竹富島に残る沖縄の原風景、前回の白砂の道に続き、今回は、石積みの塀。竹富島では、グックと言うそうです。
竹富島の集落に入ると、何処にでも当たり前のように存在する、グック=石垣。
竹富島憲章の「美しい島を守る」の中には、屋敷囲いはサンゴ石灰岩による野面積みとする、という項目があります。
野面(のづら)積みとは、石を成形せずにそのまま積み上げるもので、モルタルなどを練り込むこともしません。
凸凹していて、また、衝撃に弱い反面、水はけが良く、隙間が風の力を和らげるため、台風にも強いのだとか。
竹富島は、黒島などと同じ隆起珊瑚礁の島。
つまり、元は珊瑚礁だった場所が、地殻変動で海面が上昇し、陸地になった場所。なので、地面を掘れば、出てくるのは珊瑚礁由来の石灰岩なのです。
グックは、黒っぽいグレーをしていますが、サンゴ石灰岩なので、元々は砂と同じ白っぽいベージュ色。それが、風雨にさらされて、あっという間に黒くなってしまいます。
これは、グックの一部を取り壊した所。内側の色は明らかに違います。
家の門。その奥にもう一段、グックが築かれています。
これは、ひんぷんと呼ばれる物。「屏風」が語源だそうですが、竹富島では、まえやしと呼ぶそうです。
目隠し、兼、風除けです。
おっ、保護色?
「起こすんじゃねーよ。」
グックの周りに植えられている屋敷林。ふくぎという木です。
葉がビッシリと密生するため、防風林・防潮林となり、しかも、幹が堅く葉が多いため、火事の延焼防止にも役立ちます。
葉っぱが小判の形をしていることからも、「福木」として大事にされてきました。
この野面積みの石垣も、竹富島以外ではあまり見かけなくなっています。衝撃に弱く壊れやすいという難点があるほか、隙間にハブが入り込むからだそうです。
グックも、白砂の道も、そして伝統的な家屋も、沖縄の強い日差しに映え、観光客の目を楽しませてくれますが、これが、島人の普通の生活の中に存在しているから凄いですよね。
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