2018年3月31日土曜日

宮古島・石垣島・沖縄離島の泳いでいい海とダメな海



 前回の記事もそうなのですが、当ブログでは、海の写真を紹介するときに、ほとんど人がいない、誰も泳いでいない、だから、ノンビリしている、贅沢空間だ、プライベートビーチだ、などと書くことがよくあります。

 それって、泳いでいる人がいないのではなく、泳いじゃいけないからじゃないの?というツッコミがありました。
 う~ん。鋭い。

 しかし、ハイそうでした、とアッサリ引っ込むのも癪に障るので、今回は、宮古島・石垣島その他沖縄離島の、泳いでいい海と、泳いではいけない海についてまとめてみました。



 まず、理屈を言うと、大原則は、誰でも、日本中何処の海でも、自由に泳いでいいということです。海も海岸も国有地ですから、自由使用が原則です。
 もちろん、例外もあります。港湾とか漁場などには、法律や条例で、許可なく人の立入が禁止されている区域があります。

 立入禁止だから泳いで行くのはいいんだろ、なんて頓知問答みたいなことは言わんでくださいね。


 でも、普通は海水浴場があって、その中でも遊泳区域とか遊泳禁止区域とかがあって、結局泳いでもいい場所は限られているのでは、と思う人も多いと思います。

 それは、都道府県などの条例によって、海水浴場を開設することができることになっているからです。

 沖縄県にも、沖縄県水難事故の防止及び遊泳者等の安全の確保等に関する条例というものがあって、海水浴場を開設するには、公安委員会(要するに警察)に届け出て、「遊泳者が安全に遊泳することができる区域を旗、浮標、立標等で標示するとともに、海水浴場の区域を看板、立札等により明示すること」に努めなければならないのです。

 海水浴場を開設するのは、簡単に言えば、そこに人を集めて商売をするためですが、海水浴場を名乗る以上安全には配慮しろ、というのが条例の考え方です。
 そういうわけで、海にロープが張られていたり、遊泳禁止の旗が立っていたりするのです。


 海水浴場でない場所で、大勢の人がサーフィンをしているのを見かけることはありませんか。あれは、サーファーの特権というわけではなく、一応ボードを持って海に入る人に対しては、特に注意はしないというだけです。

 サーファーに限らず、誰でも、どこの海で泳いでも、ほとんどの場合法律上の問題は生じません。そこで、マナーという問題が出てくるのです。




 ところで、宮古・八重山の海水浴場ですが、石垣市は、底地浜など4箇所を海水浴場に指定し、観光協会に管理を委託しています。しかし、石垣島で最も多くの人が泳いでいると思われる米原海岸は、海水浴場に指定されていません。

 黒島の宮里海岸、仲本海岸などには、「ここは竹富町指定の海水浴場ではありません」と書かれた看板がありますが、では何処が指定の海水浴場かというと、いくら調べても出てきません。
 つまり、竹富町(竹富島・西表島・黒島・小浜島・鳩間島・波照間島)は、どこも海水浴場を指定していないようなのです。

 同じように宮古島市も指定していません。ホテル前のビーチでは、ネットが張ってあったり監視員がいたりする場所もありますが、県条例のよる海水浴場の届出は出されていないようです。

 では一体、何処で泳げばいいのか、要は、安全な場所で泳げばいいのです。




 以前宮古島で、島の人に、何処で泳ぐのがいいか聞いたところ、まったく無名の場所をいくつか教えてくれました。「そんな所で泳いでいいんですか」と聞くと、「海だからどこで泳いでもいい」と言われて驚いたことがあります。

 内地と違い沖縄は、珊瑚のリーフに囲まれた遠浅で穏やかな海に恵まれているので、泳いでも大丈夫なビーチが沢山あります。
 その中で、珊瑚礁が綺麗だとか、砂浜が広いだとかいう場所に人が集まり、訪れる人が多くなると、駐車場が整備されたりするようです。

 池間島のフナクス(ブロックビーチ)は、自分が初めて行った時は、ほかに1組泳いでいるかいないか、というほどの穴場でしたが、有名になってしまった今では、駐車場にトイレまでできました。海自体の安全度は特に変わっていません。

 逆に、一見穏やかでも危険な場所、例えば流れの強い黒島の西の浜には、遊泳禁止の看板が立っていますが、これは、法的に規制しているわけではなく、親切に注意してくれているということです。



 
 海の危険とは、一般的には、強い流れ、急な水温の低下、危険生物の存在です。沖縄の海といえども、離岸流が発生しやすいとか、ハブクラゲが多いなどといった危険が潜んでいるビーチも少なくないはずです。
 これらは外から見てもよく分かりません。波が高いときや荒天の時はどんな海でも危険ですが、黒島の仲本海岸のように、潮の満ち干で環境が激変する場所もあります。

 一方、一口に泳ぐといっても、ウエットスーツ着用でシュノーケリングをする、泳ぎの得意でない人が浮き輪を使って足の立たない所まで泳いで行く、水着にはなるけれど、砂浜で寝っ転がっているだけ、など色々なケースがあります。

 コーラルブルーの美しい海に、見渡す限り人っ子一人居ない、そんな大都市圏周辺の海では絶対にあり得ないパラダイスが、沖縄離島にはありそうです。
 しかし、そこに行くには、十分な情報収集をして、自分の体力、力量、経験を見極めて、さらにあれやこれや色々な状況判断をしながら慎重に行動することが、当然に求められるマナーです。


 海でのマナーは、大騒ぎしない、ゴミを捨てない、自然を破壊しないなど、いくつもありますが、何より危険な海では泳がないということです。

 もし万一、海で溺れたり流されて行方不明になったら、警察や海上保安庁などから大勢の人が出動して、捜索・救助にあたることになります。小さな離島だと、そういう体制もなかなか組めないので、島の人、特に船を持っている漁業者やダイビングショップなどが急遽仕事を中止して救助に向かうことになります。
 いずれにせよ、多大な迷惑をかけることになるわけですから、危険な場所で泳ぐ事自体が重大なマナー違反なのです。

 黒島の西の浜も、干潮時に腰まで浸かる程度なら問題ないということですが、それであっても、見た人は心配になると思うので、紛らわしいことはせず、ここでは海には入らないのがマナーだと思います。
 


 宮古島・石垣島その他離島では、泳いでもいい海と、泳いではいけない海の区分は、実は、あまり明確ではありません。無理せず、安全第一で、極上の海を楽しんでください。

 皆が泳いでるビーチは、大体安全だと思われますが、そうでなく、人のいない場所で泳ぎたい場合には、島の人に聞いてから行くか、ガイドに案内してもらう方がいいでしょう。

 宮古・八重山では、メジャーなビーチでも芋洗い状態になんてなりません。無理に穴場を狙わなくても、十分楽しめると思います。

 


 海の写真を紹介するときに、ほとんど人がいない、誰も泳いでいないと書いたとしても、実は、そこが泳ぐべきではない危険な場所なのかも知れませんが、まあ、情景の説明であるとご理解ください。

 シュノーケリングポイントなどとして紹介するときは、安全を確認してから記事にします。





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