これは宮古島の海です。
といっても、全然それらしくないのですが、宮古島の西側に広がる埋立地トゥリバーと宮古島の間にある水路?運河?なのです。
石垣島の南ぬ浜も同じですが、埋立は何故か陸続きには行われず、陸から少しだけ離れた場所で行われます。
何か技術的な理由があるのかも知れません。
トゥリバーの場合、このような幅10mくらいの水路が囲うような形になっています。
ここは間違いなく海ですが、入り組んだ形のため波立つこともなく、風すらもない日は、水面に雲を映す池のようです。
ノッチが残っています。ノッチとは、珊瑚由来の柔らかな琉球石灰岩岩が侵食によってあたかもキノコのように削られたもの。
ノッチがあるということは、海である証拠です。
どこぞの清流かと思うほど穏やかで清らかですが、水の色は、コーラルブルーに近い色をしています。
ここも宮古の海だと自己主張しているような。
人工的な埋立地ですが、自然に溢れているかのようにも見えます。周りは何といっても宮古の海だし、広大な平坦地だし。
埋立自体どうだったのかという問題は措くとして、現実に高いポテンシャルを秘めた広い土地があったのです。
トゥリバーとは、のんびりしたといった意味の島言葉です。
そして、トゥリバーの現在地と言える光景がこちら。ヒルトン宮古島リゾートです。300室を超える大規模ホテルですが、さらに続けて、同規模のホテルも建設中です。
埋立地トゥリバーについて市は、「宮古島コースタルリゾートヒララ」と呼んでいます。ここをよく知っている人は、思わず吹き出しそうになるかも。
市による「宮古島コースタルリゾートヒララ」の開発コンセプトは次のとおりです。
生活環境
ストレス社会からの脱却・高齢化社会の到来による自由時間の増大・人々の健康・美容・自然志向・心の豊かさやゆとりの追求
立地特性
一年を通じて温暖な気候・美しい海、珊瑚礁など魅力的な自然景観・マリンスポーツのメッカ・日本一の長寿社会
これだけ見ても、ツッコミどころ満載なコンセプトです。
温暖とは暖かいという意味ですが、夏の宮古島は「暖かい」で済みますか。
沖縄が日本一の長寿県だったのは50年くらい前の話。今沖縄県民の平均寿命は、女性が全国16位、男性に至っては下から5番目の43位ですよ。
コンセプトに沿って開発したというより、開発がしたくて無理矢理それっぽい言葉を並べたとしか思えないのですが、それは、捻くれた見方でしょうか。
(宮古島市HP)
なんかもったいないと思いませんか。
美しい海に囲まれた、高いポテンシャルを持つ土地なのに、ホテルとマリーナ建設という何処にでもあるような開発をしちゃって。
埋立自体は、旧平良市が本家バブルの頃に始めたものです。莫大な資金が投入されたにも拘わらず企画倒れに終わり、その後、宮古島バブルのおかげで、何とか後始末の目処がついたとも評価できそうです。
でも、あれから40年。当初の予定どおりホテルを誘致し、マリーナを建設する以外にもう少し考えはなかったのでしょうか。
トゥリバーについて思うことはまだまだあるのですが、いずれまた。
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