2025年4月22日火曜日

沖縄離島のオーバーツーリズム問題を考える Ⅱ

 


 前回、北海道のニセコを例に出しましたが、地元紙などが報じたところによれば、ニセコ町でリゾート開発を行う会社が破綻しました。

 スキー場に隣接し、羊蹄山も一望できる抜群のロケーションに、客室露天風呂を備えた部屋など全219室のニセコ最大級のリゾートホテル。
 昨年中に完成する予定でしたが、今月になって裁判所は、開発を担う香港系の会社の破産手続きの開始を決定しました。

 建設途上の建物は、現在もそのまま放置されています。



 AERAdigitalは、大阪の神社で、外国人の子どもが、社務所から持ち出したおみくじ入りの木筒を振って遊んでいたケースを報じました。

 母親は、注意するどころか、それを写真に撮っていたそうで、子どもは手を滑らせて筒を落とし、おみくじ棒を境内にばらまいたとか。


 全国各地の神社仏閣で、外国人の不敬行為が問題になっています。

 長崎県対馬の和多都美(わたづみ)神社は、外国人の不敬行為にたまりかねて、「氏子、崇敬者以外の境内への立ち入りを禁ずる」としたことも報じられています。


 外国人が日本の文化を理解できないことはある程度やむを得ないことです。日本人にも非常識な人間はいます。

 しかし、大勢の人間が大挙して不敬行為を行えば、多勢に無勢となり、もはやマナーの問題では済まされず、一律に規制をかけるしかなくなります。



 東洋経済ONLINEによれば、 京都の旅館では、夕食の提供を止める所が増えているそうです。

 外国人観光客は、宿の夕食に彼らのイメージする日本食を求めます。

 しかし、宿の食事には、霜降り和牛のステーキも寿司もラーメンもたこ焼きも出ない。それで、 「ほとんどすべての食事を残し、ファストフードや、コンビニで手軽なサンドイッチなどを購入して食べている姿をよく見かける」のだそうです。


 良心的な宿では、高級料亭旅館でも民宿でも、丹精を込めて料理を創ります。

 それを残されるだけでも残念なのに、翌日から夕食をキャンセルすると言い出す人が多いらしいのです。 
 
 食材を用意しても、キャンセルされる。
 「準備しているから無理だ」と断っても、「食べていないのに何故金を払わないといけないのだ」と詰めよられる。

 言葉が違うし、意思の疎通が難しい。

 キャンセルを受け入れたら、事前決済の場合は予約サイトやクレジットカード会社へ返金の連絡をしなければならない。海外サイト経由の場合がほとんどのため、そこでも言語の壁が立ちはだかる。
 ただでさえ人手不足なのに、対応に追われて忙しくなる。

 だったらもう食事の提供は止めてしまえ、ということなるのだそうです。


 しかしそうなると、日本人観光客が、宿の夕食を楽しみたいと思っても、もはや適わなくなってしまいます。



 テレ朝newsでは、富士山と桜が同時に見える山梨県の河口湖畔のとある場所に、外国人観光客が殺到していると報じました。

 周辺は住宅密集地で、道路も狭いことから日常的に渋滞が発生。住民のなかには、自宅まで5分の道が30分かかることもあるといいます。


 さらに、住宅の敷地内に無断で立ち入る観光客が後を絶たないというのです。

 「冬なんてたばこ吸いながら入ってきたり、だからすごく怖い。今の時期だと(庭の)桜が咲いていると桜を見に来たり、あとは庭の植木を見に入ってきたり、家を撮影したり平気でしている。ちょっと怖いです」とは、取材を受けた住民の話です。



 毎日新聞によると、上場するホテル13社の昨年10~12月期の客室単価は、全社が前年同期を上回り、最大で1・6倍に上昇したとか。

 その理由として、旺盛なインバウンド需要を挙げ、「客室単価はさらに上昇が見込まれ、国内旅行客と訪日観光客で客室予約の争奪戦が激しさを増す見通し」としています。



 最近報道されたオーバーツーリズム関連の事例をいくつか紹介しましたが、このようなニュースが連日のように報じられています。





 オーバーツーリズムによる自然破壊については、マヤ湾の例が有名です。


 タイのピピレイ島のマヤ湾は、レオナルド・ディカプリオ主演の映画「ザ・ビーチ」のロケ地になったことで、観光客が急増しました。

 その結果、海の生態系が破壊され、珊瑚の約8割が死滅し、浜辺やジャングルも、ゴミや排泄物で汚染されました。

 マヤ湾は2018年に閉鎖され、4年後に砂浜までは条件付きで行けるようになったものの、ボートを含め海に入ることは今も禁止されています。




 インバウンドによって潤う人達もいます。国も地方もそれを期待します。

 しかし、度が過ぎてオーバーツーリズムの状態になってしまうと、失うものの方が多くなってしまいます。


 恩恵は受けず損失だけを被る人達もいます。「受忍限度」という言葉で語られることもありますが、観光客が勝手に庭に入って写真を撮るなどは、明らかに受忍限度を超えています。

