2025年1月26日日曜日

沖縄で出会ったファンタスティックな人達 Ⅱ

 


 10月上旬のある日、黒島の民宿では、珍しく全員ひとり旅の客7人が夕食の食卓を囲みました。連泊の人5人に、その日にチェックインした人が2人。
 
 連泊組のうちの1人は、一旦チェックアウトし、波照間島に渡るべく船に乗り込んだところ、何とエンジントラブルで石垣港に引き返すというアクシデントがあり、夕方になって急遽黒島にもう1泊することになったという、凄いハプニングに見舞われたのです。

 期せずしてゆんたくの席に格好のネタを持ち込んだ形となり、場は大盛り上がりでした。


 そんな中、その日チェックインした女子は、あまり皆とおしゃべりすることもなく、食事が終わってそそくさと部屋に戻ってしまいました。

 元々全員初対面なわけですが、旅慣れた人もいて、初参加の人にそれなりに気を遣ってはいたのですが、無理に引き留める訳にもいかず、まあ仕方ないね、ということで残ったメンバーでゆんたくを続けます。


 小1時間ほどすると、件の彼女が宴席に戻って来て、自分も参加していいですかと。

 聞けば、沖縄に来たのも民宿に泊まったのも初めてで、こんな風に知らない人同士が盛り上がるなんて想像していなかったけど、楽しそうだから加わりたくなったとか。

 正直この言葉は嬉しく、宿の宴会終了時間(のはずの)11時を超えてもまだ話に花が咲きまくり。
 

 翌日、これまた珍しいことに、彼女以外は全員がこの日でチェックアウト。

 たまたま午後の便で石垣島に渡る予定の自分が、黒島初めての彼女を半日ほど自転車で案内することになりました。

 関心事は当然、初めての沖縄でよく思い切って黒島まで来たよね、ということになるのですが、そこに至るには複雑ないきさつがあったのです。




 年齢は聞いていませんが、アラサーくらいの見た目です。あまり目立たない地味な人という印象でした。
 キャラ的にも、特別明るくもなく、かといって暗くもない、普通の人という感じです。


 実は、彼女は、大学卒業後就職するもすぐに辞めてしまい、いわゆる引きこもりになってしまったのだそうです。
 詳しくは聞いていませんが、若い女性にありがちなことが、こじれてしまったのが原因なのかもしれません。

 長い間家にこもって何もしなかったと言っていましたが、20代という人生の輝かしい時期に何もできなかったというのは、さぞ辛い経験だったことでしょう。

 家族や友人の支えもあって、徐々に回復期へと向かいますが、そんな折り、彼女は自身を荒療治へと追い込みます。

 何と一人でピースボートの船に乗って、世界一周の旅に出たのです。


 ピースボートクルーズは、国際交流を目的として世界一周の船旅をするもので、単なる観光旅行とは違います。寄港先の国では、必ず交流パーティーが開かれるそうです。

 政治的意味合いから一歩引く人もいますが、実際には、スイートルームに泊まるお金持ちから、キャビンのような部屋に寝泊まりし、労働奉仕を条件に格安で乗る人まで様々な人達が一堂に会する、不思議な空間なんだそうです。

 主催は日本ですが、外国人も多く、老若男女、Ladies & Gentlemanからパリピな人まで、文字どおりの十人十色だったようです。
 
 中には男女の仲になる若い人達がいるなど、何をしても、何もしなくても全て受け入れられるという、国内とは違う自由社会がそこにはありました。

 ラウンジには、酔い止め薬が山のように積んであって、酔い止めバー状態だというエピソードは面白かったですね。


 自分は、船の中でも引きこもっていたと笑っていましたが、敢えて特別な空間に身を置いたことで、長年の苦しみから脱却するきっかけを掴んだようです。
 
 世界一周の話をするときの彼女は、本当に楽しそうでした。

 


 引きこもりとは、病名ではなく、そういう状態を指す言葉です。原因は様々であって、原因を追及してもあまり意味はないとされています。

 引きこもることで精神が病んでしまうことも多いそうですが、彼女の場合、自ら思い切った決断をしたことで、苦境を脱しました。

 ただ、「たまたま自分はそうだっただけで、必ずしも頑張ればいいというわけではない。」という本人の言葉を、ここで書かせてもらいます。



 その後、都内の会社に就職し、普通にサラリーマン生活を送っていましたが、短い間に目まぐるしい環境変化を経験して、少し疲れたため、休暇を取って癒しの旅に出ようと思ったそうです。

