「車はデートの必需品」「運転免許は持っていて当たり前」と言われた時代に育った自分世代には、衝撃的なニュースが飛び込んで来ました。
琉球新報Digital(1月6日版)が、「首都圏・阪神圏のZ世代のうち62.9%が旅先でレンタカーを運転したくないと思っていて、44.4%は自動車の免許を保有していなかった。」という調査結果を報じたのです。
今回は、この調査をご紹介し、併せて、思うところを書かせてもらいます。
調査結果は、かなりの分量なので、かいつまんで内容を紹介します。
調査を行ったのは、沖縄観光コンベンションビューロー。時期は昨年12月。対象は、首都圏・関西圏の18歳から25歳までの男女千人です。
旅先での運転に抵抗や不安がない=運転ポジ層
旅先での運転に抵抗や不安がある + 運転免許を持っていない=運転ネガ層
とし、事前に予備調査を行い、各層が首都圏・関西圏毎に均一になるようにしています。
調査結果のポイントは、
・ 対象者の44.4%は免許を持っていない
・ 免許保有者でも62.9%が観光地で運転したくない・できれば運転したくない
・ 3年以内に行ってみたい観光地は1位北海道、2位沖縄県
・ 沖縄に行きたいと回答したのは運転ポジ層が48.4%、運転ネガ層が38.2%
・ 上記の差は10.2%でこれは都道府県別で最高値
・ 沖縄に行きたい理由(複数回答)で「憧れの観光地だから」を挙げたのは、
運転ポジ層が28.1%、運転ネガ層が36.1%
この結果をひと言でまとめるならば、
「沖縄には行きたいけれど、車を運転できない、したくないから行かないという若い人が、相当数いる。」
ということになると思います。
この結果には、正直驚きました。
車の免許を持たずに、あるいはペーパーで、宮古・八重山に遊びに来る人も少なからず居ることは知っていました。
当ブログで、運転しない人向けの観光ガイド的な記事を書いたこともあります。
でも、それはあくまで例外だと思っていました。
若い人に限るとしても、大都市圏では、約3分の2の人が沖縄に行っても車を運転したくないか、そもそも免許すら持っていないのです。
そういう人達は、ハナから沖縄に来ないので、そんな実態も分からなかったのです。これは、沖縄で観光業に携わる人達にとっても盲点だったのではないでしょうか。
なかなか有意義な調査です。
しかし、いくら若者の免許離れが進んでいるといっても、半数近くの人が免許を持っていないということは俄には信じられませんでした。
そこで調べてみると、内閣府で公表している令和3年末の運転免許保有者は、20歳~24歳で人口の74.6%となっていました。
この層では、免許を持っていない人は全体の約4分の1ということになります。
調査では、18歳以上が対象だったので、これから免許を取得しようという人もいたと思います。他方、対象エリアが、首都圏・関西圏なので、都市部では車が必要ない人も多いのかも知れません。
いずれにせよ、35歳以上では90%以上の人が免許を保有しているそうなので、やはり若者の免許離れは相当進んでいるようです。
少なからずの人が、沖縄には行きたいのに、車を運転したくないから公共交通が充実している他の観光地に行ってしまう。
これを黙って放置しておくのはもったいない。しかも、それが将来性のある若い人なのだからなおさらです。早急に何か対策を考えるべきだと普通思いますよね。
ところが、琉球新報の記事は最後に、「県観光振興課の担当者は「通信情報技術を活用して利便性を高めるMaaS(マース)なども活用して、まずはレンタカーと既存の公共交通を組み合わせて利便性を高めるのが第一だ」と指摘した。」と結んでいます。
失礼ながら、「なに言ってんだか!」という感想しかありません。
車を運転しないのに、レンタカーを公共交通と組み合わせてどうするつもりなのですか? MaaSって、何年先の話をしているの?
改めて思うのですが、沖縄の行政関係者は、観光客は放っておいてもやって来るという意識がどこかにあるのでしょうね。
ちなみに、MaaSとは、自動運転やAIなどのテクノロジーを掛け合わせた次世代型交通サービスといった意味で使われています。
去年の夏のことですが、「もっと若い人のニーズを吸い上げるべきだ」という意見をもらい、もっともだと思ってブログで紹介しました。
そうしたところ、「いい歳して若い奴に媚びてどうする」という意見があり、これまたごもっとも、と思ってしまったのです。
でも、今回の件で、少し見えて来たことがあります。
沖縄には行きたいけれど、運転はしたくない、できない若い人達と、どうすれば沖縄を楽しむことができるのかを一緒に考えることは、若い人に媚びるわけではなく、しかも、沖縄の楽しさを紹介すると宣言している当ブログの趣旨もに合うことです。
奇しくも、沖縄では、レンタカー不足が問題になっています。
バスに乗れば、自転車を使えば、といった単純な発想ではなく、今後深く考えていくべきテーマだと認識し、色々調べてから追って詳しく記事にしようと思います。
昔、”真っ赤なファミリア” が、若者の間で一大ブームになったことがありました。1980年代でしたか。
マツダファミリア3ドアハッチバック。ほかの色もあったはずですが、赤しか記憶にありません。
1.3Lと1.5Lのコンパクトカーで、給料が安くても、頑張れば新車が買えるという立ち位置だったように記憶します。
ファミリアで、男の子に家まで迎えに来てもらうのが女の子の憧れみたいな。
前席の背もたれを倒すと後席の座面と一体となるフルフラットシート構造でしたが、それで皆よからぬ妄想を・・・
そんな時代がありました。でも、その頃沖縄に行くには、航空運賃がもの凄く高かったのです。
※ 調査の詳細はこちら。
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