2026年5月18日月曜日

金持ち優遇? 青組マイル修行者の悲嘆

 

 沖縄に行くときに、あなたはJAL派ですか、ANA派ですか。それとも、スカイマーク、ピーチですか。

 自分は、無派閥だったのですが、近年、羽田・宮古、羽田・石垣路線に関しては、ANAの方が安い航空券が買えることが多かったので、7:3位でANA派でした。


 旅好きや航空マニアの中には、ハッキリと、JAL派、ANA派と公言する人も少なくなく、そういう人達を、機体の色から、赤組、青組なんていう呼び方をすることもあります。


 ところが最近、青組の一部が怒りの声を上げる騒ぎが起きました。




 日本航空(JAL)と全日空(ANA)は、優良顧客を囲い込むために、上級会員制度を設けています。

 JALはJGC(JAL グローバルクラブ)、ANAはSFC(スーパーフライヤーズカード)といいます。

 これらの上級会員になると、ネームの入った革製の手荷物タグがもらえるほか、

 優先搭乗ができる、預けた手荷物が早く帰って来る、空席待ちの際優先される、搭乗マイルにボーナスが付く、そして主要空港ではアルコールも飲み放題のラウンジが利用できるなどといったご褒美があります。



 上級会員になるには、かつては両社共、年間(暦年)で一定のポイント数に達するまでその会社の便に乗り、それが達成できたら、最低でも年会費が1万1千円以上の両社のクレジットカードに申し込むことが条件でした。

 一度上級会員になると、カード会費を払い続ける限り会員であり続けます。

 そこで、1年間だけ頑張って、用もないのに飛行機に乗って会員資格をゲットするという、「修行」を行う人達が現れました。

 

 ANAの羽田・中標津(北海道)線は、羽田を発った飛行機が短時間の滞在で折り返してくるため、距離の割に効率の良い修行場とされ、特にオフシーズンは、中標津に着いてそのまま折り返してくる客が相当数居たそうです。

 コロナの頃海外に飛んで、到着国の入国が許可されなくても修行なので構わないという客もいました。


 修行は、バラエティ番組にも数多く取り上げられ、その大半は、修行者を変わり者扱いして面白おかしく取り上げるものでしたが、マニアにとってはそれも勲章でした。


 そうした、汗と涙の結晶(?)である上級会員資格に、ANAが更なるハードルを設けると発表し、修行を終えて上級会員になった青組の人達が怒り狂っているというのです。




 ANAは、2年後から上級会員を並と特上に分け、特上会員になるには、クレジットカードであるANAカードを年間300万円以上使うか、通算してべらぼうな回数ANA便に搭乗しなければならないとしました。

 しかも、特上会員になれば従来のサービスが維持されますが、並会員は一部サービスが受けられなくなります。

 その一番大きな違いは、ラウンジを利用できるかできないかなのです。
 


  2026年時点の国税庁の調査では、日本人の平均年収は約460万円だそうですが、平均的な日本人が、クレジットカード(それもANAカードのみ)で年300万円以上使うことはまずないでしょう。
 
 そうすると、特上会員になれるは、平均以上の金持ちか、個人事業主で経費をうまいことカードで支払える人などに限られることになり、金持ち優遇だと批判されているのです。

 特に、ANA便の利用ではなく、ANAカードの利用という点で、航空マニアの怒りに火を点けてしまいました。 
 

 ANAはこれまで、上級会員の魅力をアピールし、閑散期には、獲得ポイントが2倍になるキャンペーンも行ってきました。

 特に、一度獲得した会員資格は永続する旨PRしていたことに、怒りの矛先が向けられています。
 そこには小さく、「制度が変わることもあります」と書かれていましたが、それではどこかの危ない通販と一緒じゃないか、という話になるのです。


 このことは、よほど衝撃が大きかったようで、大手メディアから個人のブログまで、数多く取り上げられ、絶賛炎上中と相成った次第です。




 一方のJALも上級会員制度にメスを入れたのですが、JALの場合は、会員資格の獲得条件を年間のJAL便の利用実績から、通算によるJAL便の利用やJALカードの利用など、これまでのJALグループへの貢献度がポイント化されることになりました。

 それにより、1年間という期間の制約はなくなりましたが、ハードルはかなり上がりました。

 それでもJALは、既存会員の特典には手を付けなかったことから、ANAとの比較で高評価されているのです。

 
 ANAの公式発表ではないですが、報道記事を読むと、上級会員が増え過ぎてラウンジが混雑しているから、ラウンジ入場者を制限するための対策だとするものが多くありました。

 一方のJALは、現在、羽田空港のラウンジの改修工事を行っており、JALは多くの会員を受け入れる設備を整えているという見立てもあります。

 この話とは関係ないと思うのですけれどね~。


 ある記事では、会員番号の名称を、ANAはお客様番号、JALはお得意様番号としていることを取り上げ、「こんな所に両社の顧客に対する考え方の違いがある」とかいっていました。

 最近JALは、「時間までに搭乗口に来ないお客様は待ちません」というかなり強い口調のPR動画を作成しましたが、これすら「そのとおりだ」と賞賛するものが多くなっています。

 反対にANAは、今月から一番安い運賃はチェックインするまで座席指定ができないなどとしたことから、LCC並だと批判されることも増えています。


 今、ANAは何をやっても悪者で、JALは何をやっても誉められるみたいです。


 今年の冬には、JALが搭乗ポイント2倍キャンペーンを行った結果、宮古・多良間便に修行者が殺到して、島民の利用に影響が出ました。

 あの時は、JALを叩く論調が多かったのですが、喉元過ぎたら早くも忘れてくれたみたいです。

 ANAも、今は姿勢を低くして嵐が過ぎ去るのを待つしかないようです。



 JALも将来、JALカードの利用300万円以上を上級会員資格にする可能性もあるわけですが、今回の騒ぎを見たら、当分手を付け難いと思います。

 その意味では、赤組の人達は内心ホッとしているかも知れません。




 もっとも、ラウンジを利用したり、優先搭乗できるといったサービスは、上級会員にならなくとも、ファーストクラス・プレミアムクラスを利用すれば受けられます。

 修行には、最低でも50万円近くかかるそうですが、その金を本当に飛行機に乗りたいときに分散投資して、ファーストクラス・プレミアムクラスを使った方が、トータルでは得になるケースが多いと言われています。


 しかし、マニアの心理とはそういうものではありません。もし、入会金50万円で会員資格が得られるしたら、金額に見合ったサービスを受けられるかを考えるでしょう。

 そうではなくて、ANA便に乗りまくった者だけに与えられるSTATUSだからこそ、損得を考えずに修行するのはないでしょうか。
 ANAに忠誠を誓ったのに、裏切られた青組の怨嗟は如何ばかりか。



 趣味を経済的合理性で語ることは無意味です。自分は、既に160回以上沖縄に行っていますが、そのことの合理的理由など絶対説明できない自信があります。

 と言うか、160回沖縄に行ったなどと宣言してマウントを取ろうとすること自体、一般の人から見れば変ですよね。
 (その程度の自覚はあります。笑 )





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