 そのとき知人からの「ノンビリするなら沖縄の黒島に行って民宿に泊まるといい」とアドバイスを受けて、人生初沖縄が黒島になったという顛末でした。



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2025年1月21日火曜日

沖縄で出会ったファンタスティックな人達 Ⅰ




 竹富島で出会った彼女は、スレンダーでちょっと見華奢で知的な印象でした。

 黒のパンツスーツを着て、東海道新幹線で日経新聞でも読んでそうなイメージです。
 ところが彼女は、32歳の若さにして、国内の主だった山を制覇し、海外の6千メートル級の山にも登ったことがあると聞いてびっくり。

 しかし、これはホンの前座にすぎず、自分には想像もつかない壮絶なキャリアの持ち主だったのです。


 沖縄で出会ったファンタスティックな人達。今回は、このテーマで書いていきます。




 彼女は、地方の進学校に通う高校生でした。

 母と姉との3人暮らしでしたが、姉は高校卒業と同時に都会に出て、以降は母と2人暮らしになります。

 程なくして、後に継父となる男性がしばしば家に遊びに来るようになります。十代の多感な少女はそのことに嫌気が差し、学校から帰宅後、居酒屋でバイトをする生活を始めました。

 高校生が居酒屋?と思いますが、本人は、田舎だから皆やってたと笑っていました。


 そして高校卒業後、就職も進学もせず、バイトで貯めた金で中古車を買って家を出ます。

 行く先々で仕事を探しながら、日本を一周するという、壮大なプランでした。

 仕事をして金が貯まったら次の場所に行くという生活を繰り返し、何と6年かけてゴールとなる北海道に辿り着いたといいます。

 6年間で1回だけ実家に帰ったそうです。場所によっては本当に仕事がなくて、食べるものがなかった、栄養失調になると目がかすんでくる、とは本人の談です。


 若い女の子がこんなことをしているわけですから、当然よからぬ考えで近寄ってくる人間もいたことでしょう。素敵な出会いもありましたが、面倒なこともあったようです。

 あまり詳しくは聞けませんでしたが、当時付き合っていた彼氏のこと、金のこと、地方独特の人間関係のこと、健康のことなど、様々な、という陳腐な言葉では語り尽くせないほどの経験をしたようです。

 危ない目に遭いかけたことも一度や二度ではなかったと思いますが、それでも彼女は、日本中に友達ができたと明るく語ります。


 日本一周を終え、一番役に立つ資格は看護師だと悟り、働きながら看護師の免許を取得します。

 その後も特定の病院に長く勤めることはなく、相変わらず宵越しの金は持たない的な生活をしていたそうです。

 看護師の資格があれば、何処でも就職できるけれど、一流と言われる病院はキャリアを重視するから、自分には無理だという話をしていました。


 その傍ら、慈善団体の医療チームに同行して海を渡り、ヒジャブを被らなければならない国や、シャワーが水滴程度にしか出てこない国で、ほぼボランティアの医療活動にも従事します。

 ある種の国では、宗教上の教義から女が酒を飲むことが許されず、1月以上勤めてから都市部にある外国人専用のバーに駆け込んで、久々に飲んだ酒がとても美味かったとか、食べるものがまったくなくなったとき、住民が木に登って椰子の実とバナナを採ってきてくれたといったエピソードも語ってくれました。




 知り合ったのは竹富島でした。この時も僅かな金と金券ショップで買った航空会社の株主優待券を握りしめた、予定のない旅の途中だとか。

 竹富島に来たのは、今まで車で日本を回ってきたから、今度は車で行けない島に行こうと思ったからだそうです。

 
 32歳の若さで、こんなに色々な経験をしたなんて俄には信じられないのですが、彼女から聞く話は、一つ一つがリアルであり具体的であって、受け入れざるを得ない迫力のようなものを感じるのです。

