間1500円、1日2500円とちょっと高いみたいです。また、一部交通量が多い道があるので注意してください。。




何処に泊まる?

 ビーチサイドのリゾートホテルというのは、憧れの存在です。そんな所に泊まれば、あくせく移動しなくても、ホテルステイだけで宮古の海を満喫できるし。

 ところが、宮古島ではこれだけ綺麗なビーチがてんこ盛りにありながら、最高のビーチの前に建つホテルはあまりありません。

 17ENDにも、渡口の浜にも、猫の舌にも、砂山ビーチにもビーチサイドホテルはないのです。


 この点、唯一お勧め出来るのが、前浜にある東急ホテルです。
 最近何かと問題の多い前浜ですが、東洋一とも言われる美しい海であり、東急ホテルの前の海はきちんと管理されているので、安心して遊べると思います。

 また、ここは宮古島の老舗ホテルであり、サービス水準も安定しています。

 ただ、何といってもイイお値段です。しかも、夏期間は予約も取りづらい。でも、お隣にもホテルがあるし、徒歩圏内には民宿やらゲストハウスもあります。

 しかし、前浜のある与那覇地区は、飲食店が少なく、食事の付かない宿に泊まった場合、食事をどうするのかという問題があります。



 宮古島の南側にあるシギラのエリアは、広い敷地を同一業者が開発したので、ホテル、ビーチ、飲食店、温泉、ゴルフ場まで、すべてエリア内で完結します。
 宮古空港・ホテル間やエリア内のシャトルバスも運行されています。

 一方、場所的にエリア外の移動は、車無しだとかなり厳しいので、滞在中ここのみで遊ぶのであればいいと思いますが、17ENDも前浜も砂山ビーチも見ない宮古島滞在は、ちょっと物足りないかも知れません。

 

 ホテルが多いのは、中心市街地エリアです。

 コロナで話題となった夜の店も含めて、飲食店が建ち並ぶのは、西里通り、下里通り周辺です。
 エコノミーなホテルも多く、駐車場に苦労するホテルもありますが、その点車がなければ選択肢も増えます。

 ただ、海で遊ぶには何処行くにしても遠く、作戦を考える必要があります。



海遊びはショップのツアーを

 宮古島に来たからには、シュノーケリングをしたいという人も多いと思います。

 宮古島周辺の、ビーチエントリー可能なシュノーケリングポイントは、吉野海岸、新城海岸、シギラビーチ、中の島(下地島)、フナクス(池間島)などが知られていますが、シギラ周辺のホテルに泊まっていれば別ですが、車無しでこれらの場所に行くのは大変です。

 なので、ここは送迎付きのショップを利用して連れて行ってもらいましょう。上記のビーチ以外にも、隠れスポットが沢山あります。
 もちろん、ダイビングやSUPなども同じです。


 宮古島では、これまでレンタカー利用の客が圧倒的に多かったので、現地集合としている業者もありますが、送迎をしてくれる業者も少なくありません。

 ただ、ややこしい話ですが、有料で送迎を行うと白タク扱いとなって、道路運送法違反になります。
 だからでしょうが、送迎不要な場合は500円引き、なんていう微妙な広告を打っている業者もあります。

 それで問題がないならばやむを得ませんが、運転免許を持たない人の身になって、送迎してくれる業者がみつかるといいですよね。

 


宮古島ループバスに期待
 
 宮古島の路線バスは、観光スポットには直結しない生活路線だと書きましたが、実は、2月までは観光客向けの路線バスが走っていました。

 宮古島ループバスです。

 中心市街地方面から、これまで路線バスでは行きにくかった、吉野海岸、東平安名崎、保良泉、インギャーマリンガーデンへのアクセスを改善し、島の駅にも立ち寄るなど、使えそうなルートで、しかも、1日1000円のフリーパスもあったのです。


 これは、市が音頭をとった実証実験で、島内のバス会社3社が2020年から共同運行していました。

 しかし、途中でコロナの中断もあって、やっているのだか、やっていないのだかみたいな状態が続き、昨年8月に再開したものの、PR不足は否めず、観光客にほとんど知られないまま、実験期間満了となりました。

 2023年4月以降に再開するか否かは、現時点で発表されていません。

 基はといえば、車の運転をしない外国人観光客の需要に対応する目的だったとかで、そうであるならば、この記事のテーマにピッタリ沿うものでした。

 
 折しもレンタカー不足、タクシー不足が懸念される中、是非、今後も続けていただきたいし、それと同時に、しっかりとPRをしてください。
 宮古島に着いてからループバスの存在を知っても、遅すぎます。

 逆に観光客の、喩え1%でもループバスを利用する前提で島に来てくれれば、バスは大盛況なのではないでしょうか。

 

終わりに

 車なしで周るとなると、歩いたり自転車に乗ったりする時間が多くなります。
 それは嫌だ、かったるい、という人も多いでしょうが、この際ですから、日頃の運動不足を解消し、疲れた夜にはオリオンビールでも痛飲してください。

 そもそも、運転免許を持っていないのは、若い人が多いということなので、あまり問題にならないかも知れませんね。

 
 島では、急なスコールがあるので、その点気を付けてください。自分は、リュックサックに、カメラと共に必ず折り畳み傘を入れて持ち歩いています。


 ビーチに泳ぎに行くのに、バスに乗ったり自転車を漕いで行くのは何となくダサいと思われるかも知れませんが、島に着けばあまり気にならないと思います。

 高級ホテルもありますが、島の雰囲気自体は、おしゃれなリゾート地というよりも、豊かな自然とのんびりした時間が感じられる田舎です。


 気合いの入った、マキシスカート、つばの大きな帽子、肩出しお腹見せファッション、高級サンダルでなくても、全然大丈夫です。

 10年以上前の話ですが、羽田から那覇に行く飛行機では、おしゃれな乗客が多かったのに、那覇から先の離島便では、ジーパンにTシャツみたいなラフな格好の客が急に増えたのが印象的でした。

 観光客の急増でバブルといわれる宮古・八重山の島々ですが、本質的な部分はそう簡単に変わりません。 



 何処に旅行に行くにせよ、誰が旅行に行くにせよ、何らかの制約はあります。

 時間の制約、予算の制約、季節や天候による制約、予約が取れないことでの制約などなど様々な制約の中で、色々工夫して計画を立てるが、旅行の醍醐味でもあったりします。

 運転免許がないという理由だけで、宮古・八重山をスルーするのはもったいないと思います。行ってみれば、きっと何とかなりますよ。



(終わり)






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