行くだけで1回毎に千円徴収されるという竹富町の訪問税条例が、6月13日に町の議会で可決成立しました。
今後必要となる総務省との協議を経て、来年度から施行したい意向のようです。
当初、安栄観光、八重山観光フェリーなどの運賃に上乗せする形での徴収を予定していましたが、両社から断られたためこのまま頓挫すると思ったのですが、徴収方法は取り敢えず措いておいて、条例を先に創っておくことにしたようです。
船会社が徴収してくれなければ、各島のターミナルに関所を設けて、来島者から一人一人徴収するしかないと思ったのですが、条例では何と、
当該申告納税者が訪問をした日から起算して10日以内に、訪問をした日における訪問の総数、税額その他必要な事項を記載した申告書を町長に提出し、及びその申告に係る税額を納付書によって納付しなければならない。
となっています。
つまり、各自が自主申告して納税してくださいということです。
八重山毎日新聞が報じたところによれば、具体的な徴収方法については規則で定めるそうで、石垣港離島ターミナル内での券売機による徴収や、ネットによる事前納入などを検討しているそうです。
これでは、税金を払っても払わなくてもノーチェックという、マジメに払った人がバカみたいな制度だと思いますよね。
でも、条例には、船会社等による特別徴収の方法もあるとされています。
町の本音は、取り敢えず条例を先に創って、これから総務省協議とかに時間がかかるから、それまでに船会社を説得したいと考えているようです。
「同税をめぐっては現在、町が独自徴収する形で準備を進めている。町は地元船会社に特別徴収義務者となってもらえるよう引き続き交渉を続けていく考え(八重山毎日新聞)」だそうです。
当ブログは、訪問税に一貫して反対しています。
詳しい理由は過去記事に散々書きましたので、そちらを参照いただければと思いますが、もう一度簡潔に述べます。
訪問税は普通税にも拘わらず住民は非課税だからです。
条例の第1条には次のように書かれています。
(趣旨)
第 1 条 この条例は、竹富町への多くの観光客等の来訪によって発生し、又は増幅する行
政需要に対応するために課する竹富町訪問税に関し、必要な事項を定めるものとする。
このように書いておきながら、訪問税は普通税なのです。普通税とは使途を定めない普通の税金です。
第1条で、税の目的はオーバーツーリズム対策と明言しているのだから、使い道もそれに特化した目的税とすべきですが、敢えて普通税にしたのは、ほかの目的にも税収を使いたいからでしょう。
それにも拘わらず、住民は非課税なのです。
オーバーツーリズム対策ならば、住民は非課税で構わないから、税収の使い道はそれに特化してください。
一般財源として使いたいならば、住民を非課税にする理由はありません。住民にも公平に課税してください。
税を負担するのはよそ者だけ、でも税収は住民のために使ってもいい、こんな不公平な税制度が何故我が国で許されるのか不思議です。
町議会では、ただ一人、三盛克美議員が反対討論し、「観光業界や船会社との十分な合意形成がなされていない。来島者への心理的負担と観光客減少の懸念があり、使途や効果の説明も不十分」と述べたそうです(八重山毎日新聞)。
※ 竹富町の訪問税条例について一番詳しく書いた当ブログの記事はこちら。
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