日本でもトップクラスの美しい海の上を、ジェット機が轟音を響かせながら低空で迫ってくる、唯一無二の絶景スポット。
下地島空港北端、通称17ENDです。
飛行機の到着時刻に合わせて、カメラを抱えてワクワクしながら待っていたら、やがて遠くの方から1機のジェット機がこちらに向かってくる・・・とは限らないのです。
今回は、その辺のお話を詳しく。
17ENDに多くの人が集まっている中、気が付かないうちに飛行機は反対側から着陸していた、なんてこともあるのです。
滑走路は、両方向からの離着陸が可能です。
飛行機は、着陸時に追い風を受けると、滑走路内で停止できない恐れがあるので、向かい風着陸が原則です。
これは、世界共通です。
滑走路がほぼ南北方向にある下島地島空港では、南風の時は17ENDに向かって北方向(RW17)から着陸し、北風のときは反対側の南方向(RW35)から着陸するのが基本です。
夏の沖縄は南風が多いのですが、北風に変わるとRW35から着陸します。RW35からの着陸は、絵的にはかなり見劣りしてしまいます。
では、無風のとき、東風西風のときはどうなのでしょうか。
どちらの方向から着陸するかは、航空管制の許可を得て機長が決めます。
管制は、RW17からの着陸が危険な場合は許可を出しませんが、通常時は、機長のリクエストに対し許可(Affirm)、不許可(Negative)とするだけで、どちらから着陸する方がいいといった指示はしません。
結果、下地島空港ではRW17からの着陸の方が多いようです。
理由について、航空マニアのYouTubeなどを見ると、
・着陸時に乗客が綺麗な海を眺められるようにサービスする。
・那覇便や東京便は北東方向から飛んでくるので、大廻りしてRW35から着陸するよりも早く着陸でき、燃料の節約にもなる。
・下地島空港の滑走路長は約3000メートルと、宮古空港の約1.5倍あるので、多少の追い風なら滑走路をオーバーランする恐れがない。
ということのようです。
なので、あらかじめ気象台のHPなので風向きを調べ、北風以外で風向きが安定しているときは、大丈夫である確率が高いと言えるでしょう。
ところで、南側から着陸したって、北方向に離陸するのを17ENDで待てばいいではないかと思われるかも知れませんが、それでは今イチなのです。
飛行機は一旦離陸すると、一気に高度を上げます。滑走路の端で待っていても、既に相当な高さになっているはずです。
その点、着陸時は、急降下するわけにはいかないので、低空からのアプローチになります。進入の角度は4°以下だそうです。
そのおかげで、迫力あるシーンに遭遇することができるわけです。
飛行機が今何処を飛んでいるかが分かる無料のアプリ(「フライトレーダー24」など)があるので、そんなものも活用してみてください。
例えば、羽田発下地島空港行きスカイマーク613便なら、スカイマークのレターコードであるBCに便名の613を繋げて検索すれば分かります。
これで、目的の飛行機が下地島空港の西の方まで行ってしまったら、もうRW17への着陸はないと思って諦めてください。
到着の遅れも、このアプリで分かるので便利です。
めでたく北の方から飛行機が接近して来ました。しかし、音は聞こえてきますが、まだまだ豆粒のような大きさです。
ですがここからが早い。何しろ時速200㎞以上で飛んでいますから、あっという間に接近します。
下の写真から1分も経たないうちにやって来ます。早めに撮影の準備をすることをお勧めします。
そんなわけで、下地島17ENDに向かって飛行機が飛んでくるか否かは運次第ではありますが、その確率は5割よりも高く、夏場に限ればそれよりもさらに高くなります。
海だけ見ていても、オールジャパンでトップクラスの美しさです。行ったことない人も、是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
※ 謎の呼び名?である「17END」についてのうんちくは、こちら。
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