2016年9月18日日曜日
リゾートと隣り合わせの神事 竹富島のゆーんかい
竹富島に伝わる神事、「ゆーんかい」。「世迎い」と書きます。
神々は、五穀豊穣をもたらすため、遙か彼方にある神の国から竹富島にやってきて、乗ってきた船のとも綱を、ここにある「ニーラン石」に結び付けて上陸したと伝えられています。
旧暦8月8日、この場所で神を迎える儀式、「ゆーんかい(世迎い)」が行われます。
神司(かんつかさ)が、神迎いの歌を歌い、五穀豊穣を祈願します。
こちらがニーラン石。
NHKと、福岡にあるRKB毎日放送のカメラマンが取材に来ていました。
見学する名古屋の女子大生達。文化人類学を学ぶゼミの合宿だそうです。
神司の案内で、神様が島内を廻ります。
これを集落の人が、歓迎の踊りを踊りながらお迎えします。
最後は、「長者の地(ふーじゃぬくみ)」にある、「幸本御獄(こんとぅおん)」に神様をご案内します。
竹富島は、伝統建築・文化を守るために、島人が自らに様々な制約を課しています。
建物は平屋で赤瓦の屋根を葺く、塀はサンゴ石灰岩の野面積みとする、道には海から運んだ白砂をまく、樹木は伐採せず植栽に努めるなど。
それだけでも大変なことですが、加えて、島には、大小合わせて、年間24回もの祭事があるそうです。祭事は、数日続くものもあります。もちろん事前の準備も必要です。それを毎年こなしていくのですから、生半可な覚悟では勤まりません。
もちろん、金も掛かりますが、基本的に島人が負担します。
一方、竹富島は、年間約50万人もの観光客の訪れる観光の島、リゾートの島でもあります。
「ゆーんかい」が行われている最中にも、西桟橋で写真を撮る人達、コンドイ浜で泳ぐ人達が普通にいるわけです。
知らずに、迷い込んでしまった子供。
コーラルブルーの美しい海と、花咲乱れる伝統建築の集落があるリゾートアイランド。その隣り合わせで行われる数々の伝統の祭事。
竹富島の島人は、よそ者には俄に理解できないほど熱い情熱を注いで、島の伝統を守っているのです。
その日の夜のNHKのローカルニュースで、早速「ゆーんかい」が放映されていました。
竹富島では、以前からコンドイ浜隣接地にリゾートホテルを建設するという話が、現れては消え、消えては現れています。
これは、小耳に挟んだ、というレベルの話で、真偽のほどは確かめようもないのですが、そこの開発業者が、「竹富島は、観光で生業を立てているのに、何故ホテル建設に反対するのか。」という趣旨の発言をしたんだとか。
自分の勝手な憶測ですが、島人はきっとこう言うのではないかと思うのです。
「あんた達が、オレ達と一緒になって島の伝統を守るなら、賛成するよ。」って。
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