2017年4月22日土曜日

石垣島が断トツ! 沖縄離島観光の実態とは? Ⅱ




 前回に引き続き「沖縄の離島観光に関する意識調査」からです。

 ちょっとややこしいのですが、

 過去3年間に少なくとも1回は国内旅行に行ったことのある、
 沖縄県以外に住む人で、
 その中で過去沖縄離島に行ったことのある191人を対象に、
 直近の沖縄旅行(離島とは限らず)について、

聞いた結果です。


行った先は
本島 47.6%
離島 52.4%

 ほぼ半々でした。


宿泊数は
3泊4日 41.9%
2泊3日 23.6%
4泊5日 15.2%
5泊以上 14.7%
1泊2日  4.7%

 2泊3日・3泊4日で全体の約2/3を占めています。ここまでは予想の範囲内。1泊2日の弾丸旅行は5%未満でした(当然か・・・)。
 

 ところが、費用はというと・・・ 

沖縄旅行の単価は
5万円~ 7万円 28.8%
3万円~ 5万円 22.5%
7万円~10万円 17.3%
10万円以上   23.6%
3万円未満     7.9%

 これはちょっとビックリ (O_O) です。単価としか説明がないので、旅行費用の何処まで含まれているか分かりませんが、それにしても安い!
 全体の約6割が7万円未満です。

 本島のみで、格安航空券を買って安宿に泊まっても、3~4日の旅で5万円を切ることは相当厳しい。食事代・飲み代のほか、移動にかかる費用(船・バス・モノレール・レンタカーなど)が結構バカになりません。
 ということは、やはり、ツアー利用者が多いということですね。それも、フリーツアーではなく、オール込みのパックツアーでなければ、こうは行かないはず。

 それにしても、旅行費用が3万円未満が7.9%も。

 どこでそんなの売ってるの~ おしえて~!




満足度
期待以上      24.1%
期待どおり     58.1%
どちらとも言えない 16.2%
やや期待外れ     1.0%
全く期待外れ     0.5%

 これまたビックリ! なにこの異常に高い満足度は。期待外れは、わずか1.5%。この数字はもう変わり者の域ですな。
 沖縄の皆さま。多いに自信を持ってください。


 最後は、沖縄離島に行った行かないに拘わらず、沖縄離島に関心があるという人786人の回答です。

沖縄離島旅行に対する期待(複数回答)
のんびりした贅沢な時間 60.3%
海の美しさ       58.1% 
食べ物         41.1%
海以外の自然      40.2%
沖縄固有の伝統文化   35.2%

 う~ん。トップになった「のんびりした贅沢な時間」とは何を意味するのでしょうか。
 実際に、何もしない、ダラダラと何時までも寝ている、なんて人は、ほとんどいないでしょう。皆、時間を惜しんで動き回ります。まして、ツアーだと色々な場所を効率よく廻るため、時間にはシビアなはず。
 それでも、実際に行った人は、ほとんど皆満足しているわけですし。

 離島=のんびりというのは、刷り込まれたイメージなんですかね。
 


 調査結果については以上ですが、この資料には、離島観光の促進に向けて、という分析結果が載っていて、その中に次のような記載がありました。

 「今次アンケートからは、シニア層は旅行単価が比較的高く、 離島旅行への抵抗が少ないとの結果がでている。他の年代層に比べて時間や金銭的に比較的余裕があり、これからの超高齢化社会のターゲットとしても有望な層である。さらに、アンケート結果では、シニア層の旅行志向 は夏期、週末のピーク時を外した時期が好まれる傾向にあり、狭小がゆえにキャパシティが小さく混雑等の負荷 を受けやすい離島にとっては、好適なターゲットである。」

 大変失礼とは思いますが、この件に関して、当ブログとしての意見を思いっきり言わせてもらいます。
 
 要するに、年寄りは、金と時間があり、暑い夏と混雑する週末は避けて旅行したがるから、格好のターゲットだと言いたいわけですよね。
 これは、沖縄のことをよく知らない調査会社が、無難な一般論でまとめたものだとしか思えません。

 沖縄の離島に、オフシーズンに楽しめるものって何かありますか?
 温泉はありますか? 国宝や重要文化財はいくつありますか? わざわざ行ってでも食べたい名物料理はありますか?
 
 のんびりした時間を過ごしたいのは、日頃時間に追われる生活をしているから。ピークを外して好きなときに旅行に行ける世代に、何もせずのんびりできますよといって、喜ばれると思っているのでしょうか。

 天気の悪いオフシーズンでも最大限集客できるように、工夫に工夫を重ねた上で出来上がったシステムが、八重山4島巡りツアーじゃないのですか。


 
 この頃、段々と分かってきたことがあるのです。

 もし、沖縄の冬が、関東地方の冬のような晴続きなら素晴らしいですよね。内地の真冬に行けば、日中20度前後の気温で、青空の下に咲き乱れるハイビスカスや、輝くの海を眺められるなら、これはもう天国でしょう。

 でも、世の中そう上手くいきません。沖縄の冬は風が強く、雨や曇りの日がほとんど。海は、コーラルブルーをなかなか見せてくれません。

 沖縄らしい海を見たければ、南国沖縄に、敢えて夏の暑い時期に旅立たなければなりません。ところが、この時期は台風のリスクと隣り合わせ。

 実は、沖縄は観光地としては結構めんどくさい場所なんです。

 でもね、だからこそみんな行きたくなるんじゃないですか?

 夏休みなんて、宿も航空券も高いしも予約も取りにくい。夏休み期間中は外して、7月初めや9月に行こうと思っても、皆同じことを考えるから、思うように予約が取れる訳ではない。もう少し外して10月くらいに行ってみると、夏のようにスッキリ晴れてくれない。
 やっとの思いで休みを取り、散々探して宿と航空券を予約したのに、行ってみたら、台風まで同伴しちゃった。なんて。

 簡単に達成できないからこそ、ベストコンディションの沖縄の光景に遭遇できたときに、ああ来てよかった、また来たい、何度でも来たい、そう思うのではないでしょうか。

 金さえ出せば、いつでも行って、いつでも楽しめるというわけではないのです。そこに気が付いた人達が、取り憑かれたように沖縄旅行を繰り返すのではないでしょうか。何処かの誰かのように・・・笑
 


 2回に渡って、「沖縄の離島観光に関する意識調査」についてみてきました。

 改めて、色々と勉強になりました。また、考えさせられることも多く、有意義な資料です。

 この資料の存在を教えてくれた、ハンドルネーム、 ドクターリトーさま。ありがとうございました。


 元の資料はこちら。
 「沖縄の離島観光に関する意識調査」平成29年3月17日
 http://www.okinawakouko.go.jp/userfiles/files/autoupload/20170317_ritokanko_03.pdf

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