波照間島の波照間酒造所というところで作られている泡盛です。
「幻の泡盛」なんて言われています。
入手困難と言われていますが、以前「泡波バブル」の時代がありました。
現地で数百円の3合瓶入り「泡波」が、石垣島で4千円、那覇で1万円、東京だと2万円とか。
東京では、一升瓶10万円説もありました。実際に銀座の沖縄料理店で3合瓶19,800円也を目撃したことがあります。10年近く前の話ですが。
なんでこんなことになったのかというと、話題として煽った出版社の影響と思われます。
旅行雑誌A(02年版)「工場が小さいので生産量が少なくほとんど島内で消費されるため幻の泡盛と言われている。」
旅行雑誌B(2000年版)「幻の泡盛。生産量が少なく島でも普段はあまり飲まないのでお祝い用にとっておくそう。民宿によってはひとなめサービスしてくれるところもある。」
こんなこと言われたら、酒好きなら誰でも欲しくなりますよね。
でも、島内で消費される分はちゃんと流通しています。 島外には販路がないので、それを金で何とかしようとするとこんな値段になっちゃうのだと思います。
しかし、経済と同じでバブルは弾けます。
Y!オークションなどで「泡波」が多数出品されていますが、強気の値段設定のものには今では札が入りません。
横浜の某沖縄料理店で、「泡波」がグラス1杯1,500円でした。
今の値段としてはそんなもんでしょう。
その店の客が「泡波」を頼んで、「さっぱりしてコクがあって旨い」と、私に言わせれば意味不明の感想を述べていました。
ところで、「泡波」は貴重だとは言われても旨いとはあまり言われていないんですね。オークションや広告の説明では「さっぱりした飲み口」と紹介される程度です。
自分自身の感想はと言えば、正直に言って他の泡盛と区別がつきません。さっぱりと言われればさっぱりかなという程度。強いて言えば少し軽めで少し甘みを感じるような気がするようなしないような・・・
そもそも、蒸留酒であり同じ原料からほぼ同じ製法で造られる泡盛の新酒には、酒造所による違いがあまり現れません。そこが沖縄らしいところでもあります。まして、どんどん造ってどんどん飲まれる小さな蔵の単一ブランドの酒ですから。
件の客に「泡波の違いが分かるのは相当な飲み手ですね」と皮肉を言ったのですが、皮肉が通じず素直に喜ばれてしまいました。
こちらは、「照島」という酒。伊平屋島の伊平屋酒造所の酒です。
珍しい「7年」古酒の「芭蕉布」という商品。
例えば、これは単純に入手難ですが誰も見向きもしません。Y!オークションでもまず見かけません。
入手したいという人が居ないと話題になりません。
もちろん「泡波」の批判をするつもりはさらさらありません。
人口が600人を割り込み、観光とサトウキビ以外にはこれと言った産業がなく、一度海が荒れれば生活物資も不足するようなそんな離島、いや、孤島の波照間島。
そんな小さな島で酒だけはしっかりを造っているんですよ。
凄いと思いませんか。
そこに想像力が及ばない人がこの酒を飲んで何が楽しいのかな、とつい思っちゃうわけです。
波照間島には、こんなにきれいな海があり観光客には人気ですが、海以外には何もない島でもあります。彼らの多くは、1泊、若しくは日帰りで海を満喫したら戻っていきます。
でも敢えて島でのんびり時間を過ごし、その上でこの超地酒を飲めば、単に旨いとか旨くないとかいう次元ではなく、愛おしい酒だと思いませんか。
最後に、どうしても飲みたいが波照間島までは行けないという方へ。
石垣島には意外と流通していますので、探してみてはいかがでしょうか。
波照間島から石垣島に送る分には輸送料が免除されるとか。石垣島のペンション某のおじぃに聞いた話です。
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