 ホテル代の高騰は言うに及ばず、自然、文化の破壊などは社会全体の損失です。

 

 オーバーツーリズムは、その土地の自然、文化、生活環境を破壊し、破壊し尽くして終わると言われています。

 一度破壊されてしまうと、そう簡単には元に戻りません。オーバーツーリズムの状態になる前に何とか歯止めをかけたいところです。


 翻って、宮古島、石垣島はどうでしょうか。





 まだ間に合うと思うのです。

 外国人を含む旅行者が島に溢れ、物価も土地も上がりました。自然環境も徐々に変わってきています。

 でも、ニセコのような事態には至っていないと思います。 だから、今すぐ手を打てば、宮古・八重山をオーバーツーリズムから守ることはできるのではないでしょうか。


続く



 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。

2025年4月19日土曜日

沖縄離島のオーバーツーリズム問題を考える Ⅰ

 

 もしソーキそばが1杯2500円だったら。もしパイナップルが1個1500円だったら。石垣牛の焼き肉コースが1万5千円だったら・・・

 


 北海道のニセコ。

 かつては、パウダースノーのスキーリゾートとして憧れの地でしたが、いち早くインバウンドの波が押し寄せ、それが加熱し、もはや日本ではないとすら言われています。


 英語と中国語の看板ばかりが目立ち、日本人の観光客は僅かだそうです。

 ニセコ駅・倶知安駅を通るJR函館本線(通称山線)は、1両編成の列車が1日僅か5往復するだけの廃止確定路線ですが、現在の乗客の大半は外国人です。

 駅でボードを持って客を出迎えるのも外国人ばかり。


 共通1日リフト券は1万円を超え、カツ丼が3000円とか味噌ラーメンが2000円などは当たりまえ。

 北海道の地元系コンビニのセイコーマートには、1パック2000円のイチゴや、1万円の値札が付いた「山崎」「白州」といった国産ウイスキーが並んでいます。


 これまた英語表記の売り別荘の看板を見ると、東京23区かと見まがうような売値が。
 


 オーバーツーリズムは、観光公害と訳されたりしますが、自然破壊や文化破壊に止まらず、地元民の日常生活をも脅かします。


 バスに観光客が溢れ、生活のため利用する地元民が乗れないというのは京都市などで有名な話です。

 外国人がアプリでタクシーを次々と予約していくので、高齢者がタクシーで病院に行きたくても、電話すら取ってもらえないということも。


 人手不足にも拍車がかかります。

 外国人相手の事業者が、高時給で従業員を募集するので、介護・福祉施設は言うに及ばず、地元民が利用する普通の店が人出が足りずに潰れていきます。


 観光地に隣接した土地の値段が上がります。売り抜けた人は金を手にできますが、普通に住んでいる人はただ固定資産税が上がるだけ。

 所有者が亡くなり相続が発生すると、相続税が高いため、遺族は納税のためにその土地を手放さざるを得ないことも。

 これは、1990年頃のバブルの時の田園調布と同じ構図です。


 今、長野県の白馬が第二のニセコになると言われています。白馬の土地も爆上がりしました。




 そもそも、何故外国人観光客が増えたのでしょうか。

 理由の一つは、日本の魅力が海外に知れ渡ったことです。これに貢献したのは、なんといってもネット情報です。

 加えて歴史的な円安もあります。

 東日本大震災のあった日の週明け、日本が当面海外から大量の物資を輸入するだろうという思惑から円が買われ、1ドル80円を大きく割り込む場面がありました。

 あの頃から比べれば、ドル保有者は最大50%オフで日本旅行ができるのです。


 さらに拍車をかけたのが、国を挙げてのインバウンド政策です。

 電車やバスで外国語の放送や案内があるのはもはや日常ですが、元々は国土交通省の施策で、事業者に強い行政指導と補助金の交付が行われました。

 観光ビザの免除や要件緩和にも積極的です。


 何故、国は予算を投じてまでインバウンドを呼び込もうとするのか。その理由は、あけすけに言えば、外国人に日本で金を使って欲しいからです。

 インバウンドにはメリットも多くありますが、一方で強い副作用をもたらします。処方箋に従って適切に服用するべきところですが、今の日本はインバウンドのオーバードーズ(過剰服用)ではないでしょうか。

