2024年6月22日土曜日

17ENDって本当は何処? 無駄知識を徹底解説

 


 泣く子も黙る絶景ビーチ。下地島の17ENDの海です。この海は、もしかしたら日本一きれいかも。そんな気にさせる、うっとりするほど美しい海。

 でも、17END(17エンド)って、ビーチの名前としては変わってますよね。

 宮古島周辺でも、砂山ビーチとか吉野海岸とか渡口の浜など、地名という感じの呼び名が多いのですが、何故ここは17という数字なのでしょうか。


 「17END」のうんちくは、当ブログで以前にも書きましたが、検索してみると、いいかげんなことをそれっぽく書いてあるサイトが多いので、大人気なくも今回は、それらに反証したいと思います。笑


 知っていてもちょっとしか役に立たない、無駄知識を徹底解説します。





 下の写真をご覧ください。Google先生の航空写真ですが、滑走路に17と書いてあるのがお分かりでしょうか。

 この17という数字が17ENDの名前の由来だと考えられるのです。
 


 滑走路の端には、パイロットに向けて、着陸する方位を示す二桁の数字がマーキングされています。
 これは、北を起点とした方位角東西南北の角度)を、下一桁を切り捨てた二桁で表示するルールとなっています。

 つまり、真北が「36」で、時計回りに「01」「02」・・・「35」となるわけです。


 滑走路は両方向から着陸出来るため、下地島空港の滑走路は「Runway17/35」となります。
 反対側には「35」と書かれています。


 次に「END(エンド)」ですが、文字通りEND、終わりのことで、滑走路の終端です。


 あれっ、と思いませんか? そぉぉぉぉぉ~なんです。

 北側からアプローチする場合の方位角17の滑走路のENDは、終着点である南側になければおかしいですよね。
 そうすると本当の17ENDは、こちら。下地島空港の南端ということになります。



 そうなると、17ENDの海はここということになってしまいます。



 それでは、滑走路の先端は何というのか調べて見たら、Threshold(スレッショルド:しきい値・境界)だそうです。

 ということは、17ENDだと思われていた場所は、実は17Thresholdが正しいということになります。



 実は自分も、17ENDでもいいのではないかと思っていたのです。それは、航空業界で「Approach End」という言葉があるからです。

 つまり滑走路のアプローチ(着陸)する側のエンドということで、ややこしいのですが、17(Approach)ENDもありだ、という記事があったからです。


 ただ、さらに航空業界のサイトの世界に深入りすると、どうもRW17というように特定の滑走路を指す場合、「Approach End」は紛らわしいので、「Threshold」と「End」で統一されているのだとか
 
 もう付いていけないワールドに突入していますが、どうも、17ENDはなさそうな・・・(嗚呼頭痛が)

 


 滑走路の名前はそれで分かったとして、そもそも、このビーチの元々の地名は何だったのかと思いますよね。

 ここに地名はなかったのです。
 下地島空港は、建設に当たり3000㍍級の滑走路を有する空港として計画されましたが、そのために島の北側を埋め立てました。

 その埋立地の西側に、潮の流れで砂が溜まり、今のような絶景ビーチが姿をあらわしたのです。

 ですから、元々はただの海で名前がなかったところ、滑走路の端っこの17と書いてある辺りのビーチということで、いつからか17ENDの海と言われるようになったとか。
 



 というわけですが、17ENDの海はあくまで愛称、通称、俗称であって、ブロックビーチ(池間島)やネコの舌ビーチ(来間島)と同じです。

 皆がそう呼んでいてそれで意味が通じればいいのです。当ブログでも、今更呼び名を変えようとは思いません。



 ちなみに、本当の17END?である南側の海を、当ブログでは、35ENDと紹介したことがあります。

 あっちが17ENDならこっちは35END、誰かが言っていたから、よし面白い、採用!みたいな軽いノリだったのですが、いつの間にかGoogle先生の地図にもそう書いてある。

 マジかぁ~



 この記事を書いてみようと思ったのは、ある大手サイトに『このビーチのことを17エンド「じゅうななえんど」という人が多いが、正式な読みは「ワンセブンエンド」である』とあったからです。

