茹でたてのヤシガニ。
美味しそう〜 それとも、食べたくはない、ですか。
ヤシガニを美味いという人と、不味いという人と両方います。
もちろん、好き嫌いの問題もありますが、ヤシガニは、超のつく雑食性。何を食べて育ったかで味が大きく違うそうです。
沖縄では、古くから貴重なタンパク源として、珍味として、そして、本当に効き目があるのかは不明ですが回春薬として重宝されてきました。
椰子の木に登るからヤシガニ?
捕まえたヤシガニが、まだ小さいので逃がしてやることにしました。地面に離したら、皆の見ている前でとっくり椰子に登り始めたのにはビックリ。
ヤシガニは、太平洋の島々のうち、熱帯・亜熱帯の地域に生息にします。本土には生息せず、沖縄本島でも一時絶滅したと言われました。
宮古・八重山でも絶滅の恐れがあり、レッドデータブックの絶滅危惧種2類に指定されています。宮古島市では、期間や地域などを指定して捕獲を禁じていますが、八重山諸島ではそういう規制はまだないと思います。
しかし、個人的な感想としては、そんなに珍しくはない、案外普通に居るという感じです。
八重山の某島のヤシガニ捕り名人は、いとも簡単に捕まえてきます。夜行性なので、夜道でごそごそしているのを目ざとく見つけ、素手でさっと捕まえるのです。
「ハブよりはずっと簡単に見つかるよ。」と言っていました。
ヤシガニは、約50年生存の長寿。
そして大きくなるなるまでに10年とか、15年とかかかります。
島でも、体の小さい個体は捕まえても逃がしますが、最近の研究だと、ヤシガニの雌は体の大きな雄としか交尾しないそうなので、大きな雄を残す方がいいんだとか。
これは、かなりの大物。名人の話によれば、30年くらいだろうと。性別は分かりませんが。
かつては、養殖も試みられましたが、育つのに時間がかかること、雑食なので、一緒のケースで飼うと共食いを始めることから、採算ベースに合わないため中止になったとか。
植物でも動物でも、柔らかいものは何でも食べるそうで、希に毒性の植物を食べて自らが毒性を持ってしまうものもあるそうです。
好物は、甘いアダンの実。これは、ヤシガニが食べたんでしょう。
ヤシガニをメニューに挙げている飲食店はそこそこあり、石垣島・宮古島はもとより、那覇辺りでも見かけますが、大抵は高級店で、コース料理に少し出すとか、「入荷次第」、「時価」などとしている所が多いようです。
ヤシガニが食べられる大衆食堂的な店は、知る限り、黒島·与那国島にあります。
といっても、ほかのメニューから比べれば、いいお値段でありますが、話のタネに食べてみるかどうかですな。
ヤシガニは、銀食器などきらきらとした物を持ち去る性質があることから、英語で「泥棒蟹」あるいは「椰子泥棒」なんて呼ばれることもあるそうです。
乱獲によって絶滅の危機にあるならば、金を出して無理に食べたいとは思いませんが、島の人が普通に捕ってくるものであれば、ちょっとお相伴にあずかりたいな・・・なんて。
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