 


 建設ラッシュが続き、バブルと言われる宮古島では、土地が高騰しています。

 3月27日配信の宮古毎日新聞によれば、2024年の地価公示価格(1月1日時点)は、宮古島市では前年に比べた伸び率が、商業地12.4%、住宅地は12.3%で、いずれも県内トップだったそうです。

 たった1年で土地の価格が12%も上がるなんて、これはもう正真正銘のバブルです。

 
 同記事によれば、「平良地区の中心市街地の地価は大幅な上昇傾向」、「商業地の中心市街地では、賃料が急激に上昇しており、資金力がある県外の業者が高値の取り引きが出ている」、「宮古島全体で、県外・外国資本によるホテル開発が目白押しだ」とのこと。

 

 ニセコにしろ、白馬にしろ、陸続きであればまだ、多少不便でも隣町に買い物に行くなど逃げ道も考えられます。

 しかし、離島である石垣島や宮古島がオーバーツーリズムに陥ったら、逃げ道がありません。


 続く



 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。

2025年4月14日月曜日

久々に行きます 石垣島(雑談です)




 来週、石垣島に行きます。

 例年、初沖縄旅行は4月下旬のGW直前なのですが、今年も同じ時期に石垣島に行くことにしています。

 石垣島に行くのは去年の7月以来、石垣島をメインで回るのは1年振りとなるので、楽しみです。


 ただしかし、聞こえてくるのは、ホテルが高い、レンタカーが高い、離島に行く高速船の運賃が高い、人が多い、居酒屋が開いていないなどなど、なんだかろくでもない話題ばかりなんですよね~





 時代は変わるし、いつまでも昔のままであるわけはないし。そもそも、自分自体が歳をとっているわけだし。



 でもね~。ちょっと前までは、石垣牛とかマグロとか、安く食べられる店がいくつもあったのですよ。

 それが都会と同じような値段になっていたり、いや、それ以前に夕食のために店に入るのが大変だったりします。

 一方、外国人客をターゲットにした「ニッポンウリ」みたいな店や、若者向けなのか、おっさんの目にはチャライ店が増えちゃって。

 離島のノンビリ感もなんだか霞みますよね。


 高速船も、値段は上がって便数は減って客は増えて、いいことなし。あんなホテルでも1泊1万円超え!?みたいなこともあるあるです。


 なんか、昔のように出発前のワクワク感も少しずつ薄れていくような。





 自分が初めて沖縄離島に行ったのは、1999年10月の石垣島でした。

 その時の印象があまりに素晴らしく、それがきっかけで以来25年間、石垣島、宮古島、その他離島に通い続けているのです。

 5年前のコロナの時、緊急事態宣言解除後、初の石垣島旅行も、別の意味で忘れられないものでした。
 もちろん、再び経験したいわけではありませんが。



 石垣島も含めて、何度も行っているうちに慣れてしまい、新鮮な感動を失いかけているのかも知れません。

 色々文句を言う前に、次回は初心に返って、空港で真っ先にガイドブック石垣島をもらって、それを見ながら川平湾や玉取崎などの有名観光地を巡ろうかな~とも考えています。

 



 今年の冬は雨が多く、石垣島ではサトウキビの収穫が遅れているとのニュースが流れています。

 内地でも、寒かったり大雪が降ったり、そうかと思えば急に気温が上がったりする異常気象気味な冬でした。


 去年の4月に行った時は、あまり天気が良くなかったので、今年はすっきり晴れてくれるのではないかと、根拠なく期待しています。

 思惑どおり晴れたら、しばらく忘れていた暑さで体が悲鳴を上げるかも知れませんが、その時はオリオンビールで冷却しますので。笑


 そう言えば、ビールの値段って25年間ほとんど変わっていないような気がします。隠れた物価の優等生?





