宮古島市で宿泊税
竹富町の訪問税に続いて、宮古島市も宿泊税導入を検討だそうです。
宮古毎日新聞によれば、宿泊代金に応じて1泊当たり500円~200円(1泊5000円未満の宿泊に対しては非課税)の目的税で、2026年度から実施予定とのこと。
目的税とは、特定の目的のために課される、使途が限られる税金です。
まあ、竹富町の訪問税と比べれば、やむを得ないかなという感じはします。
ただ、その使途が、「受け入れ体制の充実強化、環境・景観の保全、文化芸術・スポーツの振興、持続可能な観光の推進」とのことで、ちょっと広すぎやしません?
なんで、スポーツ振興まで観光客が面倒みなきゃ行けないの?
また、宿泊施設が宿泊代金と一緒に税を徴収して市に納めます。それに対し3%の手数料が支払われるそうですが、宿側としてはこんな手数料じゃやってらんないすよね~。
小さな宿で、税額が200円として、10人泊まったら2000円を徴収し、市に納入すると手数料が60円。
オフシーズンか何かで、1人しか泊まらなければ6円です。
税だけに、適当にやるわけには行かないし、領収書も発行しなければならないし。
竹富町の訪問税その後
訪問税に関しては、先日お伝えしたとおりですが、ようやく概要が町のHPに載りました。ただ、記載日現在、パブリックコメント(意見公募手続)については何も触れていません。
竹富島で温泉?でも地元は反対
竹富島で温泉施設の建設が始まろうとしています。
竹富島に温泉が出るの?というのが率直な驚きですが、試掘したら出たんでしょうね。
しかし、地元は反対です。
施設は、ホテルピースアイランドの隣接地に建設予定ですが、近くに真知御獄(まーちおん)という神聖な場所があります。
下の地図で丸で囲った辺りに神様がお出ましになります。
八重山毎日新聞によれば、竹富島を守る会は、臨時総会を開き8割を超える多数で反対決議を行ったそうです。
こういうところが竹富島の素晴らしいところで、島経済が観光に依存していたとしても、伝統文化は守るという姿勢が鮮明です。
ついでに、無理筋な訪問税に反対してくれればもっといいのですが。
反対決議に法的な拘束力はありませんが、事業者は、島民を敵に回してでも温泉を掘るかどうか、決断をしなければなりません。
以前、コンドイ浜隣接地で計画されたリゾートホテル建設に対して、やはり守る会は反対しました。
島外の開発業者は、法的手続をすべて終え、逆に守る会を訴えたりしましたが、着工間近になってコロナという神風が吹き、現在に至るまで開発工事は凍結中です。
島民の祈りが神に通じた?かどうかは分かりませんが。
やっと飛んだ波照間航空便
延期、又延期の繰り返しで、飛ぶ飛ぶ詐欺じゃないかと心配していた、石垣・波照間航空便が、1月22日、ついに再開しました。
最後に飛んだ日から実に16年振りだそうです。同時に石垣・多良間便も運航開始です。
波照間島は、船で行っても80分程度なので、時間短縮効果はあまり期待できませんが、那覇から飛んできて、石垣空港で乗り継ぐとしたら便利です。
石垣空港発9:30となっているので、那覇から朝一便で石垣まで飛んで来ると接続するタイムテーブルのようです。
しかし、運賃が片道14,000円。しかも、手荷物は、10㎏までは無料ですが、それを超えると㎏当たり300円加算されるので、ダイビング器材なんか持って行ったらどえりゃーことになります。
これだけ取っても、波照間便で年間6千万円、多良間路線に至っては、年間8千万円の赤字が見込まれるそうで、赤字分は、県と町(村)が折半して負担するそうです。
毎日ではなく、週3回1往復が運航されるのみです。運航会社は、JTAやRACではなく、第一航空という会社です。
(第一航空HPより)
宮古島空港駐車場の出口混雑
ちょっと軽い話題です。
宮古島空港の駐車場は有料で、入口の自動発券機で駐車券を受け取り、出口の自動精算機で支払いをします。
駐車料金は、1時間100円です。
現在、2台ある出口精算機のうち1台が故障中とのことで、駐車場を出るのに時間がかかるというニュースが、地元紙で報じられました。
そんなの直ぐに修理すればいいじゃん、と思うのですが、何だかよく分からない技術的理由で修理には時間がかかるそうで、それまで、駐車場の出口渋滞は続くようです。
去年の秋頃、その時は、駐車場の発券機が故障しており、その時は発券できないため駐車場は無料開放されていました。
これも、直ぐには修理できず、1か月以上続いたはずです。
最後に税金の話をもう少しだけ
宮古島で聞いた話ですが、予約が取れないことで有名な小料理屋がありました。
内地の老舗で修行を積んだ板さんがオーナーとなり、宮古島の繁華街の外れにあった、元々民宿だった場所を改修して店を開いたのですが、たちまち評判になり店は大繁盛。予約が取れないほどの人気店となりました。
そのことを知った建物の大家が、家賃の値上げを示唆。「儲かっているからこれくらいいいよね~」。怒ったオーナーは、そこを出て行ったという顛末です。
儲かっているから、いっぱい取っても大丈夫だろうというのは、いかにも沖縄的な発想のように感じますが、税金ともなると、そんな適当な話では済まされなくなります。
税金に関して、かつて、神奈川県で黒歴史があります。
都道府県が徴収する法人事業税という税金があります。これは、企業の利益に対して課税するもので、赤字の企業には課税されません。
しかし、地方税法では、過去の赤字分の繰り越しができることになっており、現に企業活動を行い、利益を叩きだしていても、過去に赤字があれば、課税されないケースが生じます。
それでは却って不公平だと考えた神奈川県は、そのような企業に対し課税できるよう、神奈川県独自の税目として「臨時特例企業税」を創設しました。
新税導入に当たり、現行法上問題がないか検討するため、庁内の法律や税のエキスパート職員が集められました。
外部の専門家の意見も聞き、許可権限を有する総務省(当時は自治省)とも十分な協議を行い、課税対象を厳格に絞り、周知徹底も図り、満を持して新税を施行したのですが、裁判を起こされ、最高裁で敗訴してしまいました。
地方税法で定めた損失(赤字)繰越は、強行法規(違う取り決めを許さない)であって、地方自治体が条例で、繰越損失を実質的に無効にする新税を定めることは認められないというのです。
結局神奈川県は、徴収した新税に利息を付けて返す羽目になりました。
この判決(平成25年3月21日最高裁判決)は、有斐閣の「憲法判例百選」にも登載され、憲法を学ぶ者の教材となっています。
例えば、街づくりであれば、地方の裁量が広く認められますが、こと税に関しては、地方が独自財源を持とうとすると、国の創った法律との整合性が厳密に問われます。
儲かっているから、いっぱい取っても大丈夫だろう的な発想は、税制度には通用しません。
訪問税にせよ宿泊税にせよ、現行の法制度をきちんと理解し、緻密な税制度設計をしないと、信頼を失ってしまうと思うのです。
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