2014年10月18日土曜日

宮古島で台風 予報では晴れるはずなのに


 台風19号が、10月11日から翌日12日にかけて沖縄地方を襲いました。

 19号は、最盛期には、中心付近の最大風速が60㍍と猛烈な台風でしたが、予報では、沖縄本島の東側を通過するので、南北大東島を除いては、そんなに大きな影響はないだろうと思われていました。
 そんな中、晴れを信じて宮古島に行って、台風を迎え撃ってしまった体験記です。



 今年の体育の日は10月13日。ハッピーマンデーなので、10月11日から13日は三連休.
 長い沖縄の夏もそろそろ終わり、これから先は海で泳ぐには幸運か根性が必要となる、そんな時期なのです。

 観光関係者にとっては、最後のかき入れ時。よりによってこんな時に台風が来るなんて。

 しかし、台風19号は、気象庁も、米軍も、東経135度線より東側を通る予報。東経135度線は、熊本県辺りの経度で、南北大東島はヤバイかも知れないけれど、本島はかする程度、まして宮古・八重山は直接の影響なしと思われていました。

 週間天気予報でも、3連休中の宮古島の天気は、7日発表のものでは、晴れ晴れ晴れ、10日朝発表のものでも、翌11日に少し雨が降る程度で、後は晴れだったのです。

 島の天気予報は当てにならない、とは誰もが言うことですが、今回に関しては、気象台は、数日前までは宮古島に台風の影響はない、前日朝になってもホンの少しの影響しかないと判断していたことは明らかです。

 航空会社も、10日朝現在、少なくとも当日は全く影響がないと読んでいました。

 しかしながら、台風の進路が、予報円の中心を進まず、西へ西へと傾いていくのです。
 10日15時の予報では、安全パイと思われていた宮古島が、突如として風速25㍍以上の暴風圏に入るかも知れない、沖縄本島地方に至っては、直撃の恐れとか。

 わずか半日ほどの間に、様相は一変してしまいました。


 自分の乗った羽田発12:15の便は、何事もなく出発し、定刻に那覇空港に着陸予定と放送があったのもつかの間、直前になり「那覇空港混雑のため今から20分後の着陸となります。」との機長のアナウンス。
 那覇周辺の海の上を低空で旋回します。かなりの強風みたいで、機体が揺れるぅ~。段々気分が悪くなり、うっすらと脂汗が。「揺れましても飛行の安全には問題ありませんのでご安心ください。」とスッチーからのアナウンスがあるけど、いや、そういう問題じゃないんですけれど。

 辛うじて、「無事」着陸した那覇空港のロビーは大混雑。
 なるほどそういうことか。

 この時期の沖縄は、修学旅行シーズン。高校生達を、台風で飛行機が飛ばなくなる前に、何とか帰してしまおうとしていたのでしょう。臨時便も飛んだようですが、添乗員さんもさぞかし胃が痛い思いだったでしょうね。

 那覇着が遅れたため、接続便の時間はギリギリ。気分が良くないので、出来れば地上で少し休みたいと思ったら、あっさりその願いが叶い、接続便も出発遅延。
 それどころか、1時間前に宮古に飛んでいるはずの前便がまだ飛んでいないし。

 その前便が、約1時間30分遅れで出発し、自分の便もそれに続いて那覇空港を発ちました。
 出発後は順調に以降を続け、40分ほどで予定どおり着陸と思いきや、直前になって「ただいま機長から入りました連絡によりますと・・・」というスッチーの放送が。いや~な予感が的中し、「宮古空港はトラブルのため15分ほど閉鎖されました。そのため、当機はしばらく旋回します。お客様にはお急ぎのところ・・・」うわぁ~勘弁してくれ!
 もし、着陸出来なかったら、那覇に帰るのかな、でも那覇の方がもっと荒れてるじゃん。

 幸い、本当に15分程の遅れで宮古空港に着陸。ホッと胸を撫で下ろして、辺りを見ると、他に飛行機が一機も居ない。と思ったら、直前に那覇を発った前便が後から宮古空港に到着。何故?一体何があったのだろう。

 時間は、予定より約1時間遅れの午後5時半頃。時に宮古島の天候は嵐を思わせる強風と雨。でも、こんなことがあると無事来られただけで嬉しくなってしまい、この夜のビールは、いつもとは別の意味で旨かったぁ。