 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。

2025年4月9日水曜日

喉元過ぎても忘れてはいけない5年前の石垣島の記録

 

 人気のない石垣島のゆうぐれなモール(あやまにモール)。 2020年7月です。緊急事態宣言(第1次)は既に解除されており、店はオープンしていました。



 2020年(令和2年)4月7日、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言が発出され、16日に対象が全国に拡大されました。



 あれから5年。緊急事態宣言が解除された直後の写真を並べます。

 懐かしい、とか、あの頃は空いていてよかったという感想もあるかと思います。でも、この時は法律上もマナー上も問題がなかったにも拘わらず、現場にはもの凄い緊張感が漂っていました。




 緊急事態宣言が解除され、街の中には人出が戻って来ていましたが、羽田空港に向かう途中に結界でもあるかのように空港には人がいません。




 運航便の方が少ない。航空会社は、こんな状況を乗り切ったのだから凄いですよね。






 こちらは、石垣空港到着時です。




 出発間際でも手荷物預けは楽勝。





 離島ターミナルもガラッガラ。団体客がいないので、特に荒涼感が広がります。



 乗船券を買うときモニターで熱を測られました。この後、船に乗る際にも熱を測られます。既に空港で飛行機を降りたときにも測られていたのですが。





 離島ターミナル発のカリー観光バスは、僅か1日3便からのスタートでした。




 竹富町の島に渡ると、こんなものにサインを求められます。要するに、具合が悪くなったら、必ず申し出るという承諾です。

 でも、拒否されたらどうするんでしょうか。強制的にサインさせる法的な仕組みありません。
 竹富町は、今の訪問税に至るまで、どうも法律を精査しない、エイヤッの対応が多いようです。




 新型コロナは、未知の脅威でした。それに対する行政の対応を後から批判することは簡単ですが、当時はみんな必至だったと思います。

 ただ、責任の有無は問わないので、当時の対応がどうだったか、事後の検証は絶対に必要だと思うのですが、ほとんどうやむやのままです。

 第2次コロナ感染症が再び人類を襲ったら、また同じようなことをアタフタとし始めるのは目に見えています。

 せめて、まだ皆さんの記憶から消えない内に、5年前に石垣島で起こっていたことを備忘録として記事にしました。



 石垣島の吹通川河口の駐車場にロープが張られていました。2020年8月下旬です。このとき緊急事態宣言やマンボーは発令されおらず、それどころかGotoトラベルも始まっていた頃です。

 ここは、トイレすらないただの駐車場です。こんな場所を閉鎖して、石垣市(沖縄県?)は一体何をしたかったのでしょうか。




 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。



2025年4月5日土曜日

ホテルだけ増えて2食付きの個人宿は絶滅の危機

 

 ちょっと残念な話を聞きました。

 竹富島でかなり以前からやっていた老舗の民宿が、今後は夕食の提供をしないことになったそうです。


 以前は、和風旅館はもちろん、ペンション、民宿といった個人宿・小規模宿でも朝・夕2食付きというスタイルがほとんどでした。

 それが、今では食事を出す小規模宿がどんどん減っているのです。




 沖縄の多くの民宿では、お客さんが一堂に会して夕食をとりつつ、やがて酒が入って、オーナーも参戦してそのまま宴席に突入するといった、いわゆる「ゆんたく」が当たり前のように行われていました

 それを楽しみにしている客も少なくなく、もちろん、自分もその一人です。

 ゆんたくとは、島言葉でおしゃべりといった意味ですが、沖縄旅行者の言うゆんたくとは、民宿の夕食時の宴会です。


 ゆんたくの楽しさを知ったのは、石垣島にあったペンションぱいらんどでした。
 初めて泊まったのは、もう四半世紀も前になりますが、そこで多くの沖縄好きと出会い、知り合いになりました。

  
 こういう雰囲気が嫌いな人も当然いたと思います。もちろん強制参加ではありませんが、知る限りは、酒を飲まない人も含めてほとんどのお客さんがゆんたくに参加していました。

