沖縄一の大河川、西表島の浦内川。
流域面積が沖縄県内で最大の川は、実は、本島ではなく、西表島にあります。
流域面積とは、ある地点に降った雨が、流れ流れてその川に集まるエリアのことです。浦内川の流域面積は54.24K㎡。東京ドーム約1,160個分。
ちなみに沖縄県最小は、0.14K㎡=東京ドーム3個分の大泊川(本島)です。
浦内川の河口部に広がるのは、月が浜です。
西表島の川は、上流と下流しかなく、中流がないと言われますが、浦内川も、河口から軍艦岩と呼ばれる場所までが下流。
河口付近の浦内川大橋から約8㎞。満潮時には汐の影響を受けるほど、平坦な流れが続きます。
カヌーでも楽勝。動力船は、浅瀬にも対応できるよう、船底が真っ平らです。
同じく西表島の大河川、仲間川と比べると団体客も少なく、秘境感がさらに増します。出発後、すぐにケータイの電波が届かないエリアになります。
生い茂ったマングローブが、目線の高さで迫ります。
ここが、下流部の終わり、というか、正確には下流部の始まりとなる通称軍艦岩です。この先は、いわゆる中流域がなく、いきなり渓谷の様相を呈しています。
ポッドホール。日本語では甌穴(おうけつ)です。
河底に割れ目などの弱い部分があると、そこが水流による侵食のためにくぼみとなり、このくぼみの中に礫が入ると、渦流によってその礫が回転し、丸みを帯びた円形の穴になるそうです。
この中で泳ぐ、というか水に浸かっている人を見かけました。暑い中、とても気持ち良さそうでした。
穴の中は、水流によるマッサージ効果もあるのだとか。← ホンマカイナ?
是非試してみたいという人は、周辺に着替える場所などないので、予め水着を着込んでから船に乗ってください。
ここから先は、船を降りて山道を歩きます。
浦内川沿川の遊歩道は、西表島の山道の中では、比較的整備されていて、ガイドなしでも歩いて行くことができます。
とはいっても、ジャングルの中の足場の悪い坂道の連続なので、健脚向き。油断は禁物です。
軍艦岩から歩くこと約30分。マリュドゥの滝が見えて来ます。環境省が指定した日本の滝百選に、沖縄から唯一マリュドゥの滝が選ばれています。
マリュドゥとは、丸い淀みという意味だそうですが、こうして見ると、なるほど、そう見えます。
そして、さらに歩くこと約15分。カンピレーの滝に到着しました。
あまり滝らしくない滝ですが、カンピレーとは、カン=神、ピレー=座る、という意味で、つまり「神の座」。
昔、神々が集ったといわれる西表島の中でも、第一級の聖地とされています。
途中でこんなものを発見しました。禁漁区の標識ですが「琉球政府」の銘が掘られています。少なくても50年は前のものということになります。
八重山諸島の中にあって唯一、西表島は、島の大部分が険しい山であり、未踏のジャングルです。その分、手付かずの大自然が残されています。
そこには、他の八重山諸島、他の沖縄の島々では味わえない独特の雰囲気があります。
すぐ近くには、あんなに平坦で、ノンビリした黒島があるというのに。
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