 

 那覇空港を10日の夕方以降に発着する便は、すべて欠航。その状態が結局48時間ほど続くはめに。
 宮古空港から飛ぶ便は、そのほとんどは那覇行きですから、当然欠航。石垣行き・多良間行きは、小型のプロペラ機のため、やはり欠航。そして、11日の13時に羽田行きの臨時便を送り出して、以降12日の夕方まで、1便も飛ぶことはありませんでした。



 宮古島では、11日に「なりやまあやぐまつり」が開催される予定でした。「なりやまあやぐまつり」は、インギャーマリンガーデンの海上に特設ステージを設けて実施されます。
 直前まで準備が進められていましたが、海上ステージですから、台風が接近しては開催は絶対に不可能。台風慣れした島の人も、今回に限っては、まさか19号が宮古島に接近するとは思っていなかったのでしょう。

 その11日、伊良部島行きの船は全便が欠航、朝10時からは、来間大橋、池間大橋が通行止めになりました。

 それを見に行く観光客(自分もだけど)。

 11日未明には暴風警報が発令、台風の暴風圏にはギリギリ入らなかったものの、最大瞬間風速30.9㍍を記録し、台風が遠ざかって暴風警報が解除になった後にも、最大瞬間風速23.6㍍としつこい奴。

 宮古島でさえこれなんだから、直撃の本島地方はいかばかりか。
 「なりやまあやぐまつり」は当然に中止。

 その一方、台風慣れしている島の人からすれば、この程度は外出可能な風らしく、商店、飲食店は普通に営業。マックのドライブスルーには、強風の中、長い列が。

 う~ん。台風対策はバッチリで、台風が来れば仕事も学校も休みになり、危ないから決して外へは出ないと聞いていましたが、その見極めがまた凄い。やはり経験に優るものなし。



 今回、気象庁・米軍共、台風19号の進路予想を大きく外したかに見えますが、基本的な動きは予想どおりなのです。ただ、予想より西側に膨らんで進んだだけで、理由は、太平洋高気圧が予想より勢力が衰えなかったためだそうですが、つまり、高気圧のちょっとした変化で、台風は数百㎞単位で位置を変え、我々に甚大な影響を与えるわけなんですね。
 逆に言えば、これだけ科学が進んでも、自然のちょっとした変化に対応できず、天気予報が晴れだといっても、「多分台風は来ないから」以上のものではなく、最後は自分の判断で行動しなければならないわけです。

 そして、台風の進路予報は難しく、遠くにあるときは予報に一喜一憂せず、近づいたら最新の情報をこまめにチェックすべし、という当たり前のことを、またまた思い知らされてしまいました。


 もう一つ分かったことは、航空機の欠航、運行開始は、ある時点になると刻一刻と変わることがあり、航空会社のホームページで、予約画面だけではなく、運行状況の画面も確認し、他社の状況や、他空港の状況をも確認して、空港に着いたなら案内放送や人の流れも見て、先を読む必要があるということです。

 宿で同宿した人は、予定していた11日のJTA宮古発那覇行きが欠航になり、宮古島に延泊。特別空席待券をもらって、翌12日の16:55に設定された臨時便の運行を待っていました。
 しかし、当日、空席待ち客の捌きが遅いため、急遽ANAに変更して那覇に戻れたそうですが、この日JTAは、台風に起因した機材繰りの影響で、結局全便欠航になってしまい、その機転がきいた判断で事なきを得たようです。



 さて、「なりやまあやぐまつり」は、予定を変更して、13日(月)に無事行われました。

 例年9月に行われるこの行事を、敢えて10月に変更したのは、台風の影響を考慮したものと思われますが、逆の結果に。
 出演者は島民には限らず、全国各地からやって来ますが、飛行機が飛ばなかったり、日程変更に対応できなかったりで、出場できなかった人も多かったと聞きます。



 まあ、しかし、夏の沖縄と台風は切っても切れないもの。当ブログでも関連記事を何回か書きました。それでも、何度経験しても嫌なものなのですが、その分、忘れられない思い出としていつまでの残ります。
 航空機の混乱もあり、大変な目に遭った観光客も多かったと思いますが、これで沖縄嫌いにならないよう願うのみです。


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