 皆が集まって楽しそうに盛り上がっていれば、何となく自分も加わりたくなります。沖縄が好きという共通の趣味もありますから。

 ペンションですから宿代は安いですが、そこにはプライスレスお楽しみがありました。




 しかし、10年くらい前から、民宿、ペンションなどでも夕食を出さない所が徐々に増えてきたのです。
 

 その理由の一つは、外国人旅行者の増加です。文化の違いだろうと思いますが、彼らは、夜は外食を好みます。

 慶良間諸島の座間味島では、古座間味ビーチがミシュランに載ったことで、ある時期から外国人がドッと押し寄せるようになりました。

 元々大きなホテルなどなかった座間味島ですが、そのことがきっかけで、夕食付きの宿が一気に減少してしまいました。


 もう一つの理由は、最近良く耳にする聞く高齢化と人手不足です。

 民宿でも、部屋数が5~6室を超えてくると家族だけで経営するのは困難で、少なくとも繁忙期にはヘルパーさんが必要ですが、それがなかなか集まらない。

 そのうち、おじぃ、おばぁが病気になったなどという理由で、宿としてはコスパの悪い食事提供をカットせざるを得なくなってゆくのです。


 夕食を各自が別々に食べに行くことになると、ゆんたくはなかなか成立しません。


 ゆんたくの問題だけではありません。

 外食だと、好きな時間に好きなものが食べられるというメリットもあります。

 しかし、日中遊んだ後で、わざわざ外出して夕食を食べに行かなければならないのは億劫な時もあります。

 最近は、食堂や居酒屋も混んでいることが多く、すんなり入れるとは限りません。

 宿の近くにいい店があるとは限らず、総じてコスパも悪くなります。場所によっては駐車場の心配もしなければないません。





 宮古島にも石垣島にも、リゾートホテルが次々とオープンしていますが、それに反比例するかのように、朝・夕2食付きの個人宿が減っています。
 

 金さえ出せばゴージャスなホテルに泊まって、これまたゴージャスなホテルのレストランで、一流のシェフの腕によるディナーに舌鼓を打つことができます。

 でも金がない、いや金があったとしても、それで満足な人だけではないと思うのです。


 実は、そのことに凄い危機感のようなものを感じています。大袈裟な言い方をすると、海の環境悪化で珊瑚が減って行くのと同じくらいの衝撃なのです。

 何か対策は打てないものでしょうか。





 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。

2025年3月31日月曜日

宮古・八重山の最近のニュース・話題など




宮古島アンバサダー!?

 宮古島観光協会では、今年の宮古島観光アンバサダーを募集してます。何じゃそりゃ?

 実は、「ミス宮古島」を今年から改称したんだそうです。

 ミス宮古島は、復帰直後から毎年選ばれていて、それなりに伝統があります。

 近年は社会の空気におもねって、応募資格から「独身」を外していましたが、名称の「ミス」はそのままでした。

 しかし、遂に今年から「ミス」も止めて「アンバサダー」とし、男性の応募も可としたものです。

 これまでは、3名のミス宮古島がそれぞれ、ミスサンゴ・ミスティダ・ミスブーゲンビレアを名乗ったのですが、アンバサダー化に伴い、ミスが取れてただのサンゴ・ティダ・ブーゲンビレアになるそうです。

 「サンゴの比嘉さん、ティダの下地さん」とか紹介されても、多分何のことだか分かりませんよね。笑

 ちなみに、アンバサダー(Ambassador)とは、大使、使節、代表といった意味です。



本当にあっちゅう間!

 下地島空港が民間空港として開業してから、3月30日でもう6年だって。ホンと早いよなぁ~




もう海開き

 石垣市、竹富町、与那国町では、近年持ち回りで海開きを開催していますが、今年は竹富町の当番で、西表島の月ヶ浜で3月15日に八重山の海開きが行われました。

 しかし、当日は生憎の荒天で、神職のお祓いを除き公民館で行われたそうですが、これで、本当に海は開けちゃったのでしょうか。


 海開きとは一般には、海水浴場営業開始日のイベントですが、月ヶ浜は海水浴場として届けられてはおらず、泳いでいる人は夏でも滅多にいません。


 以前は、石垣島の底地浜で毎年春分の日頃に、日本一早い海開きと銘打って行っていましたが、本島の某ビーチが裏切ってそれより早い日に海開きをして以来、仁義なき海開き競争が行われています。

 宮古島では、3月21日にシギラで海開きが行われました。




竹富町の訪問税に黄信号か

 竹富島や西表島など、竹富町の各島に行く人から1回千円を徴収しようとする、竹富町の訪問税条例案ですが、安栄観光、八重山観光フェリーが、徴収事務を拒否すると表明したため、暗礁に乗り上げそうです。

 千円の税金は、乗船券を売る際に一緒に徴収してもらおうという案でした。

 チケット購入と同時に税金も上乗せされ、あとで船会社側がまとめて町に支払う仕組みで、町は楽勝で徴税ができるはずだったのですが、そうは問屋が卸さなかったという訳です。


