2021年10月13日水曜日

陸路では行けない 西表島の秘境船浮2021




 同じ島の中にあるのに、道路が通じていないため船でしか行くことが出来ない秘境の集落。西表島の船浮です。

 感覚的には、離島に行くのと同じです。


 タイトルの「2021」は、過去に当ブログで紹介したことのある場所を、今年撮った写真と共に近況をお伝えする企画です。





 コロナのせいで、八重山の島々では水際作戦を徹底しているところも多く、離島の中の離島みたいな船浮は、ちょっと敷居が高いのかと思っていました。

 9月でしたが、行くのを迷い、取り敢えず船の発着場である白浜まで行ったところ、船の減便も、「来訪を遠慮してくれ」的な掲示も一切なく、ほかの観光客も普通に船に乗船しているので、自分も行くことにしました。

 着いてみると、コロナ以前と何も変わらない光景が広がっていました。



 地域の命綱、船浮海運の「ふなうきまる」。
 県などが出資する、沖縄県離島海運振興株式会社という第三セクターの会社が保有し、貸し付けています。




 陸続きなんだから、道路を造ればいいじゃないかと言う人もいますが、そういうわけにもいかないのです。

 現在の道路の終点である白浜から船浮までは、入り組んだ湾と崖が海に迫った複雑な地形のため、道路建設は大工事になります。
 人口は約50人。そのために、何百億円かかるか分からない道路を、おいそれとは造ることはできません。



 そのおかげで、一つの小さな島のようなエリアが形成されました。
 綺麗な海以外には何もない、感覚的には、同じ人口の鳩間島よりもっと秘境感が漂う場所です。


 集落内の道路。軽トラがやっと入れる程度の幅です。




 上の川(ういぬかー)。川ではなく井戸です。
 ここの水は、貴重な飲み水として利用されただけではなく、体にいいとされ、ここで水浴びをすると若返るのだとか。




 このトンネルは、戦時中に造られたもの。いわゆる防空壕ではなく、旧日本海軍が造った特攻艇の秘密基地に通づるトンネル。

 船浮は、秘境ですが、その分目立ちにくいことや、島々に囲まれ海が荒れにくいことから、海軍も注目していたそうです。

 現在、立ち入り禁止ではないそうですが、崩落が進んでおり中に入るのは危険です。




 1974年にこの地で、彼の有名なイリオモテヤマネコが発見された!?とされていたのですが、実は、既に別の場所で生体が捕獲されていました。




 集落から10分ほど林の中を歩くと、イダの浜という美しい海があります。

 イダの浜については、改めてご紹介しますが、数年前、小さな民宿しかないこの地に、80室もあるホテルが開業予定と業界紙に広告が出され、騒然としたことがありました。
 しかし、完成予定の2019年になっても、形跡すらありません。



 ここは集落の外れ。歩いて行ける船浮の終点です。



 その堤防を越えると、西表の美しい海が広がっていました。何もない、海以外には本当に何もない、日本の秘境です。





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