 こいういう中途半端な知識が一番恥ずかしい。

 方位角の読み方はその通りです。管制とパイロットのやり取りは英語ですし、「ゼロセブン」「ワンセブン」などのように数字を重ねます。

 ですが、場所としての表示としては誤りです。


 正式というならば、「Runway 35End Westside beach」、若しくは、「Runway17Threshold Westside beach」となるはずです。

 日本語で言うならば、「滑走路方位角17先端西海岸」ですね。



 だから何なの?と思われるかも知れませんが、まあいいじゃないですか。笑

 これを読んでいただいて、うんちくを披露したら、間違って尊敬されるかも知れないですぞ。
 それに、海はきれいだし。





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2024年6月17日月曜日

もうすぐ夏!タコノキ・アダンそして沖縄の海




 今年は全国的に梅雨入りが遅く、沖縄地方の梅雨入りも平年より10日ほど遅れました。

 しかし、宮古・八重山地方はもう梅雨明け目前。週間天気予報では、梅雨明けを予感させる晴れマークが。

(気象庁HP)


 頭の中では、既に夏の沖縄がぐるぐる回っています。

 そこで今回は、梅雨明けを記念して、いや、多分梅雨明けであろうことを記念して、いかにも夏~ いかにも沖縄~ な、タコノキ・アダンを前景にした宮古・八重山の海の写真を並べてみました。

 一緒に夏気分を感じてください。

 
 まずは、石垣島米原海岸です。




 タコノキ・アダンは、日本では南西諸島や小笠原の暑い地域に生息します。

 先の尖ったぶ厚い葉っぱが特徴で、気根が支柱のように幹を取り巻き、タコのように見えることからタコノキと呼ばれます。和名は蛸の木です。

 アダンもタコノキ科の植物なので、一括りで言えばどちらもタコノキです。


 竹富島の東港の岸壁です。




 こちらは、渡口の浜の下地島側です。




 タコノキの実です。実の形でアダンと区別出来ます。アダンは、もっとオレンジ色です。宮古島のトゥリバー地区から。




 夕景も絵になります。いかにも南国を思わせる日没です。同じく宮古島のトゥリバー地区です。



 雲がいかにも夏という感じです。これも渡口の浜の下地島側。



 波打ち際までタコノキが迫っています。波が穏やかな場所では、タコノキが海のすぐそばに生えていることもあります。マングローブではないのですが、塩水には強いのでしょう。

 竹富島のコンドイ浜の北側です。




 下の写真2点と冒頭の写真は、来間島ネコの舌ビーチから。




 海だけ撮っても、もちろん綺麗なのですが、何かと一緒に撮ることでイメージが膨らむことがあります。
 タコノキ+コーラルブルーの海で、沖縄らしさ、南国らしさが際立つと思うのですがいかがなものでしょうか。

 

 今回の写真はすべて昨年に撮ったものですが、宮古島や八重山の島々では、今年ももう、こんな景色が広がっているはずです。

 「今年もまた」なのか、「今年こそは」なのかは分かりませんが、宮古・八重山の美しい海を見に行くための旅行計画を是非いかがですか。





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2024年6月13日木曜日

ガイドブックに見る四半世紀前の宮古島

 
(2000年10月伊良部島渡口の浜。なんで丸太を撮ったんだろ?)