 町は新たな徴収方法を検討するそうで、常識的に考えれば、各島の桟橋に関所を設けて一人一人税金を集めるしかなさそうです。
 報道によれば町は、税金を払うアプリを開発するそうですが、まあお手並み拝見。

 いずれにせよ、当初は早ければ2024年度中の実施を見込んでいた訪問税ですが、仮に実施されるとしても相当遅れることになります。


 訪問税について、一般の観光客にアンケートをとったところ、「島の自然や文化を守るためなら訪問税もやむを得ない」という肯定的な意見が少なからずあったそうです。

 しかしながら、訪問税は、島の自然や文化の保全に特化した使い道に限らず、町が自由に使える財源となる普通税とされています。

 観光客の善意に対して、町は胸を張って訪問税を徴収することができるのでしょうか。



与那国町でアパートが足りない

 アパートを探そうとするとき、普通は不動産屋に行くか、サイトを見て調べるわけですが、八重山ではそれが通用するのは石垣島まで。

 その他の島では、島の人の伝を頼って物件を探すのだとか。


 与那国島も例外ではありません。近年、僅かながらも移住希望者がありながら、民間の賃貸物件がほとんどなく、頼みの綱は町営住宅しかありません。

 しかし、その町営住宅も92戸のうち81戸は入居済み、残る11戸のうち2戸は既に入居手続き中、7戸がで修繕予定、2戸が老朽化のため解体予定なんだそうです。

 
 人口1700人弱の絶海の孤島では、住宅建設は簡単ではありません。でも、長らく営業中止しているあのホテルは活用できないのでしょうか。




宮古島市庁舎の後には

 旧平良市時代から使われていた役所の庁舎は、4年前に新庁舎に移転してから空家になっていましたが、利活用の方針が決まったそうです。
 
 埼玉県に本社がある不動産屋のプランが採用されたらしく、それによると、

1階 マーケット、店舗、ステージ
2階 飲食店、屋台飲食店、シェアキッチン
3~5階 オフィス、シェアオフィス
6~7階 浴場、ルーフトップバー

となるそうです。

 この中で気になるのは浴場ですが、築30年以上の建物の上層階に、大規模な水回り施設を今さら造って大丈夫なのでしょうか。
 


(1999年:マップルマガジン)



 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。


 

2025年3月26日水曜日

宮古島トゥリバーの運河を眺めながら思うこと

 


 これは宮古島の海です。

 といっても、全然それらしくないのですが、宮古島の西側に広がる埋立地トゥリバーと宮古島の間にある水路?運河?なのです。




 石垣島の南ぬ浜も同じですが、埋立は何故か陸続きには行われず、陸から少しだけ離れた場所で行われます。
 何か技術的な理由があるのかも知れません。

 トゥリバーの場合、このような幅10mくらいの水路が囲うような形になっています。

 


 ここは間違いなく海ですが、入り組んだ形のため波立つこともなく、風すらもない日は、水面に雲を映す池のようです。




 ノッチが残っています。ノッチとは、珊瑚由来の柔らかな琉球石灰岩岩が侵食によってあたかもキノコのように削られたもの。

 ノッチがあるということは、海である証拠です。




 どこぞの清流かと思うほど穏やかで清らかですが、水の色は、コーラルブルーに近い色をしています。
 ここも宮古の海だと自己主張しているような。




 人工的な埋立地ですが、自然に溢れているかのようにも見えます。周りは何といっても宮古の海だし、広大な平坦地だし。

 埋立自体どうだったのかという問題は措くとして、現実に高いポテンシャルを秘めた広い土地があったのです。

 トゥリバーとは、のんびりしたといった意味の島言葉です。




 そして、トゥリバーの現在地と言える光景がこちら。ヒルトン宮古島リゾートです。300室を超える大規模ホテルですが、さらに続けて、同規模のホテルも建設中です。




 埋立地トゥリバーについて市は、「宮古島コースタルリゾートヒララ」と呼んでいます。ここをよく知っている人は、思わず吹き出しそうになるかも。

 市による「宮古島コースタルリゾートヒララ」の開発コンセプトは次のとおりです。


 生活環境
 ストレス社会からの脱却・高齢化社会の到来による自由時間の増大・人々の健康・美容・自然志向・心の豊かさやゆとりの追求

 立地特性
 一年を通じて温暖な気候・美しい海、珊瑚礁など魅力的な自然景観・マリンスポーツのメッカ・日本一の長寿社会


 これだけ見ても、ツッコミどころ満載なコンセプトです。
 温暖とは暖かいという意味ですが、夏の宮古島は「暖かい」で済みますか。
 沖縄が日本一の長寿県だったのは50年くらい前の話。今沖縄県民の平均寿命は、女性が全国16位、男性に至っては下から5番目の43位ですよ。
 