 一流大学卒とか海外留学経験などといった肩書きなど、彼女のキャリアに比べるとかすんでしまいそうです。

 柔軟な思考力、強靱な肉体と精神力、頑張りがあったからこそのある種の偉業です。

 華奢でスレンダーな外見なのに、何処にそんなパワーが潜んでいるのかと、驚くばかりです。




 一つ後悔していることがあります。「高校を卒業して家を出るときに、お母さんは反対しなかったの?」なんて不用意に聞いてしまったのです。

 「いってらっしゃい~と明るく送り出してくれたよ。」「いいお母さんだね。」


 本当に間抜けな会話をしてしまいました。

 高卒の女の子が、何故就職も進学もせず家を出たのか、その時の母と娘の気持ちはいかばりか、そのことにまったく想像力が及ばなかったのです。

 自分は彼女より年齢だけはずっと上ですが、まだまだ未熟者でした。





 沖縄に行って、民宿やゲストハウスに泊まると、年齢や性別、仕事や地域を越えて数多くの人と出会います。
 その中には、本当に凄い、ファンタスティックでマーベラスな生き方をしてきた人がいました。


 沖縄で出会っただけで、沖縄とはあまり関係ない話になるので、ブログ記事にするべきか悩んでいたのですが、やはり書くことにしました。

 今後も不定期で何回か続けていきたいと思います。




 アドレスを交換し、しばらくはメールのやり取りしていましたが、その後音信不通となってしまいました。

 スーパーキャリアウーマンは、今何処にいて、どんな人生を歩んでいるのでしょうか。

 

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2025年1月17日金曜日

宮古・八重山島旅ガイド 沖縄のベストシーズン

 


 沖縄のベストシーズンはいつかといえば、以前は7月前半と相場が決まっていたのですが、今ググってみても、そう断言する記事はあまりヒットしません。

 沖縄のベストシーズンは相対化しています。では、いつ行くのがいいのでしょうか。




 宮古・八重山島旅ガイド。今回はいつ沖縄離島に行くのがいいのか、という問題について考えてみたいと思います。


 観光地のベストシーズンとは、その場所が最も輝く時期ということになるので、紅葉の名所だと10月下旬とか、花の名所は初夏の頃だとか、あとは夏祭りの時だとか、そういう時期です。

 その意味では、宮古・八重山の見所は何といっても海ですから、ベストシーズンは梅雨明けの6月下旬からニーミシ(新北風)が吹き始める10月中旬までと、とても長い訳です。

 さらに、条件が良ければ泳げるという時期まで広げると、4月下旬頃から11月上旬頃までと、もっと長くなります。


 「沖縄に四季はない。夏と夏以外の二季だけだ。」というのは、石垣島のおじぃの話。シンプルに言えば、夏は晴れるが夏以外は曇か雨なのが沖縄。

 宮古・八重山に行く人の大半は、泳ぐと泳がざるとに拘わらず、海が目当てでしょうから、そうなると、長い夏が宮古・八重山のベストシーズン、というかベターシーズンということになると思います。

 その長いベターシーズンの中で、どの時期を選んで行くのがいいのかという話になります。


 なお、夏以外に行くことについては、当ブログはあまりお勧めしていません。詳しくは、こちら

 また、うりずんと呼ばれる春休み前後、沖縄の初夏みたいな時期に関しても、う~ん、どうですかねという感じです。詳しくは、こちら




 長い夏のベターシーズンの中でも、チェックすべきポイントはあります。


◎ 旅行費用

 旅行費用は気にしないという人もいるにはいますが、できるならリーズナブルに行きたいですよね。 

 しかし近年、ダイナミックプライシングが広がってきていることから、いつが高いのか安いのか、分かり難くなっています。


 GWやお盆休み、9月の連休などが高く、6月と9月以降の平日が安いと一般的には言えます。

 ところが、ダイナミックプライシングおかげで、夏休み期間中でもリーズナブルに旅行ができるとか、反対に、シーズン前の平日なのに意外と安くなかったということが有り得ます。

 旅行費用に関しては、別記事で詳しく触れたいと思いますが、オンシーズン=ハイプライスでは必ずしもないが、オンシーズンにリーズナブルに行くには、幸運と小忠実な検索が必要ということです。


