運転免許は持っていない、持っていても知らない土地で車の運転をしたくない、でも沖縄には行ってみたい、そういう人が若い層を中心に相当数いるようです。
そんな人達が、超車社会である沖縄の、特に宮古・八重山で、車の運転無しで楽しむ方法を、観光客の立場で考えてみました。
実は、以前にも同様の趣旨の記事をアップしたことがありますが、抽象的な話が多かったかも知れません。
今回はその点も踏まえ、具体的で役立つ情報提供を本気で考えました。例によって長くなりそうなので、何回かに分けてお伝え介します。
きっかけは
琉球新報Digital(1月6日版)が報じた、「首都圏・阪神圏のZ世代のうち62.9%が旅先でレンタカーを運転したくないと思っていて、44.4%は自動車の免許を保有していなかった。」というニュースでした。
毎日新聞の1月20日付け夕刊の一面トップでも、「沖縄観光公共交通に注目」という記事が載っていました。
折しも、沖縄ではレンタカー不足が問題となっていますが、そもそも車を運転しない人が増えていることも指摘されています。
沖縄に行きたいのに行けない、というのは、沖縄大好きな自分としては何とももったいない話だと思うのですが・・・
現地では実感も危機感もないのでは
ところが、肝心の沖縄では、どうも関心が薄いようです。
琉球新報の記事は最後に、「県観光振興課の担当者は「通信情報技術を活用して利便性を高めるMaaS(マース)なども活用して、まずはレンタカーと既存の公共交通を組み合わせて利便性を高めるのが第一だ」と指摘した。」と結んでいるのです。
ゆいレールで、てだこ浦西駅辺りまで行って、そこでレンタカーを借りられれば、那覇市街の渋滞を回避できて効率的です。
でも、そもそも車の運転をしない人にとっては、レンタカーと公共交通を組み合わせたって意味ないでしょう。
MaaSとは、自動運転やAIなどのテクノロジーを掛け合わせた次世代型交通サービスのことですが、自動運転はレベル3だとしても、完全到達は早くても2030年だと言われています。
沖縄観光コンベンションビューローでは、webサイト「おきなわ物語」の中で「レンタカーだけじゃない! おきなわ旅の楽しみ方」というページを公開しています。
分量も多く豊富な内容で、今後もアップデートされるそうですが、少なくとも宮古・八重山に関しては、使える内容ではありませんでした。
モデルコースでは、宮古島、石垣島で、「何処から何処までバス何分」とサラッと書いてありますが、バス自体が1日に数本しか運行されていないとしたら、それをどのように組み合わせたら、何処と何処に行けるのかを教えてもらわなければ意味がありません。
与那国島のページでは、タクシーか自転車で行けということになっています。面積は小さいけれど山坂ある与那国島を自転車で周るのは、観光ではなくスポーツの域です。
超車社会にどっぷり浸かっている人達にとっては、車を運転しない人の気持ちが分からないのかも知れません。
どういう情報が求められているのか
レンタカーが使えなければ、代わりにバス、タクシーなどの公共交通を利用するべし、ということは誰でも想像がつきます。
でも、「バスで行けます」と言われても、宮古・八重山のバス路線のほとんどは、2~3時間に1本程度しか運行されていないのです。
タクシーは金がかかるし、自転車移動はチョイ乗り以外は非現実的です。
運転免許を持たない人が本当に知りたいのは、許容範囲の時間とコストで、車なしで何ができるのか、何処まで行けるのかという、具体的で現実的な情報だろうし、そもそもそれで宮古・八重山を満喫することができるのか、という点なのではないでしょうか。
なのでそのニーズに応えられれば、運転免許を持たない人にとって役に立つ情報になると思い立ったのです。
発想の転換も必要
宮古島でも石垣島でも、観光拠点を効率よく廻るには、やはり車が便利です。免許がなければ、金は掛かりますが、観光タクシーを利用するのがいいでしょう。
ただ、そういう遊び方をすることが、宮古・八重山で相応しいかは別問題です。
例えば、宮古島周辺の前浜、砂山、ネコの舌、長間浜、渡口の浜、17END、フナクスなどは、いずれもオールジャパンでもトップクラスの美しい海です。
それらを1日で見て周ることは物理的には可能ですが、必ずしもお勧めというわけではありません。
どこか1箇所か2箇所に絞って、ゆっくり散策したり、泳いだり、あるいはマリンスポーツを楽しんだりする方が、より宮古島の魅力を体感できるかも知れません。
石垣島で、観音崎、御神崎、川平公園、平久保崎、玉取崎、バンナ公園などを周るのも同じことです。
川平公園をゆっくり散策し、グラスボートにも乗れば、あっという間に半日ほど経ってしまいます。早足で各所を巡るのとどちらが充実するかは人によります。
せっかく行くのだから、あちこち周ってみたいとつい思いがちです。
でも、その発想を転換して、宮古・八重山で本当にやってみたいことは何なのか、本当に楽しいと思える瞬間はどういう時なのか、そこをポイントに旅の計画を立ててみるのはいかがでしょうか。
例えば、
・ グラデーション豊かな海を展望台から見下ろしたい
・ 人がほとんどいない海で泳いでみたい
・ シュノーケリングで珊瑚礁やウミガメを見てみたい
・ 穏やかな美しい海でSUPやカヤックを体験したい
・ きめ細かい白砂の浜を素足で歩きたい、何もせずボーッとしていたい
・ 椰子の木やハイビスカスを背景に映え写真を撮りたい
・ ポスターで見たあの眺めを自分の目で見てみたい
・ あれが食べたい、お土産にこれを買いたい
などなど。
つまり、レンタカーで行くべき所に代替手段を使って行くという発想ではなく、やってみたいことをやるためにどのような手段があるかを考えるという発想です。
さらに、旅行する時期、ホテル選び、手荷物を減らす工夫、飛行機の発着時間、宮古島では到着空港の選択なども含めトータルで考えることで、車なしストレスなしの宮古・八重山満喫プランの選択肢が増えると思います。
今回は、プロローグだけで終わってしまいましたが、次回から具体的な話をします。
※ 沖縄観光コンベンションビューローの調査についての記事は、こちら。
※ 沖縄観光コンベンションビューローのwebサイトは、こちら。
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