 初めて沖縄に行ったのが1995年、初めて宮古島に行ったのが2000年。既に四半世紀が経過してしまいました。

 その頃買った沖縄ガイド本をめくりながら、今回は激変した宮古島を振り返ります。



 エリアマップ沖縄1995年版に載っていた、宮古島観光のモデルコースです。



 ありゃ?来間島がない。

 実は、来間大橋が開通したのが、1995年3月なので、この本の編集時には間に合わなかったのかもしれません。
 だからといって、島ごと抹殺するなよ~
 
 宮古島熱帯果樹園って何処? 「宮古島熱帯果樹園まいぱり」という施設が前浜にあるけれど、あれは出来てまだ10年くらいのはず。


 沖縄離島情報2000年度版を見てみると・・・



 主なポイントは、池間大橋、西平安名崎、宮古島熱帯果樹園、東平安名崎、上野ドイツ文化村、前浜、人頭税石、砂山ビーチ、まとめて伊良部島と下地島ですね。


 この地図で分かったのですが、宮古島熱帯果樹園というのは、もしかしたら宮古島市(当時は平良市)熱帯植物園のことみたいですね。当時は名称が違ったのでしょうか。

 でも、なんでここがお勧め?宮古馬はいるけど。



 そして25年前は、長間浜、ネコの舌ビーチや展望台(来間島)、インギャーマリンガーデン、新城海岸、吉野海岸(宮古島)、渡口の浜(伊良部島)、17END(下地島)はお勧めされてなかったのです。

 人頭税石やドイツ文化村がお勧めされていたのに。

 なんでだろ~ 25年前のインギャーとか、凄く綺麗だったろうに。


 完成していなかった伊良部大橋は当然ないとして、トゥリバーの埋立地の公園とビーチ、海中展望台もその後に出来たもの。

 あるにはあったけど、その頃は知る人ぞ知る場所で、車を運転しながら探すのにも苦労したのが、フナクス(池間島)、西浜崎(宮古島)、中の島(下地島)などです。


 フナクスなんて、この頃は全くの無名で、それがシュノーケリングポイントとして有名になり、人が押し寄せて珊瑚が死滅し、今はまた地味なポイントに戻ったようで、四半世紀の間に一回転しちゃったみたいな。

 同じく無名だった、下地島の中の島が同じ運命を辿らないことを願うのみ。


 来間島の長間浜は、伊良部大橋の工事の影響で砂付きが変わり、見るも無惨な姿に。その反面、ゆにの浜といわれる砂州には大量の砂が集まって、干潮時には上陸できるほどにまでなりました。




 この四半世紀間で、宮古島周辺での最大の出来事は、何といっても全長約3.5㎞の長大橋である伊良部大橋の開通でしょう。

 それに加え、下地島空港の旅客化とそれらを契機としたリゾートホテルの激増もあって、宮古島は特にこの7~8年で大きく変わりました。


 2020年頃の宮古島には、リゾートホテルっぽいところは、東Qホテル、ホテルAエメラルド、ホテルBマリーナしかなかったのです。

 今では、AエメラルドやBマリーナよりも高いホテルが何軒?何十軒?



 よくなったこと、残念なこともありますが、海が綺麗な島という点では今も昔も変わりがありません。
 でも、もう少し早く離島に興味を持っていたら、と思うこともあります。


 例えば来間島。

 来間大橋が出来る前は、前浜港から船に乗って行きました。船上から眺める海はさぞかし綺麗だったでしょう。
 長間浜やネコの舌なんて、誰もいなかったのでは?




 ここで紹介した「沖縄・離島情報」は、林檎プロモーションという会社が年に1回発行している沖縄のガイドブックですが、一般的な旅行ガイドとは一線を画すディープな情報が多く、2000年版以来、毎年買っています。

 2000年度版は、本文200ページで約半分がモノクロページ、値段は税込み780円でした。

 最新版は、224ページでオールカラーとボリュームアップしており、それでも値段は税込み1100円です。

 この間消費税も上がっているわけですから、出版不況と言われるの中、大健闘なんだろうと思います。
 隠れディープ沖縄ファンが多いのでしょうか。



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2024年6月8日土曜日

ガイドブックに見る四半世紀前の石垣島

 

 初めて沖縄に行ったのが1995年、初めて石垣島に行ったのが1999年。既に四半世紀が経過してしまいました。

 その頃買った沖縄ガイド本。もう断捨離しなきゃ、と思いつつパラパラとめくっていくとついつい時間を忘れて・・・


(初めて行った西表島 2000年9月)


 最初に買ったのは、エリアマップ沖縄1995年版と、沖縄・離島情報2000年度版。まだネットで情報を集める時代ではなかったので、それは真剣に読みましたよ。




 エリアマップに載っていた、石垣島のモデルコース。


       


 川平湾と玉取崎は当然として、平久保崎が入っているのに御神崎(うがんざき)が入っていない。

 そして、唐人墓はともかく、バンナ公園と宮良殿内(みやらどぅんち)は何故?