◎ 人の多さ

 できればすいている時期に行きたいと思いますが、宮古・八重山に関しては、夏の間はそんなに変わりません。

 一般の観光地のように車でやって来る人がいないので、航空機のキャパ以上には人が集まらないからです。
 当然、GWだからといって道路渋滞は起きません。

 名だたるビーチであっても、ふとした瞬間プライベートビーチのように静まりかえることもあるのが、宮古・八重山のいいところです。
 


 むしろ気を付けなければならないのは、外国人観光客がクルーズ船でやって来る日です。何しろ一度に2千人とか3千人とかが一気に押し寄せるわけですから大変です。

 クルーズ船の寄港日は、かなり前から決まっていて、検索も可能ですが、そこまで気にしていられるか!てな気分になりますよね。

 ただ、この人達は島に泊まらないので、行動範囲は限られます。団体さんと遭遇してしまう日には、彼らが行かない場所に廻れば何とか回避できそうです。

 
◎ 天候

 晴れる時間が長いのは、7月8月で、それに次ぐのが6月9月という感じです。
 ただ、データはそうであっても、自分が行ったときに晴れなければ意味がないので、あまり拘ることもないと思います。

 以前は、7月8月は台風とスコールの時以外は基本晴れ、というのが沖縄の天気の特徴でしたが、近年、異常気象かどうかは分かりませんが、そうとも言い切れなくなっています。


 海で泳ぐことに関しては、水温は気温の2か月遅れと言われているので、7月~9月がベスト。スカッと晴れれば11月でも問題なく、逆にGW頃はドピーカンでも波打ち際でパチャパチャ遊べる程度です。


◎ 台風

 沖縄旅行といえば、台風が気になるところですが、沖縄に接近する台風は、8月9月が多く、それに次ぐのが7月10月です。
 これも、データはそうであっても、自分が行ったときに台風か来るかどうかは運次第です。去年なんか、例年台風シーズンが終わりかける10月11月にガバガバ来ていましたし。

 もう、できることは神頼みくらいしかありません。

 沖縄旅行が台風でキャンセルになる確率は3~4%。台風のせいで何らかの影響を受ける確率は概ね15%だと思ってください。



 以上まとめると、長い夏の期間のいつ行ってもそんなには変わらないので、それぞれの都合に合わせて行っていただくのがいいと思います。

 宮古・八重山は初めてで、あのきれいな海で泳ぎたいという人は、7月から9月をターゲットにしてみてはいかがでしょうか。

 自分は、年数回沖縄に行っていますが、4月下旬から10月上旬くらいの間で、GWと7月の下旬からお盆まで時期は外して行っています。




 10年くらい前に、「沖縄のベストシーズンっていつなのよ」という記事を書きました。その要旨は、一般にはベストシーズンは7月前半だといわれるけれど、必ずしもそうではないというものでした。


 この時期は沖縄では既に梅雨が明けて夏真っ盛り。でも、夏休み前なので人は少なく、旅行代金も安いという理由でしたが、もうそのことは当時でも沖縄好きにとって既知の情報であり、旅行者が少ないとは決して言えない状況になっていました。

 価格的にも、7月前半が安いとは必ずしも言えず、それまで高いと言われた夏休み期間でも意外とリーズナブルな価格で行けることもあります。


 最近は、沖縄のベストシーズンが7月前半だとはあまり言われませんが、よく考えたら、沖縄自体が変わった訳ではなく、行く人間、迎え入れる人間の都合でベストの座から滑り落ちたわけで、そう考えると何だか笑えます。



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2025年1月12日日曜日

宮古・八重山 島旅ガイド2025を始めます

 

 あり得ないほど海が綺麗で、自然が豊かな宮古諸島、八重山諸島。そんな沖縄離島に行ってみたいと思う人に向けて、お役に立てるようなガイドをブログにまとめることにしました。




 その趣旨については、後で触れますが、ガイド的な記事はこれまでも散々書いて来ました。
 しかし、今読み返すと、当時とは状況が変わってしまったり、自分の知識・経験が不十分なまま書いてしまったものもあります。

 そうでないものでも、ランダムに書いているので、関連記事に辿り着くのが大変です。


 そこで、新たに記事を書き直し、今でも通用するだろう内容の記事はリンクを貼って、最終的に一つにまとめて、「宮古・八重山 島旅ガイド2025」を完成させることを目標とします。

 目指すのは、いつ行くのがいいのか、台風の心配はないか、移動手段はどうしたらいいのか、費用はどれくらいかかるのかといった、宮古・八重山旅行の、言わば総論部分のガイドです。

