2012年12月23日日曜日

登録有形文化財 黒島の伊古桟橋

 海に突き出た一本の桟橋。

 黒島の伊古桟橋です。
 今は、桟橋としては使われていませんが、国の登録有形文化財です。



 とてもスッキリていて眺めがいいのは、視線を遮る防波堤がないからです。

 こちらの現役の黒島港は、防波堤でガッチリと守られています。



 かつて漁業が盛んたったこの島の海人たちは、この伊古桟橋から出漁していきました。
 眺めが良いということは、その分、波が直撃する訳ですから、風の強いときはさぞかし大変だったのだろうと思います。


 今は、桟橋としての役割を終え、観光名所になっていて多くの人が訪れます。

 




 おおっ、凄い。頑張って記念撮影!? ご苦労様です。


 

桟橋から、脇の海を見るととてもきれいです。


 ただし、満潮時のみ。浅瀬なので干潮時には干上がってしまい、あまり美しくはありません。


 反対を向いて陸側を見たところ。




 途中で、壊れています。
 足下に気をつけて行けば、何とか先まで進めそうな感じですが。


 満潮になると水没。





 昔漁業の島だった黒島は、今は牛の島。


 
 黒島や竹富島は隆起珊瑚の島。つまり、元々海中の珊瑚礁だった所が、地殻変動で隆起して陸地になったものです。

 そのため、島の土地は基本的には珊瑚由来の石灰岩。経年の風化で表面には土ができ植物も生えていますが、ちょっと掘れば岩だらけ。農耕には適しません。

 農作物が十分確保できないため、伊古桟橋から漁に出なければならなかったのでしょう。同じ境遇の竹富島は西表島や石垣島まで遠征して農業をしていました。
 どちらにせよ、大変なことだったと想像します。

 しかし、土地の表面を掘削し平地にすれば、農作物は無理でも牧草は生えるということで、黒島は牧草を育て牛を飼って生業とする道を選びました。
 今では、牛の島、沖縄の北海道などと言われる黒島ですが、こうした理由があります。

 竹富島は、昔ながらの美しい町並みを保存することで、観光に生きる道を選んだのでしょうか。



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