 コンセプトに沿って開発したというより、開発がしたくて無理矢理それっぽい言葉を並べたとしか思えないのですが、それは、捻くれた見方でしょうか。


(宮古島市HP)



 なんかもったいないと思いませんか。

 美しい海に囲まれた、高いポテンシャルを持つ土地なのに、ホテルとマリーナ建設という何処にでもあるような開発をしちゃって。

 埋立自体は、旧平良市が本家バブルの頃に始めたものです。莫大な資金が投入されたにも拘わらず企画倒れに終わり、その後、宮古島バブルのおかげで、何とか後始末の目処がついたとも評価できそうです。

 でも、あれから40年。当初の予定どおりホテルを誘致し、マリーナを建設する以外にもう少し考えはなかったのでしょうか。


 トゥリバーについて思うことはまだまだあるのですが、いずれまた。





 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。

2025年3月22日土曜日

宮古・八重山島旅ガイド2025

 



 宮古島、石垣島、八重山諸島の旅の参考になりそうな記事を20本並べました。気になる項目をクリック(タップ)してみてください。


 まだ宮古・八重山に行ったことのない人も、島旅ベテランの人も必要な情報をすぐに引き出せるよう整理してあります。


 ここにまとめたのは、どういう視点で旅行プランを立てるか、島旅では何に注意したらいいのかといった、言わば島旅の総論です。

 どの島の何処に行くか、つまり各論については、当ブログでこれまで散々書いて来ましたので、過去記事から探し出してみてください。
 (スマホでお読みいただいている人は、過去記事を検索するには、最下欄の「ウェブバージョンを表示」をタップして、左欄の検索欄やツリーをご活用ください)。



<旅のスタイル>





<気候・天候>





 



<安全な海遊び>






<島内アクセス>


  ※ 交通機関のデータは2023年2月時点のものです。


<その他>









 ひとつ気をつけていただきたいのは、今後状況が変わるかも知れないという点です。

 古い記事もありますが、現時点で妥当する内容となっています。

 ただ、航空券が爆上がりしたとか、天気予報がほぼ当たるようになったとか、荒天時にも楽しめる施設が完成したとか、そんなこともないとは言えないので、顕著な変化があれば、当ブログが続く限りフォローしていくつもりです。



 以前にも書きましたが、島旅ガイドを書いてみようと思ったのは、ネット情報に対する不満からです。

 ネット情報が玉石混交なのは、もうやむを得ないものとして受け入れざるを得ないのかも知れませんが、それにしても、宮古・八重山に関するいい加減な情報が多すぎると思うのです。

 しかしながら、自分もネット情報を発信している立場として、「自分の情報は正確です。他の人の情報は間違っています。」とはいくらなんでも言えないので、その点ちょっと悩みでもあります。

 でもまあ、自分なりに伝えるべきと思ったことを書いたので、あとは読んでいただいた人の判断に任せたいと思います。
 当ブログの情報は信頼できる、と多くの人の思っていただけるようこれからも頑張ります。

 それでも、これだけは絶対に間違いなく真実だと思うのは、宮古・八重山は素晴らしい旅行先だということです。





 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。

2025年3月18日火曜日

宮古・八重山島旅ガイド 島旅の醍醐味

 


 宮古島、石垣島、八重山諸島と聞いて、高級ホテルが建ち並ぶビーチリゾートを思い浮かべる人が結構多いそうです。
 最近は、そういう広告やステマ広告が多いですからね。


 でも自分に言わせれば、宮古・八重山は、失礼ながら、リゾートホテル「も」ある田舎です。
 そこに都会基準の癒しや刺激を求めても、なかなか難しい。

 田舎である島には、島ならではの楽しみ方があるのです。




 宮古・八重山の魅力はなんといっても海です。逆に、海以外の見るべき、遊ぶべきポイントがあまりありません。
 例外は、西表島の川と竹富島の伝統集落くらいしか思い浮かびません。

 ですから、眺めるにしろ、泳ぐにしろ、写真を撮るにしろ、SUPをするにしろ、ダイビングをするにしろ、海を満喫できれば、宮古・八重山旅は大成功ということになり、海で楽しめなければ、残念な旅でしたいうことになるのです。