 どの島の何処に行くべきかといった各論については、その後に考えることにします。

 どちらかというと、これから沖縄離島に行ってみたい人向けの内容になると思います。
 旅慣れた人には物足りないかも知れませんが、ご容赦願います。


 次回以降、連載で一気に書き上げるのがいいのでしょうが、まあ多分無理なので、他の記事も交えながら、追々ということになると思います。

 最後に全部をまとめて、皆さんが夏の沖縄旅行の予定を立てる前には間に合わせたいと考えています。

 取り敢えず、今でも変わらず大丈夫だと思う過去記事のリンクを下の方に貼っておきます。





 新年お初の記事で、当ブログの終わり方について触れましたが、どうもこの2~3年「終わる終わる詐欺」になっているかも知れません。笑

 コメントもいただき、改めて考えたのですが、仮に今後ブログを閉めることがあるにしても、その前に書きたいことは書いておこうという結論に達しました。


 その一つは、これまでの沖縄旅行で出会った、凄い人生を歩んできた人達のことです。世の中にはこんな人もいるんだ、と思うようなファンタスティックでマーベラスな人と知り合うことがありました。

 かねてから、そうした人達のことをブログで紹介したかったのですが、出会ったのが沖縄というだけで、中身はあまり沖縄に関係ない話であること、古い話で今となっては本人とアクセスできず、了解も得られないことから、記事にするのは見送って来ました。

 しかし、やはり書きたいことは書いておこうと考えたこと、プライバシーに配慮し個人を特定できない書き方も可能だと判断したため、記事化することにしました。


 そして、もう一つ書きたかったのが、いい加減な内容のネット記事の否定です。

 沖縄旅行に関するネット記事は、それこそゴマンと存在しますが、違う!これは嘘だ!と叫びたくなるものが少なからず存在します。

 旅のプロが教えるとか、永久保存版だとか、タイトルだけ凄くて内容の薄い記事もありました。

 事実上スポンサーのいるプロモーション記事が、一般の旅行記の如く綴られていることは、もはやお約束みたいな状況です。


 それらの記事に一つ一つ反論することはできませんが、だったら「これを読んで欲しい」という記事を自分で書けばいいと思ったのです。

 また、これから行く人に向けてのガイドとしてまとめれば、誰かのお役に立てるかも知れないと。


 そんなわけで、新シリーズを立ち上げ、これまでどおりの記事も交えながら、当面続けていこうと思っていますので、ご覧いただければ幸いです。





 宮古・八重山島 旅ガイド2025の一部を構成することになるであろう過去記事を拾い出して、リンクを貼っておきます。

 これに新しい記事を加えて、こんなイメージの島旅ガイドが完成する予定です。


気候・天候


 



安全な海遊び




島内アクセス

※ 交通機関のデータは2023年2月時点のものです。


その他









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2025年1月8日水曜日

沖縄のホテルは供給過剰らしい Ⅲ 宮古島編



  少しお休みしましたが、りゅうぎんレポートを基に沖縄のホテル多過ぎ問題を、今回は、バブルと言われる宮古島(宮古島市)に焦点を当ててみていくことにします。

 レポートでは、宮古島に特化したデータがあまりないので、各種数字から色々推計したのですが、やっているうちに、もしかしたらという仮説に辿り着きました。




 宮古島がバブルと言われる所以は、ホテルの建設ラッシュですが、近年、100室以上の大型ホテルが次々と開業しています。
 
 宮古島来間リゾート シーウッドホテル:169室(2020年8月開業)

 ホテル・トリフィート宮古島リゾート:207室(2021年3月開業)

 ヒルトン沖縄宮古島リゾート:329室(2023年6月開業)

 さらに、キャノピーbyヒルトン沖縄宮古島リゾート:310室(2026年春開業予定)が控えます。


 これ以外にも、数室から数十室規模のホテルも次々とオープンしており、一々挙げていられないほどです。

 いくら何でも多過ぎじゃないかと思いますよね。




 りゅうぎんレポートを基に、宮古島(宮古島市)に限ったホテルの需給バランスはどうなのか、当ブログなりの推計を試みました。


 令和6年度上半期(4月~12月)の入域観光客数をみると、沖縄県全体が4,960,800人。宮古島市のそれが628,856人なので、割返すと12.7%ということになります。

 そこで、沖縄に行く人の12.7%が宮古島に行くとみなして話を進めます。


 宮古島市のホテルの客室数(2023年5月末)は5,150室で、これは沖縄県全体の10.2%です。

 実際の収容人数は不明ですが、2022年の沖縄県全体の収容人数が135.908人ですから10.2%を掛けて13,863人が宮古島のホテルの収容人数と推計します。


 同様に、最繁忙期である8月の宮古島の1日当たりの宿泊者数の推計は、2024年は10,738人、2031年に沖縄県の入域観光客数の目標を達成すると13,279人となります。


