この夏も、全国各地で痛ましい水の事故が発生しました。
沖縄も例外ではありません。しかも最近、「これはちょっと酷い」と思う水難事故が連発しています。
南国沖縄は9月になっても夏。マリンレジャーが盛んなこともあって、水難事故が絶えません。
報道されただけでも、
万座ビーチ沖では、ダイビング中の客とインストラクターが死亡。
瀬底ビーチの沖合では、海中の写真を撮りに行くと言って海の入った男性が、海中に沈んでいるところを発見される。
真栄田岬の青の洞窟付近では女性が遭難し、今も意識が戻らないそうです。
名護市辺野古沖では、米軍の海兵隊員2名が遊泳中に約1㎞の沖合まで流されました。
こちらは無事救出されましたが、よりによって辺野古沖で米兵が遭難とは何とも皮肉です。
そんな中でも、これはちょっと信じられない!あり得ない!と思う事故が、9月22日に立て続けに発生しました。
その一つ。
瀬底島のアンチ浜で、水上バイクでえい航されながら海上を走っていたトーイングチューブ(バナナボートなどがそうです)が傾き、乗っていた20代の男女3人が海中に投げ出されたというものです。
3人は頭を強く打ち、脳しんとうの状態で(意識はあったらしい)病院に搬送されたそうです。
高い所からプールに飛び込み、頭を打つと脳しんとうになることもあるらしいのですが、それと同じことが起きたということは、よほど高速で振り落とされたのでしょう。
この手の遊具は、振り落とされそうになるスリルを味わうものですが、本当に落としてしまっては、ドライバーとしてアウトです。
まして、怪我をさせたとなれば、業務上過失傷害罪に問われるかも知れません。
水上バイクは、結構なスピードが出ます。しかも、曲がるとき、引かれるチューブは牽引するバイクの3倍のGがかかります。
トーイングチューブの事故の大部分は、ドライバーの技量不足、経験不足によるのだそうですが、見ていると、若い女性客が背後でキャーキャー悲鳴を上げるを楽しんでいるようなドライバーも少なくありません。
もう一つ。
下地島の17END付近でSUPをしていた40代のガイドと20~50代の客3人が、強風の影響で陸に戻れなくなったというものです。
4人は下地島空港の誘導灯にSUPを係留し、自力で陸に上がったとのことで、幸いにもけが人はいませんでした。
上の写真はその誘導灯を海面から見上げたものです。ここにSUPを括り付け、保守点検用のハシゴを登って上がったそうです。
誘導灯には管理用通路があり、ここを歩いて行けば陸地には戻れます。非常事態にガイドが冷静な判断をした点は評価できると思います。
でももし、飛行機の着陸時であれば、そんなところに人がいたら、風圧で吹き飛ばされたかも知れません。
パイロットが気が付けば、着陸のやり直し(ゴーアラウンド)になると思います。
それより何より問題なのは、何でそんな日にSUPで海に出たのかということです。
17ENDの海は遠浅ですが外海です。風や波を遮るものはありません。
当日の宮古島は、場所によってはこんな状況でした。
(写真提供:Hideki Matsuoさん)
この二つの事故があり得ないと思うのは、海を甘く見てしまった観光客が無茶をしたのではなく、プロの業者が、金を取って連れて行ったという点です。
以前、当ブログで「安全に海遊びを楽しむために ショップ選び」という記事を書いた(詳しくはこちら)ので、参考にしていただきたいと思いますが、ここまで来ると、ガイド選び、ショップ選びは、より一層慎重に行ってくださいとしか言いようがありません。
信頼できるガイド、ショップを選ぶことはもちろんですが、身の危険を感じたら、ガイドがOKと言っても、客の方から「今日はやめておく」というくらいの勇気が必要かも知れません。
キャンセル料で揉めるかも知れませんが、契約が成立していても、荒天時にマリンレジャーを催行する(契約を履行する)ことは公序良俗違反なので、悪質な場合は、消費者庁のホットラインに助けを求めることもできます。
9月22日の事故当時、本島地方北部に雷注意報、宮古島地方に雷注意報・強風注意報が発令されていました。
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