 宮古・八重山には、文化財も、温泉もほとんどなく、グルメを探求したくてもここならではという名産品もあまりありませんが、そんなハンディキャップをはるかに上回る魅力が海なのです。

 海を楽しむことこそ、宮古・八重山旅の醍醐味であって、いかに海を楽しむかいう点を基準に旅の計画を立てるべきです。




 宮古・八重山の海にはいくつか特徴があります。

 一つは、何といってもその美しさです。コーラルブルーなどと言われる独特の海の色は、南国ならではのものです。

 これは、海の透明度とは関係ありません。美しさの秘密は砂です。

 サンゴ由来の白砂は、それ自体美しい砂浜を形成するだけでなく、海の底の白砂は、本来無色透明であるはずの海の水を、コーラルブルー、エメラルドグリーンと言われるような鮮やかな緑色に輝かせるのです。

 さらに、海中に発達した珊瑚礁は、熱帯のカラフルな魚たちを引き寄せます。

 宮古・八重山の海は、広大な珊瑚礁に囲まれ、そこから無尽蔵に供給される白砂は、絶景ビーチを形成するのです。




 二つ目は、アクセスのしやすさです。

 宮古・八重山では、西表島のジャングルなど少数の例外を除けば、絶景ビーチに車で簡単に行くことができます。狭い道を長時間走ることも、山道を歩くこともありません

 石垣島・宮古島では、空港でレンタカーを借りればほとんどの場所に30分以内で到着します。

 八重山の島ならば、港に着いてから自転車で、頑張れば歩いてでも行けるビーチがいくつもあるのです。


 その反面、17END(下地島)、渡口の浜(伊良部島)、砂山ビーチ(宮古島)、川平湾(石垣島)、コンドイ浜(竹富島)、西の浜(黒島)、イダの浜(西表島)など、各島を代表するような絶景ビーチには、ビーチサイドのリゾートホテルはないのです。

 ビーチサイドホテルは数あれど、宮古島の前浜にある老舗ホテルを除けば、もっと綺麗な海が別の場所にあったりするのです。




 あと一つは、自然である海と人工物が一体となった絶景があるということです。

 伊良部大橋のように美しい海に架かる橋だったり、下地島空港のように美しい海に隣接する滑走路だったり、島人の生活に欠かせないインフラが美しい海と共存しています。

 竹富島の東港とか、黒島の黒島港、波照間島の波照間港などでは、船から降りた瞬間、いきなり絶景がお出迎えしてくれるのです。




 その一方、海=自然相手なので、天候には勝てません。宮古・八重山では天気が悪いとほとんどやることがなくなってしまいます。

 このことは別記事で詳しく触れているので、そちらも読んでいただきたいのですが、ネットでググると雨の日の楽しみ方を解説するページや動画がゴマンと出てくるのです。


 でも、いくら盛ったところで、それらは晴れた海の代用品に過ぎません。沖縄旅行のベテランに聞くと、雨の日は昼寝をするとか、昼からビールを飲むなんていう達観している人達が多いのです。


 これも別記事で詳しく触れましたが、沖縄とは、冬を中心に年の半分は冴えない天気が続き、晴れる可能性の高い夏シーズンは、同時に台風シーズンでもあるという、結構面倒な場所なのです。

 だからこそ、最高に美しい海に巡り会えたらその虜になってしまい、再びそれを求めて何度でも島に通い続ける人が多いのだと思います。




 醍醐味とは、元は仏教用語で、最上で真実の教えのことですが、転じて、物事の本当のおもしろさ、深い味わさといった意味で使われます。


 オシャレなカフェも、人が並ぶそば屋も、オリジナルグッズを売る店も、ホテルのプールやジャグジーも、リラクゼーションの店も、あれば楽しいと思いますが、これらは都会にもありますよね。
 むしろ、都会の店の方がレベルが高かったりしませんか。

 でも、コーラルブルーの美しい海はここ以外には存在しません。オンリーワンなのです。
 オンリーワンを求めて行くのが、宮古・八重山の旅の醍醐味です。醍醐味を外して本末転倒になってしまうのは、もったいないと思います。
 

 あまり欲張らず、でも、海だけは欲張って島旅に出てください。万一天候に嫌われても、また次を目指しましょう。 





 新着記事は、X(Twitter) と Facebookでお知らせしています。

 スマホでご覧の方へ
    最下欄の「ウェブ バージョンを表示」をタップしてウェブ バージョンに切り替えると、過去記事の検索などの機能が使えます。