 以前の記事でご紹介したように、全沖縄のホテルの稼働率は、2024年の推計で最繁忙期の8月でも62.2%に過ぎず、2031年8月でも76.9%に止まります。

 しかし、宮古島のホテル稼働率を推計すると、2024年8月では77.5%、2031年8月になると95.8%に跳ね上がるのです。

 つまり2022年ベースでみれば、宮古島は、ホテル不足とまでは言えないものの、沖縄の他地域ほどは、ホテルが供給過剰ではないことになります。



 この計算は、データをとった時点が区々のごく大雑把な推計ですが、各事業者も宮古島はホテルの数が相対的に少ないという数字は当然持っていたでしょう。
 だから、開発余地があると考えたのではないでしょうか。

 それに加えて、伊良部大橋開通や下地島空港民営化などのプラス材料があり、石垣島と比べて、リゾート開発に適した土地があることも当然影響したと思います。

 その結果、競うようにホテルを造ることになった、もしかしたら、それが宮古バブルの正体だったのかも知れません。

 


 2023年開業のヒルトンの収容人数は、850人だそうです。

 といってもピンと来ないと思いますが、JTAの主力機B-737-800型機の定員が大体180名ですから、ヒルトンだけで4.7機分に相当します。

 ヒルトンの2期工事といわれるキャノピーbyヒルトン宮古島も、ほぼ同規模です。

 間もなく開業のローズウッドホテルは、55室ですから収容人数は百数十人程度。

 シギラエリアも、絶えず新増築を進めています。

 
 2024年8月の稼働率は、既にリアルの数字が出ているはずです。
 2031年8月の新築ホテル分を加えた最新の推計稼働率も含め、事業者の思惑どおりにことは進んでいるのでしょうか。




 新しいホテルの大部分は、ラグジュアリーホテル、アップスケールホテルといった中・高級ホテルか、あるいは、無人・非接触型宿泊施設の部類です。

 ビジネスホテルと言われるような宿泊特化型のホテルは、宮古島ではあまり増えていないようです。


 りゅうぎんレポートの調査対象外ですが、ペンション・民宿・ゲストハウスといった小規模の宿は、廃業こそ聞くものの、新規開業の話は滅多にありません。

 宿泊客に食事、特に夕食を提供するような宿は、このままでは絶滅危惧宿となってしまうかも知れません。

 決して需要がないわけではないと思います。ただ、そういったスタイルは大規模経営には馴染まず、また、大部分の外国人観光客にはウケが悪いからだと考えられます。

 一方、個人宿では、人手不足とか後継者不足、市街地再開発といった、最近よく耳にする理由で、衰退が進んでしまっているようです。




 広いゴージャスな部屋でゆったりと寛ぎ、プライベートなプールで夏を満喫し、レストランで見た目も豪華な食事に舌鼓を打って、オシャレな雰囲気のバーでグラスを傾ける、なんていいですよね。
 サイフが許せばそんな旅行をしてみたい、と思う人は多いでしょう。

 一方、部屋は広くなくても、夕食時に食堂で初対面のお客さんと同席し、宿のオーナーも交えながら、泡盛を飲んでおしゃべりをするというのはプライスレスなお楽しみです。



 この記事を書いているうちに気が付いたのですが、ホテルがいくら増えようがそれに目を奪われる必要はなかったのです。

 事業者が商機があると判断して着手したのだから、自然破壊や景観破壊に繋がらない限り、どうなろうとあちらさんの問題です。


 ただその影で、ニッチなニーズに対応する小規模の宿が守られるか、ということこそが重要な問題であって、それを支持する客も一緒になって応援することが大切なような気がするのですが、同じような考えをお持ちの人はいらっしゃるでしょうか。



 りゅうぎんレポートはこちら


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2025年1月3日金曜日

謹賀新年 新年お初は沖縄とブログについて雑談

 



あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。





 冒頭の写真は、巳年にちなんで波照間島で撮ったウミヘビなのですが、実は、2013年の年明けブログにも使った写真です。

 それ以来、ヘビの写真はあまりいいものが撮れなかったからなのですが、それにしても、当ブログももう一回りしているんだなと、我ながら驚くと同時に感慨深いものがあります。


