2023年4月29日土曜日

沖縄グルメⅢ 食べるべきはB級グルメ


 
 ワープニ汁(豚の骨汁)。肉がこびり付いたままの豚の骨を、野菜と共に煮込んだものです。
 


 一見もの凄いボリュームですが、大半は骨です。旨いのはスープ。そして、何といってもそれで煮込んだ野菜は絶品です。

 豚は、鳴き声以外は全部食べると言われる沖縄では、豚肉の扱いには一日の長があります。

 店に入ってそばを注文したら、後から来た島人達が、次々にこれを注文したので、きっと旨いのだろうなと思い、次回にチャレンジしたものです。

 食べにくいし、手は汚れるしで大変でしたが、本当に旨かった。ご飯が付いて700円でした。

  

 沖縄では、これといった名物料理があまりありません。

 でも、関係者は「沖縄には大して旨いものはありませんから」なんて口が裂けても言えないので、色々盛ってPRするのです。

 それに乗って、言われるままに店に並んで言われるままに食べるのは、なんかしゃくに障りませんか。


 それで、決して高級じゃないけれど、沖縄限定という訳でもなさそうだけど、でもやっぱり沖縄らしくて、それなりに旨い、「沖縄B級グルメ」を探索しようと思って。


 以下、ホンの一例ですが、自分で食べて意外に旨かったもの(で写真を撮っておいたもの)をご紹介します。



 イカ墨焼きそば

 焼きそば以外にも、イカ汁とかイカチャーハンなど、イカ墨料理を沖縄ではよく見かけます。

 イカ墨は、トロッとした口当たりで、ビタミンB、ビタミンEほかミネラルもたっぷり含むので、酒の〆にもいいと思います。

 イカ墨は、何処でも手に入るはずですが、沖縄ほどイカ墨を食べる県はあまりないのでは?
 ただし、食べ終わった後は、唇や歯が真っ黒になるのでご注意を。



 ゴーヤチャンプルーポーク玉子丼?

 これは、もうC級グルメですが、しょうもなく旨かった。笑

 半熟の卵の黄身を突き崩して食べると、卵かけご飯風であり、ポークとの絡みはベーコンエッグ風でもあります。
 ゴーヤチャンプルは、箸休めであり、ちゃんと野菜も採っているという免罪符でもあります。

 これは沖縄の人にしか考えつかない組み合わせです。



 ゆし豆腐そば

 食べているうちに、固まりきっていないゆし豆腐から大豆の甘みが染み出て、スープがまろやかになっていきます。
 三枚肉の塊を脇役に追いやってしまいます。



 オオタニワタリ巻!

 何と、あの着生植物のオオタニワタリの葉です。

 オオタニワタリは、新芽をお浸しにして食べることはあるそうですが、ここでは巻物になっていました。
 ちょっと粘り気のある適度な歯ごたえで、酢飯によく合います。これを考えついた人は凄い。



 ラフテー

 皮付きの豚肉をトロトロと長時間煮込んだものです。煮込むことで油が抜け、皮がぷりぷりの食感になります。

 代表的な沖縄料理ですが、手間暇がかかります。旨さ=手間のかけ方といっても間違いありません。B級グルメを超えた、B++級。
 豚の三枚肉を厚めに切って甘辛く煮ればラフテー、というわけではありません。



 掟破り!のキーマカレー生マンゴートッピング 

 これは、意表を突かれました。
 マンゴーカレーと聞いていたので、ルーにマンゴーを加えて甘みを出したのかと思っていたら、ドーンと生マンゴーが。
 この場合のマンゴーは、辛み旨味を引き立てる、最高級の薬味です。



 木灰そば

 沖縄そばのなかでも、昔ながらの製法で麺を打つのが木灰そばです。

 木灰(もっかい)そばとは、かん水の代わりに、ガジュマルなどの灰を水に溶かした上澄み液でそばを練るもので、独特の腰が特徴です。

 手間がかかっているはずですが、特段高いというわけではありませんでした。
 


 島バナナ

 ねっとりした食感と微かな酸味が特徴の小さなバナナです。

 沖縄ではよく見かけますが、収穫までに時間がかかる上、台風に弱いため、農作物として商業ベースには乗りにくく、探してもなかなか買えません。

 その一方、台風さえ免れれば、植えっぱなしでも育つため、庭で採れたからと島人からお裾分けをいただいたりもする、沖縄B級フルーツの代表格です。



 ドラゴンフルーツのシャーベット

 赤肉のドラゴンフルーツを搾って、何も加えず、そのままシャーベットにしたそうですが、こんな上品な色に仕上がりました。

 甘すぎない、大人のデザート?




 自分が沖縄好きだと知ると、「ソーキそばって美味しいですよね ♪」なんて話しかけてくる人がいます。

 「何でソーキそば限定?」「ていうか、本当に旨かった?」「沖縄にはあまり旨いものはないんじゃね。」「沖縄で旨いというのは、調理が上手いということだし。」「あ、でもマンゴーは別。」

 みたいな妄想が、頭の中でぐるぐる回ります。


 かねてから思っていた、いわゆる沖縄グルメに関する自分の思いを、ブログにぶつけてみたのですが、どのような感想を持たれたでしょうか。





 その地域ではありふれた素材を丁寧に調理したり、思いがけない素材を組み合わせることで創り出された旨いものがあります。

 それをB級グルメだとするならば、沖縄には無名のB級グルメが沢山あります。

 それは一流シェフのいる高級ホテルでなくても、普通の民宿や食堂で食べることができるものです。


 もちろん、これは沖縄に限らないと思いますが、トラフグや越前ガニや大間のマグロのような絶対王者がいない沖縄では、そんなB級グルメを探求するのは特に楽しいと思うのです。 





 沖縄に行ってガイド本に載っている有名店に並んで、迷わずソーキそばを注文して、「あぁ美味しかった」と満足して帰るのも、それはそれでいいと思います。
 外野が知ったかぶりしてとやかく言うことではありません。


 でも、自分のようなひねくれ者の意見に賛同していただける人は、良さげな店にパッと入って、直感で旨そうなものを注文しちゃったらどうでしょうか。

 沖縄B級グルメを堪能するには、金はあまり必要ありません。必要なのは、多少の好奇心と若干の行動力、そして何より自分の舌で味わって判断することです。


 島の人がやっている店なら、大きく外すことはないと思います、それが沖縄というところです。





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