2014年1月23日木曜日

懐かしの波照間空路と多良間のアイランダー

 ジャンボジェットことボーイング747型機が、この3月で引退します。



 引退の理由は老朽化というより、燃費の悪さ。
 経営再建に見舞われたJALは既に全機手放しており、残るANAも今年度限りとなってしまいました。
 ジャンボ機が徐々に数を減らす中、国内線では航続距離の長い沖縄路線が最後の活躍の場となっていて、羽田・沖縄線ではジャンボ遭遇率が高かったのですが、とうとう終わりです。

 あのこぢんまりした2階席は好きだったのに残念です。


 
 ところで、500人乗りのジャンボと比べれば、「ミニ」どころか「マイクロ」といいたくなる飛行機が割と最近まで沖縄の空を飛んでいました。

 イギリスのブリテン・ノーマン社の「BN-2B アイランダー」という飛行機です。
  アイランダーという名前からも分かるように、航続距離が短い離島航路に適した機材で、パイロットの信頼性も高いんだそうです。
 これは、宮古島と石垣島の間にある多良間島の多良間空港(旧空港)で、2002年(平成14年)8月に撮ったものです。



 機内に通路なんてないんです。指定された席順に並んで、順序よく乗って行きます。サイズ的にも飛行機というより空飛ぶワゴン車という感じでした。
 


 2席×5列の9人乗り。何で10人じゃないのかって?10人目はパイロットだからです。マジですよ。だから、運がいいと(悪いと)、「助手席」に乗ることが出来たんです。
 
 搭乗券からしてこれだし。

 このアイランダーは、ちょっと前までは、この宮古・多良間線のほか、石垣・多良間線、石垣・波照間線、那覇・慶良間線、那覇・粟国線などで活躍していたのですが、より大型の機材に切り替わったり、路線そのものが廃止されたりで、今では、那覇・粟国間のみで運航されています。

 宮古・多良間線は、新多良間空港が開港してからは大型機が・・・といっても、39人乗りのプロペラ機ですが。



 こちらは、波照間空港。
 緊急輸送用の空港として細々と生きていますが、通常は門が開かれることはありません。

 かつては、石垣からの定期路線があって、空港も賑わって・・・というほどではないですが、まあ人が居ました。


 

 JALの子会社のRAC(琉球エアコミュータ-)が運航していましたが、2007年2月から乗客減のため一時運休に。その年の12月には正式に路線を廃止。
 その後町の強い働きかけによって、エアドルフィンという会社がこの飛行機を引き取り、不定期運航を開始しました。
 町の支援を受けて、一時は不定期といいながら定期路線に近い形で運航されていましたが、会社自体が倒産してしましい、2008年10月にラストフライトを終えてしまいました。




 波照間島は、人口500人余り。石垣島から高速船で1時間程度の距離なので、航空路線を維持する経済的理由はないのでしょう。
 超小型機は、ジェット機のように数千メートルの上空まで上がらず、比較的低い所を飛びます。だから窓から眺める沖縄の海はとても美しく見えました。アイランダーなんか全席「窓側席」だし。
 本当に残念です。



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