2022年7月23日土曜日

黒島が秘境の観光地になりつつある Ⅰ

 

 ここ数年、観光客が減って、どんどん不便になっている島があります。
 八重山諸島の黒島です。





 宮古・八重山諸島に通い始めて20年余。

 宮古島も石垣島も、周辺の離島も、観光客が増え、港が立派になり、駐車場が各地で整備され、ホテルや飲食店も増え、便利になった一方、よく言えば賑やかに、悪く言えば俗っぽくなってきました。

 黒島は、そうした流れに逆行するかのように、秘境の観光地へと突き進んでいるようです。

 数年前から、徐々にその傾向が見られたのですが、今年の夏は、いよいよ来ちゃった!?みたいな思いをお伝えします。
 


人が行かなくなった

 入域観光客数をみていきます。竹富町が公表している数字です。

竹富島
 ピークは平成25年の519,641人
 コロナ前の令和元年は、511,757人 昨年は156,435人

小浜島 
 ピークは平成28年の190,264人
 コロナ前の令和元年は153,373人 昨年は75,545人

波照間島
 ピークは平成29年の40,963人
 コロナ前の令和元年は38,212人 昨年は24,226人


それに対して黒島は、
 ピークが平成20年の42,072人
 コロナ前の令和元年は23,655人 昨年は11,562人


となっています。


 どこの島も、コロナ前までは順調に観光客が増えていました。この傾向は、石垣島、宮古島も同じです。

 そんな中で、黒島だけは、10年以上前にピークを迎え、以後観光客は減っています。
 令和元年(2019年)の数字では、竹富島の20分の1以下、波照間島にも大差をつけられています。




船の便数が減った

 コロナ前は、安栄観光+八重山観光フェリーの共同運航便が、1日5~6往復、それに加えてドリーム観光が2往復運航されていました。

 現在は、安栄観光と八重山観光フェリーが各3往復の計6往復。でも、両社同じような時刻に運航しているので、利用者からすれば、朝・昼・夕方の1日3往復と変わりません。

 
 これは、飛行機との連動でアクセスが不便なだけではなく、石垣島からの日帰り観光が、もの凄くしづらくなっています。


 当初予定では、7月20日から安栄観光が、10時台に1往復増便するはずでしたが、あちらさんの事情により中止となりました。




 (安栄観光の事情については、こちらから。)



食堂がほとんどお休み

 黒島港の待合室に掲示してある、お食事処の案内。
 島で昼ご飯を食べられるのは、ハートらんど、Cafe ICONOMA、テイクアウト専門のホリエSandの僅か3箇所しかありません。



 しかも、7月1日現在、Cafe ICONOMAも休業中。




 かつてあった、味処はとみ・Palmtree・牛汁の店南来(なんくる)・よねおじさんの家は、もう完全に閉店したようです。

 パーラーあーちゃんも、人手不足が理由とのことなので、ちょっと苦しいかも。

 かろうじて再開の可能性があるのは、うんどうやとCafe ICONOMA位でしょうか。


 約20年前、初めて黒島に行ったとき、お昼ご飯が食べられるのは、当時あったホテルのレストランのみだったのですが、20年経ってほぼ同じ状態に戻ってしまいました。



 ちなみに現在、黒島の宿は、民宿6軒と一棟貸しの古民家1軒だけです。



 7月1日現在、島唯一の食堂、Cafeハートらんど。港のすぐそばです。



 店内に10席ほどと、テラスに数席の小さな店ですが、観光客も、工事などで来島している人もここに殺到します。

 特に、ここで食事をして13時台の船に乗ろうとする人で、昼時は混雑します。

 店主によれば、時間との闘いだそうで、船の時間を聞き、船に乗らない人にはお願いして、船に乗る人を優先することもしばしばだとか。



 ハートらんどのメニューです。そばやカレーなどのほか、スイーツやドリンクも充実しています。



 店主のイチ押し「アイスクリームの天ぷら」800円也。

 天ぷらと言うよりは、アイスクリームのホットサンドみたい。
 結構ボリュームがあり、恐らく、八重山そばと同じくらいのカロリーが・・・ 笑




 行く人が減るから不便になる。不便になったから人が行かない。

 そういう循環だと思うのですが、何が理由でこうなったのか、よく分かりません。特に、近くの他の島は観光客が増えているだけに謎です。





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