2014年2月6日木曜日

宮古島には川がない、か?

 沖縄一美しいという人もいる宮古島の海。




 一番かどうかはともかく、宮古の海が綺麗であることには誰も異論はないはず。でも何故?
 それは、宮古島には山がなく川がないから、大雨が降っても土砂が川から海に流れ出ることがないので、周辺海域の珊瑚が良く育つから、と言われています。


 なるほど。よく分かりました。でもこれは?
 
 これはですね~。
 これは、入江湾という場所です。だから海なんです。


 「入江」なの?「湾」なの?
「ワン!」


 「湾」だそうです。


 じゃあこれは?

 これはですね~。え~と。
 
 ここは、島尻のマングローブ自生地です。説明書きによると、昔は川だったところの名残、とかいうよく分からないことが書いてあって・・・
 でも、間違いなく川である、ということでもないような。


 あっそ。でも、これは?

 むむむ。川みたい・・・
 



 宮古島土地改良事業の説明によれば、「宮古島には川らしい川はない」とありました。なるほど~。これが正解ですね。


 宮古島は、隆起珊瑚の島です。島の地盤の大部分は琉球石灰岩といって、珊瑚礁由来の多孔質の岩石に覆われているため、降った雨はすぐに地面に浸透しますが、琉球石灰岩層の下には粘土質の不浸透地層があるため、深い所まで浸透せず、あちらこちらから水が湧いてきます。
 その湧き水が海に流れ出るため、川らしくない小さな川ができるのです。


 湧水の豊富な川満地区には、こんな池みたいな場所もあります。海に面していますが、湧き水による淡水です。
 


 でも、山に降った雨が徐々に集まって大きな流れになる大河と違って、湧き水で距離も短いため、上流から土砂を運ばないだけではなく、栄養分に富んだ水が流れてくるわけでもないので、河口付近でプランクトンが大発生(これはこれで大自然の大切な営みですが)して水が濁ることもありません。

 だから、結論としては、「川らしい川がないから宮古の海は綺麗だ。」ということになるのでしょうか。


 ところでここは伊良部島です。伊良部にはこんな大きな川が?

 これは、川ではありません。海です。
 左側に見えているのが、伊良部島。右側は下地島なんです。
 両島は、こんな近くにあるんです。だからこれは海。ここは「海峡」なんですよね~。

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