 宮良殿内は、石垣島の中心市街地にある、19世紀に立てられた当時の行政官の居宅で、国の重要文化財ですが、規模は小さく、普通の観光客なら5分と持たない”観光名所”です。しかも有料(200円)で駐車場もないし。

 この頃は、宮良殿内は絶賛お勧めされていたのでしょうか。それともたまたま?


 ちなみに、ネットで調べた今の人気スポットは、川平湾、平久保崎、玉取崎、米原海岸、底地浜(すくぢはま)、吹通川、御神崎辺りですかね。




 まあ、石垣島と言えば、今も昔も川平湾なのですが、この四半世紀の間にミシュラン三つ星の観光地となり、ますます有名になりました。

 上は、初めて撮った川平湾で2003年のもの、下は2023年ですが、駐車場が広くなって有料になったほかは、特に変わりありません。




 こうして考えてみると石垣島は、観光的にはあまり変化はないですね。この間激変した宮古島と比べれば、何も変わっていないといってもいいくらいです。

 なんかもの凄く変わった印象があるのですが、それは、2013年に開港した新石垣空港と2007年に開業した離島ターミナルのせいかも知れません。



 今では離島ターミナルという広々とした建物があり、エアコンの効いた快適な室内で出航を待つことができますが、昔はただの「離島桟橋」。

 桟橋があって、雨よけのテントの下にベンチが並べられていただけ。乗船券は、通りを挟んだビル内にあった、各社のカウンターで買いました。




 しかし、2000年頃には、こんなに数多くの船便が運行されていました。


 上:沖縄離島情報2000年版 下:同2024年版です。




 沖縄離島情報にはこんなのも載っていました。

 これは、新石垣空港開講前のバスターミナル発白保行きの路線バスの時刻表。平日は、30分間隔で運行されていました。

 新空港ができたとき、この白保行きの路線を空港まで延長して4系統としました。

 それだけでは空港からの輸送を捌ききれないので、1時間当たり2本の新路線(10系統)を追加し、両者併せて15分間隔で空港と市街地を結んでいました。

 今、4系統は維持されているものの、10系統は運転手不足から、1日僅かに数便の運行となっており、これでは混むのも当然です。

 ちなみに、旧空港は市街地から近い場所にあったにも拘わらず、20分間隔でターミナルを結んでいました。



 石垣島自体は、南ぬ浜の人工ビーチが誕生した程度の変化しかありませんが、島の雰囲気は本当に変わったと思います。

 単に観光客が増えただけでなく、中心市街地は騒々しく、もっといえば、チャラくなったと思います。

 島の北部にある民宿のオーナーは、昔と比べると何処にでもある普通の島になってしまったといっていました。

 かつては、「一度訪れた観光客が帰りたくない島ナンバーワン」なんてPRしていましたが、今は果たしてどうなのでしょうか。





 先々月の写真の記事もそうなのですが、溜まりに溜まった本や雑誌を処分しなきゃと思って引っ張り出してパラパラめくると、ついドハマリしちゃうんですよね~。

 でも、そういうことありますよね。笑



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2024年6月4日火曜日

沖縄旅行が台風で中止になる確率 ver.4.2



  •  予定していた沖縄旅行が台風のため中止になったり、予定変更になる確率を、自らの経験に基づいて算出したものです。
  •  個人の経験ではありますが、約20年間で130回以上行っているので、ある程度客観性のあるデータにはなっていると思います。
  •  2015年以来、随時データを更新してきましたが、今回は、昨年のver.4にその後のデータを加え、加筆修正したものです。以外に大きな変更はないので、ver.4.2としておきました