 昨年は、正月早々大震災だの航空機事故だのと大変なスタートとなってしまいましたが、今年は、一部地方で大雪があったものの、まあまあ穏やかな年を迎えられたのではないでしょうか。

 自分も例年どおり、自宅で飲み呑み正月を迎えました。




 最近の沖縄の話題といえば、人が多い、タクシーが捕まらない、バスが混んでる、ホテルが高い、飲食店の数が減った、駐車場に車を駐めるのが大変だなどなど鬱陶しい話ばかり聞こえてきます。

 観光客が増えて、といってもコロナ前に戻っただけですが、働き手が減っているので、致し方のない面もあるのですが。航空券が昔より買いやすくなっているのが救いですが。

 それにもめげず、花も嵐も踏み越えて沖縄に行ったら、台風だったとかじゃもう目も当てられない。



 当ブログでもご紹介したとおり、沖縄では既にホテルが供給過剰になっているのですが、そんな中宮古島では、宮古バブルの集大成的なホテルである、ローズウッドホテル宮古島が3月に開業します。

 どれくらいバブリィかといえば、Yahoo!トラベルの10%オフ特別価格で、一番安い部屋でも2名朝食付き1泊182,160円、 GW期間中だと432,630円 だそうです。

 開業記念プランでは、1室1泊当たり2万円分の利用券がもらえるらしい。おまけも、桁違いですね。

 それだけ金払っても、絶対に晴れを保証しますというならまだしも、生憎台風が接近していまして・・・なんて言われた日には絶望の淵に、おっと、セレブはそんなこと言わないのか。



 そのローズウッドですが、地元紙の報道によれば、4つのレストラン・バーでは長寿の島として知られる沖縄の食材を使った料理を提供するのだそうです(沖縄タイムス12/22)。

 長寿の食材ってなんですかね。真っ先思い浮かぶのは、イラブー(ウミヘビ)汁ですが、あと名の知れたところでは長命草とか。

 ん~なんかそのねぇ。すっごい高い金払ってねぇ。むにゃむにゃですねぇ。


 ちなみに、「美味しんぼ」で山岡士郎が長寿料理の決め手として沖縄から東京に持ち帰ったのはゴーヤーでした。



 
 
 さて、当ブログですが、始めてから既に一回りし、今年で13回目の正月を迎えることができました。

 いくら個人の自己満足ブログとはいえ、読んでいただいたからこそ続けられたわけで、もう感謝しかありません。

 そのPV数ですが、昨年は年間で延べ約9万でした。

 2016年に年間PVが10万を突破した後、徐々に下がり続け、2018年にはその半分以下まで減ったのですが、その年を底にまた徐々に増えています。

 PVは、Google先生の検索条件の変更があったりすると大きく変動するので、一喜一憂することもないのですが、そうは言っても、閲覧数が増えれば、単純に嬉しいものです。



 ブログを始めた当初は、とにかく続けることが重要だと思っていましたが、2022年にブログ10周年を迎えた頃から、どうやってブログ終活をするかを考えるようになりました。

 手前味噌で恐縮ですが、これだけ記事を書き続けてきたことで、自分的にブログの存在が結構大きなものになってしまいました。

 だからこそ、止めるときは、スパッと止めたい。更新頻度も落ちてきて、PV数も減ってきていつの間にか自然消滅、そんな終わり方だけは避けたいと思うのです。

 どなたか相談に乗っていただける人はいませんか。明るい悩み相談室。



 沖縄離島にはまってもう25年。四半世紀が過ぎました。あの頃仲良くなった沖友さん達も、「最近は行っていない」という人が多くなってきました。

 それでも自分は、やはり夏になると沖縄に行きたくなるのですが、回数も、滞在日数も、現地での行動も、以前よりはパワーダウンしています。

 馴染みの宿が廃業したり、旅行代金が高額になったり、高齢の親のことが気掛かりだったり、なにより自分自身年齢には勝てない部分が大きいです。笑


 もう沖縄に行かないとか、もうすぐブログを止めるということにはならないと思いますが、惰性で沖縄に行くとか、何となくブログを書くということはせず、自分は何がしたいのか、何が楽しいのかを噛みしめながら、新しい年を過ごしたいと思います。

 
 新年早々オチのない話ですみません。重ねて本年もどうぞよろしくお願いいたします。





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