 沖縄には行きたいけれど台風が心配、という人が少なくありません。

 そこで、実際に沖縄旅行はどれくらい台風の影響を受けるものなのか、客観的な数値で検証してみました。

 対象は、沖縄が台風シーズンである6月から10月までに計画した沖縄旅行(奄美・与論各1回を含む。)計139回です。


 予定通り沖縄に行った:135回
 台風のため中止した:4回

 予定していた沖縄旅行が台風で中止になる確率は、2.9%(4/139)でした。

 このうち1回は、行きの便が欠航となり、元々が2泊3日の行程だったので、翌日に空席待ちをしてまで行っても、帰りは延期できないので、中止にしました。
 あとの3回は、何れも、台風が迫って来ており、行くことは何とかできるものの、帰りの便の欠航が決まったか、その可能性が高かったため、中止にしたものです。



 完全に中止にはしなかったけれど、台風のため当初の日程の短縮を余儀なくされたこともあります。

 このうち、出発日を1日遅らせた、または、那覇で足止めされ、最終目的地の宮古空港、石垣空港に辿り着けたのが翌日だった、ということが全部で9回ありました。

 そこまでして行かない、ということであれば、旅行中止の4回を加えて13回、その確率は、9.4%(13/139)に跳ね上がります。

 
 台風のため航空機が飛ばないとか、その可能性がある場合には、手数料無しでキャンセル又は予約便の変更を受け付けてくれます。

 翌日の便に変更できれば、1日遅れで沖縄旅行に出発ということになるのですが、希望の時間帯に変更できるか、変更できてもその便がさらに台風の影響を受けないかなど不確定です。
 場合によっては、空港窓口に出向いて臨時便への変更手続きや、空席待ちをしなければならないかも知れません。

 そこまでしないとか、また、先ほど触れたケースのように2泊3日程度の短期の旅行だったら、出発を1日遅らせると現地滞在時間がほとんどなくなってしまうので、それならもうキャンセルということもあると思います。


 那覇で足止めとは、台風が近づいている微妙な状況下で、羽田から那覇乗り継ぎで、宮古・石垣に向かうはずが、那覇行きの飛行機に乗っている途中で、宮古行き・石垣行きの欠航が決まってしまったというケースです。
 
 急遽那覇で宿を探し、翌日宮古・石垣に行きました。


 また、台風接近で、予定を繰り上げて1日早く帰ったことが3回ありました。
 この3回を加えると、中止又は日程短縮は、11.5%  (16/139)の確率で起こっていることになります。

 
 沖縄は晴れていたけれど羽田空港に台風接近のため、繰り上げ帰宅したことが1回ありますが、これはカウントしていません。

 そうすると1割強の確率で、台風のため予定通り沖縄旅行ができないということになります。

 


 ところで、皆さんが一番心配なのは、沖縄に行ったものの台風で閉じ込められ、予定の日までに帰れないということだと思います。
 自分は、135回中、帰りが遅れたという経験はまだありません。

 これは、たまたま偶然なのかも知れませんが、台風情報に注意し、後で触れますが、早めに対策を講じれば、帰宅遅れは回避できる可能性が高いということだと思います。



 さらに、日程短縮ではないものの、台風接近のため、同じ日の早い時間帯の便に変更して帰ったことが1回、石垣島から先の船が欠航し、宿泊予約をしていた島に渡れなかったことが2回(うち1回は、繰り上げ帰宅と重複)、逆に、離島泊の予定を切り上げて取り敢えず石垣島・宮古島まで戻ったことが2回ありました。

 これらを足すと、何らかの計画変更を強いられた確率は、14.3%(20/139)でした。


 八重山の高速船は、ほとんどの場合、飛行機よりも速く欠航が決まるので、宿の方から、「早く石垣まで戻った方がいい」とか「こっちに来ないで石垣に止まった方がいい」と言ってもらえることが多いのです。

 繰り上げて宮古島に戻ったというのは、多良間島に行って現地2泊の予定だったのを、1日早く取り敢えず宮古島まで戻ってきたケースです。


 これ以外にも、行程自体は当初の予定どおりだったのですが、現地でモロに台風をお迎えしてしまい、宿に閉じ込められたという経験が2回あります。
 それも加えると、台風により何らかの影響を受けたのは、15.9%(22/139)でした。


 そうなると、台風でドタバタする確率は、6分の1ほどであり、心配性な人にはちょっと気になる数字かも知れません。

 やはり、夏の沖縄にとって台風は無視できない存在です。



月別に見ると、

 旅行中止:8月2回 9月2回
 出発遅れ:7月2回 8月3回 9月3回 10月1回
 繰上帰宅:8月2回 9月2回
 宿の変更:7月1回 8月1回 9月1回 10月1回
 現地遭遇:7月1回 10月1回


 こうしてみると、やはり、8月と9月が多いようですが、10月になってもまだ油断はできないということになります。





 楽しみにしていた沖縄旅行が、台風で流れてしまっても残念でしたで済むけれど、沖縄に行って台風で帰ってこられなくなるのはマジヤバイ、という人は多いと思います。

 それを避けるためには、こまめな情報収集と早めの決断に尽きます。


 チェックすべき情報は、まずは、台風情報と週間天気予報です。
 台風情報は、気象庁と米軍(JTWC)のものが手軽に見ることができます。

 現地で、天気はいいけれど風がやけに強いな、と感じたときは、すぐに気象庁のサイトをチェックしましょう。


 少し怪しくなったら、次は、航空会社の発表する運航状況です。

 個別路線の運航状況は、翌日分まで表示されます。それとは別に、運航の見通しとして「○日頃台風○号の影響で○○空港発着便に影響がでる可能性があります」といった注記が載ることがあります。

 心の準備をしておけというメッセージです。


 自分が乗る航空会社だけではなく、JALとANAの両方のサイトを見ておくといいと思います。
 スカイマークや、LCC利用の人も、運航本数の多いJAL・ANAがどうするつもりなのか注目しておくと参考になります。


 まだ欠航は決まってはないけれど、台風の影響を受ける恐れがある便に指定された時点で、無手数料で予約便の変更やキャンセルが可能になります。

 ここが一番の迷い時なのですが、ほかの人もまた迷っているこの段階で思い切って決断すると、経験上、便の変更は比較的容易です。


 台風が来る前に臨時便の運航が発表された場合は、航空会社も本気を出したというサインです。
 もし、自分が乗る予定の便が台風に遭遇するかも知れない場合に、それより早い時間帯に臨時便が飛ぶことになった場合は、それに振り替えて帰ることを真剣に検討していいと思います。

 ただし、臨時便は機材繰りの関係で飛ばない場合もあるので、臨時便が出ないからまだ大丈夫だと決めつけるのは早計です。
 また、臨時便を飛ばせるのは、機材に余裕のある大手です。


 旅慣れた人ならば、出発前から、最悪の場合のパターンBをシミュレーションして、予め心の準備をしておくといいと思います。

 なお、台風情報の収集については、こちらの記事も参考にしてください。


 昨年の夏、気になる話を沖縄タイムスが報じました。

 沖縄県ホテル協会の会長が、コロナで進んだ従業員不足を懸念。『各ホテルとも台風時の対処には慣れているはずだが、(コロナの5類移行後)久しぶりに多くの観光客が訪れている。宿泊客への対応が十分にできているだろうか』と案じた、というものです。


 台風銀座の沖縄では、観光業界に台風時の受け入れのノウハウがありました。それが、コロナ禍を経て、今までどおり機能しないかも知れないということです。

 台風で航空機の欠航があった場合、ホテルには物理的に空室があっても、ホテル側の事情で客を受け入れることができないこともあったようで、沖縄旅行ベテランの人は、昔と状況が違っているかも知れないことに留意してください。




 上の写真は、令和5年(2023年)台風2号の雲です。

 低気圧である台風は、反時計回りに渦を巻きます。このため、進路が北西方向のときは、このように東南方向に雲が発達する傾向にあります。


 この時、台風の中心は、宮古島の東にありましたが、東側には、何百㎞という巨大な雲を従えながら、石垣島周辺では、ボチボチ晴れ間も見えるかな、といった感じです。

 こんなことも知っておくと、その場で役に立つかも知れません。




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